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ワークアウトとは

 できる限り現場に近いところへ問題解決と業務改善を工ンパワーメントし、迅速かつ集中的に意思決定するためのプロセスである。ある課題について豊富な経験と知識を持つ人たちが集まってチームをつくり、権限を委譲されてさまざまな方向に課題を展開し、その解決のための行動計画を作成する。このチームは問題解決の実行に加えて、計画が実行されたかを確認するためのフォローアップまで実施する。
 ワークアウトは、GEのCEOであるジャック・ウェルチが1988年に提起した概念である。組織や個人の間に壁があるため、本質を捉えた問題解決策が取られることが少なく、そのために一見簡単に解決できそうな問題も、未解決のままになっていることが多い。ウェルチはそういった傾向がGEにあることを発見し、その解決のため

1. 立場を気にすることなく、率直に発言できるような相互信頼を築き
2. 問題の本質を最もよく知っている現場に権限を委譲して
3. 不要な仕事をやめることを通じて
4. 新たなバラダイムを引き出すことを目的に、

この活動をワークアウトと名づけて全社的に展開した。

人の育成においてどう展開していくか

 複雑化した事業環境にある現在、仕事は多くの部署で絡み合い、個人ないし単独の組織で問題解決することは困難である。課題に直面している人たちが集中して問題解決に当たることは、単にその問題が解決すること以上に、組織にエネルギーを注入し、問題を解決する楽しさを与えるものである。現場参画型のワークアウト活動の持つ意味は、問題解決という観点からも、自立した人材を育てるという観点からも大きい。

 GEでは、1990年代に入ってこのワークアウトは日常化し、1992年にはチェンジ・アクセラレーション・プログラム(Change Acceleration Program : CAP)に発展し、全社一丸となって業務変革に取り組むための体系へと進化した。また、仕事上で組織の壁をなくすことをGEではバウンダリーレス(Boundariless)と呼んで推奨している。さらに課題解決のうえで、他社や社内でも他の部門などから最高のやり方を学ぼうというベストプラクティス(Best Practice)運動も同時に展開された。

【図表 ワークアウト・プロセス】