読売新聞 2002/10/11

ネットで眼鏡を買う  画面で視力 細かく測定

 新しい眼鏡を作りたいが、店に行く時間が取れない。そういう人のために、インターネット上で、視力を測定し、フレームを選び、実際に購入できる仕組みが登場した。

 メガネメーカーのビジョンメガネ(本社・大阪府東大阪市)が5月に始めたもので、ホームページ「どこでもメガネ」(
http://www.dokodemomegane.com )にアクセスする。指示に従って「スタート」のアイコンをクリックすると、視力測定かメガネフレーム選択を決める画面になる。
 視力測定は所要時間は15分と説明があり、性別や生年月日、身長のデータとめがね、コンタクトレンズの着用の有無などを登録する。パソコンの画面は機種などによってサイズが違うので、キャッシュカードなど名刺サイズのものを指示通り画面にあて、ドット数を調べる。それで準備は完了し、「次へ」進むと、測定が始まった。

乱視? 近視?
 まず、乱視かどうかのチェックだ。画面上にしま模様の入った長方形が4つ示され、濃さが違って見えるものがあるかどうかを調べる。右目、左目それぞれ2回ずつ調べ、マウスを使って濃く見える長方形を選ぶ。
 記者は両目とも、縦のしま模様の長方形が濃く見えた。しま模様の向きで乱視の種類が分かるそうだ。ちなみに、乱視でない人には、すべて同じ濃さに見え、その場合は「同じに見える」をクリックすればよい。
 次が視力だ。腕の長さの距離分、画面から離れ、大から小までサイズ順に並んだ長方形7つを見て検査する。長方形にはいずれも黒線が3本引いてある。目の良い人なら小さい長方形でも見えるのだろうが、記者は大きい長方形しか見えない。これも右目から試したが、長方形の大きさを微妙に変えた画面で5,6回検査を繰り返した。右目も同じ検査を繰り返す。
 最後は、画面に鼻がつくぐらい近づき、現れた3本の黒線がはっきり見えるまで顔を離していくという検査だ。はっきり見えたときの画面から目までの距離を左右ともに測る。これも左右各2回繰り返した。担当の上神三佳さんによると、これで目の焦点の距離を測り、より正確な視力を測定するのだそうだ。
これで視力測定は終了した。すると、「度数を判定しています」という表示が出て、やがて右目がXX、左目がXXと表示された。視力が0.05以下だと測定できない場合がある。そのときは、眼科医などで測ったデータを入力すればめがねを作ることは出来る。
 データをもとに、メガネを作る。初めは左右のひとみの間の長さを測る。パソコン画面でも測れるし、鏡を使って物差しで長さを測ってもいい。画面で測る方法は、左に白線、右に緑の線が引いてあり、左目を白線の正面に固定し、右目の正面まで緑の線を矢印ボタンを使って動かすというものだ。

顔写真で確認
 めがねをかけたとき、どう見えるのだろう。それを顔写真で確認できる。あらかじめモデルの顔が男女各3人用意されているが、デジタルカメラで正面から撮影した自分の顔写真を使うこともできる。デジタルカメラの写真を使いたい人は、パソコンのハードディスクに保存しておく。これを電子メールの要領で送信すれば、画面上に自分の顔を映し出される。

フレーム選び
 メガネフレームを選ぼう。男女兼用、婦人用、紳士用、枠なし、金属製のメタル、セルロイド製のセルなどから、紳士用、メタルを選ぶと、フレームの写真が4点出た。詳細というアイコンをクリックすると、ブランドや色、価格が表示される。気に入ったものがあれば「キープ」というアイコンをクリックすると4点まで取り置きしておくことができ、画面右下に表示される。
 紳士用のメタルは全部で35点あり、モデルの顔写真に次々に着せ替えしてみた。自分の顔だったらどうかを想像して似合いそうなものを2点キープした。「次へ」をクリックすると、レンズの色を選ぶページになり、30色から好みの色を選べる。
 次が度数選択で、ここで、さきほど測定した視力を入力する。
 そこまでやって最後にレンズの種類を選ぶ。いずれもプラスチックレンズで標準と薄型、薄型でひずみが少ない3種類がある。メガネフレームの価格は3千円から3万円で、標準レンズの価格は含まれている。薄型は1千円、薄型でひずみが少ないものは5千円追加される。購入を決めたら、電子メールのアドレスや住所、氏名を記入し、クレジットカードか代金引き換えの方式を選ぶ。注文して約1週間で宅配分で商品が届く。

 やってみると、視力は細かく測定され、自分の視力を知るだけでも役に立つ。ホームページには5月の開設から10月初めまでに13万5千件のアクセスがあり、930件の注文が入ったそうだからかなりの人気だ。