ごまめの歯ぎしり  メールマガジン版  
              衆議院議員河野太郎の国会日記   2008/4/1
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福田総理は、平成21年度から道路特定財源を一般財源にするとおっしゃったが、財務省主税局曰く、道路特定財源の根拠法は3月31日で失効しているので、今日、この時点では揮発油税は法律的には特定財源となる根拠がなく、すでに一般財源になっている。

国土交通省が提出した、悪名高き道路特定財源を10年続ける法案が成立しない限り、平成20年度から揮発油税他は一般財源だ。

ということは、租特法を再議決すると、暫定税率が復活したままの状態で、一般財源化したことになる。

ただし、国土交通省の悪法案には、地方への道路整備臨時交付金の根拠や自治体への無利子貸し付けの根拠が入っているので、法案が成立しないと、自治体にの財政には穴があく。

だから、国土交通省が出している(すでに衆議院を通過した)法案を取り下げて、道路特定財源にする部分を除いて、地方への臨時交付金など地方財政に関する根拠だけを入れた新法案を提出し直し、この新法が成立した時点で、一般財源化および地方への財政的な手当は終わるということになる(財務省主計局談)。

自民党の道路族のなかには、福田さんに一般財源化なんてできるものかと言っている人がいるようだが、むしろ特定財源にしようと思ったら、国土交通省の法案を再議決せねばならず、それは我々近衛部隊が反対すれば、可決できない。

だからむしろ民主党も賛同できるような炭素課税的な環境税を導入し、税収をきちんと確保できれば、再議決で揮発油税の暫定税率を上げるなどしなくてもよいのだ。

知恵のだしどころですぞ。

 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案の概要 

  1. 趣旨
     「道路特定財源の見直しについて(平成19年12月7日政府・与党合意)」を具体化するため、以下について所要の法改正を行う。
  2. 概要
    (1)題名
    「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」に改める。
    (2)道路整備費の財源の特例の適用期間の延長等
    @  道路整備費の財源の特例措置の適用期間を10年間延長し、平成20年度以降10箇年間とする。
    A  道路整備費の財源の特例措置に関し、揮発油税等の収入額の予算額に相当する金額を毎年度道路整備費に充当する措置を改め、その予算額に相当する金額が各年度において道路整備費の予算額を超える場合には、必ずしも当該年度の道路整備費に充てる必要はないものとする。
    B  地方公共団体に対する道路の改築に関する国の負担又は補助の割合の特例措置の適用期間を10年間延長し、平成20年度以降10箇年間とする。
    C  国が地方公共団体に対して毎年度地方道路整備臨時交付金を交付する措置について、当該交付金の対象事業に一般国道の改築又は修繕に関する事業を追加するとともに、その適用期間を10年間延長し、平成20年度以降10箇年間とする。
    (3)地方道路整備臨時貸付金の貸付制度の創設
    国は、地方公共団体に対し、当該地方公共団体が負担する道路整備事業に要する費用に充てる資金等の一部を無利子で貸し付けることができることとする。また、地方道路整備臨時貸付金の貸付けの決定は、平成25年3月31日までの5箇年間に限り行うことができることとし、当該5箇年間で5,000億円を限度とする。
    (4)高速道路利便増進事業のための一般会計における独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)の債務の承継
    ・@  政府は、次に掲げる事業のために機構が高速道路会社に対し高速道路貸付料の額の減額を行う場合に、機構の業務が確実かつ円滑に実施されるために必要な措置として、機構の債務を承継する。
       1)スマートインターチェンジ等の整備に関する事業
       2)高速道路の料金の引下げ措置
    A  @による債務の承継は、平成21年3月31日までに、機構及び高速道路会社が高速道路利便増進事業に関する計画を作成し、国土交通大臣に協議し、その同意を得た場合に行う。
    B  政府が承継した機構の債券につき、国債に関する法律の適用等の措置を講ずる。
    (5)その他
    地方道路整備臨時交付金及び地方道路整備臨時貸付金の経理に関し、特別会計に関する法律の改正等所要の措置を講ずる。
  3. 閣議決定日
     平成20年1月23日(水)

 


    租税特別措置 地方
道路配分 19年度 道路配分 19年度
揮発油税   24.3円/kl 暫定 48.6円/kl 全額   28,449億円  ー  ー
地方道路税
(揮発油税と併課)
   4.4円/kl 暫定  5.2円/kl  ー  ー 58/100 都道府県・指定都市
42/100 市町村
  3,072
石油ガス税   17.5円/kl   1/2    140 1/2
都道府県・指定都市
   140
自動車重量税 乗用車の場合
 2,500円/0.5t
乗用車の場合
暫定 6,300円/0.5t
2/3x0.8   5,549 1/3
市町村
  3,599
軽油引取税   15.0円/kl 暫定  32.1円/kl  ー  ー 都道府県・指定都市  10,360
自動車取得税    3% 暫定 
乗用車は 5%
 ー  ー 3/10 都道府県・指定都市
7/10 市町村
  4,855
合計         34,138    56,164

根拠法等

 

    道路財源であることの根拠 本則税率 暫定税率
揮発油税 道路整備費の財源等の特例に関する法律 第3条第1項 揮発油税法 第9条 租税特別措置法 第89条第2項
石油ガス税 石油ガス税法 第10条  
自動車重量税 税創設の経緯等から特定財源 自動車重量税法 第7条第1項 租税特別措置法 第90条の11第1項

地方道路税

地方道路譲与税
地方道路税法 第1条地方道路譲与税法 第8条 地方道路税法 第4条 租税特別措置法 第89条第2項
石油ガス譲与税 石油ガス譲与税法 第7条 石油ガス税法 第10条  
自動車重量譲与税 自動車重量譲与税法 第7条 自動車重量税法 第7条第1項 租税特別措置法 第90条の11第1項
自動車取得税 地方税法 第699条 地方税法 第699条の8 地方税法附則 第32条第2項
軽油引取税 地方税法 第700条 地方税法 第700条の7 地方税法附則 第32条の2第2項

道路整備費の財源等の特例に関する法律

(道路整備費の財源)
第3条 政府は、
平成15年度以降5箇年間は、毎年度、次に掲げる額の合算額
(当該年度の前々年度の揮発油税の収入額の予算額の全額及び石油ガス税の収入額の予算額の2分の1に相当する金額の合算額(以下「揮発油税等の収入額の予算額」という。)が同年度の揮発油税の収入額の決算額の全額及び石油ガス税の収入額の決算額の2分の1に相当する金額の合算額(以下「揮発油税等の収入額の決算額」という。)を超えるときは、第1号に掲げる額から当該超える額を控除した額)
に相当する金額を道路整備費の財源に充てなければならない。
 1.当該年度の揮発油税等の収入額の予算額
 2.当該年度の前々年度の揮発油税等の収入額の予算額が同年度の揮発油税等の収入額の決算額に不足するときは、当該不足額

 

自動車重量税

○福田国務大臣(S46.5.14、衆・連合審査会)
 いま道路の整備状態が先進国に比べますと非常に立ちおくれておる。これの整備を急ぐ必要がある。そのために道路五箇年計画を立てました。ところが五箇年計画では、在来の財源をもってしては五箇年間に3,000億円の不足を生じます。………
道路を損壊し、また道路がよくなりますればその利益をこうむる自動車の使用者にその負担を求める、これはまず国民から御納得のいくようなことではあるまいか、さように考えまして自動車重量税を創案いたしました。これが私の説明でございます。

○中川政府委員(大蔵政務次官)(S46.5.12 衆・大蔵委員会)
 今回の税制であります税額は5,000億でございます。そのうちの4分の1の1,250億は地方へお渡しするわけでありますから、国に残りますのは約3,750億ということになります。その中で道路に振り向けなければならないものは約3,000億と見込まれてございます。したがって、道路以外の社会資本の充実に振り向けられる額は750億ということに相なります。
(3,000/3,750=0.8)


地方道路税法

第1条 都道府県及び市町村(特別区を含む。)に対し、道路に関する費用に充てる財源を譲与するため、揮発油には、この法律により、地方道路税を課する。