シックスシグマ  NEC総研特集 http://www.nepr.co.jp/six/               Back

σ(シグマ)とは?

・σ(シグマ)とは、統計学の用語で分布の「バラツキ」を示すものです。そのσ、それも「6σ」という極めてバラツキの小さい状態にビジネス・プロセスを確立することを目的とした経営改革手法がシックスシグマです。
・つまり、ビジネスのあらゆるエラー、欠陥を「百万回のオペレーションで3.4回エラー、欠陥が生じるようなシステムを構築しよう」というものです。

・「百万回に3.4回エラーが発生するビジネスシステムを作る」という考え方は、従来のゼロディフェクト(ZD)運動とは発想が異なります。「ゼロ」は目標にしないのです。
・シックスシグマを導入するかしないかは、意思決定の問題です。シックスシグマはZD活動を否定しているものではありません。目的に対するアプローチの方法がやや異なると理解すべきでしょう。
・プロセス能力を評価する際に、従来は平均値に偏重していました。シックスシグマでは、「経営の敵はバラツキにある」としています。
・シックスシグマでは、バラツキについて以下のように考えます。
COPQ(Cost of poor Quality:品質が悪いために発生するコスト)という考え方です。
          
・次の図は、このことを表しています。氷山の見える部分は、“目に見えるコスト”です。一般的に売上高の5〜8%と言われています。問題は、氷山の下、つまり、気を付けないと見えないエラーに起因するコストです。一般に見えるコストの3倍程度、つまり15〜25%と言われています。


(出典:Six Sigma Qualtec)

・シックスシグマでは、このCOPQを金額で表します。金額表示することによって、初めて、全社共通目標との整合を図るインフラが完成するのです。
・シックスシグマは、このCOPQとCTQ(Critical to Quality:経営品質に決定的な影響を与える数少ない要因)を2つの指導要因としています。
・シックスシグマを理解する際にもう1つ重要なポイントがあります。それは、シックスシグマは「日本発の経営コンセプト」である点です。
・日本企業に追い越された欧米企業、特に米企業がなんとか復活するために、日本企業を分析し、開発した手法であるのです。
・シックスシグマの導入には、「日本化」、「自社化」が必須条件です。標準的なシックスシグマなど教科書に過ぎないのです。「自社化する」のは誰でしょうか?
・これが社内コンサルタントと言うべき、ブラックベルトです。したがって、シックスシグマ展開のキーとなるのが、『ブラックベルト開発』となるのです。
・「自社の経営プロセスは、自社で構築する」この気概が必要です。
もう1つ重要な点があります。シックスシグマは、最終的には本質的にはトップダウンで進めることを前提にしています。
・日本企業を研究した産物であるシックスシグマは、恐ろしいほど、米国企業の特徴、強みを考慮しています。つまり、米国企業の特色にあった手法です。皆さん、注意してください。皆さんが求めるのは経営成果であり、シックスシグマ導入ではありません。皆さんの経営蓄積をかなぐり捨て、シックスシグマ導入してはいけません。
・巷で紹介されるシックスシグマ手法は、標準でしかないのです。このことを肝に銘じて欲しいと思います。
・ある大手企業に、あるコンサルタント会社が、「明日からできるシックスシグマ」を売り込みにきたそうです。
・シックスシグマは、簡単に導入できるものではありません。だからこそ、導入に成功した時、素晴らしい成果を得ることが出来るのです。

<以下 要点のみ 詳細は上記 homepage>

・ 経営革新手法シックスシグマは、日本的経営の成功を分析した結果から生まれた、「日本攻略」の1つの手段と私たちは考えています。さらに、シックスシグマが素晴らしい点は、「成功した日本の手法を単純に真似ることはしなかった」点です。敵(日本)を徹底的に分析した後で、自分達に合った方法として、また、もっている強みを最大限に活かせる方法論として、シックスシグマを構築したのです。日本的経営を米国流にアレンジした成果がシックスシグマであるといえます。

・シックスシグマのツールキット(個別手法)は、QC7つ道具、新QC7つ道具をほとんど含んでいます。その意味では、シックスシグマで注目すべき点は個別手法にはありません。経営革新手法としてのコンセプトにあるのです。


・ このような誕生の背景のあるシックスシグマは、その導入を検討している企業に対して、7つの問題点を提起していると認識しています。

・シックスシグマの基本ステップは「MAIC」という4ステップです。「MAIC」とは…
 M(Measurement) :測定
 A(Analysis) :分析
 I(Improvement) :改善
 C(Control) :(改善結果定着のための)管理

・シックスシグマはこの「MAIC」というプロセスを経て、経営品質の6σレベルを目指す経営革新活動です。シックスシグマというネーミング、そして実際にその中で使われるツール類の多くに統計手法が用いられることもあって、「シックスシグマ=統計的品質管理手法」という、極端に外れているとはいえない誤解がまだ国内にはあるといえます。
・確かに統計手法はシックスシグマの重要な要素ではありますが、それは先にも書いた通り、一要素を構成するものとして捉えるべきでしょう。また、統計手法以外でも図2のような、みなさんが慣れ親しんでいる代表的品質手法の数々が、「シックスシグマ・ツールキット」として用意されています。

図2 統計的手法とMAICの関連

GEの「D−MAIC」

・GEにおけるシックスシグマ活動の成果は各種マスコミでも大きく報じられています。ワールドワイドで30万人近い従業員全員を巻き込んでシックスシグマ活動を展開している同社では、シックスシグマ以前から「共有化」にはこだわりをもっていた企業であります。
・シックスシグマは、経営活動をコストベースで「捉える直す」ことによって、抜本的な革新を実現しようとするものです。したがって、「何を問題として捉え、数値化するか」は、適切な成果を獲得するためにも不可欠となります。
・シックスシグマ・トレーニングを提供しているコンサルティング会社のすべてが「M」フェーズを重要視していることは事実です。その重要性をさらに強調したのがGE流のシックスシグマ・ステップであります。


図4 GE社 「DーMAIC」


・「MAIC」の前に「D(Define、定義)」のステップを冠しています。30万人の国も、言語も、また携わる業務も異なる多様な人々が、「問題」として捉えるべきことを明確に認識できるポイントを明確にできるステップを設定しているのです。