AGC agc

 

2021年319

AGCインドシナ半島クロール・アルカリ事業統合再編決定

AGCは、2021318日開催取締役会において、当社子会社であるインドシナ半島クロールアルカリ事業3社、AGC Chemicals ThailandVinythai Public Company LimitedAGC Chemical Vietnam再編統合2022年前半完了目標実施し、統合新社設立することを決議しましたので、おらせいたします。

 

1.本決定目的

AGC グループは、経営方針AGC plus2.0注力事業のひとつとして、東南アジアにおける化学品クロール・アルカリ事業拡大目指しています。
東南アジア苛性ソーダ塩化ビニル樹脂(PVC)の市場は、年率4%程度成長見込まれています。

当社は、域内伸長する需要着実みと競争力強化目的とし、これまでインドネシアにおける既存拠点生産能力増強や、AGC Chemical (Vietnam)ベトナム)Vinythai タイ)買収により、東南アジアにおけるクロール・アルカリ事業トップポジション確固たるものにしてまいりました。

AGCグループは、本決定じて、統合新社株主であり、タイにおける大手石油メーカーであるPTT Global Chemical Public Company Limited( 「GC社」)との連携深化し、インドシナ半島クロール・アルカリ事業基盤強化なる成長目指します。

2.本決定する手続

本決定する手続きは以下予定しています。

@Vinythaiタイ証券取引所から上場廃止とする旨、Vinythaiにおける株主総会にて承認取得そのGCVinythai普通株式する株式公開買付い、Vinythai上場廃止するきを実施。なお、当社Vinythai上場廃止賛同GCによる本公開買付には応募しません。(→ Vinythai は一旦、GCの子会社とする。)

A上記並行し、当社ACVNACTH子会社とする手続きを実施。 (→ACVNをAGCの子会社とする。)

B @Aの手続完了後、VinythaiACTH統合新社設立 (→VinythaiとACVNを統合し、新社とする。)      (以下「本組織再編」)

C GC新社持分比率最大35%までげる権利ち、GCする第三者割当増資により、これを実施。

     AGC  65%、GC 35%-α

なお、上記のうちBCは、Vinythaiタイ証券取引所から上場廃止となる合併前提条件充足することを条件しています

3.本公開買付について

本公開買付諸条件などにする詳細情報は、タイ法令タイ証券取引所規則づきGCVinythaiタイ公表します。

4.本組織再編について
(1)
設立する会社概要 
   名称
 未
   設立
時期 2022前半予定
   
大株主及持株比率  AGC株式会社65以上予定 PTT Global Chemical Public Company Limited 35-a以下予定  そのa%予定


2024年12月24日  AGC

CO2を原料としたエチレンの製造検討を開始

―「カーボン・ネットゼロ」達成に向け、CCU技術の研究を進める―

AGCは、カナダの気候変動関連スタートアップ企業であるCERT systems Inc. と、電気分解技術を用いた、CO2を原料としたエチレンの製造検討に関する、共同研究契約を締結しました。

本共同研究では、CCU*1技術の導入により、AGCグループが製造する塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂の原料に使用するエチレンを、CO2由来のエチレンに置き換える検討を行います。   *1  Carbon dioxide Capture and Utilization (二酸化炭素回収利用)

自社製品の原料をCO2由来エチレンに置き換える本共同研究のイメージ図

 

近年、2050年カーボンニュートラル実現に向けた革新的な技術として、CO2を回収・利用するCCU技術が注目されています。CO2由来のエチレンを製造する際の主な反応方法としては、水素を利用した反応、電気分解による反応、光合成を利用した反応の3つが検討されています。とりわけ、本検討の対象である電気分解法は、CO2以外に必要とする原料が再生可能エネルギー由来の電気と水であり、原料の調達利便性が高いことを背景に、世界中で活発に研究が進められています。

CERT社は、2020年に世界で初めてCO2電気分解技術を用いてエチレンを製造するパイロット実証実験に成功しています。本共同研究では、CERT社の知見を活かし、CO2電気分解プラントの実用化に向けた検討を実施します。本技術に関するプロセスの検証や事業性評価などを、AGCグループの製造拠点と連携し、進めていく予定です。

AGCグループは、中期経営計画
AGC plus-2026 において、「サステナビリティ経営の深化」を主要戦略の一つに定め、2050年に「カーボン・ネットゼロ」を目標に掲げています。当社グループは今回の共同研究を通じて、CO2電気分解技術を用いたCCU技術の実現を目指します。

 

CERT offers the only single-step process to produce sustainable ethylene, reducing CapEx and physical footprint. Unlike other processes, we don't require costly feedstocks such as hydrogen, ethanol, or syngas.

Every tonne of ethylene made with CERT's process sequesters over 3 tonnes of CO2. We plan to mitigate over half a gigatonne of annual CO2 emissions using our novel process.

The molecules produced through CERT's process are chemically identical to virgin fossil molecules, enabling the use of existing downstream processes without further adjustment – the only difference is the carbon footprint.


CERT Systemsは、化学、材料科学、機械工学の専門知識を持つ多分野のチームであり、先進的なCO2変換技術を拡大しています。同社は、再生可能な燃料や化学原料にCO2排出量を効率的に変換する技術を発明しました。このプロセスは、水と電気のみを使用しています。この技術により、炭素循環を効果的に閉じることができ、貴重な化学品や材料を生産することができます。
CERT Systemsは、世界が最も重要な化学物質を製造する方法を変革しています。現在、ほとんどの化学物質は化石燃料から作られていますが、CERTはCO2排出量と再生可能な電力を使用して、化学物質の基礎となる化学物質やクリーン燃料を合成しています。これはCO2電解と呼ばれるプロセスを使用して実現されます。このプラットフォーム技術は、さまざまな重要な分子を合成するために使用することができます。

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イリノイ大学シカゴ校(UIC)の研究チームが、産業分野で排出される二酸化炭素(CO2)をエチレン(C2H4)にほぼ100%変換できる手法を考案した。水の電気分解により生成される水素イオンと、二酸化炭素の電解還元により生成される炭素イオンを結合させてエチレンを製造するもので、二酸化炭素を含まない高純度のエチレンガスを得ることができる。研究成果が2022年9月9日に、『Cell Reports Physical Science』誌にオンライン公開されている。

UICの研究チームは、電気化学的にCO2を還元する電解還元法を利用して、C2H4を製造するプロセスに着目して、CO2との選択分離性の高い電解セルの開発にチャレンジした。メンブレンによって分離された2つのユニットの内、1つには水性溶液を、もう1つには回収されたCO2を満たした。銅メッシュの触媒を用い、電解セルに矩形型振動電圧を負荷することにより、水性溶液側で電気分解により水素イオンを、CO2側では電解還元により炭素イオンを生成して、水素イオンがメンブレンを透過し炭素イオンと結合することによってC2H4を製造することに成功した。この手法では、CO2をほぼ100% C2H4に転換できるとともに、高い選択分離性を実現してCO2を含まないC2H4を得ることを見出した。

通常のC2H4製造方法である水蒸気クラッキング法では、1トンのC2H4を製造するために約1.5トンのカーボンが発生するが、開発されたプロセスではC2H4を1トン生産するごとに、大気中に放出されるはずの6トンのCO2を殆どリサイクルできる。このシステムは電気によって作動するので、再生可能な電力を利用することにより、プロセス全体をカーボンネガティブにすることができる。「これまでのCO2削減および捕捉、変換技術の目標であるカーボンニュートラルを超えて、カーボンネガティブを実現できる」と、研究チームは語る。同じ電解セルを用いた手法により、他の有用な炭素系製品を製造することも検討している。