日本経済新聞 2003/1/16
住友化学・シェル 石化工場建設ヘ シンガポール、2000億円投資
住友化学工業と英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルグループは15日、シシガポールで共同運営する石油化学コンビナートを増設すると発表した。基礎原料のエチレン設備の年産能力は現在の約2倍の200万トンになり、合成樹脂など誘導品を加えた総投資額は2千億円を見込む。年率8%で伸びているアジアの石化製品需要を取り込む。
現在はシンガポール本島の南の沖合にあるジュロン島に2系列、年産計109万トンのエチレン設備を持つ。5キロ材離れたブコム島に年産100万トンの設備を新設し、2007年稼働を目指す。同島にあるシェルの製油所との一体運営で生産コストを抑える。エチレンなどはパイプラインで誘導品設備を建設するジュロン島に運ぶ。
両社が直接、運営するエチレン設備の建設費は1千億円で折半で負担する。誘導品の品目、事業主体については今後詰めるが、汎用樹脂のポリエチレン、ポリプロピレンが中心で投資額は1千億円になる見通し。事業化調査に入り、2004年半ばまでに全体計画を決める。
両社は共同出資会社を通じてエチレン設備を建設。第1期は1984年、第2期は97年に稼働した。住友化学は別の合弁会社を通じて樹脂などを生産している。
住友化学は当初、3期設備を2005年に稼働する計画を打ち出していたが、中国でもコンビナート建設を進めるシェルとの調整が遅れていた。