2006-5-1 新しいページ 1

2019/11/26 日経   

昭電工に日立化成売却へ 日立が優先交渉権付与

日立製作所は11月25日、グループの中核子会社である化学大手、日立化成の売却を巡り、総合化学メーカーの昭和電工に買収の優先交渉権を与えることを決めた。

日立はグループの「御三家」(日立化成工業、日立金属、日立電線)と呼ばれた日立化成を売却。ものづくりからデジタル関連事業を中核とする企業への移行を急ぐ。

日立電線は2013年7月1日に日立金属に吸収合併された。

実現すれば国内の化学業界では久々の大型再編となる。

日立化成は東証1部上場会社で、日立製作所が51%の株式を保有。日立製作所は5月以降、日立化成を通じて買収を希望する企業を入札方式で国内外から募っていた。

日立化成は25日の取締役会で昭和電工に優先交渉権を与えることを決め日立製作所も同意した。

買収はTOB(株式公開買い付け)方式で実施する見通し。昭和電工は日立製作所の保有分に加え、残りの49%も含めた日立化成の全株式を買い付けることも視野に入れる。日立化成株の25日の終値は3465円で、時価総額は7219億円。全株買い付けとなれば現在の株価にプレミアムを乗せ、買収額は9000億円規模になる可能性がある。

日立化成は半導体の封止材料やリチウムイオン電池の負極材などで世界でも高いシェアを持つ。
ただ日立製作所は自社が今後注力する、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」事業との相乗効果が薄いことなどから、日立化成の売却を決断した。

日立製作所は現在約800社のグループ会社を数年問で500社程度まで整理・統合する方針を掲げている。10月末には子会社の日立オートモティブシステムズとホンダ系自動車部品3社の統合を発表した。2009年に22社あった上場子会社は日立化成を含め、すでに4社に減った。

今後は同じく「御三家」の一角とされた日立金属など他の上場子会社についても、自社のデジタル事業との相乗効果を見極めながら、売却などを検討する。

今回の日立化成の入札では当初、三井化学などの総合化学メーカーや米投資ファンドなどが名乗りを上げたが、買収額などで折り合わなかった。
2次入札で高値をつけた昭和電工が最終候補となったもようだ。

昭和電工はサーバーなどに使うハードディスクや製鉄用の黒鉛電極で世界トップシェアを持つ。
半導体や電池分野を中心に高い競争力を持つ日立化成を取り込み、成長につなげる狙いがある。買収が実現すれば、昭和電工の売上高は単純合算で約1兆7000億円となり、同業の三井化学や信越化学工業を抜く。

国内化学業界では2000年に三井化学と住友化学工業(現住友化学)が経営統合の方針を決めたが2003年に白紙撤回した。その後、2010年に三菱ケミカルホールディングスが同じ三菱系の三菱レイヨンを買収したが、大型再編が進んでいない。

ーーー

日立製作所、本田技研工業(ホンダ)、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の6社は10月30日、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の4社の経営統合に関する基本契約を締結した。

CASE分野においてグローバルで競争力のあるソリューションの開発・提供を強化することが目的。経営統合は以下の流れを予定している。

(1)本田技研工業がケーヒン、ショーワ、日信工業の普通株式を対象として公開買付け。
(2)本田技研工業がケーヒン、ショーワ、日信工業を完全子会社化。
(3)日立オートモティブシステムズが、日立オートモティブシステムズを存続会社とし、ケーヒン、ショーワ、日信工業を消滅会社とする吸収合併を実施する。

なお経営統合は、各社が事業を展開する各国において、企業結合に関する届出許可など、関係当局の許認可が得られることなどが前提条件だ。

統合後の新会社の持ち分比率は、ホンダ以外の自動車メーカーへ広く拡販するため日立製作所が66.6%、ホンダが33.4%となる。新会社の仮称は日立オートモティブシステムズだが、「日立」の名前が入る可能性が高いという。

日立オートモティブシステムズ CEOのブリス・コッホ氏は「新会社はグローバルなメガサプライヤーとなる。電動パワートレイン、シャシーと自動運転やADASにおいて、規模の力と4社の人材を効率的に活用する」と自信を見せた。