2007/6/29 公正取引委員会 三井化学対応 三菱樹脂対応
ガス用ポリエチレン管及び同継手の製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.june/07062901.pdf
公正取引委員会は,ガス用ポリエチレン管(注1)(以下「PE管」という。)及び同継手(注2)(以下「継手」という。)の製造販売業者に対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして,本日,同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を,それぞれ,次のとおり行った(違反行為については別添排除措置命令書参照)。
(注1) ガス用ポリエチレン管とは,ポリエチレン樹脂製のガス導管をいう。
(注2) ガス用ポリエチレン管継手とは,ガス用ポリエチレン管を接続するポリエチレン樹脂製の部材であって,本件においては,ヒートフュージョン継手,スピゴット継手,エレクトロフュージョン継手及びトランジション継手をいう。
1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額
違反事業者数 | 排除措置命令 対象事業者数 |
課徴金納付命令 対象事業者数 |
課徴金額(注3) | |
PE管 | 9社 | 7社 | 8社 | 6億5555万円 |
継手 | 7社 | 5社 | 6社 | 11億7375万円 |
合 計 | 18億2930万円 |
(注3) 課徴金の計算において,独占禁止法改正法の施行日(平成18年1月4日)前については6%(中小事業者については3%)の算定率を,同施行日以後については10%(中小事業者については4%)の算定率を適用している。
また,課徴金納付命令対象事業者のうち調査開始日からさかのぼり10年以内に命令を受けたことがある事業者については,独占禁止法改正法の施行日(平成18年1月4日)以後に係る売上額について,独占禁止法第7条の2第6項の規定に基づき、15%の算定率を適用している。
単位:千円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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*三井化学は「再犯」(PP価格カルテル)で06/1/4以後の売上高に15%を適用
*富士化工は立ち入り検査前自主申告で管・継手とも排除命令、課徴金免除
*積水化学と日本鋳鉄管はPE管で立ち入り検査後の自主申告で30%減額
*積水化学と三菱樹脂は継手で立ち入り検査後の自主申告で30%減額
*クボタは05/4/1付けでクボタシーアイにガス用ポリエチレン管事業を譲渡
課徴金の免除、減額は合計3社まで。
2 違反行為の概要 | |
(1) | PE管 9社のうちクボタシーアイ株式会社を除く8社は,平成16年9月7日ころ,需要者向けのPE管について,平成16年11月1日出荷分(注4)から,需要者渡し価格を現行価格より15パーセントを目途に引き上げることを合意し,また,9社のうち株式会社クボタを除く8社は,平成17年9月26日ころ,需要者向けのPE管について,平成17年11月1日出荷分(注5)から,需要者渡し価格を現行価格より15パーセントを目途に引き上げることを合意することにより,9社は,我が国におけるPE管の販売分野における競争を実質的に制限していた。
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(2) | 継手 7社のうちクボタシーアイ株式会社を除く6社は,平成16年9月7日ころ,需要者向けの継手について,平成16年11月1日出荷分(注6)から,需要者渡し価格を現行価格より8パーセントから10パーセントを目途に引き上げることを合意し,また,7社のうち株式会社クボタを除く6社は,平成17年9月26日ころ,需要者向けの継手について,平成17年11月1日出荷分(注7)から,需要者渡し価格を現行価格より8パーセントから10パーセントを目途に引き上げることを合意することにより,7社は,我が国における継手の販売分野における競争を実質的に制限していた。
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3 排除措置命令の概要 | |
(1) | 前記2の合意が消滅している旨を確認すること並びに今後,前記2の行為と同様の行為を行わず,各社がそれぞれ自主的に決める旨を,それぞれ,取締役会等の業務執行の決定機関において決議しなければならない。 |
(2) | 前記(1)に基づいて採った措置を,それぞれ,自社を除く各社に通知するとともに,取引先販売業者及び需要者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。 |
(3) | 今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,前記2と同様の行為を行ってはならない。 |
(4) | 今後,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。 |
ア | 自社の商品の販売活動に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定 |
イ | 国内営業担当者に対する自社の商品の販売活動に関する独占禁止法の遵守についての定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査 |
4 課徴金の納期限
平成19年10月1日
公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令について
当社は、昨年11月から公正取引委員会の調査を受けておりましたガス用ポリエチレン管及び同継手に関する独占禁止法違反の件につき、本日、同委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。
当社では、「法令・ルールの遵守」を当社グループ行動指針の冒頭に掲げ、役員・社員全員に周知徹底するとともに、独占禁止法に関しても、遵守のための諸施策を講じてまいりましたが、このような事態を招いてしまいましたことは誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます。
この排除措置命令及び課徴金納付命令の概要並びに当社の対応は下記のとおりです。当社と致しましては、このたびの事態を厳粛かつ真摯に受け止め、再発防止策の一層の強化、徹底を図り、信頼回復に努めてまいる所存であります。
1.排除措置命令の概要 | |
(1) | 認定事実 当社を含むガス用ポリエチレン管及び同継手(以下「PE管等」)の製造販売業者は、同業者により構成される「ガス用ポリエチレン管協会」の総務委員会の会合の場において、2004年7月頃以降、原料価格高騰等を受け、PE管等の販売価格の引上げに関する情報交換を行い、価格引上げを行うことに合意した。 |
(2) | 命令内容 次の各号の措置を実施しなければならない。 |
@ | 取締役会等の業務執行決定機関において、当該価格引上げの合意が消滅していることの確認及び今後PE管等の価格を自主的に決める旨の決議 |
A | 前号の決議をしたことの同業他社、取引先及び需要者への通知並びに従業員に対する周知徹底 |
B | 今後、他社と共同してPE管等の販売価格を決定しないこと |
C | 独占禁止法遵守に関する行動指針の作成又は改定、定期的な研修・監査の実施 |
D | 前各号に基づいて採った措置の公正取引委員会に対する報告 |
2.課徴金納付命令の概要 (1)納付すべき課徴金の額:7億8769万円 (2)納付すべき期限 :2007年10月1日 |
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3.当社の対応 | |
(1) | 両命令への対応 当社は、昨年11月の公正取引委員会の調査開始以降、顧問弁護士等により厳正に関係者の事情聴取を行い、鋭意事実関係の調査を行ってまいりました。その結果、ガス用ポリエチレン管協会の総務委員会の場において、PE管等の価格引上げに関する情報交換等が行われていた事実が確認されたことから、上記の両命令を厳粛かつ真摯に受け止め、両命令を応諾する方針であります。 なお、課徴金につきましては、2007年3月期決算において全額の特別損失を計上済であり、本年度(2008年3月期)の業績に影響はありません。 |
(2) | 再発防止策 当社は、独占禁止法の遵守徹底のために、従来から、「独占禁止法遵守規則」の制定、「独占禁止法遵守マニュアル」・「コンプライアンス・ガイドブック」・「同業者との情報交換ガイドライン」の作成及び全職場での周知徹底、毎年定期的な「独占禁止法遵守教育」などを実施するとともに、事業部が製品価格を改定する際の「独占禁止法遵守確認手続」など遵守のための対策を全社を挙げて実施してまいりました。 これにもかかわらず、誠に遺憾ながら、遵守意識が十分に徹底できておらず、原料価格が高騰するという状況の中、ガス用ポリエチレン管協会という業界団体の場において、当社の指示に反し、かつ上司にも報告無く、担当者が価格引上げに関する同業者間の情報交換に加わっていたものであります。 したがいまして、当社と致しましては、独占禁止法違反行為の徹底的な排除のため、ガス用ポリエチレン管協会はもちろん、営業担当者を構成員とする会合のあるすべての業界団体から退会し、又はかかる会合へは不参加とするとともに、営業担当者が同業者と面談する際の書面による事前承認手続・事後報告手続を導入致しました。 今後は、全営業担当者に対する弁護士による独占禁止法教育をさらに徹底して行っていくとともに、前述した遵守のための諸施策が確実に実施されていることのモニタリングも強化して参ります。 更に、担当者が法令遵守につき疑問を持ったら必ず上司や専門部署に相談する、風通しの良い組織風土とするために、全社を挙げて意識改革を進める所存であります。 また、当社では、従来より、法令・ルール違反をした社員に対する懲戒処分事例を社内に周知することにより再発防止を図ってきておりますが、今回の独占禁止法違反に関係した社員及びその上司の事業部長についても、当社規則に基づく厳正な懲戒処分を実施し、社内に周知することと致します。 |
(3) | 役員報酬の返上 今回の独占禁止法違反により、関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことに対する経営としての深い反省の意を込めて、会長、社長、機能化学品事業グループ担当の副社長、リスク管理委員会担当の専務取締役、並びにリスク管理委員会事務局である総務部及び法務部副担当の常務執行役員が、以下のとおり報酬を返上することと致しました。(役職は本年6月1日現在) ・会 長 中西 宏幸 30%(2ヶ月) ・社 長 藤吉 建二 30%(2ヶ月) ・副 社 長 富永 紘一 20%(2ヶ月) ・専務取締役 谷川 進治 10%(2ヶ月) ・常務執行役員 山下 勝也 10%(1ヶ月) |
公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令について
当社は、本日、公正取引委員会から独占禁止法違反があったとして排除措置命令及び課徴金納付命令を受けましたので、下記のとおりお知らせいたします。関係者の皆様には、大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたします。
1. | 排除措置命令の概要 当社は、ガス用ポリエチレン管及び継手のガス事業者向け販売価格の引き上げを、他の事業者と共同して決定し、当該行為が独占禁止法第3条の規定に違反するとして、当該行為が消滅している旨を確認すること等の排除措置を採ること |
2. | 課徴金納付命令の内容納付すべき課徴金の額
1億2,735万円(管及び継手に関する課徴金の合計額) 納付すべき期限 平成19年10月1日 |
3. | 当社の対応について 当社は、上記命令を応諾する方向で内容を検討しております。 当社といたしましては、このような事態に至りましたことを厳粛に受け止め、取締役全員について報酬の一部を返上し、役員・社員一同、今後このようなことのなきよう改めてコンプライアンスの徹底に努め、信頼の回復に向け全力で取り組んでまいりますので、何卒、ご理解のうえ、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 |
日立金属
排除措置命令等の内容を慎重に検討した上、対応を決定する予定です。