資料-2 産構法時代                           目次へ

       
2 - 1   塩ビ共販
         
        PVC業界は何度も不況カルテルを結んでいる。
 1958/11/18−59/3/31
 1972/1/1-9/30
 1977/5/13-78/8/31 (4回延長)
 1981/5/1-10/31(1回延長)
 1981/11/28-82/2/28
         
        1972/3 PVCポスト・カルテル対策として業界は基本問題研究会を設置 
     ・第5次増設後、公称能力 1,584千t に対し 実能力は 2,060千t(MITI算定)となる。
     ・対策 縮小安定(設備投資休戦、過剰設備の廃棄or休止、・・・)
        ア法ソーダメーカー(東曹、セントラル化学、旭硝子)のPVC進出が問題となった。

1972/9 MITI通達 公称能力を上回る48万tの廃棄 → 1972年末実施

◎基本問題研究会は1972/6答申で、市場の安定化を図るため、過剰設備廃棄に加え、
商社を含む共販会社の設立と、 
  これを前提にPVCメーカー17社を4,5グループにまとめ、グレード統合・販売  経費節減を行うことも提案している。

1979/1 第2次石油危機が発生し、不況が深刻化した。PVC業界は、1981/5 不況カルテルを結成し、事態の打開に全力を挙げが、大幅コストアップ、需要の激減で企業収益が著しく悪化し、メー力ー17社のPVC部門の経常損失は1980年323億円、81年は470億円に膨らんだ。


1981/10 通産省は16日、産業構造審議会化学工業部会の塩化ビニル・ソーダ小委員会を開いた。
 長期需給見通し 1985年の設備稼働率はPVC 67%、カセイソーダ 66%
 塩ビ業界の方向 「国際競争力の強化」と「集約化」
 具体案
   @メーカー17社が数社ずつまとまり共同販売会社を設立し、価格の安定化、流通合理化、生産の受委託を進める
   A塩ビ中間原料の輸入を数社ずつによる共同輸入
   BPVC設備能力の増加は避け、競争力強化と集約化促進のためにS&Bを積極的に進める

1981/10 主要9社首脳が構造改善策を協議
       全17社を4グループに再編成して共同販売(共販)化を目指すことで合意

組み合わせについて、塩ビ協「塩化ビニル工業30年の歩み」(1985)では当時の呉羽化学・高橋博社長は、塩ビ協会長として私案をつくったとしている。  

三菱系   信越化学工業、旭硝子、菱日(三菱化成工業系)、三菱モンサント化成(同)の4社。
 三菱化成は共販参加に当たり菱日、三菱モンサントのPVC販売窓口会社として化成ビニルを設立
三井系   鐘淵化学工業、三井東圧化学、電気化学工業、東亞合成化学工業の4社。
日本興行銀行系   東洋曹達工業、セントラル化学(セントラル硝子系)、日産塩化ビニール(日産化学工業系)、
チッソ、徳山積水工業(東洋曹達、積水化学工業系)の5社。
その他   日本ゼオン、呉羽化学工業、住友化学工業、サン・アロー化学(徳山曹達系)の4社。
         
  塩化ビニル樹脂共同販売会社の概要(共販体制発足時)
       

 

会社名(グループ)

資本金
百万円

参加会社

出資比率

第一塩ビ販売
(その他系)
1982/3/12設立
1982/4/1営業開始

90

住友化学工業

25

呉羽化学工業

25

サン・アロー化学

25

日本ゼオン

25

100

日本塩ビ販売
(三井系)
1982/7/15設立
1982/8/1営業開始

80

鐘淵化学工業

25

電気化学工業

25

東亜合成化学工業

25

三井東圧化学

25

100

中央塩ビ販売
(三菱系)
1982/7/15設立
1982/8/1営業開始

90

旭硝子

33.33

化成ビニル

33.33

信越化学工業

33.33

100

共同塩ビ販売
(興銀系)
1982/8/11設立
1982/9/1営業開始

50

東洋曹達

27.5

チッソ

27.5

セントラル化学

17.5

日産塩化ビニール

17.5

徳山積水

10.0

100

       
化成ビニル
  共販参加に当たり三菱化成、菱日、三菱モンサントのPVC販売窓口会社として設立
    
セントラル化学
  東亞合成に製造委託
   
日産塩化ビニール
  当初、日産化学 千葉工場でVCM、PVC生産
1977 塩ビ部門分離 「日産塩化ビニール」
1983 「日産塩化ビニール」を東洋曹達とのJV「千葉ポリマー」とする。
1989 千葉ポリマー解散 PVC設備を東洋曹達(四日市)に移管
   
        1981/12 日本ゼオン、呉羽化学工業、住友化学工業、サン・アロー化学(徳山曹達系)の4社は社長会を開き、塩ビ共同販売会社の骨格を最終的に決定、直ちに公正取引委員会との協議に入った。
共販会社の内容は
 @資本金は4社均等出資、従業員は各社からの出向
 A共販対象は汎用塩ビ樹脂とし、各社の自家消費用を含む全量を買い上げて販売
   4社のうち、ゼオンと住化のみ、ペースト塩ビを生産しており、これを除外した。
 B共販量の4社間の比率は現行生産シェア(占有率)を目安にするなど。

これに対して公正取引委員会は、塩ビ業界のグループ化による共同販売計画について、
「その他」グループの共販計画については「販売シェアが24%と規制基準(25%)を下回っているし、競争制限につながることはない」とし、1グループだけなら共販を認めるとの姿勢を示した。
しかし4グループ化による共販については
 @販売市場を4分割するので価格競争がほとんど行なわれなくなる可能性が強い
 Aグループによっては販売シェアが市場支配力の目安である25%を超えるところもある
 B共販により構造改善効果が不明確ーーなどをあげ、
「4グループ化がほぼ同時期に共販体制をスタートさせることは独禁政策上問題点が多い」とした。

第一塩ビ販売  1982/3/12設立、4/1営業開始

残り3共販については、公取委が「先頭グループの共販活動の様子を見守ったうえで判断したい」とし、ズレ込んだ。
1982/6  通産省と公取委はようやく、塩化ビニル共販会社設立で合意、

日本塩ビ販売(三井系) 1982/7/15設立、8/1営業開始
中央塩ビ販売(三菱系) 1982/7/15設立、8/1営業開始
共同塩ビ販売(興銀系) 1982/8/11設立、9/1営業開始

各共販とも、交錯輸送の廃止による物流の合理化、販売経費の削減、グレード統合や設備処理・生産集中による生産合理化、研究開発の効率化などをうたっている。

付記

化学経済 1983年3月号に「共販会社の概念と展開形態」が出ている。日本ゼオンの佐伯康治氏(のち新第一塩ビ初代社長)が筆名で書いたもの。
実際にはU段階を飛ばして、統合会社ができた。(第一号が1995年7月発足の新第一塩ビで、その後、塩ビ、ポリオレフィン、PS、ABSなどが続いた。)

 

         
-   産構法
       
 通産省は、産業構造審議会を中心に事態の打開策を検討していたが、1982/7 同審議会化学工業部会に石油化学産業体制委員会、翌8月同審議会総合部会に基礎素材産業対策特別委員会を設置し、さらに具体策を深めていった。
         
 (1)   石油化学産業調査団
       
 石油化学業界では1982/10、エチレンセンター13社の社長で編成された石油化学産業調査団が訪欧、石油化学事情を調査するとともに、不況の脱出策を協議した。

石油化学産業調査団
  団長   住友化学   土方武社長
  副団長   三菱油化   吉田正樹社長
      昭和電工   岸本泰延社長
           
  通産省       内藤正久基礎化学品課長
           
  団員   新大協和石化   池邊乾治社長
      大阪石化   笠間祐一郎社長
      東燃石化   川島一郎社長
      三菱化成   鈴木精ニ社長
      丸善石化   田島栄三社長
      旭化成   宮崎輝社長
      東洋曹達   森嶋東三社長
      出光石化   大和丈夫社長
      日本石化   片山寛副社長
      三井石化   竹林省吾専務
      旭化成   都筑馨太副社長

高杉良 「局長罷免 小説通産省」

 石油化学工業の中核部門であるエチレンセンター13社の社長で編成された石油化学産業調査団が欧米に派遣されたのは、ランブイエ・サミットの7年後である。
 同調査団は、欧州の石油化学事情を調査することを目的としていたが、これはあくまでおもて向きで、不況の脱出策を協議することが本来の狙いであった。
 利害対立が激しく、メーカー間の相互信頼関係が著しく損なわれていた中で、斎藤(内藤正久基礎化学品課長)は各社首脳を精力的に訪問し、調査団の必要性について説いた。斎藤の水際立った根回しの見事さを青山はすぐ近くでつぶさに見ていたのである。
 住之江化学の堤武夫社長(住友化学 土方武社長)を団長とする大型ミッションが最初の訪問地フランクフルトに向けて成田空港を発ったのは昭和57年10月2日のことだ。一行は随員を含めて総勢20名、副団長は光陵油化の吉岡正雄社長(三菱油化 吉田正樹社長)と昭栄化学の西本康之社長(昭和電工 岸本泰延社長)。通産省から斎藤ほか2名が参加した。
 斎藤の存在なくして調査団はあり得なかったし、その後の石油化学工業の再生、収益改善など望むべくもなかった、といま青山は確信をもって断言できる。
 一行は2週間にわたってフランクフルト、ブラッセル、パリ、ロンドンなどを回り、西独BASF社、オランダDSM社、CEFIC(欧州化学工業連盟)、 EC委員会、フランス政府工業省、英BPケミカルズ、ICI社などの首脳と意見を交換する一方、円卓会議を頻繁に開催し、不況対策について話し合った。
 調査団の帰国後、各社の首脳間に相互信頼感が芽生え、過剰エチレン設備等の廃棄、ポリエチレン、ポリプロピレンなどポリオレフィンの共同販売会社の設立 など抜本的な構造改善対策が次々に打ち出され、構造不況に陥っていた石油化学工業は急速に立ち直ってゆく。

調査結果概要(要約)

1. 欧州石油化学工業の現状認識  略
   
2. 業界の対応
@ 過剰設備の処理
  過剰設備の処理の進め方は、マスタープランを作成して進める方法のほかに、バイラテラルな形で進めていくことも現実的方法として有効であるとの見解が示された。
A 過当競争の排除
  不況の原因の本質は企業数過多、設備過剰に伴う過当競争にあるとの指摘が多く、事業の交換、限界企業の撤退などを通して企業数を半分程度にすることが必要であるとの見解が示された。基礎的石油化学製品については共同生産が有効であるとの見解も示された。
B 高品質、高付加価値化等のための技術開発の推進
   
3. 政策運用
@ 独禁法の運用
  EC委員会は、価格取り決め、生産調整、販売調整を伴わない限り、単なる設備廃棄は独禁法上の問題は生じないとしている。
A 国有化政策
  国有化は死にかけた企業の延命策となり産業再編成を阻害させるとの強い意見があった。
B 雇用対策
C 原料政策、エネルギー政策
  いずれの国も原料非課税原則が貫徹されている。ナフサの強制備蓄も実施されていない。
D 通商対策
         
 (2)  産構法
       
1982/12、石油化学産業体制委員会は、「石油化学工業の産業体制整備のあり方について」を通産大臣に具申した。
内容は、
 @過剰設備の処理、
 A投資調整の実施、
 B生産・販売の合理化のための集約化、
 Cコスト低減対策の実施、
 D海外プロジェクトヘの対応
の5項目を骨子とするものであった。

 これらの構造不況対策を実施するため、政府は1983/2/15に「特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案」を国会に提出、1983年5月24日「
特定産業構造改善臨時措置法(産構法)」が、1988年6月30日を期限とする時限立法として施行された。

 産構法の概要は次のとおりであった。
 
  1   特定産業の指定
石油化学工業などの7業種を法定候補業種として指定し、それら事業者の申出を受けて政令で特定産業に指定する。
  2   構造改善計画の策定
主務大臣は特定産業ごとに審議会の意見を聴いて構造改善基本計画を告示する。同計画には@構造改善目標、A設備処理に関する事項、B設備新増設などの制限、禁止に関する事項、C事業提携など規模または生産方式の適正化に必要な事項、D雇用、関連中小企業などへの配慮事項を定める。
  3   共同行為
事業者が自主的努力のみでは設備処理などを実施できない場合には、主務大臣は公正取引委員会の同意を得て共同行為の実施を指示できる。
  4   事業提携計画の承認
事業提携につき独占禁止法との調整および税制上の特例措置を希望する者は共同して事業提携計画を作成し、主務大臣の承認を受ける。
  5   設備処理、事業提携、活性化投資について資金確保および課税の特例措置を行う
  6   雇用の安定、関連中小企業の経営安定のための措置を行う
  7   昭和63年6月30日を期限とする

 産構法における指定業種は、電炉業、アルミニウム製錬業、化学繊維製造業、化学肥料製造業、合金鉄製造業、洋紙・板紙製造業、石油化学工業の7法定業種と特安法からの継続11業種など政令指定業種とがあげられた。

         
       

業種別構造改善基本計画の概要
 (継続)は
特定不況産業安定臨時措置法適用の継続

種名        特定産業
指定日
構造改善基本計画の概要
目標年度     設備処理 構造改善の重点
処理目標量 処理期限
アルミニウム製錬
 (継続)
1983/5/24 1986/3/31

93万t(57%)

1983/5/24 重油火力発電の石炭転換、
新製錬技術の研究開発
アンモニア
 (継続)
1983/5/24 1988/6/30

 66万t(20%)

1986/6/30 原料をナフサから石炭ガス、
LPG等に転換
尿素
 (継続)
1983/5/24 1988/6/30

 83万t(36%)

1986/6/30 高効率設備への集約化
湿式りん酸
 (継続)
1983/5/24 1988/6/30

 13万t(17%)

1986/6/30 りん酸センターへの生産集
約化
溶成りん肥
 (新規)
1983/6/17 1988/6/30

 24万t(32%)

1987/6/30 平炉への集約化
化成肥料
 (新規)
1983/6/17 1988/6/30

 81万t(13%)

1987/6/30 企業の集約化、生産受委託
エチレン
 (新規)
1983/6/17 1988/6/30

229万t(36%)

1985/3/31 高効率設備への生産集約化
ポリオレフイン
 (新規)
1983/6/17 1988/6/30

90万t(22%)

1985/6/30 4共販全社の設立、これを核とした
生産流通等の合理化
塩化ビニル樹脂
 (新規)
1983/6/17 1988/6/30

49万t(24%)

1985/3/31 1982年4共販会社の設立、
今後これを核に生産流通

の合理化
エチレンオキサイド
 (新規)
1983/8/30 1988/6/30

20.1万t(27%)

1985/6/30 高効率設備への生産集中
スチレンモノマー
 (新規)

1985/1

       
         
注:1   事業提携計画の承認
    @湿式りん酸   日本燐酸への生産集中(承認日:1983/7/12)
    A化成肥料   東北肥料4社の合併(コープケミカルと改称)(承認日:1983/6/29)
    Bエチレン   浮島石化への生産集中(承認日:1983/10/31)
          三井石油化学・岩国大竹と日本石油化学・川崎工場のエチレン停止
    Cポリオレフィン   四共販会社の設立(承認日:1983/6/29)
    D塩化ビニル樹脂   共販会社を核に生産、流通等の合理化の推進(4件) (承認日:1983/11/24)
         
  2   旧法下での処理(特安法)
    @アルミニウム製錬   上表の処理目標量は旧法下での処理を含む
    Aアンモニア   119万t(26%)
    B尿素   167万t(42%)
    C湿式りん酸   17万t(18%)
         
  3   上表に未記載の特定産業の業種:
     @電炉、A化学繊維(5業種)、B合金鉄、C洋紙・板紙(2業種)、
 D政令指定業種(2業種)
         
 (3) エチレン設備廃棄
         
       

1983/6に告示された「エチレン製造業の構造改善基本計画」により、全国エチレン年産能力6,347,000tの36%に当たる同2,293,000tの設備を過剰設備として処理する目標が決まつた。

原則として設備廃棄によるものとするが休止により行なうことも妨げないものとされた。

目標の1988年6月末までの間は告示日現在建設中のものを除き、分解設備の新設、増設および改造(当該設備の更新、改良を除く)は行わないことになった。

会社名 場所 設備能力
1983/8現在
(A)
要処理量

(B)

協議の結果

処理実施量
(処理区分)
(E)
処理後能力
1986/3現在
(F)
能力枠

(C)
要処理量

(D)=A-C

住友化学工業

大江 2

64.6

 

 

 

廃棄

64.6

0

3 74.8       廃棄 74.8 0
千葉 1 85.0       廃棄 85.0 0
2 345.0           345.0
合計 569.4 219.0 370.0 199.4 廃棄 224.4 345.0

日本石油化学

川崎 1

52.0

 

 

 

廃棄 52.0

0

2 62.0       休止 62.0 0
3 127.0       休止 127.0 0
浮島石化
浮島
342.0           342.0
合計 583.0 238.0 364.0 219.0 廃棄
休止
52.0
189.0
342.0

丸善石油化学

千葉 2 110.0       廃棄
 
110.0
 

0

3 395.0       部分休止 22.0 373.0
合計 505.0 171.0 352.0 153.0 休止
部分休止
110.0
22.0
373.0

三井石油化学

岩国 2 87.0

 

 

 

廃棄 87.0

0

3 92.0       休止 92.0 0
千葉 4 143.0       廃棄 143.0 0
浮島石化
千葉
466.0           466.0
合計 788.0 325.0 489.0 299.0 廃棄
休止
230.0
92.0
466.0

三菱油化

四日市 2 80.0

 

 

 

廃棄 80.0

0

3 120.0       休止 120.0 0
4 250.0       部分休止 39.3 210.7
鹿島 1 350.0       部分休止 51.0 299.0
合計 800.0 317.0 510.0 290.3 廃棄
休止
部分休
80.0
120.0
90.3
509.7

三菱化成

 

水島 1

67.0

 

 

 

廃棄

67.0

0

2 110.0      

廃棄

110.0 0
水島エチレン

360.0

 

 

     

360.0

合計 537.0 163.0 395.0 142.0   177.0 360.0

東燃石油化学

川崎 1

93.0

      休止 93.0

0

2 130.0       休止 130.0 0
3 350.0           350.0
合計 573.0 231.0 361.0 212.0 休止 223.0 350.0

昭和電工

大分 1

221.0

     

休止

221.0

0

2 320.0           320.0
合計 541.0 208.0 351.0 190.0   221.0 320.0

新大協和石化
(東ソー)

四日市 1 41.3      

廃棄

41.3 0
2 320.0      

部分休

54.1 265.9
合計 361.3 136.0 237.0 124.3

廃棄
部分休

41.3
54.1
265.9

出光石油化学

徳山 1

120.0

 

 

 

廃棄

120.0

0

2 260.0       部分休止 95.7 164.3
千葉 0      

新設

△220.0 220.0
合計 380.0 95.0 354.0 26.0 部分休
新設
215.7
△220.0
384.3
 

大阪石油化学
(三井東圧)

泉北

320.0

105.0

227.0

93.0

部分休止 68.0

252.0

山陽エチレン
(旭化成)

 

390.0

85.0

322.0

68.0

部分休 41.5

348.5

合計

 

6,347.7

2,293.0

4,332.0

2,015.7

 

2,031.3

4,316.4

備考

18工場
32系列

         

13工場
14系列

 浮島石油化学の設備能力808千t/年の内、342千t/年は日本石油化学枠、466千t/年は三井石油化学枠であり、これらは各社能力に計上済み

出光石油化学は既に認可を得ている千葉の30万トンエチレン建設着工を1982/10に1年半延期、1985/6に能力を落として22万トンでスタートさせた。

住友化学・愛媛はカルテル発効以前の1983/1に自主的に停止を決めている。住友化学・愛媛に続いて三井石油化学・岩国大竹と日本石油化学・川崎工場のエチレン生産が 1985/3に休止され、石油化学工業の第1期計画で稼働した4工場のうち3工場のエチレン設備が休止された。(但し、日本石油化学は同地域で浮島石油化学でエチレンを建設)

       産構法 その後の
 処理
1998/末
(定修有)
その後の
 処理
2010/末
(定修有)
運営
 休・廃止
三井化学 三井石油化学・岩国   230 -230    0          
三井石油化学・千葉
浮島石油化学・千葉
92
466
-92 0        
*1
  466 81 547 6 553
(三井石油化学) (788) (-322) (466)          
大阪石油化学・泉北
(旧 三井東圧)
320 -68 252 120 372 83 455  
合計 (1,108) (-390) (718) (201) (919) (89) (1,008)  
住友化学 大江 160  -160 0          
千葉 409 -64 345 35 380   380  
合計 (569) (-224) (345) (35) (380)   (380)  
三菱化学 三菱油化・四日市 500 -290 210 60 270 -270    
三菱油化・鹿島
       A
300
 
  300
 
      343  
435 435   435
(旧 三菱油化) (800) (-290) (510)          
化成水島 177 -177 0          
水島エチレン 360   360       437 *2
(旧 三菱化成) (537) (-177) (360)          
合計 (1,337) (-467) (870) 577 1,447 -232 (1.215)  
JX日鉱日石
エネルギー
日本石油化学・川崎 241 -241 0          
浮島石油化学・浮島 342   342 58 400 4 404  
合計 (583) (-241) (342) (58) (400) (4) (404)  
東燃化学 東燃石油化学・川崎 573 休止
 -223
350 113 463 28 491  
東ソー 新大協和石油化学・四日市 361 -95 266 142 408 85 493  
出光興産 出光石油化学・徳山 380 休止
 -216
164 増炉 170     623  
出光石油化学・千葉   増設 220
(設計
300)
220       374 *1
合計 (380) (4) (384) (431) (815) (182) (997)  
旭化成 山陽エチレン・水島 390 -41 349 91 440 3 443 *2
丸善石油化学 千葉 505 休止 -132 373 107 480   480  
京葉エチレン 千葉       600 600 90 690 *3
昭和電工 大分 541 休止 -221 320 389 709 -94 615  
総合計   6,348 -2,031 4,317 2,744 7,061 155 7,216  

*1 千葉ケミカル製造有限責任事業組合
*2 西日本エチレン有限責任事業組合
*3 京葉エチレン引取比率  丸善石油化学 50%、三井化学 25%、住友化学 25%

         
 (4) ポリオレフィンの設備処理
         
        1983/6に告示されたポリオレフィン製造業の構造改善基本計画では、過剰設備として83/8現在のポリオレフィン年産能力の22%に当たる902,000t分を処理することになった。

高圧法ポリエチレン(LDPE)は年産能力の37%に当たる637,000tの設備処理
中低圧法ポリエチレン(HDPE)は同25%に当たる265,000tの設備処理
ポリプロピレンは設備の過剰度がそれほど大きくなかったので、設備処理の対象とはならなかった。

設備の新設、増設および改造は、目標期日までの間は行わないとした。
         
        ポリオレフィン生産能力対比
会社名 資本金
(百万円)
出資会社 出資比率
 
(%)
      生産能カ (千t/年)
LDPE + HDPE + PP

 83/8

 85/8

+

 83/8

 85/8

+

 83/8

 85/8

ユニオンポリマー
83/6/17設立
83/7/1営業開始

400

住友化学工業

18  

286

164

+

+

+

+

144

144

宇部興産

18  

147

99

+

+

+

+

105

105

東洋曹達

18  

167

103

+

72

52

+

+

+

チッソ

18  

+

+

+

45

35

+

156

156

徳山曹達

14  

+

+

+

+

+

+

95

95

日産丸善ポリエチレン+

14  

+

+

+

75

54

+

+

+

100  

600

366

+

192

141

+

500

500

ダイヤポリマー
83/6/17設立
83/7/1営業開始

100

三菱油化

50  

260

185

+

36

0

+

190

190

三菱化成工業

50  

118

58

+

75

69

+

35

35

100  

378

243

+

111

69

+

225

225

エースポリマー
83/6/23設立
83/7/1営業開始

200

昭和電工

20  

123

70

+

122

113

+

92

92

旭化成工業

20  

147

96

+

129

82

 

0

12

出光石油化学

20  

0

38

+

82

64

+

80

80

東燃石油化学

20  

+

+

+

45

37

+

76

76

日本ユニカー

20  

185

138

+

+

+

+

+

+

100  

455

342

+

378

296

+

248

260

三井日石ポリマー
83/7/1設立
83/7/1営業開始

900

三井石油化学

25  

45

45

+

226

168

+

121

121

三井東圧化学

25  

+

+

+

+

+

+

158

198

日本石油化学

25  

95

71

+

100

75

+

0

28

三井ポリケミカル

25  

175

127

+

+

+

+

+

+

100  

315

243

+

326

243

+

279

347

合計

+

1,748

1,194

+

1,007

749

+

1,252

1,332

1.産構法に基づく設備処理前(1983/8)と設備処理後(1985/8)の設備能力を対比
2.LDPE欄には、L−LDPEおよびEVAの生産能力を含む
3.HDPE欄では、四日市ポりマー(新大協和石化系)分は東洋曹達分に含めた
4.PPは設備処理の対象外であり、1984/4に操業を開始した
泉北ポリマー分(年産能力80千t)以外は設備能力に変更なし。
  1985/8の生産能力欄では泉北ポリマー分をその出資各社の引取枠に分け、それらを出資各社分に含めた
  (引取枠:三井東圧化学40千t、日本石油化学28千t、旭化成工業12千t)

       
       
泉北ポリマー
  三井東圧化学/日本石油化学/旭化成
  三井・大阪内 80,000t 

1977/4 設立 三井東圧化学50%/日本石油化学50% (日石化学のPP進出)
1981/3 旭化成参加(三井東圧化学50%/日本石油化学35%/旭化成15%)(旭化成のPP進出)
1984/4 営業運転開始 80,000t(引取 三井50千トン/日石28千トン/旭12千トン)
      産構法でこの分だけ増加が認められた(その他は増減なし)

その後、
1995/3 旭化成PP撤退で全株を三井東圧に譲渡
1996/3 三井東圧100%、吸収合併 (浮島ポリプロと交換)

         
         
 (5) PVCの設備処理
         
        1983/11、業界21社は設備処理と5年間の新増設禁止を主な内容とする協定を結び、通商産業省の承認を受けた。
また、事業提携では11月に4共販会杜を核とした生産、流通の合理化を進めるための計画が承認された。

通産省によるPVCの生産能力の管理はトン数ではなく、重合槽の容量で行われている。PVCの生産はバッチ式で、プロセスにより特に重合後の「冷却」ー「後処理」の時間に差があり、実際には重合槽1m当たりの生産能力は大きく異なる(場合により2倍以上)が、プロセス改良による能力アップはメリットとして認められていた。

       

共販会社

参加企業

工場

  重合槽
処理前 処理  処理後

第一塩ビ販売

住友化学工業

愛媛

348

193

155

千葉

338

0

338

686

193

493

呉羽化学工業

840

270

570

サン・アロー化学

徳山

432

20

412

日本ゼオン

水島

670

170

500

高岡

456

148

308

1,126

318

808

;

3,084

801

2,283

日本塩ビ販売

鐘淵化学工業

高砂

416

20

396

大阪

106

0

106

鹿島

334

0

334

855

20

835

電気化学工業

渋川

126

111

15

青海

294

150

144

千葉

430

100

330

JV *

-

+123

123

850

238

612

東亜合成化学工業

徳島

319

209

110

川崎

380

0

380

699

209

490

三井東圧化学

大阪

649

257

392

JV *

-

+185

185

649

72

577

;

3,053

539

2,514

中央塩ビ販売

旭硝子

早月

54

0

54

化成ビニル

早月

16

16

0

四日市

577

71

506

水島

672

140

532

1,265

227

1,038

信越化学工業

南陽

240

80

160

鹿島

1,016

127

889

1,256

207

1,049

;

2,575

434

2,141

共同塩ビ販売

東洋曹達

四日市

560

35

525

南陽

87

0

87

647

35

612

チッソ

水俣

371

241

130

水島

224

0

224

千葉

264

54

210

859

295

564

セントラル化学

;

0

0

0

日産塩化ビニール

千葉

414

84

330

徳山積水

徳山

298

33

265

;

2,218

447

1,771

合計

;

10,930

2,221

8,709

       

* 電気化学と三井東圧のJVは日本ビーヴィシー(1982年設立 三井東圧化学60%、電気化学40%)
 東亞合成の川崎は川崎有機

 呉羽化学は270の廃棄となっているが、実際は128多い398を廃棄している。
  下記の調整金を犠牲にしても廃棄を少なくした(残存を多くした)のは、カルテル期間中に自由に増設できるという
  メリットを享受しようとしたと思われる。

 信越化学の処理127は休止設備で、1988年、カルテル終了後に再稼動した。

       
       
日本ピーヴィシー
  三井東圧化学/電気化学
 三井・大阪内 80,000t

1982設立 三井東圧60%/電気化学40% 
       三井東圧化学・大阪内に83年から塩ビの生産開始(公称能力 80千トン)

その後
1996/4  両社と東ソーが塩ビ事業合弁「大洋塩ビ」をスタート
1997    塩ビ製造合弁を解消
       電気化学の持ち分40%を有償減資、三井東圧の100%子会社とし、
       三井東圧に製造設備を譲渡、休眠会社に

         
         
       

設備処理については経済的負担の公正を期するため調整金を設けて各社別の処理量を決めた。

  調整金は廃棄mに対し2,000千円(基準を超えて廃棄する分は4,000千円)を支給することとし、
  合計4,360百万円を支給、残存m
数比で各社負担した。

基準分 1,856 x 2,000=3,712百万円
基準超  162
 x 4,000=  648百万円
合計               4,360百万円
残存   8,709
 

         
 (6) エチレンオキサイドとスチレンモノマー
       
エチレンオキサイドは、指示カルテルによらず業界各社が自主的に設備処理を行った。
日本触媒化学と三井石油化学は製品融通の事業提携計画を作成し、
さらに三井石油化学は1985/5 エチレンオキサイド・グルコールの営業を三井東圧化学に移管した。
 
スチレンモノマーは、産構法の業種指定は1985/1となり、設備処理は各社が自主的に進めた。
       
スチレンモノマー 設備処理(単位:千トン)
    処理前 処理  処理後

旭化成

川崎

65

:

:

水島

330

:

:

(395)

( 50)

(345)

出光石化

千葉

160

0

160

電気化学

千葉

160

0

160

三井東圧

大阪

90

90

0

新日鐵化学

戸畑

18

0

18

大分

150

0

150

(168)

( 0)

(168)

東洋曹達

四日市

91

0

91

三菱油化

鹿島

169

:

:

四日市

241

:

:

(410)

(100)

(310)

住友化学

千葉

100

100

0

日本オキシラン

千葉

225

0

225

合計

:

1,799

340

1,459

         
         
 (7) ポリオレフィン共販会社
         
        業界では産構法施行前から新しい体制の検討を始めている。

1982/12/29の報道では、石油化学業界が再編成の焦点となっているポリエチレンなど主力誘導品の生産・販売のグループ化について関係企業18社を3グループに集約することで基本的に合意したとしている。
それによると、
 @三菱化成・三菱油化・旭化成工業・昭和電工・東燃石油化学・出光石油化学・日本ユニカー
 A三井石油化学・三井ポリケミカル・三井東圧工業・日本石油化学・宇部興産
 B住友化学工業・東洋曹達・新大協和石油化学・日産丸善ポリエチレン・チッソ・徳山曹達

@は、三菱系2社は同一資本系列。昭和電工は三菱油化と製品融通関係にあり、東燃石化に対して中低圧ポリエチレン工場を売却したいきさつがある。日本ユニカーはその子会社。旭化成は昭電、出光とトップ同士が親密な関係にある。さらに旭化成と三菱化成は岡山県水島地区にエチレンの共同生産会社をもっている。
   
Aは、三井系3社に、三井石油化学とエチレン共同生産会社を持つ日本石油化学が加わる。さらに三井東圧系のエチレン生産会社に出資していて三井グループと関係が深い宇部興産も参加する。
   
Bは、住友化学と、東洋曹達、新大協和石油化学、日産丸善ポリエチレン、チッソの興銀系4社の連合にポリプロピレンを手がける徳山曹達が参加するというもの。

3つのグループのシェアはポリエチレン2品目では、三菱系が約48%、三井系が約30%、住友・興銀系が22%。ポリプロピレンは三菱系が約38%、三井系が約30%、住友・興銀系が32%となる。

1983/1には、宇部興産が三井グループではなく、高圧ポリエチレンを生産している千葉の丸善石油化学コンビナートの運営を重視し、住友化学と興銀系化学会社を核とする第三グループ入りを表明した。

1983/3、公正取引委員会は汎用樹脂の共同販売会社設立を目ざしている三菱化成、三菱油化、昭和電工、旭化成、東燃石油化学、出光石油化学、日本ユニカーの石油化学7社の常務クラスの役員を呼び、「7社の共販会社案はシェアが大きすぎるので、再検討したうえ、再提出願いたい」と正式に伝えた。

当時の報道によれば、通産省は4グループ化を主張しており、業界案をバックアップしなかった。
 
これを受けて、7社は2つのグループに分割することを正式に確認した。
三菱油化、三菱化成工業2社と、昭電、旭化成工業、東燃石油化学、日本ユニカー、出光石油化学の5社でそれぞれ共販会社設立を目指すことになった。

石化共販4グループ案に対して公取委が難色を示した。
住友・興銀系のシェアは3品目合計で約33%だが、「品目によってはシェアが高過ぎるものもあるはず」とし、また、シェアの高い上位3グループの合計シェアが約80%になることにも公取委は難色を示した。

これに対して業界では特殊品を共販の対象製品から除外することとした。
これによって最大のシェアを握る住友・興銀グループは30%を切り27%台まで低下、上位3グループの合計シェアも70%を下回り67%に落ち着く。

1983/5/24 「特定産業構造改善臨時措置法(産構法)」施行

これを受けて各グループが正式に申請、承認を受けて7月1日から営業開始した。

ポリオレフィン共販会社(ユニオンポリマーは新大協和石油化学が出資せず6社となった)

会社名 資本金
(百万円)
出資会社 出資比率
 
(%)
      生産能カ (千t/年)
LDPE + HDPE + PP

 83/8

 85/8

+

 83/8

 85/8

+

 83/8

 85/8

ユニオンポリマー
83/6/17設立
83/7/1営業開始

400

住友化学工業

18  

286

164

+

+

+

+

144

144

宇部興産

18  

147

99

+

+

+

+

105

105

東洋曹達

18  

167

103

+

72

52

+

+

+

チッソ

18  

+

+

+

45

35

+

156

156

徳山曹達

14  

+

+

+

+

+

+

95

95

日産丸善ポリエチレン+

14  

+

+

+

75

54

+

+

+

100  

600

366

+

192

141

+

500

500

ダイヤポリマー
83/6/17設立
83/7/1営業開始

100

三菱油化

50  

260

185

+

36

0

+

190

190

三菱化成工業

50  

118

58

+

75

69

+

35

35

100  

378

243

+

111

69

+

225

225

エースポリマー
83/6/23設立
83/7/1営業開始

200

昭和電工

20  

123

70

+

122

113

+

92

92

旭化成工業

20  

147

96

+

129

82

+

0

12

出光石油化学

20  

0

38

+

82

64

+

80

80

東燃石油化学

20  

+

+

+

45

37

+

76

76

日本ユニカー

20  

185

138

+

+

+

+

+

+

100  

455

342

+

378

296

+

248

260

三井日石ポリマー
83/7/1設立
83/7/1営業開始

900

三井石油化学

25  

45

45

+

226

168

+

121

121

三井東圧化学

25  

+

+

+

+

+

+

158

198

日本石油化学

25  

95

71

+

100

75

+

0

28

三井ポリケミカル

25  

175

127

+

+

+

+

+

+

100  

315

243

+

326

243

+

279

347

合計

+

1,748

1,194

+

1,007

749

+

1,252

1,332

         
         
         

続く