2005年度
新中期経営計画について
http://www.toagosei.co.jp/whatsnew/news/n050113.htm
昨年は、東亞合成グループが「成長と効率」をキーワードとして2002年から取り組んできた中期経営計画の最終年度にあたり、塩ビ事業やシンガポールのアクリル事業といった経営課題の解決や効率化の推進という面では一定の成果をあげることができました。しかしながら、「成長」という面では課題を残す結果となりました。最重要戦略である「高機能・高収益型事業構造への変革」が十分でなく、引き続き最大限の注力が必要です。
この反省を踏まえ、今般、2005年度を初年度とし2007年度を最終年度とする新中期経営計画を策定いたしました。今後3年間の新中計は、この「成長」の面をこれまで以上に鮮明化し、経営資源を重点投入することにより、収益拡大につなげてまいります。
国際市況や国内外の政治経済状況など先行き不透明な要素が多く厳しい経営環境のなか、新中計の具体的なアクションを一つ一つ着実に実行し効果をあげていく所存であります。
(2007年目標値) | ||
連結売上高 | 1,630 | 億円 |
営業利益 | 170 | 億円 |
〃 率 | 10.4 | % |
経常利益 | 165 | 億円 |
当期純利益 | 85 | 億円 |
一株当たり利益 | 32 | 円 |
<売上の内訳> | 2004年予想対比 | ||||
重点事業 | 300 | 億円 | (37%UP) | ||
既存事業 | 1,330 | 億円 | ( 8%UP) | ||
<営業利益の内訳> |
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重点事業 | 60 | 億円 | (57%UP) | ||
既存事業 | 110 | 億円 | (38%UP) |
(1−1)光硬化型樹脂(アロニックス)
: | ◇ | モノマー(Mシリーズ)の競争力強化・事業拡大 ・日本、台湾に中国を加えた3生産拠点を確立し、3拠点間での最適生産体制を構築してグローバルに事業展開を進める。 ・設備増強によって自製率をアップし採算性を改善する。 ・コア技術の確立により生産性と品質の向上をより一層図っていく。 |
◇ | 配合品(UVシリーズ)の開発加速 ・ディスプレイ分野でのテーマ絞込みにより、新規高付加価値製品の開発をスピードアップする。 ・専用設備建設による生産体制、品質、コスト競争力の向上を図る。 |
(1−2)接着剤
: | ◇ | 営業力とR&Dの強化 ・瞬間、光硬化型、ホットメルト型、反応型といった各種接着剤の品揃えによる顧客特化型開発を推進する。 ・競合に打ち勝つ基盤技術・応用技術の確立を図る。 |
◇ | グローバルな事業展開 ・米国工業用の新展開、欧州拠点の再構築、中国市場での拡販、各拠点間の連携など、グローバルな事業展開を推進する。 |
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◇ | 製造技術の強化 ・効率的生産体制、新製品の迅速・確実な立上げ、成型技術開発の推進を図る。 |
(1−3)無機高純度品
: | ◇ | 事業拡大と安定供給の確立 ・国内オンリーワン製品である高純度液化塩化水素、品質優位性を持つ高純度アルカリ、高純度塩酸、海外需要が見込める高純度液化塩素など、海外展開を含めた安定供給と事業拡大を目指す。(高純度塩酸の第二工場新設、SP再構築) |
◇ | 国際競争力のある総合的品質の確立 ・製品品質、容器管理、評価技術など、総合的な品質の確立を図る。 |
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◇ | 海外市場への積極的進出 ・韓国現地法人(鶴見曹達KOREA)の充実、東亞合成の現地法人(米国、台湾、中国)の活用を図る。 |
既存事業については、各事業の位置付けを次の三つに区分して再構築を行い、事業収益の安定化を図ります。
1. | 展開加速する事業 |
2. | 徹底した合理化や拡販等により収益力を強化する事業 |
3. | 事業再編や撤退も含めた再構築を行う事業 |
2.の体質改善事業のうち、主な改善計画は次の通りです。
(2−1)クロルアルカリ
◇ | 需給変動に対応した操業を実施し、併せて操業の効率化・合理化を推進する。 |
(2−2)ポリマー
◇ | 「差別化技術」の応用による高付加価値製品を開発する。 |
◇ | 不採算グレードからの撤退を行う。 |
(2−3)UFO(Uniform Functional Oligomer)
◇ | シーリング材分野での拡販と周辺分野への展開を行う。 |
(2−4)凝集剤
◇ | 差別化技術での周辺分野展開を行う(歩留向上剤等)。 |
◇ | カチオンモノマー増強により、国内ナンバーワン体制を維持・強化する。 |
◇ | 事業統合による事業基盤の強化・展開を図る。 |
(2−5)建材
: | ◇ | 屋根防水事業の強化に最注力し、材料・工法の充実及び既存施工業者の育成と新規施工業者の起用を推進する。 |
◇ | 製造・販売体制の見直しとコスト低減(製造固定費、販直費)を推進する。 | |
◇ | UFOシーズからの商品開発・拡販を促進し、かつ注力分野周辺のニーズを反映した商品開発体制の強化を図る。 |
(2−6)無機機能製品
: | ◇ | 無機イオン交換体イグゼ(IXE)は、フレキシブルプリント配線盤用及び新規用途の開発を推進する。 |
◇ | 銀系無機抗菌剤ノバロンは、微粒子化による新規開拓、韓国を中心としたアジア諸国や欧米の開発を強化する。 | |
◇ | 新規消臭剤の開発、川下商品への展開を図る。 |
(3)支援戦略
更に、基本戦略を支援する「支援戦略」については次の通りです。
(3−1)R&Dと営業力の強化
: | ◇ | 分析・物性・知財面からの研究開発支援、研究評価ツールの活用、研究資源の配分見直し、外部資源活用によるシーズ探索等により、研究開発の強化・効率化を図る。 |
◇ | 顧客密着型の開発営業を加速するとともに、商流の見直し、適正な営業人員配置、及び重要DBの整備を図る。 |
(3−2)製造技術の強化
◇ | 技術の伝承の推進により、事故、災害、トラブルの撲滅を目指す。 |
◇ | 投資案件の技術的精査・事業性検討により生産性向上を推進する。 |
◇ | 顧客信頼度向上(クレームゼロ)を目指した品質活動を推進する。 |
(3−3)効率化の推進
◇ | 最適拠点の確立、拠点・資産の効率的活用を推進する。 |
◇ | 東亞グループ内の不動産管理業務の集約、受注業務の一部統合を行う。 |
◇ | 労務コスト・要員の適正化と人材の育成・活用を図る。 |
■フォロー
今後3年間の経済動向は不透明ですが、グローバル化が進むなかでの厳しさは一層増大していくものと予想されます。このような状況下での中計推進となりますが、アクションプランの進捗についてはフォローをしっかり行っていくとともに、企業理念に基づきコンプライアンス並びにCSRを引き続き推進していきます。
◇ | 各事業並びに各関係会社の進捗状況の確認は、3ヶ月毎に実施する。 |
◇ | 1年毎にローリングを行い、アクションプランと数値目標を見直し是正を行う。 |