化学会社の海外進出一覧 大日本住友製薬 米国

 

持株会社

社名 Sumitomo Pharma America Holdings, Inc.

Sumitomo Dainippon Pharma America, Inc.

2017/7/5改称
 旧社名 Dainippon Sumitomo Pharma America Holdings, Inc.

  http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20170704.pdf

 

場所 Marlborough, MA
株主 大日本住友製薬
設立  
能力  
備考  

 

再編  以下の米国子会社および孫会社 7 法人を Sunovion Pharmaceuticals Inc.を存続会社として合併することにより、2023/7/1に1つの事業会社に再編する。

Sunovion Pharmaceuticals Inc.」の商号を「Sumitomo Pharma America, Inc.」に変更する。

医療用医薬品の製造、販売   2023/7/1 上記6社を統合

Sunovion Pharmaceuticals Inc.」の商号を「Sumitomo Pharma America, Inc.」に変更する。

社名 Sunovion Pharmaceuticals Inc.   

  
 2010/10 改称 http://www.ds-pharma.co.jp/news/2010/20100716.html

旧称 
Sepracor Inc.

場所 マサチューセッツ州マールボロ
株主 大日本住友製薬 100%

2009/9 買収合意
  http://www.ds-pharma.co.jp/news/2009/20090903.html

2009/10/14 TOB成立
  
http://www.ds-pharma.co.jp/news/pdf/ne20091014.pdf

設立 1984/1/27
能力  
備考  

 

がん領域の研究開発および販売      2023/7/1  Sunovion Pharmaceuticals Incに統合

社名 Sumitomo  Pharma Oncology, Inc.

Sumitomo Dainippon Pharma Oncology, Inc.
 2020/7/1 BostonBiomedical が下の
Tolero Pharmaceuticalsを吸収合併して改称  
   https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20200529.pdf

Boston Biomedical Inc.

場所 マサチューセッツ州ノーウッド
株主 大日本住友製薬 100%
           2012/2/29 買収合意
 
    http://www.ds-pharma.co.jp/news/2012/20120229.html
設立 2006 年11 月
能力  
備考 旧Boston Biomedical はがん幹細胞領域の研究開発に特化したバイオベンチャー

↑ 2017年4月1日 上記に統合
     http://www.ds-pharma.co.jp/news/2016/20161221_1.html
 

米国における抗がん剤の販売

社名 Boston Biomedical Pharma, Inc.
場所 マサチューセッツ州ノーウッド
株主 大日本住友製薬アメリカホールディングス・インク 100%
設立 2013 年10 月
 http://www.ds-pharma.co.jp/news/2013/20131009.html
能力  
備考  

 

がんおよび血液疾患領域における医薬品の研究開発 
   →上記 Boston Biomedical に吸収され、Sumitomo Dainippon Pharma Oncology, Inc.になる。

社名 Tolero Pharmaceuticals, Inc. 
場所  Lehi, Utah
株主 Dainippon Sumitomo Pharma America Holdings, Inc. 100%

2016/12/21 完全子会社化で合意   
 http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=797

2017/1/25 売却完了
 http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20170126.pdf
 

旧株主
 David J. Bearss (22.1%)、Orelot LLC (15.2%)、Alger Health Sciences Fund (8.9%)ほか

設立 2011年6月
能力  
備考 買収対価

 本買収完了時に200百万米ドル
 将来、開発中の化合物の進捗に応じた開発マイルストンとして最大430百万米ドル

 発売後は売上高に応じた販売マイルストンとして最大150百万米ドル


本買収により、血液がんを対象として開発中のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9阻害剤 「alvocidib」(一般名)を含む6
化合物を獲得

 

 

カナダの医薬品ベンチャー (パーキンソン病治療剤の開発)

社名 Cynapsus Therapeutics Inc.
場所 West Toronto, Ontario
株主 Sunovion Pharmaceuticals Inc. 100%
 Plan of Arrangement (カナダ法上認められている友好的企業買収手法)の手法により現金で取得し完全子会社化 (2016/8発表)
  http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=767
設立  2004年1月16日
能力  
備考  

 

 

新たな血液採取法発に注力するヘルスケアテクノロジー企業 

社名 Drawbridge Health, Inc.
場所 カリフォルニア州メンローパーク
株主 GEventures
GE Healthcare


大日本住友製薬 2019/7 数百万ドルの出資
     https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20190725_3.pdf

 

設立 20158
能力  
備考 臨床検査用血液サンプル簡便に採取し、輸送できる採血デバイスの開発

GE HealthcareInc.が開発した血液を安定化させ常温での輸送と保存を可能とする技術採血デバイス使用する権利を有する。

 

ベンチャーファンドへの出資 

社名 Remiges BioPharma Fund, LP Remiges BioPharma Fund II, LP
場所    
株主 大日本住友製薬 最大累計30百万ドル
     https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/2014/20140723.html
大日本住友製薬 最大累計25百万ドル
  https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20190829.pdf
設立 2014/6 2019/6
能力    
備考 主体:日本生まれの創薬特化型ベンチャーキャピタル Remiges Ventures, Inc.(拠点:東京都、米国マサチューセッツ州、代表:稲葉太郎)

イノベーションの創出が期待されるライフサイエンス分野において、主に米国および欧州でビジネスを展開するベンチャー企業への投資に特化したファンド
   

本ファンドへの出資を通じて、将来有望な新薬候補化合物や最先端技術を有するベンチャー企業に関するさらなる効率的な情報収集を図ることにより、開発パイプラインの充実、革新的な新薬の継続的創出に寄与することを期待。

 

肺の希少疾患を対象とした医薬品開発に特化した非上場の医薬品ベンチャー 

社名 Onspira Therapeutics, In
場所 ペンシルバニア州
株主 2020/1 Altavant Sciences(下記Roivant Sciencesとの戦略的提携で買収した5社のうちの1社)が買収
  https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20200109.pdf
設立  
能力  
備考  

 

ベンチャーファンドへの出資  

社名 Kicker Ventures I, L.P.
投資分野:ライフサイエンス分野の最先端技術(デジタルヘルスケア技術)
場所 シリコンバレー
株主  
設立 2021年1月
能力  
備考 2021/2/1  最大累計で20百万ドルを出資する契約を締結
 https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20210201.pdf

 

 

 

Roivant Sciencesとの戦略的提携  合意 

 2019/12/28     手続き完了

 2019/10/31 正式合意

 2019/9/6 Roivant Sciencesとの戦略的提携に関する基本合意書の締結について   詳細説明資料

 2019/12 手続き完了

対価支払 総額約30億米ドル
 
新会社(Sumitovant Biopharma)の全株式等の取得:20億米ドル
 Roivant の株式 11%の取
得:10 億米ドル

 2020/11/13 Roivant 子会社Urovant Sciences (下記)の100%子会社化    約211百万米ドル
    
https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20201113.pdf

持株会社  2023/7/1  Sunovion Pharmaceuticals Incに統合

社名 Sumitovant Biopharma Ltd.
場所 London
株主 大日本住友製薬
 2019/12/27 取得完了
  対価 20億米ドル
 https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20191228.pdf

 

設立 2019/10/25
能力  
備考 下記の各社の持株会社
Sumitovant Biopharma Inc.  (USA)


Roivantの子会社5社       下記の赤字3社 
2023/7/1  Sunovion Pharmaceuticals Incに統合

Myovant Sciences Ltd. 約52% → 2022/10/23  100%

 未保有の株式を1株当たり27.00米ドルで取得し、総額17億米ドルを支払う。
                 
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20221024.html

Urovant Sciences Ltd.  2020/11 100%
Enzyvant Therapeutics Ltd.
  2022/12/6  Altavant と合併
Altavant Sciences Ltd.
 
Enzyvant Therapeuticsと合併、消滅
Spirovant Sciences Ltd.
 

2021/3/23 Sumitovant の戦略
  https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ir20210323.pdf

2022/10/3  52.17%保有のMyovant Science の残り全株式買収の提案
  https://www.sumitomo-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20221003.pdf

 

 


                  https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16908/

 

持株会社

社名 Sumitovant Biopharma Ltd.
場所 London
株主 大日本住友製薬
 2019/12/27 取得完了
  対価 20億米ドル
 https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20191228.pdf

 

設立 2019/10/25
能力  
備考 下記の各社の持株会社
Sumitovant Biopharma Inc.  (USA)


Roivantの子会社5社

Myovant Sciences Ltd.、
Urova
nt Sciences Ltd.、
Enzyvant Therapeutics Ltd.、
Altavant Sciences Ltd.

Spirovant Sciences Ltd.

上記の運営

社名 Sumitovant Biopharma Inc.
場所 New York
株主 Sumitovant Biopharma Ltd. 上記
 https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20191228.pdf
設立 2019/10/28
能力  
備考 Roivantから買収の子会社5社の管理、事業戦略・販売戦略の策定・推進、ヘルスケアテクノロジープラットフォームの活用推進など

Myovant Sciences Ltd.、
Urova
nt Sciences Ltd.、
Enzyvant Therapeutics Ltd.、
Altavant Sciences Ltd.

Spirovant Sciences Ltd.

2020/11/13 Roivant 子会社Urovant Sciences (下記)の100%子会社化    約211百万米ドル
    
https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20201113.pdf

2021/3/29 本完全子会社化を完了

 

ハーバード大学で生物学を学び生物学の学士号を取得(最終的にはイェール大学でJ.D.を取得しました)。そして、ダニエル・ゴールド率いるQVT Financial というヘッジファンドに就職します。当時22歳でした。

QVTに在籍中、Vivekは2014年までファンドのバイオテクノロジー部分の管理を担当していました。その後、VivekはQVTを退社し、グラクソスミスクラインからRVT-101(intepirdine)と呼ばれる第2相医薬品候補をわずか500万ドルで購入し、Axovant Neurology Solutions (NYSE:AXON)という会社を設立したのです。

RVT-101は、グラクソスミスクラインのPhase 2の段階にあったアルツハイマー病の治療薬ですが、他の多くのアルツハイマー病治療薬と同様に、十分な効果が期待できず、棚上げされていました。しかし、Vivekは、RVT-101という1つの薬の候補とし、2015年、IPOで株式公開に成功します。新規株式公開でAxovantの予想を上回る3億1500万ドルを調達し、その価値はほぼ2倍になりました。Axovantは約14億ドルと評価され、株式は99%上昇し、29.90ドルで最初の取引日を終えた。しかしながら、結局このRVT-101の臨床試験は失敗に終わり、開発は中止されます。ただ、このビジネスモデルは他の治療薬に応用され、その後次々と拡大をしていきます。

Myovantでは、子宮筋腫や前立腺癌に使われる薬relugolixを開発しています。これまでの臨床試験でrelugolixは有効な結果を報告しています。relugolixはGnRH受容体拮抗薬であり、下垂体に作用して女性ではエストロゲンを、男性ではテストステロンを低下させます。Myovantはこの薬を武田薬品から買い取りました。この薬はすでにPhase 3試験を終了させています。

エストラジオールと酢酸ノルエチンドロンを併用したrelugolixは、疼痛という主要評価項目に対し、プラセボ群30.4%に対し、75.2%の患者において月経痛または月経困難症の軽減が認められました(p<0.0001)。非月経時の骨盤痛については66.0%対42.6%の差がありました(p < 0.0001)。このエンドポイントでこの試験に参加したときの平均痛みスコアが10点満点で7.2点(強い痛み)であったのに対し、24週間または6ヶ月の治療後の痛みは1.7点と軽度の範囲内でした。

市場は十分に大きく、米国外の売上高は1億5000万ドル、世界的な売上高は16億ドルと見積もっています。Myovant社の元々のライセンス先である武田薬品はアジア地域の支配権を維持しています。
 

米国での発売については、子宮筋腫や子宮内膜症の患者の大半を治療する30000人以上の婦人科医をカバーするために、200人のMRを雇用する予定です。また、大日本住友製薬は30億ドル(約3200億円)出資し、Roivantと戦略的提携に合意し、その中にはMyovantが含まれます。これにより第日本住友の販路を用い、販売が行えることになります。

このようにRoivantを中核企業として、子会社1つ1つが、他の製薬企業から失敗とされたり、異なる効能が示唆されるような薬を買い取り、場合によりIPOで資金調達をし、臨床試験を成功させていくのがビジネスモデルです。もともとの開発企業と、ロイヤリティなどの取り決めをしたうえで、利益を分かち合う、という提案をします。多くの製薬企業が、いままで費やした努力が無駄にならずに患者を救う可能性があるという考えに、共感してしまいます。

公開のデータベースから、特許を見て、臨床試験の進行具合をチェックします。その後、作用機序、エンドポイントなどと照らし合わせ市場規模もチェックします。この方法で、候補となる薬を選定していきます。
 

また子会社には人工知能(AI)を利用して臨床試験の進行を改善することを目指す、Datavantといった会社もあります。製薬企業は多数の試験を行い、多くのデータを集めますが、それらのデータはシェアされることがないため、多くの臨床試験のコストが無駄になっています。しかしながら、そのようなデータをシェアするモデルを構築できれば、開発のスピードを上げることができ、臨床試験の成功率も上げることができるでしょう。これは製薬企業にとっても、患者さんにとってもハッピーな話です。