平成18年6月26日 ダイキン工業
次期戦略経営計画 【目標年度: 2010年度】
FUSION10(フュージョン・テン)を策定
真のグローバルエクセレントを実現する企業価値の最大化
ダイキン工業株式会社(本社:大阪市)は、このほど2010年を目標年度とする戦略経営計画「Fusion10(フュージョン・テン)」を策定しました。
1.次期戦略経営計画の基本方針
2010年度を目標年度とする次期戦略経営計画「Fusion10(フュージョン・テン)」では、Fusion21(1995年度〜2000年度)、Fusion05(2001年度〜2005年度)の成果を基盤として、事業規模の拡大と、ダイキンの強みを徹底的に磨き上げた質的高度化をはかり、10年先のありたい姿「輝かしい未来創造」につなげる大飛躍をめざします。
同時に、当社のコア事業である空調事業・化学事業と、その周辺に広がるビジネスチャンスを現実の成果として結実させることに最大の力点を置き、さらなる高みをめざした経営革新を推進してまいります。
<5つの基本方針>
1) | 発展に向けての「選択と集中」 |
これまでのコアを徹底的に磨き上げると同時に、全く新たな分野を探索するのではなく、コア周辺のビジネスチャンスを具体化することに集中します。 |
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2) | 縦横無尽な提携・連携の駆使による急ピッチな事業創造 |
OYL社買収をはじめ、思い切ったM&Aや提携・連携によるシナジーを徹底追求し、チャンスの業績化を加速します。 |
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3) | 新たな時代を勝ち抜く経営力の高度化 |
グローバル・メガ競争が本格化する中、グループトータルでのファイナンス戦略やリスクマネジメント力の構築、独自のCSR経営の展開など、従来以上に幅と深みを持つ経営課題にチャレンジし、企業価値、時価総額を最大化する経営力の確立をめざします。 |
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4) | 世界トップ水準の技術力・技術基盤の確立 |
世界トップ水準をめざしたコア技術の高度化とともに、社内の技術融合や外部技術との協創をめざす"テクノロジーフュージョン"の具体化をはかります。 |
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5) | 人材力の飛躍的強化 |
これまでの発展の基盤である"人基軸の経営"をグローバル・グループベースで展開する。同時に、未知の領域へ果敢にチャレンジし、目の前のチャンスを現実化すべく、多種多彩な人材の獲得と育成を軸とした人材力の強化・充実を、最重要経営課題とします。 |
2.めざす姿
Fusion10では、真のグローバルエクセレントともいえる企業価値の最大化をめざします。
発展の方向性と定量目標
05年度実績 | 08年度計画 | 2010年度 ありたい姿 |
⇒ | 10年先のありたい姿 (2010年代半ば) |
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売上高 | 7929億円 | 1兆3500億円超 | 1兆7000億円超 | ・グローバルNo.1事業の実現 @総合空調・冷凍メーカー Aオンリーワン フッ素ケミカルソルージョン |
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営業利益 (%) |
671億円 8.5% |
1200億円 9.0% |
10%超 | ||
海外事業比率 | 46% | 60% | 70% | ||
空調事業 | 空調分野での グローバルNo.2の実現 |
空調分野でのグローバルNo.1 | |||
化学事業 | フッ素化学グローバル No.2グループの実現 |
フッ素化学グローバルNo.1 |
* 国内シェアNo.1はもちろんのこと、すでに欧州でもトップシェアを獲得、
中国をはじめとした海外のシェアも順調に拡大中です。
3.めざす姿を実現するための4つの重点目標
当社のめざす企業価値の最大化とは、グループ経営理念の徹底した共有と実践を絶対条件として1)世界をリードするNo.1の事業の確立、2)変化創造リーダーとして独創的技術によるイノベーションと価値の創出、3)資本効率が高く強靭な収益力・財務体質の確立、4)働く一人ひとりの誇りと喜びを基盤に、総力を結集し最大限の力を発揮する「人基軸の経営」のグローバル・グループでの貫徹―をはかることであり、その実現に向けた具体的な施策に、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
1)世界をリードするNo.1の事業
当社がめざすグローバルNo.1とは、規模も当然ではありますが、「世界一良い商品・サービス」と評価いただける「質的レベルでのNo.1」であり、同時に、事業展開する世界の各地域において「現地の企業として認められ喜ばれる存在」となることをめざしております。
(1)グローバルNo.1、空調・冷凍総合メーカーの実現
2010年に向けて、空調分野で売上1.4兆円超のグローバルNo.1の実現をめざし、まずはダクトレス専門メーカーとしての強みを徹底的に磨き、同時にコア周辺に広がるニュービジネス創造を並行して追及していきます。 また、様々なチャンスをスピーディに業績化すべく、提携・連携戦略を縦横無尽に展開してまいります。
具体的には、既存販売地域である日本、欧州、中国、アジア・オセアニアの4極に加え、新たに北米、インド、中南米、中東・アフリカなど新市場で本格的な事業を開拓し、世界8極展開を実現します。同時に対象市場を、ダクトレス市場2兆円から、ダクトやアプライド(大型業務用空調)、低温・冷凍など空調総合8兆円市場へ、さらには暖房・給湯など周辺市場に広げ、世の中のあらゆるお客様に様々な商品・サービスを提供できる総合空調・冷凍メーカーの実現に向け、事業領域の拡大をめざします。(2)フッ素化学グルーバルNo.1の実現、オンリーワンのケミカルソリューション事業展開
2010年に向けて、フッ素化学でのグローバルNo.1の実現をめざし、化学事業の成長発展の鍵となる用途開発・市場創造に焦点を当てた事業展開を実行します。 具体的には、フッ素化学をコアとした市場との関係強化により、自動車市場や半導体市場など重点を定めた用途開発・需要創造の加速による、既存領域の拡大、特に大きな潜在的市場である米国・中国での大拡販を実行してまいります。同時に、複合化、脱純フッ素の推進による独自の機能性素材の開発と市場創造、特定領域に狙いを定めた半製品・加工分野への展開などさらなる事業領域の拡大を推進してまいります。
また、2010年以降の飛躍的な発展に向け、グローバルな提携戦略の推進や新たな部材・デバイスビジネスの探索を進めることによって、フッ素化学グローバルNo.1の実現をめざします。
2)変化創造リーダーとして独創的技術によるイノベーションと価値の創出
事業拡大を支える新商品開発をさらに加速することは当然のことと考えております。今後は、これまでの事業の発展を支えてきた空調ヒートポンプ、インバータ、フッ素化学などのコア技術の高度化をはかるとともに、情報、ナノテクノロジー、機能材料、エネルギーなどの最先端の新しい技術との融合を進めます。健康や快適、また、グローバル環境調和を徹底追及した次世代コア技術を開発し、変化創造リーダーとして10年先を見据えたイノベーションの芽を生み出し続けます。
3)資本効率が高く強靭な収益力・財務体質
成長・発展をめざした投資をタイムリーに実行するため、総合的なファイナンス戦略を推進いたします。積極投資を実行しながら、営業キャッシュフローを極大化し、さらなる発展投資に充て、より一層のリターン増大を狙います。
また、身軽な財務体質の維持向上をめざし、大型投資の成果を早期に得ること、投資の厳選、運転資本のさらなる効率化などにより、キャッシュ創出サイクルの一層の加速をはかります。
4)「人基軸の経営」のグローバル・グループでの貫徹を実現
当社は永年にわたり、人の持つ無限大の可能性を信じ「企業の競争力の源泉は"人"」、「一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤」という考え方のもとに、人に基軸をおいた経営を貫いてきました。Fusion10においては、さらに人基軸の経営に磨きをかけ、グローバルベースで高度化していきます。そうすることで企業体質の一層の強化・革新をはかり、真のグローバルエクセレントとしての企業体質の確立をめざします。
ダイキン フッ素製品
フッ素樹脂の特長は、他の高分子材料と比較して、耐熱性・耐薬品性・耐候性が極めて優れているうえ、非粘着性・低摩擦性などのユニークな性質を有していることです。過酷な条件のもとメンテナンスフリー、稼働率の向上、純度の向上、プラントの保護等を目的に、半導体・情報機器・自動車・建築・化学プラント等幅広い分野で無くてはならない素材として使用されています。
フッ素樹脂フィルム
フッ素樹脂フィルムはフッ素樹脂の持つ非粘着性をはじめ、耐候性、防汚性、 耐熱性、防湿性、光透過性等、多様な機能を持った使いやすいフィルムです。
添加剤
フッ素添加剤(ルブロン)は、少量を樹脂や、塗料・インク・オイルにブレンドするだけで、フッ素樹脂特有の潤滑性や非粘着性等を付与することができます。
また、ポリフロンMPAは各種樹脂に少量添加することにより、優れた抗ドリップ性を付与します(UL94 V-0適合)。
フッ素ゴム
フッ素ゴムの特長は、-30℃〜+250℃にわたる広い温度範囲で使用でき、油、溶剤、酸、アルカリ、オゾンなどに対する抵抗性も優れているため、他の弾性体では使用できなかったような苛酷な条件下で利用されています。
フッ素コーティング・塗料
色々な素材に、滑り・非粘着性を持たせたい。雨や紫外線、汚れに強い外壁を作りたい。 そのようなご要望にフッ素コーティング・塗料は、力強くお応えします。
化成品・機能剤
フッ素化合物が有する、耐熱性・耐薬品性・耐候性・非粘着性・低摩擦性などの 性質を利用した製品(オイル、グリース、光学接着剤等)や、それらの機能を付 加する材料(撥水撥油剤、離型剤等)です。
表面機能剤
フッ素ポリマー特有の防汚性、透明性、耐候性等を液晶・ガラス・石材・コンクリート などの素材表面に付与するユニーク機能剤です。表面への指紋付着防止や、屋外 の敷石・ビル表面等への表面保護剤として活躍しています。
半導体材料
最先端のフッ素化学が生んだ高品質・高純度のエッチャントや、優れた耐熱性 耐薬品性を持つ高性能・高品質フッ素ポリマー、超クリーン環境創造に欠かせ ない超高性能ULPAフィルター等を提供しております。
フルオロカーボン
フルオロカーボンとはメタン、エタン等のハイドロカーボンの水素を一部または全部をフッ素で置換えした化合物です。 フルオロカーボンには化合物の構造によりCFC, HCFC, HFC等があり、このうちモントリオール議定書による全廃の対象はCFC とHCFCで、HFCは含まれていません。 日本では、これまでこれらの化合物を総称して「フロン」と呼称していましたが、オゾン層破壊問題からフロン規制・全廃がいわれるようになり、全てのフロンがオゾン層破壊物質であるかのような印象を与えたため、そのような混乱を避けるために、「フロン」の名称は使用せず、総称として「フルオロカーボン」と呼び、種類によって「CFC」, 「HCFC」,「HFC」を使用するようにしています。
化工機