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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
最新分は http://blog.knak.jp
アルジェリアは天然ガス生産量でアフリカ最大で、世界でも9位。石油もアフリカ2位の生産国。
なかでも天然ガスは地中海の海底パイプラインでイタリア、スペインに送られており、欧州の経済を支えている。
2010年のイタリアの天然ガス輸入でアルジェリア産は37%、スペインでは33%を占める。
今回の事件で一部の欧州系石油大手は従業員の避難を指示した。
原油・ガスの生産、輸出が滞るのは必至で、消費国にも打撃を与える可能性がある。
2013/1/17 速報 アルジェリアで日揮従業員らを拘束
アルジェリアの原油、ガスはいずれも内陸部にある。
原油とガスはパイプラインで沿岸部に送られる。
パイプライン詳細マップ http://www.sonatrach.com/en/PDF/transport_par_canalisation.pdf
ガスはLNG、LPGにして出荷されるとともに、ガスのままでパイプラインでイタリアとスペインに輸送される。
付記
日揮は2016年12月8日、アルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック)がハッシルメル地区において操業するガス処理プラント向け分離・昇圧設備の増設プロジェクトを受注したと発表した。1200億円。
製油所は4か所にある。
年間能力 増設中 Algiers 2,700千t → 3,450千トン Skikda 15,000千トン →16,500千トン +5,000千トン Arzew 2,500千トン → 3,800千トン Hassi Messaoud 1,100千トン 他に、Biskra、Tiaret、Ghardaia、Hassi Messaoud の4か所に、各500万トンの製油所建設計画がある。
ガス処理設備は以下の通り。
既存 増設中 LNGコンプレックス
(輸出用)Arzew 3基 年間440億m3 1基 470万トン Skikda 1基 1基 450万トン LPGコンプレックス Arzew 2基 年間10.4百万トン
欧州向けのガスパイプラインは2本が稼働中で、2本が建設中。(付記 建設中であった2本が完成、4本が稼働)
他に、ナイジェリアのガスをこれらのパイプラインで欧州に輸出するために、ナイジェリアとアルジェリアを結ぶパイプラン建設の計画がある。
1) Trans-Mediterranean Gas Pipeline
Hassi R' Mel 大ガス田の天然ガスを、イタリアへ供給するガス・パイプラインで、チュニジアを通過し、地中海を渡り、シシリー島、メッシナ海峡、バグナラ、ローマを経由し、イタリア北西部のラ・スペチアまでの全長 2,800km にも及ぶパイプライン。
Sonatrach(アルジェリア国営石油会社)、チュニジア、ENI の分割所有となっている。
1984 年 6 月に、年間120 億m3、25 年間の供給が開始された。
2)Galsi Pipeline(建設中)
アルジェリアのEl Kalaから地中海をSardinia島を経由してイタリアのCastiglionne Della Pescaiaまで結ぶ。
3)Maghreb
Burrop Gas Pipeline (MEG)
アルジェリアからモロッコを経由し、スペインと結ぶ。
4)Medgaz Pipeline(建設中)
アルジェリアのBeni-SafからスペインのAlmeriaまで地中海の深さ2160mの海底200kmを結ぶ。
新日鉄住金と三井物産は共同で、高強度・深海用途UO鋼管(大径溶接鋼管)を受注した。
5)Trans-Saharan Gas Pipeline(TSGP) (計画)
ナイジェリア〜ニジェール〜アルジェリア間の総延長4300kmのパイプラインを建設し、ナイジェリアのガスをアルジェリアから欧州向けパイプラインを経て欧州へガス輸出しようというもの。
ーーー
石油化学
Sonatrachの子会社 ENIPがSkikdaにエチレンコンプレックスを持っている。
エチレンは東洋エンジニアリングが1978年に120千トンプラントを完成させた。(現在は220千トンに増強)
付記 1972年に三井東圧がVCM、PVC技術を輸出
誘導品は以下の通り。 | ||
VCM | 40千トン | |
PVC | 35千トン | |
LDPE | 48千トン | |
HDPE | 130千トン | |
可塑剤 | 70千トン |
Sonatrach とフランスのTotalは2007年12月、アルジェリアのArzew での石油化学コンプレックス建設の基本契約を締結した。
南アルジェリアのガス田のガスを原料に、Arzew に 140万トンのエタンクラッカーを建設、年産110万トンのエチレン、2系列合計80万トンのポリエチレン、55万トンのMEGを生産する。製品は一部国内市場で販売、大部分は輸出する。
2007/12/10 アルジェリアの石油化学計画スタートへ
しかし、この計画は、原料エタンをHassi R’meil のガス田から送る予定であったが、エタンの輸送に問題が生じ、遅れている。
その間にアルジェリアで「51/49
法案」が成立し、JVでアルジェリア側が51%を占めることが必要となった。
このため、新たにQatar Petroleumの出資を求め、出資比率を以下の通り変更した。
当初 変更後 Sonatrach 49% 51% Total 51% 39% Qatar Petroleum ー 10%
現在の事業計画は以下の通り。
エチレン 110万トン LLDPE 45万トン HDPE 35万トン MEG 41万トン
アルジェリアの第二の石化プロジェクトはメタノール計画で、同じくArzewに年産100万トンプラントを建設するもの。
国際コンソーシアムのAlmet
(Algerian Methanol Company) が
51%、Sonatrach
が 49%
出資する。
(これも出資比率が問題になっている)
Almet consortium のメンバーは、Kuwait のQurain (Dow/PICのEquate に出資する民間会社)、ドイツのLurgi、TrinidadのPPSL、日本の三井物産、アルジェリアのSotraco である。
2013/1/22 Dow Chemical の独禁法違反裁判、始まる
Kansas Cityの連邦裁判所で1月16日、Dow Chemical の独禁法違反裁判が始まった。
問題の製品はPolyether Polyol
製品で、酸化プロピレン系のポリエーテルポリオール、MDI、TDI、MDI-TDIブレンドなど。
1999年〜2003年の市場が危機的な状況の際に、Dow Chemical、Bayer、BASF、Huntsman、Lyondellの各社が価格カルテルを結んだとして米国の需要家が集団訴訟を行った。
これに対して、Bayerは2006年に、違法行為はなかったとしながらも、和解し、55百万ドルを支払った。
2011年に、Huntsmanは同様に和解し、33百万ドルを、BASFも同様に51百万ドルを支払った。
破産処理中のLyondellも和解した。
各社はいずれも違法行為はなかったとしている。
Dow Chemicalだけが、違法行為はなかったとし、和解に応じなかった。
Dowは裁判開始に当たり、裁判所に対し、和解に応じた各社がいずれも違法行為はなかったとしていることを理由に、事実審理を省略する略式裁判で訴えを棄却することを要請した。
しかし裁判所は2012年12月18日、これを却下した。
裁判長は、原告側は陪審員が違法行為があったと考えるのに十分な直接的及び間接的証拠を提出しているとした。
直接的証拠には、価格協定を行ったとするDowの従業員の証言や、これを確認する競争相手の従業員の証言が含まれる。さらにいくつかの状況証拠もこの証言を裏付けているとしている。
裁判長は、これらの会議が別の理由による合法的な会議であるとのDowの主張を否定した。
裁判は6〜7週間かかると見られている。
原告側は被害額は10億ドルを超えるとみており、Dowが敗訴した場合、懲罰賠償で30億ドルを超える賠償額になる可能性がある。
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よく分からないのは、第一に、原告側が被害額は10億ドル以上といいながら、何故、少額で各社と和解したのかということである。
Lyondellの和解額は分からないが、4社合計で2億ドル以下と思われる。
第二に、他社がこの程度で和解したのであれば、何故、Dowは和解しなかったのであろうか。
各社と同様、違法行為はないが長期間の裁判を避けるためとして和解すれば、なんら問題は起きなかったと思われる。
日本触媒は1月21日、9月29日の事故の中間報告を発表した。
日本触媒 事故調査委員会中間報告
付記 3月29日、事故の保険金の一部が確定、特別利益に8,229百万円を計上すると発表。
アクリル酸製造施設 爆発・火災事故 調査報告書を発表した。
2012年9月29日 14時35分頃、日本触媒姫路製造所において、高純度アクリル酸精製塔のボトム抜出液を一時貯蔵する中間タンク(機番V-3138、公称容量70m3)が爆発・火災を起こし、隣接するアクリル酸タンク、トルエンタンク及び消防車輌にも延焼した。
この事故で、消防署員1名が死亡、合計36名が負傷した。
2012/10/1 日本触媒・姫路製造所で爆発事故
付記
兵庫県警網干署捜査本部は2014年1月28日、爆発したタンクの温度管理などを怠ったとして、当時の副所長ら5人を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
事故当時、アクリル酸から不純物を取り除く設備の能力向上テストをするため、タンクには一時的に約60立方メートルのアクリル酸が貯蔵されていた。
同社の内規では貯蔵量が25立方メートルを超える場合、タンクの上下2カ所にある装置でアクリル酸を循環させて冷却する作業を義務付けているが、事故当時は行われていなかったという。捜査本部は当時の副所長らが冷却作業の周知を徹底しなかったうえ、タンク内の温度把握も不十分で安全管理に不備があったと判断した。
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姫路労働基準監督署は2014年3月18日、危険を防ぐ措置を怠ったとして、労働安全衛生法違反の疑いで、法人としての日本触媒と、当時の部長と課長を書類送検した。爆発を防ぐために必要な規定を定めず、作業させた疑い。
付記
2018年6月19日、当時の製造担当課長ら3人に対する判決が神戸地裁であった。裁判長は「注意義務があり、事故は予見できた」と述べ、 課長に禁錮2年、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)、主任技術員に禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)、アシスタントリーダーに禁錮8月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年) 、労働安全衛生法違反の罪に問われた法人としての日本触媒)も求刑通り罰金50万円とした。
3被告は引火性のあるアクリル酸の温度管理を怠り、タンクを爆発させ、消火に当たった姫路市消防局の男性隊員を死亡させたうえ、作業員ら36人にやけどなどを負わせた。
中間タンク(V-3138)の概要:
・ | 精製塔の停止時等に精製塔からの抜き出し液を一時貯蔵する中間タンクであり、通常は液の出入りはない。 |
・ | タンク内部には、冷却水コイルが設置されている。(下部のみ) |
・ | アクリル酸は引火性液体のため、タンク空間部にはM-Gasでシールしている。 |
・ | タンクの貯蔵液は送液ポンプで液面計リサイクル及び天板リサイクルする。 |
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姫路製造所では事故前の9月18日から20日の3日間にわたって全面停電による電気・計装保全工事が実施され、その後、各製造設備を順次、スタートさせていた。
9月25日9時30分頃より回収塔能力アップのテスト準備のため、V-3138 の液溜めを開始した。
事故の原因は以下の通りと推定された。
・ | V-3138の冷却水コイル上面より上部の液は冷却されにくくなり、貯蔵液縦方向に不均一な温度分布が生じた。 |
・ | その結果、比較的温度が高い領域において、アクリル酸の二量体(DAA)生成反応が緩やかに進行、この反応熱が温度を徐々に上昇させた。 |
・ | 天板リサイクルを実施しなかったために、上部が冷却不足となった。 |
・ | V-3138 には温度計が設置されておらず、温度上昇を検知できなかった。〔温度検知および温度監視の不備〕 |
・ | 温度の上昇の結果、アクリル酸の重合反応が開始し、重合熱により温度が更に上昇した。 |
・ | アクリル酸二量体が、高温時において早い反応速度で生成することは認識していたものの、その反応熱がタンク貯蔵液の温度上昇まで繋がる潜在的危険性があることを十分に認知していなかった 。 |
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驚くべきことに、同社では潜在的危険性を十分に認識していなかったという。
このため、温度の監視をせず、本来なら計器室で常時温度を監視すべきであるのに、タンクにさえ温度計が設置されていなかった。
また、貯蔵量を増やす際には、冷却水コイルのない上部に天板リサイクルをすべきだが、その必要性も考えなかったのであろう。
自社で消火作業を行い、事故の通報が遅れたのも、爆発の危険性を認識していなかったからであろう。
今回の作業は特別な作業ではないため、これまでに事故が発生しなかったのが不思議なくらいである。
2012年 回顧と展望 (2012/12/25) の後半部で化学工場の事故多発を取り上げている。
(企業トップの発言で) 世代交代で、マニュアル通りに運転するだけで、各プロセスでの反応の意味や潜在的な危険性を認識せず、異常事態時に対応が出来ないというのである。
まさにこの通りで、ぞっとする。
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また、「事故当時の報道では、出入りの業者は火災等の場合、消防への直接通報を禁止されていたという」と述べた。
日本触媒は1月21日、これを報道したテレビ朝日「報道ステーション」(2012/10/2)に抗議した。
「消防への通報が遅れていた。」「その理由は何か」とした上で、「会社の上の方から、直接、消防の方には連絡するなという指示が出ていたということがわかりました。」として、事故当時現場に居合わせたと称する作業員の証言を次のとおり引用しています。
「工事に入る前に安全教育というのを2〜3時間受けるんですね。で、そのなかで、何か異常を見つけても、勝手に、その、消防署には連絡しないでほしいということと、まず担当者に連絡して所内の固定電話からかけるようにということを言われておりました。」
更に、下請業者が個人の判断で通報すると内部基準に照らされて罰則を受ける可能性があり、萎縮して通報できなかったと話す。
同社では、「目的は、携帯電話の電波による製造所計器類の誤作動防止及び製造装置の爆発防止のためです。そのため、当社社員を含め、事業者の個人の携帯電話の現場持ち込みは禁止されています。従って本件対応の目的は、専ら安全上の理由によるものです
」とし、報道されたような「隠匿を目的」として「罰則を背景に事業者を委縮させる」ものではないとしている。
http://www.shokubai.co.jp/ja/news/news0100.html
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2013/1/23 シンガポール塗料大手、日本ペイントに買収提案
シンガポールの塗料大手Wuthelam
Group(ウットラム)は1月21日、日本ペイントの議決権ベースで30%強に当たる8千万株を取得する提案を日本ペイントの取締役会に提出した。1株900円、買収額720億円を想定している。
Wuthelamは子会社 First Industries Corp. を通じて日本ペイント株14.51%を持つ筆頭株主だが、これを約45%まで高めて傘下に収める計画で、 「日本ペイントが持つ高い技術を成長につなげるため、積極的な財務戦略が必要」と説明している。
日本ペイントでは、「受領した内容に関し現在確認・検討中であり、当社の対応につきましては追って速やかに開示いたします」としている。
同社の「大規模買付行為に関する対応方針」によれば、「大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、反対意見の表明、代替案の提示、株主の皆様への説得等を行う可能性は排除しないものの、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置は取りません」としている。今回Wuthelamは、大規模買付ルールを遵守するとしている。
Wuthelam Groupはシンガポール国籍のGoh Cheng Liangが設立した企業グループで、現在は息子のGoh Hup Jin の一族が所有している。
Goh Cheng Liangは1955年にシンガポールで開業し、日本ペイントのディストリビューターとなった。
日本ペイントとWuthelamグループは、1962年にJVのNippon Paint Southeast Asia グループ(NIPSEAグループ)をつくり、その後、アジア各国で自動車や建築用塗料などを中心に 、日本ペイントが技術、Wuthelamがマーケティングを担当して合弁事業を展開してきた。
現在、15か国に30のプラントを持ち、従業員は15千人以上となっている。中国やマレーシア、シンガポールなどの塗料市場ではシェアトップを誇る。
付記
Wuthelamは2013年3月12日付で日本ペイントへのTOB提案を取り下げた。
今後は、Wuthelamの日本ペイントに対する持株比率の引き上げ、日本ペイントとWuthelamの間のアジアにおける合弁会社の日本ペイントによる将来においてのマジョリティ化について協議を開始する。
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当初、日本ペイントはシンガポール、タイ、韓国、中国などのJVでは40%、その他ではそれ以下の出資比率であったが、2006年5月に、両社は合弁事業の更なる企業価値向上と両社の協業関係をより強固にするため、合弁会社の出資比率を見直す協議を行うことで基本合意に達した。
基本合意では、合弁会社における日本ペイントの持株比率を51%以上とするよう協議を行うと決め、逆にWuthelamが日本ペイントの株式を最大10%まで取得することが決められた。(当時の持株は5%弱)
その後、タイ、韓国、台湾のJVの日本ペイント出資比率が51%に引き上げられた。
しかし、2008年12月にWuthelamが日本ペイントへの出資を14.51%に引き上げたことが判明した。
基本合意での「最大10%」を超えたため、この合意を一旦白紙に戻し、改めて協議することとなった。
日本ペイント | ||||
本部 | シンガポール | Nipsea Management | 50% | アジア地域統括 |
Nipsea Technologies | 50% | 研究開発 | ||
塗料& 表面処理剤
|
シンガポール | Nippon Paint (Singapore) | 40% | |
マレーシア | Nippon Paint (Malaysia) | 21% | ||
タイ | Nippon Paint (Thailand) | 40%→51% | ||
Nippon Paint
Decorative Coatings (Thailand) |
51% | 上記から分離 | ||
韓国 | Nipsea Chemical | 40%→51% | ||
台湾 | Asia Industries | 34.8%→51% | ||
香港 | Nippon Paint (H.K.) | 40% | 中国統括&塗料販売 | |
中国 | Nippon Paint (China) | 40% | ||
Guangzhou Nippon Paint | 40% | |||
Nippon Paint (Chengdu) | 40% | |||
Guang Li Chemicals (Shanghai) | 38.65% | |||
Nippon Paint(Tianjin) | (40%) | Nippon Paint(HK)
100% 廊坊立邦立東塗料&天津立邦聖連達粉末塗料を統合 |
||
Nipsea Chemical (Shanghai) | 51% | |||
フィリピン | Nippon Paint Philippine | 51% | ||
インド | Nippon Paint (India) | 50% | ||
パキスタン | Nippon Paint (Pakistan) | |||
スリランカ | Nippon Paint Lanka |
Nippon Paint (Singapore) 60% Silicon Coatings 40% |
||
バングラデシュ | Nippon Paint (Bangladesh) |
Nippon Paint (Malaysia) 90% 現地10% |
||
船舶用塗料 | 日本 | 日本ペイントマリン | 60% | |
シンガポール | Nippon Paint Marine (Singapore) | 60% | ||
マレーシア | Nippon Paint Marine (Malaysia) | 60% | ||
韓国 | Nippon Paint Marine (Korea) | 60% | ||
台湾 | Nippon Paint Marine (Taiwan) | 60% | ||
中国 | Nippon Paint Marine (China) | 60% | ||
Nippon Paint Marine (Zhangjiagang) | 60% | |||
Nippon Paint Marine (H.K.) | 60% |
2013/1/24 Rio Tinto、140億ドルの評価損計上、CEO辞任
Rio Tintoは1月17日、2012年の実績で約140億米ドル(税引後)の評価損を計上する見込みと発表した。最終数値は2月14日の決算発表時に明らかにする。
内訳は以下の通り。
・Rio Tinto Coal Mozambique 30億米ドル
・アルミ関連(主としてRio Tinto Alcan、他に Pacific Aluminium )100〜110億米ドル
・その他 5億米ドル
同社のCEOのTom Albanese は引責辞任する。
取締役会は、特に最近取得したMozambiqueでの大規模な評価損は受け入れがたいとし、世界的に状況が悪化しているとはいえ、アルミ事業で更に評価損を計上することに失望したとしている。
同社は2011年決算でアルミ関連で89億米ドルの評価減をしており、これに追加する形となる。
1)Rio Tinto Coal Mozambique
Rio Tintoは2010年12月に豪州のRiversdale MiningのTOBを開始し、2011年6月にタタ製鉄が保有する26.28%を取得することで株式の99.74%を獲得した。取得価額は39億豪ドル(約3600億円)であった。
RiversdaleはMozambiqueのTete州のMoatize 盆地で二つの石炭鉱山 Benga鉱山とZambeze鉱山の開発を行っており、Rio Tintoはこのプロジェクトを取得した。
Benga鉱山は年産10百万トン、Zambeze鉱山は25百万トンを予定、Valeが同じTete州で操業中のMoatize炭鉱(年産25百万トン)と並ぶ大規模プロジェクトである。
問題はTete州が内陸にあり、港までどうやって輸送するかである。
ValeはBeiraまで鉄道輸送しているが、運搬能力は少なく、Beira港は整備されていない。
天然の良港のNacala港のターミナルと鉄道を建設中だが、完成は2015年になる。Rio Tintoはザンベジ川をバージで下り、河口で大型船に積み替える計画を立てたが、政府がこれを認めなかった。また、川を浚渫する必要もあるとされる。
さらに、両鉱山の埋蔵量が当初の想定よりも少なかったと報道されている。
この結果、Rio Tintoは2011年に39億豪ドル(約41億米ドル)で取得したRio Tinto Coal Mozambiqueについて30億米ドルの評価損を計上することとなった。
2)アルミ関連
Rio Tintoは2007年、カナダのアルミ大手、Alcanを381億ドルで買収することで合意したと発表した。
両社のアルミ部門を統合し「Rio Tinto Alcan」を設立した。両社のアルミ地金生産量は合計で430万トン強に達し、統合後は世界首位に躍り出た。
2007/7/17 Rio Tinto、Alcanを買収 アルミ生産で世界最大に
しかし、直後に金融危機が発生し、アルミ価格の低下と需要の伸び悩みに直面した。
同社は2011年10月17日にアルミグループの再編を発表、豪州とニュージーランドのアルミ関連事業を売却対象とし、売却までの間はPacific
Aluminiumという新部門に移し、Rio Tinto Alcanと別管理することとした。
なお、米、仏、独の7つの非コア事業については、Rio Tinto Alcanが管理するが、売却の検討も行う。
豪州:Gove ボーキサイト鉱山とアルミナ製錬所
Boyne アルミ精錬所と付属のGladstone発電所 :日本の各社が出資
Tomago アルミ精錬所
Bell Bay アルミ精錬所
NZ :New Zealand Aluminiumアルミ製錬所(NZAS):住友化学とのJV
同社は2011年決算でアルミ関連で89億米ドルの評価減を行ったが、今回、これに追加する形で100〜110億米ドルの評価損を行う。
主としてRio Tinto Alcanの事業だが、Pacific Aluminium についても評価減する。
同社の2012年の生産量は以下の通り。(千トン)
アルミナ アルミ Rio Tinto Alcan 6,968 2,174 Pacific Aluminium 2,742 1,063 その他 331 220 合計 10,041 3,456
財務省が1月24日発表した2012年の貿易統計(速報)によると、輸出額は63兆7446億円で前年比2.7%減、輸入額は70兆6720億円で3.8%増となった。
液化天然ガスと原油の輸入増が輸入全体の3.0%増を構成している。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6兆9273億円の赤字で、過去最大だった。
赤字は2011年(2兆5647億円)に次ぐ2年連続だが、赤字幅は2.7倍となった。
過去最高の1980年の2兆6129億円を32年ぶりに更新した。
地域別ではEU向け輸出が前年比14.7%減となり、初の貿易赤字(1397億円)となった。
中国向け輸出も10.8%減となり、3兆5213億円の貿易赤字となった。
米国向け輸出は11.7%増であった。
中国国家統計局は1月18日の記者会見で、2003年から12年までのジニ係数(Gini coefficient:基尼系数)を発表した。
それによると、ジニ係数は2008年に急上昇して0.491ポイントとなったが、12年は0.474ポイントに低下した。
ジニ係数は不平等度を測定する尺度。
係数の範囲は0から1で、0に近いほど所得分配が平等である(格差が小さい)ことを示し、1に近いほど所得分配が不平等である(格差が大きい)ことを示す。
下の図で、ジニ係数は 面積@/(面積@+A)で表される。
@の面積が小さいほど、ジニ係数は小さく、所得分配が平等である。
OECDの2000年代央の加盟各国の対比は以下の通りで、平均は0.31となっている。
OECD30か国で最も高いのがメキシコ(0.47)、次がトルコ(0.43)、ポルトガル(0.42)となっており、4番目が米国(0.38)となっている。
逆に低いのは、デンマーク(0.23)、スウェーデン、ルクセンブルグ、オーストリアの順。日本は0.32で平均並み。
中国は所得の不平等度の悪さで(低下した現状でも)メキシコと肩を並べる。
OECD諸国はmid-2000s 資料:OECD Factbook 2010 中国は2012年 0.474 |
人民日報は、中国は今、所得分配における格差の問題をしっかりと見据え、しっかりと解決するべき時にきている とし、以下のように報じている。
ここ数年来、中央政府から地方政府まで、所得分配における格差を縮小するためにさまざまな取り組みを行ってきた。医療保険や社会保険の制度を整え、国有資本の収益に対する税率を引き上げ、国民生活への投資を年を追って拡大してきた。こうした国民を豊かにするための一連の力強い措置によって、ジニ係数の上昇傾向をくい止めることができた。だが所得分配の格差の問題はかなり複雑なもので、実践を通じて「下を引き上げ、中を増やし、上を抑える」ための取り組みをさらに進めなければならない。
現実に起こっている問題から、所得分配の格差のめぐって、今、次のような難しい問題を抱えていることがわかる。
「下を引き上げ」ようとしても上位法によって法的な支持を行うことができず、「中を増や」そうとしても税制度が整備されておらず、「上を抑え」ようとしても政策措置が整っていない、という問題だ。所得分配制度の改革を深化させ、国民の所得分配の状況を調整し、給与制度を改革し、所得分配の秩序を規範化し、発展の成果をより多くより公平に国民全体に行き渡らせる必要があるのだ。
現在、先進国のジニ係数は0.24ポイントから0.36ポイントの間に収まるのが一般的で、「中所得のわな」に陥った経済体は0.5ポイント前後をうろうろしている。過去の失敗例をみて、われわれはトラブルへの警戒の意識と問題意識をより強くもち、積極的な態度と慎重な政策で問題を深く探り、解決していかなければならない。
しかし、中国の今回の発表数値でさえ、低すぎるとの批判が出ている。
2012年12月に西南財經大學は、2010年の中国のジニ係数は0.61と発表した。
上海の中欧国際工商学院の許小年教授は1月18日、発表されたジニ係数について「偽りの数字だ」とコメントし、実際の格差はさらに大きいとの見方を示した。
2013/1/26 アラブ首長国連邦(UAE)の石油化学の現状
石油化学拠点はAbu Dhabi首長国にある。
Abu Dhabi National Oil Company (ADNOC) は1971年11月に設立された。
石油化学分野では以下の子会社を持つ。
1)Abu Dhabi Polymers Company Limited (BOROUGE) エチレン、PEの生産
2−1)Ruwais Fertilizer Industries (FERTIL) アンモニアと肥料の生産
2−2)Abu Dhabi Melamine Industry 尿素を原料にメラミンを生産
3)ADNOC Linde Industrial Gases Company Ltd. (ELIXIER) 産業用ガスの供給
4)Abu Dhabi National Chemicals Company (ChemaWEyaat) 新石化事業2006/6/2 湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE)
2009/10/20 アブダビの新石化コンプレックス、2015年に完成
ADNOCは1)のBOROUGEでは欧州各国で石化事業を行うBorealisと組んでいるが、Borealis自体がAbu Dhabi首長国の事業会社である。
Borealisはアブダビ国営の投資会社 IPIC(ADNOCが50%出資) が64%、オーストリアの石油・ガス会社OMV Aktiengesellschaftが 36%出資するJV。なお、IPICはOMVにも17.6%出資している。
また IPICは、日本のコスモ石油に出資したり、カナダのNOVA Chemicals を買収するなど、海外各地に進出している。
ADNOC子会社各社の概要は以下の通り。
1)Abu Dhabi Polymers Company Limited (Borouge)
設立:1998年
立地:Ruwais株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 60%
Borealis 40%製品:(千トン)
Borouge 1 Borouge 2 現状合計 Borouge 3
(mid-2014)エチレン 600 1,500 2,100 1,500 HDPE/LLDPE 600 540 1,140 1,080 LDPE
(wire and cable用)350 プロピレン(OCU) 752 752 PP 860 860 960 2010/6/15 UAEのBorouge、石油化学第三期計画進展、中国事業も拡大
なお、Abu Dhabi Polymers (Borouge)は中国にPPコンパウンド工場を持つ。
上海 第一工場 50千トン
第二工場 30千トン
広州 105千トン2010/6/15 UAEのBorouge、石油化学第三期計画進展、中国事業も拡大
2-1)Ruwais Fertilizer Industries (FERTIL)
油田のlean gasの有効利用が目的
設立:1980/10
立地:Ruwais Industrial Zone
株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 66.66%
Total 33.34%
製品: 2期は2013年初めにスタート
FERTIL 1 FERTIL 2 アンモニア 1,310トン/日 2,000トン/日 尿素 2,200トン/日 3,500トン/日
2-2) Abu Dhabi Melamine Industry
立地:Ruwais Industrial Zone
株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 60%
Agrolinz Melamine International (Austria) 40%
(IPIC 50%/ OMV 50%)製品:メラミン 80千トン
(原料の尿素はFERTILが供給)
3)ADNOC Linde Industrial Gases Company Ltd (Elixier)
株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 51%
Linde Group 49%工場:Ruwais Air Separation Plant
The Mirfa Nitrogen Plant
4)Abu Dhabi National Chemicals Company (ChemaWEyaat)
2008年に新しい石油化学事業のため設立された。
アブダビの Taweelah地区にChemaWEyaat工業都市の建設を行う。2009/10/20 アブダビの新石化コンプレックス、2015年に完成
株主:Abu Dhabi National Oil Company (ADNOC) 20%
IPIC 40%
Abu Dhabi Investment Council 40%立地:アブダビ市 Taweelah地区 Mina Khalifa Industrial Zone
第一期:Tacaamol Aromatics Project
なお、Abu Dhabi 政府は、拡大しつつある同国の石油化学、鉄鋼、アルミニウムの川下分野の開発のため、Abu Dhabi市のMussafah industrial estate に 'Polymer Park' と 'Metal Park' を創設することを決めた。
ーーー
海外進出
Borougeのパートナーであるオーストリアの石化会社 Borealisはアブダビ国営の投資会社 IPICが64%出資する子会社である。
Borealisの株主の変遷
Statoil Neste OMV IPIC 1994 50 50 - - 1997 50 - 25 25 2005 - - 36 64 * IPICにはADNOCが50%出資
同社の能力は以下の通り。(単位:千トン)
Austria Germany Italy Belgium Finland Norway
売却Sweden USA Brazil エチレン 330 225 625 プロピレン 480 230 40 220 PE 595 175 330 330 270 600 PP 435 240 635 160 175 Compounds 90 30 115 65 49 フェノール 130 注
・Norwayのエチレン、プロピレンはNorsk Hydro とのJVのNoretyl の同社持分
2007/6/9 INEOS、Borealis からノルウエーの石化事業を買収
・他にベルギーにデュポンとのJV、Speciality Polymers Antwerp (PE 125)
・2004年にポルトガルのBorealis Polimeros LdaをRepsolに売却(エチレン350、プロピレン 180、LDPE 145、HDPE 130)2006/11/10 OMVとBorealis、オーストリアとドイツで石化増強
IPICは活動を全世界に広げている。日本のコスモ石油の筆頭株主である。
UAE 内陸油田ハブシャンからの全長360kmの原油パイプラインとフジャイラ港でのタンクターミナルの建設
フジャイラにて50万バレル/日の能力の輸出を主体とした製油所の建設オーストリア 石油、ガス会社OMVに17.6%の出資
石化会社Borealisに65%の出資
2006/11/10 OMVとBorealis、オーストリアとドイツで石化増強
AMI Agrolinz Melamine International に50%出資(OMVが残り50%)日本 コスモ石油に出資 韓国 Hyundai Oil Bankに出資(70%)
↓
2009/11/21 現代グループ、Hyundai Oilbank の経営権を奪還パキスタン パキスタンのPak-Arab Refinery Co.株式40%を保有(残りはパキスタン政府)。
パキスタン政府との間で30万バレル/日規模の製油所建設を検討中(IPICが74%出資予定)オマーン Oman Polypropylene に出資(出資するGulf Investment Corporationを通して) エジプト Arab Company に出資 スペイン CEPSAに出資(47%にアップ) 中央アジア 2008/8/27 Abu Dhabi のIPIC、中央アジアに進出 カナダ 2009/2/24 アブダビのIPIC、カナダのNOVA Chemicals を買収
2013/1/28 英首相、EU離脱を問う国民投票実施を表明
英国のDavid Cameron首相は1月23日、ロンドンで演説し、2015年に行われる次の総選挙で与党が勝利した場合、遅くとも2017年末までに、英国がEUに残るかどうか(in or out )の国民投票を実施すると述べた。
英国では国民の40%以上がEU離脱を望んでいるとの世論調査がある。英与党内では一部議員が国民投票の実施を求める圧力を強め、EUからある程度の権限を取り戻すべきだとの声も高まってい る。
首相は「国民投票ではEU残留を支持する」と語っており、強気の演出により、今後行われるEU協定改定で英国の主張を通した上で、EUにとどまる筋書きを描いている。
これに対し、世論調査では優位に立っている野党労働党の党首は「Cameron首相の考えは国民の利益にかなっていない」と批判しており、欧州統合にどう関わるかが総選挙の争点になる。
ユーロ圏諸国は、ギリシャへの支援を再開し、財政規律の強化や銀行同盟など統合強化に動いているが、この動きに反対する英国が離脱の脅しで方向を変えようというもので、EUの将来に新たな不安要素となる。
ドイツのWesterwelle外相は、「“cherry-picking” (選り好み) という選択肢はない」と述べ、Merkel首相も、「英国の意向に関して話し合う準備はもちろんできている」としながらも、「他国にもそれぞれの希望があり、最終的に公正な妥協に落ち着く必要があることを忘れてはならない」とくぎを刺した。
フランスのHollande大統領は、「基本的には英国人が決めること」としつつも「EU脱退をめぐって英国と条件交渉する気はない」として、英国が行うであろう駆け引きを早くも牽制した。
Obama米大統領も1月17日、「強いEUの中の強い英国が大切だ」と再考を促した。
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スピーチの概要は以下の通り。
1)現在のEUの問題点
・ | 前提として、英国は島国で、独立心があり、主権の維持に熱心である。 英国にとりEUは手段であり、目的ではない。 但し、英国の特長は independent であるとともにopenである。 |
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・ | 現在のEUは大きな問題を抱える。 一つは通貨Euro の問題。 大改革が必要だが、英国のEuro圏市場へのアクセスに障害が出るようなものは困る。 |
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・ | 第二は労働市場規制の複雑なルールなど、過剰な規制、規則によるEUの競争力の低下
。 欧州の生産のシェアは次の20年で約1/3減ると予想されている。 |
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このままなら、競争力が減り、成長がとまり、失業が増える。 | ||
・ | 第三はEUとメンバー諸国の国民の乖離で、各国で国民の不満が増大している。 | |
2)首相の考える 21世紀にフィットした新しいEUのビジョン | ||
・ | 第一は競争力の強化。 そのためには、各国の競争力強化を絶えず支援する効率的な、官僚的でないEUであることが必要。 |
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・ | 第二はフレキシビリティ。 | |
単一市場維持にはルールが必要だが、新たな展開に即応する必要がある。 硬直性ではなく、スピードとフレキシビリティが必要。 |
||
EUの根源は単一通貨ではなく、単一市場である。 多様性があってよい。 |
||
(英国は通貨統合や国境検問をなくす「シェンゲン協定」に参加していない。今回の 「新財政協定」にも参加していない) | ||
・ |
第三として、権限をメンバー諸国から取り上げるだけでなく、メンバー諸国に戻すことも認めるべきだ。 これは2001年の「EUの将来についてのLaeken 宣言」でも約束されたのに、実現していない。 EUが何をやるべきで、何をやめるべきかと十分検討する必要がある。 |
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・ | 第四は民主的な説明責任(democratic
accountability)の問題。 EUにおいて、各国の議会が民主的な正当性と説明責任を持つ。 各国の議会にもっと大きな役割を与えるべきだ。 |
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・ | 第五は公平さ Euro圏で決められたことは、Euro圏内外に公平に適用されねばならない。 単一市場の全てのメンバーの integrityとfairness の保護が重要。 |
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3)英国民の気持ち | ||
英国では現在、EUへの幻滅感がこれまでになく高い。 | ||
不必要な規則で国民生活が阻害されている。 EUが、英国人が我慢できる範囲を超えたレベルの政治統合に向かっていると感じている。 |
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4)対応策 | ||
ユーロ危機の解決のため、想像を超えた変革がなされ、現在と異なった形になる。 それには、上記のビジョンが織り込まれるのが最も望ましい。 |
||
その交渉を待って、国民投票を行う。 これは国民の判断を仰ぐもので、英国にとって最善の未来であるかどうかを問うものである。 |
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5)離脱ケース | ||
離脱は簡単なものではない。 | ||
英国がEUを離脱しても、欧州から離れる訳にはいかない。 離脱しても、EUの決定は英国に大きな影響を与えるし、離脱すれば現在の拒否権を失い、EUの決定に関与できなくなる。 |
||
EUという単一市場のメンバーでなくなることの影響を十分考えるべきだ。 | ||
6)結論 | ||
EUにとっても英国を失うことは大きな痛手になる。 フレキシブルで適応可能でオープンなEUが英国の利益に適う。 また、英国がEUのメンバーであることは、そのようなEUの利益に適う。 |
演説全文は http://www.guardian.co.uk/politics/2013/jan/23/david-cameron-eu-speech-referendum
2013/1/29 Shell、シェールガス開発でウクライナと正式契約
ウクライナ政府とShellは1月24日、
ウクライナでのシェールガス開発に関する契約を締結した。
DavosのWorld Economic
Forumの会場でウクライナの大統領が見守るなか、ShellのCEOとウクライナのエネルギー相が調印した。
開発するのは東部のKharkiv とDonetsk地区のYuzovskaガス田。ウクライナ政府によると、2018年から年間で70億〜200 億立方メートルの生産を計画。同国のガスの年間消費量の最大4割に相当する。
生産分与協定の期間は50年で、シェルは権益の5割を取得する。
残り5割はNadra Yuzovska 社で、同社はウクライナ政府が90%出資している。
投資額は100億ドルを超える見込みで、欧州のシェールガス開発では過去最大の規模となる。
シェルは2012年5月に入札でこのYuzovskaガス田の開発権を手中に収めた。
同時にChevronも西部のLvivとIvano-Frankivsk地区のOlesskaガス田の開発権を得ている。
付記
ウクライナの事業会社と米 Chevronは2013年11月5日、西部のオレスキー・シェールガス田を共同開発する合意文書に調印した。推定埋蔵量は3兆立方メートル近くあり、開発が軌道に乗れば国内消費量の約1割に当たる年50億〜100億立方メートルの生産が見込めるという。
米エネルギー省エネルギー情報局の資料によると、ウクライナのシェールガス埋蔵量は約42兆立方フィートで欧州4位。ウクライナ自身の推定埋蔵量はこれをはるかに上回る。
技術的に回収可能なシェールガス埋蔵量(兆立方フィート)
ポーランド 187 フランス 180 ノルウェー 83 ウクライナ 42 スウェーデン 41
欧州のシェールガス |
資料: World Shale Gas Resources: An Initial Asse ssment of 14 Regions Outside the USA (2011/4)
ウクライナはロシアとの間で、ロシアの天然ガスの価格を巡り、長期にわたり争っており、EUにも影響が出た。
2009/1/2 ロシア、ウクライナ向け天然ガス供給停止
ロシアとしては、EUへの加盟も視野にいれるウクライナに欧州向け天然ガスパイプラインを抑えられるのは問題で、この対策として北側のNord Streamを建設したが、今回、南側のSouth Streamの建設も開始した。
2012/12/13 ロシア、サウスストリームパイプライン計画着工
ウクライナは、自国でのシェールガス開発により、ロシアへのエネルギー依存を引き下げる。
ウクライナのほか、ポーランド、ルーマニアなど中・東欧を中心にシェールガスの開発計画が相次いで浮上しており、これらの開発が進めば、欧州向けの天然ガス輸出を収益源としてきたロシアにとっては、戦略の見直しが必要となる。
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欧州ではシェールガス開発に対する考え方が国によって大きく異なっている。
以下、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の「欧州におけるシェールガス開発動向」(2012/7/19)
欧州委員会 |
現在の手順が既存のEU法(水質汚濁防止や使用薬剤に関する規制他)と重大なギャップがなく、直ちにEU法を改正する必要がない、と発表。(2012/1) |
|
積極的な推進 | ポーランド |
・2011年までに試掘井が23坑掘削され、12年末までに更に41坑が掘削予定 ・ポーランド地質調査所はEIAの埋蔵量推定を下方修正 ・Exxonは試掘結果を基に撤退を表明 |
ウクライナ | 上記 | |
リトアニア | 2012年6月、同国初のシェールガス探鉱ライセンス入札を開始 | |
推進するも 抗議運動あり |
ルーマニア | Chevronへのライセンスに対する抗議活動が発生、政府内にモラトリアムの発動を伺う動き |
スペイン | バスク地方政府は、シェールガスの開発を望むが、複数の環境保護団体が、抗議運動を実施 | |
モラトリアムを検討 | チェコ | 政府が2年間のモラトリアムを計画中 |
ドイツ | 実質的なモラトリアム状態 環境省は、水圧破砕技術を規制する法律を準備中(使用可能な薬剤の制限等) |
|
水圧破砕の使用を禁止 | フランス | 2011年6月、水圧破砕の禁止を議会で採択 2011年10月、2企業3鉱区のシェールガス探鉱鉱区を撤回 |
ブルガリア | 2012年1月、水圧破砕の禁止を採択 2012年6月、在来型資源に対する水圧破砕の使用を許可 |
|
論理的な対応 | 英国 | 2012年7月、独立調査機関が、ベストプラクティスの適用と厳格なルール適用により水圧破砕活動は安全とのレポート発表、リスクの可能性に対し、理論的検証実施中 |
米国の天然ガス輸出を巡って、Dow Chemical と ExxonMobileが米国の産業界を2分して争っている。
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米エネルギー省は2012年12月、LNGに関する報告書を発表したが、そのうち、NERA レポートでは、LNG輸出の米国経済への影響を、輸出の量、グローバルな市場状況、天然ガスコスト等々、いろいろな前提で検討したが、全てのシナリオで、LNG輸出は輸出をしない場合と比べ、ネットで経済的メリットがあるとしている。
2012/12/7 米エネルギー省、LNG輸出に向けての報告書を発表
これに対し、Dow Chemical はその翌日にAndrew N. Liveris CEOによる反論を発表した。
製造業は米国で最大の天然ガスのユーザーであり、天然ガスを使って、他のどのセクターよりも多くの雇用を生み、より多くの価値を生み出している。
製造業で使われたエネルギーの価値は、バリューチェーンを通じて多くの高付加価値の製品をつくることにより、20倍にも拡大される。これに対して、LNGとしてエネルギーを輸出すれば、その価値分しか得られない。
2012/12/12 Dow、エネルギー省のLNG輸出に関する報告に反論
ダウのLiveris CEOは2010年6月の論文で、製造業のルネサンスが必要と主張、そのための一つとして「業界の競争力維持のための豊富なエネルギーの必要性」を挙げている。
2010/6/25 ダウCEOの論文「米国製造業のルネサンスを」
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エネルギー省は現在、日本など米国とFTAを締結していない国への輸出用の16のターミナル建設申請をレビューしている。
Exxon は、天然ガス輸出は雇用を創出し、生産を増やし、米国の貿易赤字減らしに役立つと主張する。
輸出により、需要が増え、投資が増え、生産量が増える。
少数の企業が自社の利益のために米国の豊富なエネルギーの自由貿易を制限するよう政府に求めているとし、ExxonMobilはエネルギーを含むすべての製品の自由貿易を支持するとしている。
なお、ExxonMobil自身、天然ガスを使ってテキサス州Baytown に年産150万トンのエチレン工場を建設することを決め、認可手続きに入っている。
全米製造業者協会(National Association of Manufacturers:NAM)と米国化学工業協会(American Chemical Council:ACC)は、自由貿易により米国経済が拡大するとして、天然ガス輸出を支持した。
これに対しDowは1月18日、NAMとACCは石油・ガス業界の影響を受けているとし、全米製造業者協会(NAM)を脱退した。
DowはNAM会長に手紙を送り、会員会社間で意見が分かれる問題では中立の立場を取るべきなのに、天然ガス業界に味方したと批判した。
Dowは本年、天然ガスの輸出に反対するAmerica’s Energy Advantage (AEA)というグループをつくった。
メンバーは以下の通りで、Huntsmanは1月22日に新しく加盟した。
石油化学:Dow Chemical、Celanese、Eastman、Huntsman
アルミ精錬:Alcoa
鉄鋼:Nucor
団体:American Public Gas Association
AEAは、米国の天然ガスが米国の製造業のルネサンスに役立つと主張、輸出により、国内の天然ガス価格が上昇し、米国の製造業の投資を傷つけるとしている。
・価格の安さ:電力コスト低減につながる。
米国:3.34ドル
英国:9.73ドル、ドイツ:10.48ドル、インド:10.75ドル、ブラジル:11.95ドル、中国:12.75ドル・雇用
競争力ある天然ガスのおかげで、2010年以降、53万の職が追加された。
ガス価格が同水準で止まれば、2020年までに500万の職が追加される。・影響
製造業で1の雇用が生まれると、周辺で5の雇用が生まれる。
製造業で最終的に1ドルの売り上げが増えると、他のセクターで1.34ドルの収入が生じる。・逆に天然ガスが輸出されると、
天然ガス価格は14.54%上昇する。
AEAは、2012年12月に行った世論調査で、「天然ガスを他国に輸出するよりも、雇用を生み、経済を成長させるために国内で使用すべきだ」との説に87%が賛成したと主張している。
一方、ShellはAppalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討しているが、1月28日、LNG輸出のため天然ガスの液化設備の建設を発表した。(別記事)
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大阪ガスと中部電力は2012年7月31日、米国のFreeport LNG Development との間で、天然ガス液化加工契約に関する契約を締結した。
Freeport LNGはFreeport LNG受入基地に、液化設備を新たに3系列(1系列あたり年間約440万トン)を建設することを計画しており、2017年に液化事業を開始することを目指している。
このFreeport LNGは4社のパートナーシップだが、パートナーの1社がDow の子会社のTexas LNG である。元々がLNGの輸入基地であり、そのために参加していた。
DowはFreeport
LNGによる輸出計画には反対してきたが、このたび、この65億ドルの投資計画に参加しないことを発表した。
計画自体には影響はないだろうと見られている。
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AEAのメンバーのNucorはルイジアナ州St.
James Parishで直接還元鉄(direct reduced iron)の工場建設を行っている。
高炉に依らない新世代型の製鉄法で、コークスを使用せず、天然ガスを使って鉄鉱石を還元するもの。
神戸製鋼所の100%子会社のMidrex Technologies, Inc.のプロセスは、世界の約6割のシェアを持つ。
US Steel も建設を検討しているとされる。
2013/1/30 Shell、LNG輸出用の天然ガス液化プラント建設
Shellは1月28日、米国のエネルギー会社 Kinder MorganとのJVを設立して、ジョージア州Savannahの近くのKinder Morgan子会社のEl Paso Pipeline の既存のElba Island LNG Terminalに 2段階で天然ガス液化プラントを建設すると発表した。
El Paso Pipeline 社のElba Express PipelineとElba Island LNG Terminal を改造し、ターミナルに天然ガスを送り、液化し、輸出用に船積みする。
認可を得た段階で、El Paso Pipeline
社はJVの51%を所有して、設備の運営を担当する。
ShellはJVの49%を所有し、液化能力の100%の権利を得る。
液化設備はShellの画期的な小規模液化ユニットを既存の設備に統合することで、早期の完成を目指す。ell
付記
2015年7月、Kinder Morgan がShellから持分を買い取り、100%とした。Shellは引き続き、全量を引き取る。
2016年4月5日、Kinder MorganはIHI E&Cとの間でEPC契約を締結した。
設備能力は、LNGで年間250万トンで、天然ガスベースでは日量350百万立方フィートに相当する。
Elba Island LNG Terminal は2012年6月にエネルギー省からFTA締結国に年間400万トンのLNGを輸出する認可を取得した。
同社は同年8月、エネルギー省に対し、非FTA締結国に年間400万トンまでのLNGを輸出する申請を提出した。
JVの第一段階(年間150万トン)は追加の認可を必要としない。
Shellでは、計画的で段階的なアプローチによって、天然ガス輸出は世界のエネルギーのニーズに対応するとともに、米国経済を後押しするとしている。
一方で、ShellはMarcellus Shaleガスからのエタンを原料とし、Appalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討している。
2011/6/14 Shell、アパラチア地方でエチレンクラッカー建設へ
ーーー
Kinder Morganはエネルギー輸送、貯蔵、販売会社で、2011年に同業のEl
Pasoを211億ドルで買収した。
この結果、El Pasoの43千マイルの天然ガスパイプラインを含め、75千マイル以上のパイプラインで天然ガス
、原油、石油製品等の輸送を行い、180のターミナルでガソリン、ジェット燃料、エタノール、石炭、コークスなどの貯蔵を行っている。
炭酸ガスのパイプラインも持ち、輸送と販売を行っている。
資源エネルギー庁は1月29日、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において、海底面下のメタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す、世界初の海洋産出試験を実施すると発表した。
事前掘削作業として2012年2月から3月には生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、6月から7月にはメタンハイドレート層から圧力を保持したコアサンプル(地質試料)を含むコアの採取作業を行った。
2012/1/18 愛知沖でメタンハイドレート掘削スタート
これをもとに、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す。
試験時期は2013年1〜3月末の予定で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が事業主体となり、石油資源開発がオペレーターとなる。
地球深部探査船「ちきゅう」を使用して行う。
地球深部探査船「ちきゅう」が清水港を出港し、1月28日、試験地点にて準備作業を開始した。準備作業終了後、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す試験を実施する。
2013年度には本試験の結果解析作業等を実施し、商業的産出のために必要な技術の整備に向けて取り組んでいく。
付記
この地域のメタンハイドレートは海底深くにある「砂層型」である。
日本海側には海底数メートルから数十メートルの浅いところに「表層型」が分布する。政府は近くこれも調査する。
メタンハイドレート海洋産出試験の概念図 |
メタンハイドレートの調査は、石油や天然ガスと同様に、音波を使った物理探査(反射法地震探査)によって実施される。
この調査データからBSR(海底擬似反射面:Bottom Simulating Reflector)と呼ばれる反射面を確認することによって、地層中のメタンハイドレートの存在を推定する。
今回の試験場所は渥美半島から約80km、志摩半島から約50kmの地点(第二渥美海丘)で、濃集帯が存在している。
資料:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム |
最新分は http://blog.knak.jp