「人民網日本語版」2007年5月19日

田湾原発1号ユニット、商業運転を開始

  単体では中国最大の出力を持つ江蘇省の田湾原子力発電所の1号ユニットが17日夜、本格的な商業運転を開始した。第1期プロジェクトでは出力106万キロワットの加圧水型原子炉を2基設置。設計寿命40年で、年間発電量は140億キロワット時に達する。

田湾:江蘇省連雲港市

中国における発電の内訳(2004年)

  石炭火力  82.6%
  水力     15%
  原子力    2.3%
  再生可能エネルギー 0.1%

 


中国の原子力発電
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/14020303_1.html
  他に 
http://www.fnca.jp/pi/workshop2005_img/2005_02.pdf

 

<概要>
 中国の原子力開発は1955年に中ソ原子力協力協定の締結で始まったが、中ソ対立のため、ソ連は1960年に中国から引き上げた。これを契機に中国は独力で原爆開発を進め、1960年代にウランの採鉱、製錬、濃縮から原爆実験、水爆実験まで行い、原子力の軍事利用技術を確立した。

 1982年、全国人民大会で原子力発電計画を発表し、中国の原子力開発を掌握する組織として、中国核工業総公司と原子力の安全性を監督する国家核安全局を設置した。1998年3月、政府機構改革方針に基づき、中国核工業総公司の民営化、企業化を検討し実施した。

 中国最初の原子力発電所である秦山1号機は30万kWのPWRで、中国が独自に設計・建設し、1994年4月に営業運転を開始した。広東の大亜湾原子力発電所はフランスのフラマトムに発注したもので、1号機(PWR、98.4万kW)が1994年2月に、2号機(PWR、98.4万kW)は同年5月に営業運転を開始した。第九次5カ年計画に基づき、広東第2期工事(嶺澳発電所)、秦山第2期および第3期工事、田湾発電所を建設し、田湾発電所を除いて全て2005年までに営業運転を開始した。

 その結果、2005年12月末現在運転中の原子炉は合計9基、695万8,000kW、建設中の田湾原子力発電所の2基(VVER−1000)は2006年に運転開始予定である。中国はウラン資源から廃棄物処分まで国産自給の方針で、再処理プルトニウムサイクル路線を取っている。