2003/06/18  新日化サーマルセラミックス

"日本・アジア地区で初となる Bio Soluble Fiber(生体溶解性繊維)の生産を開始"

 新日化サーマルセラミックス株式会社(社長:近藤裕行)は、親会社であるThe Morgan Crucible Company plc (英国)からのライセンスを受け、同社の世界戦略商品である Bio-Soluble Fiber(バイオソルブルファイバー:
生体溶解性繊維)「商品名:Superwool®(スーパーウール)」の生産に日本・アジア地区で初めて成功し、当社堺工場(大阪府堺市)においてこのほど本格的な商業生産を開始いたしました。
 船舶や建築用をはじめ、自動車用部品向けなどに広く使用されているセラミックファイバー(高温用耐火断熱材)の代替として、今後、当社の主力商品へ育ててまいります。

 特にヨーロッパでは、作業環境と人体への健全性から「Superwool®」の使用が急速に拡大しており、モルガン社のファイバー販売の6割を占めるに至っています。
 今後は環境先進国である日本においても、同様の動きが加速するものと確信しており、これまでの輸入販売に加え、日本・アジア地区をターゲットとした生産拠点を確保すべく、堺工場において生産体制を整えたものです。これにより「Superwool®」の生産は、ヨーロッパ(フランス・イタリア)、南北アメリカ(USA・メキシコ)、アジア・オセアニア(日本)の三拠点体制となります。
 5月下旬から2週間にわたり行われた、初の本格商業生産において、約150トンの製品を確保するなど、高い生産性が確認されるとともに、断熱性能や強度等においてもフランス工場の製品を凌ぐ、優れた品質を実現しています。

 現在、日本における
セラミックファイバーの生産量は、年間約15,000トンであり、その内「Superwool®」の特性を生かし使用材料の安全性について厳しい用途(船舶・建築用耐火被覆製品、自動車用部品、家庭用電化製品等)約5,000トンについては、セラミックファイバーからの代替が速やかに進むものと考えております。既に、耐火被覆向けに「商品名:Super Wool® FireMaster® 607(各国船級認定品)」として大手造船メーカー(株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド殿へ、約110トンの納入が決定しており、引き続き日本国内への販売はもとより、アジア地区への輸出の本格化などによって、3年後をめどに年間2,500トンの販売を計画しております。

□新日化サーマルセラミックス株式会社 概要

設 立 1997年4月1日
株 主 新日鐵化学(株) 50%
    The Morgan Crucible Company pls (英国) 50%
本 社 東京
事業所 堺工場(大阪府堺市)、大阪支店、福岡支店
資本金 4億9千万円

化学工業日報 2002/9/25

新日化サーマルセラ、生体溶解性繊維を国内販売

 新日化サーマルセラミックスは24日、生体溶解性繊維(商品名・スーパーウール)の国内販売を開始したと発表した。この繊維は英国サーマルセラミックス社が販売しているもので、優れた断熱性能と耐熱特性を備えつつ体内に入った場合に生理作用で溶解されるように設計された製品。従来のセラミックスファイバーがEUにおける人造非晶質繊維の発がん性分類でカテゴリーUに分類されているのに対してこの繊維は除外されている。同社では、セラミックスファイバーの代替繊維として国内市場の開拓に取り組んでいく考え。


スーパーウールとは http://www.thermalceramics.co.jp/maker/text/maker01.html

EU(ヨーロッパ連合)では、1997年11月MMVF(人造非晶質繊維)の危険分類について投票を行い(EU指令97/69/EC)、セラミックファイバーは、カテゴリー2(Substances which cause should be regarded as if they are carcinogenic to man)発ガン性物質に分類することが決定され、繊維の形態により、髑髏マークと「吸入によりガンの恐れがある(May cause cancer by inhalation)」のラベル表示が要求されるようになりました。
これに対して、SUPERWOOL607/607MAXは、この分類から除外されるため発ガン性のラベルを貼る必要がありません。SUPERWOOLは、環境に配慮した製品と言えます。

体内に入った場合でも、溶解性を有するように開発された安全性に配慮された製品です。

Thermal Ceramics社が誇る優れた繊維化技術(スピニング法)から生まれる高品質の人造非晶質繊維(MMVF)です。有機のバインダーを含まないため、加熱時に有害なガスや臭いを発生しません。


セラミックファイバー製品とは? http://www.thermalceramics.co.jp/faq/text/faq01.html

セラミックファイバー(略称:CEF)はアルミナ・シリカを主成分とした人造無機繊維(MMVF)の総称であり、二種類に分類されます。

@ リフラクトリ−セラミックファイバー(RCF)
  アルミナ含有量が40−60%程度で、場合によっては一部ジルコニア(ZrO2)やクロミア(Cr2O3)が含まれる非晶質(ガラス質)の繊維です。
時には、これのみを「セラミックファイバー」と呼ぶ場合があります。
A アルミナファイバー(AF)
  アルミナ含有量が70%以上の結晶質の繊維であり、組成によってアルミナファイバーとムライトファイバーに区分されますが、まとめてアルミナファイ−バーとも言います。