朝鮮日報 2019/7/3

半導体素材開発に5500億円投資へ 日本の規制強化受け=韓国政府

韓国政府は7月3日、日本による半導体材料の輸出規制強化に関連し、優先予算事業として半導体の素材をはじめとする部品・装備開発に約6兆ウォン(約5500億円)を投資することを決めた。

産業通商資源部は日本の輸出規制措置を受け、科学技術情報通信部と共同で先月発表した「製造業ルネサンス(再生)ビジョン・戦略」の素材・部品・装備産業の育成策をより具体化する中でこのような投資方向を定めたと明らかにした。

現在、事業別に予備妥当性調査を終了、もしくは進行しているといい、産業通商資源部の関係者は「半導体素材・部品・装備に2020年から10年間で1兆ウォンを投入する事業は既に予備妥当性調査を通過した。一般素材・部品・装備は2021年からの6年間で5兆ウォンを投入する方策について調査が進んでいる」と説明した。

このうち、日本に対する輸入依存度が高い半導体素材・部品・装備開発については、産業通商資源部が7年間で5200億ウォンを、科学技術情報通信部が10年間で4800億ウォンを投資する計画だ。

これらの投資事業は全て、「素材大国」と呼ばれる日本との技術格差を縮めることに焦点を合わせている。

与党「共に民主党」と政府、青瓦台(大統領府)が3日、日本の輸出規制強化への対応策について「半導体素材・部品・装備開発に毎年1兆ウォン水準の集中投資を推進している」と明らかにしたことも、これと関係している。

成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官も、この日開かれた下半期の経済政策方向会見で「今回規制される素材に関して、基幹産業に必須の素材部品(確保)、輸入先の多角化、国内生産競争力向上などのために毎年1兆ウォンを集中的に投資する」と説明した。

同部は今月中に部品・素材の競争力向上のための対策をさらに具体化して発表する予定だ。

今回の投資発表は、先ごろ産業通商資源部が発表した製造業革新強国戦略とも関連する点で注目される。

同部は先月19日、新産業から素材・部品・装備産業、主力産業に至るまで製造業全般を総合的に支援することで韓国を2030年までに世界4大製造強国にするという「製造業ルネサンスビジョン・戦略」を発表した。

この戦略によって製造業の基幹となる素材・部品・装備産業を集中的に育成するとともに、「素材・部品特別法」を全面改正して政策対象を拡大し、100大基幹素材・部品・装備の技術開発に予算を集中投資する方針だ。

戦略には、第4次産業革命時代に合わせビッグデータや人工知能(AI)基盤の「デジタルシミュレーションプラットフォーム」を構築し、素材や部品の物性・設計方法など最適な開発方式を提示して開発時間と費用を削減する内容も含まれている。

デジタルシミュレーションプラットフォームは金属、化学、セラミック、繊維、機械の5大分野で構築される予定だ。

また、素材・部品・装備の品質信頼性を支援し、新製品生産実証のためのテストベッド(検証プラットフォーム)を構築し、素材・部品・装備企業の「グローバルバリューチェーン(付加価値の連鎖、GVC)」の導入を支援する。

公共部門では金属、化学、セラミック、繊維のテストベッドを、民間部門では家電、自動運転車、電気自動車(EV)の大企業がテストベッドをそれぞれ構築する予定だ。

あわせて半導体・ディスプレー・2次電池においては時宜にかなった大規模投資、次世代技術先取の支援などを通じて技術格差を広げることを目標としている。

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2019年07月03日 中央日報

「日本は精密化学技術を100年以上蓄積…韓国の追い上げは難しい」

 

 「半導体は組み立て産業だが、化学は基礎産業であり、技術の蓄積に長い時間が必要だ」(アン・ギヒョン半導体産業協会常務)。

韓国の半導体・ディスプレー競争力は日本企業に追いついて久しい。しかし関連素材の国産化率は50%にすぎない。精密工程であるほど日本に対する素材依存度はさらに高まる。業界では、100年以上の歴史を持つ日本精密化学企業と後発走者の韓国中小企業には差が存在するしかないと指摘する。

まず、技術蓄積の時間が違う。日本政府が韓国への輸出を規制するという高純度フッ化水素は、半導体回路のパターンのうち必要部分だけを残して不要部分は除去するエッチング工程に使用される。日本のステラケミファ、森田化学の世界市場シェアは90%に達する。韓国企業にはソルブレインなどがある。しかしこれら企業も原材料は日本企業から導入する。半導体業界の関係者は「フッ化水素はすべての物質を溶かしてしまう特性のために『管理ノウハウ』も製造技術に劣らず重要となる」とし「100年以上も精密化学素材を生産して管理してきた日本企業が競争力を持つ部分」と説明した。

フォトレジスト(感光液)はウェハーの上に回路を印刷する露光工程の核心物質だ。日本の住友化学、信越、JSRなどがサムスン電子やSKハイニックスの主な取引先だ。韓国でも錦湖(クムホ)石油化学、東進セミケム、東友ファインケム(住友化学)などが生産している。しかしこれら企業は後発走者だ。相対的に工程の難度が低い領域では国内企業の製品も使用可能だが、次世代装備のEUV(極端紫外線)露光装備には日本製の感光液が必須となる。

化学産業サイクルで「時差」も存在する。日本のJSRは生き残りのために高付加価値精密化学で「体質改善」に成功した事例だ。同社は錦湖石油化学に合成ゴム技術を伝授したところだ。1990年代末に韓国・中国企業が汎用化学製品市場で急成長した。汎用製品では勝算がないと判断したJSRは精密化学に目を向けた。合成ゴムは1トンあたり150万−200万ウォンだが、感光液は1ガロンあたり350万ウォンに達するほど高付加価値製品だ。

一方、韓国の大企業は汎用製品を中心に「規模の経済」を実現して成長した。日本の化学業界とはまだ技術の格差が大きい理由だ。最近、韓国大企業も市場に参入した。コーロンインダストリーとSKCは折り畳み式スマートフォン市場が本格的に開かれると判断し、透明ポリイミド(PI)フィルムを開発した。しかし製品の完成度や量産時期の問題でサムスン電子の基準を満たせず、結局、サムスン電子は「ギャラクシーフォールド」に住友化学のPIフィルムを採用している。

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ソルブレイン(Soulbrain Co., Ltd. ) 
   旧称 テクノセルケム
(Techno Semichem Co., Ltd.)

Techno Semichem Co., Ltd. is a Korea-based manufacturer of functional chemicals and advanced materials. The Company's core products comprise chemical vapor deposition (CVD)/atomic layer deposition (ALD) products, etchants/cleaning agents, chemical mechanical polishing (CMP) slurry products, chrome-etchants, langmuir-blodgett (LB) film electrolytes, glass reclaim products, optical fibers and neodymium (Nd) magnets. In addition, the Company also manufactures silicon dioxides, germanium tetrachlorides and phosphorous oxychlorides in the area of optical fibers.

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2011/07/18
森田化学が合弁、フッ化水素酸事業で

森田化学工業が、半導体用フッ化水素酸事業で、韓国に進出した。

同社と韓国のENFテクノロジーによる合弁会社「フェムテクノロジー」が、このほど忠清南道牙山市に完工した。

森田化学の出資比率は30%。フッ化水素酸とBOEの生産を行う。月産規模は計2,000トンで、サムスン電子やハイニックス半導体などの半導体メーカーに供給される。森田化学は、出張ベースで技術指導員を派遣すると同時に、安定的な原材料の供給を行う。一方ENFは、研究開発およびマーケティングを支援する。

森田化学関係者はNNAの取材に対し、「これまで韓国の半導体用フッ化水素酸市場はテクノセミケムが独占していた。しかし、新たにフェムテクノロジーが事業参入することで、サムスンやハイニックスへの供給も安定するだろう」と話した。

FEM Technology Co., Ltd.

森田化学工業 32.4%
ENF Technology 38.9%
韓国アルコール産業 21.6%
三星物産 7%