2011/6 EFSF拡充を決定
7/21 ギリシャ向け第2次金融支援
10/10 デクシア、解体を決定
10/11 スロバキア議会、EFSF拡充案に反対
10/13 スロバキア議会、EFSF拡充案を承認、全メンバー承認で成立
10/15 EU、ギリシャ債務半減を検討 
10/27 EU、「包括戦略」で合意
10/31 パパンドレウ首相 国民投票の意向表明
  MFグローバル・ホールディングス Chapter 11申請
11/3 パパンドレウ首相 国民投票撤回
11/4 G20首脳宣言
11/5 ギリシャ国会 パパンドレウ政権信任

 

ESFS 

European Financial Stability Facilityの略称

2010年5月にギリシャ危機が急速に高まったことから、EUの27の加盟国により、財政危機となって自国の国債で市場から資金調達ができなくなったユーロ圏諸国の救済(資金支援)を目的として設立された基金。日本語では「欧州金融安定基金」とも呼ばれている。

 総額7500億ユーロもの規模の融資が可能であり、その資金の拠出の内訳は以下である。

 EFSF 最大4400億ユーロ
 IMF(国際通貨基金)2500億ユーロ
 ESM(欧州安定メカニズム) 600億ユーロ

各国が負担する債券に対する保証の額は以下の表のとおりとなっている。(青字はAAA格付け)

  保証負担額
(100万ユーロ)
比率 拡大後
オーストリア 12,241 2.78%    21,639
ベルギー 15,292 3.48% 27,032
キプロス 863 0.20% 1,526
エストニア   1,995
フィンランド 7,905 1.80% 13,974
フランス 89,657 20.38% 158,488
ドイツ 119,390 27.13% 211,046
ギリシャ 12,388 2.82% 21,898
アイルランド 7,002 1.59% 12,378
イタリア 78,785 17.91% 139,268
ルクセンブルグ 1,101 0.25% 1,947
マルタ 398 0.09% 704
オランダ 25,144 5.71% 44,446
ポルトガル 11,035 2.51% 19,507
スロバキア 4,372 0.99% 7,728
スロベニア 2,073 0.47% 3,664
スペイン 52,353 11.90% 92,544
合計 440,000 100% 779,783
AAA 6か国 255,439   451,540

 このように各基金から巨額の資金を拠出するわけなのだが、EFSFの資金である4400億ユーロについては、ユーロ圏加盟国政府の保証の元にEFSF債を発行して市場から資金を調達している。その際に各国の保証額はECB(欧州中銀)に対する出資の割合で決定されていて、ほぼ各国の経済規模に比例した物となっている。

 EFSFによる資金支援が行われる際には以下の手順を踏むことになる。

1.ユーロ圏の国による支援要請を受ける
2.欧州委員会と国際通貨基金により当事国の計画を協議する
3.協議の結果、ユーログループの全会一致でその計画が承認される
4.覚書に署名がなされたうえで資金支援を開始する

 つまり、支援を要請した当事国が受け入れることのできる金利で市場から資金の融資を受けられなくなった場合になり、はじめてESFSの機能が活用されるということである。

 EFSFは欧州中央銀行による借り換えに適した状態とするために、発行債券に格付け機関から AAA 評価を受けることを企図し、2010年9月にフィッチ、ムーディーズ、スタンダード&プアーズからAAA 格付けを与えられることに成功。
 これによりEFSFは容易に資金調達ができるようになり、格付けの概観では「安定的」とされた。
 
 しかし、現在では、保証割合2位であるフランス(1位であるドイツの29%に続きフランスは22%)の格下げが取り沙汰されていて、EFSF債の格下げの可能性も出てきていている。

 ESFSによる財政支援が実行されなかった場合には、ESFSは発足から3年が経過した2013年6月30日でもって終了することになっている。財政支援が実行された場合には、ESFSは最後に発行された債券が全額償還されるまで存続することになっている。

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EFSF強化

2010 年5 月に設立されたEFSF はユーロ圏各国の政府保証を受けて4400 億ユーロの債券発行が可能だが、最上級の格付けを維持するためには、そのうち2550億ユーロしか貸し出すことができない。今回、EFSF の融資可能金額を4400 億ユーロに引き上げることを目的に、ユーロ圏各国が政府保証をつける金額が7800 億ユーロに引き上げることとなった。
 

AAA 6か国 従来の2,500億ユーロから4,400億ユーロに拡充
ドイツは年間国家予算の3分の2に匹敵する2110億ユーロの巨額の保証を負担することになる。

EFSF強化の柱は、
@.危機国への融資能力を4400億ユーロに増強する。

A.流通市場での国債買い支え機能追加―など。ドイツは拡充後、年間国家予算の3分の2に匹敵する2110億ユーロの債務保証を同基金に付与する。

2013 年半ば以降、EFSF を引き継ぐことになるESM(欧州安定化メカニズム:欧州版IMF)の規模についても合意された。
自己資本が800 億ユーロ、政府保証分が6200 億ユーロの計7000 億ユーロで、5000億ユーロの貸出が可能とされている。財政懸念国の資金繰り支援に関しては支援体制が一歩増強されたことになる。
 

 

EFSFはすでに欧州の銀行の資本増強向けに最高1000億ユーロを、またギリシャ、アイルランド、ポルトガル向け支援に約1000億ユーロを充てることにしている。