2004/03/23 三菱樹脂
連結経営中期計画「プラス50」作戦について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=67934
三菱樹脂株式会社(本社:東京都千代田区、社長:神尾章)は、2000年4月から推進してきた前中期計画において、改革路線の基礎固めに向けて、「総合プラスチック加工」から「高機能商品を提供する企業」への転換を図るとともに、制度改革・風土改革に取り組んでまいりましたが、それらの成果を踏まえて、2004年4月から2007年3月までの連結経営中期計画「プラス50」作戦を策定しました。
1.基本方針
前中期計画を推進した結果、事業の方向性と成長戦略の道筋はつきましたが、経営基盤の一層の強化に努め、さらに高い水準の収益を安定して実現できる企業構造の構築が急務であります。
そこで、当社は、「収益へのこだわり」を最重要方針とし、「差異化へのこだわり」、「競争優位へのこだわり」を持ち、「事業構造改革」と「意識行動変革」を加速し、収益力の高い開発型企業を目指します。
2.経営数値目標(連結)
: | : | (2007年3月期) | ||
(1)成長性目標 | 売上高 | 1,800億円以上 | ||
(2)収益性目標 | 経常利益 | 90億円 | ||
総資産経常利益率(ROA) | 6% | |||
(3)財務体質強化 | 自己資本に対する借入金比率(D/E比) | 0.6 | ||
有利子負債削減額 | 200億円 | |||
(4)コストハーフ活動 | 年間目標 | 50億円 |
3.「プラス50」作戦の内容
(1)事業構造改革の目標
健全な赤字事業を除いては、すべての事業が黒字化されている、収益力の高い事業構造の会社を目指し、具体的には、 | |
・ | 高機能商品を、タイムリーに次々と提供できる開発力のある会社 |
・ | 当社の強みが発揮できる分野で成長戦略を着実に実行している会社 |
・ | 工程上のロスや無駄が徹底的に削減され、リードタイムが大幅に短縮され、クレーム件数も少ない顧客満足度の向上に直結したモノ造りができる会社 |
を目指します。 |
(2)新商品開発
イ.新商品開発の加速 | ||
1) | 新商品・新技術の開発状況の“見える化”により、意思決定の迅速化と開発のスピードアップを図ります。 | |
2) | 上記の改革により、2007年3月期までに売上高に占める新商品比率を現在の30%から50%まで引き上げます。 | |
ロ.カスタマーソリューション型の事業推進 | ||
お客様との直接コミュニケーション活動等を通じ、開発・営業・技術サービスが一体となったカスタマーソリューション型の事業展開を推進します。 | ||
ハ.新商品開発と技術開発の強化 | ||
1) | 基本方針 | |
新商品と技術開発の強化にあたっては、以下の2点を基本方針とします。 ・コアテクノロジーによる差異化技術・新機能商品の開発加速 ・次世代コアテクノロジーの構築 |
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2) | 技術開発投資 | |
投資額については、前中期計画実績に比して25%増強するとともに、投資額の70%を成長戦略分野に投入します。 | ||
(3)重点事業の拡大と設備投資計画 | ||
1) | 当社が得意とする技術領域で「差異化」と「優位性」が生み出せ、かつ、市場が成長している以下の分野に経営資源を重点投入します。 ・高機能・高付加価値フィルム分野 ・ディスプレイ・半導体の中の電子機能材分野 ・その他の高機能製品分野 |
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2) | 設備投資については、高機能・高付加価値分野など、当社の強みが発揮できる分野に重点的に行い、3年間に260億円を投資します。 | |
(4)モノ造り改革 | ||
1) | 品質・コスト・納期にこだわるモノ造り改革を推進するため、 ・モノを“創る”技術の改革、モノを“造る”技術の改革、モノを流す仕組みの改革に取り組み、 ・ロスの少ないモノ造り、在庫を削減するモノ造り、環境に優しいモノ造り に挑戦します。 |
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2) | 上記取り組みの成果を確実に獲得し、年間50億円のコスト削減効果を目標にコストハーフ活動を継続します。 | |
(5)財務体質の強化 | ||
1) | 資金は、成長戦略分野に重点的に投入します。 | |
2) | 有利子負債削減および総資産圧縮により強固な財務体質を確立します。 | |
(6)意識行動変革 | ||
顧客価値の創造に向かって、以下の取り組みを推進し、個々の社員が最大限のパワーを発揮し、行動する「輝ける個」の確立を目指します。 ・顧客満足の追求 ・社員個々の課題達成満足の追求 ・カスタマーソリューション活動とコストハーフ活動のDNA化 |
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(7)事業部門組織の再編 | ||
イ.基本方針 | ||
利益責任体制としての事業部制は継続しつつ、 ・成長戦略の効果的な実行 ・新商品開発の加速化 ・人材育成の場(機会)の拡大 を目的として、セグメントをマーケット対応に再編するとともに、9事業部から5事業部に集約します。 |
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ロ.新事業分野および目標 | ||
<パッケージング分野> (包装容器事業部、機能フィルム事業部、エコロージュ部) | ||
各々の事業領域でトップを目指す 高機能・高付加価値フィルム分野および特化した容器分野で、コア技術を武器にした新商品開発力により徹底的に差異化を図り、各々の事業領域でトップを目指す事業分野 2007年3月期目標売上高 610億円 |
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<情報電子分野> (電子機能材事業部、機能製品部) | ||
戦略分野と位置づけて、大きな成長を目指す ディスプレイ・半導体関連材料を中心とする電子・工業材分野で、変化の早い市場ニーズに的確・迅速に対応し、各事業のシナジー効果を活かして新商品の開発・提案力を高め、新たな成長戦略分野として大きな成長を目指す事業分野 2007年3月期目標売上高 530億円 |
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<ライフライン分野>: (管材事業部、住設環境事業部) | ||
不採算事業を見直し、事業基盤を安定させ、商品の高機能化による収益力の強化を目指す住宅、建設、環境を中心とする生活関連分野の中で、不採算事業を見直し、差異化の図れる事業分野に重点化すると同時に、高機能化を行い、事業基盤の安定化と収益力の強化を目指す事業分野 2007年3月期目標売上高 670億円 |
4.「プラス50」作戦
・新商品比率を50%にアップ ・クレーム件数の50%削減 ・あらゆる在庫の50%削減への挑戦 ・毎年50億円のコストハーフ効果実施 ・経常利益の50%向上 ・ROA(総資本経常利益率)の50%向上 ・自己資本に対する借入金比率の50%改善 |
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など、会社の実力を50%向上させたいという強い思いを込め、本計画のキャッチフレーズを「プラス50」作戦と命名し、上記目標に加えて、さらに各職場独自の「プラス50」作戦を展開します。 |