平成17年8月22日 三菱レイヨン
会社分割によるポリプロピレン繊維事業の分社化のお知らせ
http://www.mrc.co.jp/press/pdf/050822.pdf
平成17年8月22日開催の当社取締役会において、平成17年10月3日を期して、下記の通り当社のポリプロピレン繊維事業を会社分割により新設会社が承継する分割計画書を承認しましたのでお知らせいたします。
1.会社分割の目的
ポリプロピレン繊維は、合成繊維の中で最も軽く、耐薬品性・耐久性・リサイクル性に優れた特徴を有しています。また、近年の地球環境保護の立場からポリプロピレン繊維が見直されています。
当社では1962年に生産開始して以来、カーペット、資材分野に展開してきました。
しかしながら、市場ニーズの高度化・多様化に加え、原燃料の高騰、他素材との競争激化等、事業を取り巻く環境は急速に変化し続けております。そこで機動的且つ効率的な事業体制を目指すべく、ユニークで独自性のあるポリプロピレン繊維の専業メーカーとして分社化する事といたしました。
今後新社では、顧客に密着したマーケティング、市場性の高い付加価値商品の開発、コスト競争力の強化に一層注力し、事業の拡大強化を図っていく所存です。
2.会社分割の要旨
(1)分割の日程
分割計画書承認取締役会 平成17年
8月22日
分 割 期 日
平成17年10月 3日(予定)
分 割 登 記
平成17年10月 3日(予定)
(2)分割方式
1.分割方式
当社を分割会社とし、新たに設立するMRCパイレン株式会社(以下、MRCパイレンという。)を承継会社とする分社型新設分割です。
尚、商法374条ノ6第1項の規定により、商法374条第1項の株主総会の承認を得ずに本分割を行います。
2.当分割方式を採用した理由
当社は、市場性の高い付加価値商品の開発、市場に密着したマーケティングにより、ユニークで独自性のあるポリプロピレン繊維の専業メーカーとして機動性を活かすため、分社型新設分割を採用いたしました。
(3)株式の割当
MRCパイレンが発行する普通株式6,000株のすべてを当社に割り当て交付いたします。
(4)分割交付金
分割交付金の支払いはありません。
(5)新設会社が承継する権利義務
MRCパイレンが承継事業を遂行する上で必要と判断される承継事業に関わる資産、負債、各種契約の契約上の地位及び権利義務等について、MRCパイレンに承継いたします。
(6)債務履行の見込み
当社は、分割期日以降に弁済期が到来する当社及びMRCパイレンの債務につき、履行の見込みがあるものと判断いたしました。
(7)新設会社に新たに就任する役員
取締役社長 岩崎 洋一
取締役 宮森 隆雄
取締役 松本 芳則
取締役 原武 進平(非常勤)
監査役 田中 猛雄(非常勤)
3.分割当事会社の概要
分割会社 | 新設会社 | |
(1) 商 号 | 三菱レイヨン株式会社 | MRCパイレン株式会社 |
(2) 事 業 内 容 | 化成品・合成樹脂、合成繊維、機能製品外の製造・販売 | ポリプロピレン繊維の製造・販売 |
(3) 設立年月日 | 昭和25年6月1日 | 平成17年10月3日(予定) |
(4) 本店所在地 | 東京都港区港南一丁目6 番41 号 | 大阪府和泉市肥子町2丁目7番10
号 (平成17 年10 月3 日予定) |
(5) 代 表 者 | 取締役社長 皇 芳之 | 取締役社長 岩崎 洋一 (平成17 年10 月3 日予定) |
(6) 資 本 金 | 53,229百万円 | 300百万円(平成17 年10 月3 日予定) |
(7) 発行済株式総数 | 612,197,820 株 (平成17 年3 月31 日現在) |
6,000株 (平成17 年10 月3 日予定) |
(8) 株 主 資 本 | 138,391 百万円 (平成17 年3 月31 日現在) |
300百万円 (平成17 年10 月3 日予定) |
(9) 総 資 産 | 264,779 百万円 (平成17 年3 月31 日現在) |
1,426百万円 (平成17 年10 月3 日予定) |
(10) 決 算 期 | 3月31日 | 3月31日 |
(11) 従 業 員 数 | 2,750 人 (平成17 年3 月31 日現在) |
19人 (平成17 年10 月3 日予定) |
(12) 主要取引先 | 三菱商事梶A伊藤忠商事 | 東リ梶A山本産業 |
(13) 大株主及び持株比率 | 日本トラスティ・サービス
10.0% 信託銀行叶M託口 日本マスタートラスト 5.1% 信託銀行叶M託口 鞄結梹O菱銀行 3.5% 明治安田生命保険相互会社 3.3% 全国共済農業協同組合連合会 3.0% (平成17 年3 月31 日現在) |
三菱レイヨン株式会社
100% (平成17 年10 月3 日予定) |
(14) 主要取引銀行 | 鞄結梹O菱銀行、農林中央金庫、 三菱信託銀行 |
鞄結梹O菱銀行 |
(15) 当事会社の関係 | 資本関係:新設会社は分割会社の100%子会社である。 | |
人的関係:分割会社より役員を派遣し、従業員を出向させる予定である。 | ||
取引関係:分割会社は新設会社へ電力、蒸気の供給、事務所等を賃貸し、新設会社より管理業務を受託する予定である。 | ||
(16)最近3決算期間の業績 略 |
4.分割する事業の内容
(1)ポリプロピレン繊維事業の内容
ポリプロピレン繊維の製造、販売
(2)ポリプロピレン繊維事業の平成17年3月期における経営成績
ポリプロピレン繊維事業(a) 当社17年3月期実績(b) 比率(a/b) 売上高
3,011百万円
212,905百万円
1.4%
(注)ポリプロピレン繊維事業の損益については、共通費用配賦の算定が困難なため、区分して把握しておりません。
(3)譲渡資産、負債の項目および金額(平成17年10月3日予定)
資 産 負 債 項 目 帳簿価額 項 目 帳簿価額 営業債権
たな卸資産
その他の資産14億円
借入金その他負債
11億円
日本経済新聞 2009/1/17
三菱レイヨン アクリル繊維縮小 生産能力国内6割削減 今期、最終赤字へ
三菱レイヨンは16日、アクリル繊維の国内唯一の生産拠点である大竹事業所(広島県大竹市)の生産能力を6割減らすと発表した。中国の生産拠点についても2009年3月期中に撤退することを検討する。アクリル繊維で国内最大手だが、衣料や寝具向けの世界的な需要減や原料高騰で採算が悪化していたため、事業を大幅に縮小する。
大竹事業所の年産能力を3月末までに13万トンから5万2千トンに縮小する。余剰設備は炭素繊維原料の製造設備への転換を進める。中国の拠点(淅江省)の生産能力は年5万トン。08年4-12月期の連結決算で、構造改革費用として130億円の特別損失を計上する。また投資有価証券の評価損103億円を計上することも発表した。
平成21年3月期第3四半期末(2008年12月末)の投資有価証券(その他有価証券)評価損総額 10,346百万円
アクリル繊維事業の構造改革に伴う特別損失の発生に関するお知らせ
当社は、平成21年3月期第3四半期において、特別損失が発生することとなりましたので、その概要を下記のとおりお知らせします。
1.特別損失の発生について
当社国内製造拠点(以下大竹事業所)及び中国の寧波麗陽化繊有限公司(以下、寧波麗陽社)におけるアクリル繊維事業の構造改革費用として、平成21年3月期第3四半期連結決算において、約130億円の特別損失を計上する予定です。
2.経緯および特別損失発生の理由
当社グループのアクリル繊維事業は、主原料AN(アクリロニトリル)価格の上昇、及びそれに伴う世界需要の減少傾向(安価なボリエステル素材への需要のシフト)に伴い、近年赤字経営を余儀なくされてきました。このような環境下、当社は原綿価格の引き上げ、高付加価値素材比率の向上、並びに大竹事業所、寧波麗陽社の減産を強化して対応してきましたが、現状のままでは中長期的にも大幅な収益回復は困難と判断し、固定資産の減損処理その他を実施することとしました。
3.アクリル繊維事業の構造改革について
当社グループは、2008年〜2010年の第6次中期経営計画の重要課題として課題事業対策断行を掲げ、アクリル繊維事業の構造改革を推し進めてきました。今年度、紡績事業及び小型繊維事業を手始めに、種々の対策を実施してきましたが、この度、アクリル繊維事業の構造改革の総仕上げとして、原綿生産の縮小実施及び特別損失の計上にいたりました。今後も中期経営計画に基づき、計画目標の実現に向け邁進していきます。個別の内容は下記のとおりです。
(1)大竹事業所
レギュラー品種の生産能カを大幅に縮小し、競争優位性の高い付加価値品を拡大します。原綿生産能力は13万トン規模から5万2千トン規模に縮小します。また、炭素繊維用プレカーサー製造設備への転換を加速します。当社グループは主原料であるANからブレカーサー、炭素繊維、プリブレグ、複合材料、製品加工までの一貫した生産体制を保有しており、プレカーサーの強みを軸としてANチェーンの更なる強化に邁進していきます。
(2)寧波麗陽社
寧波麗陽社は、徐々に減産を強化してきましたが、抜本的改革を早期に実施すべく、共同出資者と協議中です。
4.平威21年3月期の通期業績の見通し
上記の特別損失を含む平成21年3月期の通期連結業績予想については現在精査中のため、見通しが明らかになり次第速やかに開示します。
同社は第2四半期で特別損失に事業整理損失引当金を計上
インドネシアにおけるアクリル繊維紡績事業からの撤退に伴い発生すると予想される損失見込み額:4,352百万円
2008/9/29 三菱レイヨン
海外関係会社の事業譲渡に伴う特別損失の発生に関するお知らせ
当社は、平成21年3月期において、特別損失が発生することとなりましたので、その概要を下記のとおりお知らせします。
1,特別損失の発生について
当社は、平成20年9月29日開催の取締役会において、インドネシアの紡績会社P.T.VONEX INDONESIA (以下VONEX社)の保有全株式をインドネシア人実業家Choi Wijaya氏に売却し、インドネシアに於ける紡績事業から撤退することを決議しました。これに伴い、約43億円の特別損失を計上する予定です。
2.インドネシア紡績事業からの撤退の背景
今日、アクリル繊維は原料コストの上昇及びそれに伴う世界的な需要減退により、事業環境が急速に悪化しています。VONEX社は1974年に設立され、1990年代以降、日本市場への紡績糸の供給基地として大きな役割を果たしてきましたが、日本産地の縮小により糸需要が減少し、その業績が悪化しました。VONEX社は2003年、2005年と生産規模縮小を実行し、コスト低減・販売先の厳選等、収益改善の努力を重ねてきました。しかし、賃金、電気代・燃料代を中心とする高率のインフレによりその効果は減殺され、当社が経営を継続したのでは将来に亘り収益の改善は望めない状況にあることから、やむなく撤収を決意しました。
Choi Wijaya氏は、Vonex社の旧来の取引先であり、当社は同氏と2007年末より譲渡の交渉を重ねてきましたが、このたび売却条件の合意に到ったものです。
3.今後のVONEX社について
(1)譲渡日程 経営権の譲渡 2009年1月(予定)
株式の譲渡 2009年4月(予定)
(2)VONEX社は新株主のもと、操業を継続します。また、当社はVONEX社が安定した操業を継続出来るよう、引き続き協力していきますので、現在の顧客に対する紡績糸の供給に支障が出ることはありません。
《参考》VONEX社の概要
1.会社名 P.T.VONEX INDONESIA
2.所在地 インドネシア共和国パンドン県
3.事業の内容 アクリル繊維及び混紡品の紡績、染色
4.設立 1974年3月14日
5.資本金 43,660,OOO米ドル
6株主構成(持株比率) 三菱レイヨン株式会社 97.3%
Choi Wijaya氏 2.7%
*Choi Wijaya氏は2008年3月、双日株式会社よりVONEX社株式を取得しました。
7.従業員数 758名(2008年8月末現在)
8.年商 (2005年) 38.0百万米ドル
(2006年) 27.O百万米ドル
(2007年) 29.9百万米ドル
AN系事業の事業構造改革
ANモノマー〜プレカーサ〜炭素繊維・複合材料までのチェーン展開の強化
AN系事業の戦略
1)垂直展開と水平展開
◎炭素繊維・複合材料事業の北米、欧州展開での強化
◎炭素繊維の焼成能力のスケールアップ
2)アクリル繊維の構造改革
◎アクリル繊維からプレカーサ生産設備への転換加速
◎アクリル繊維のダウンサイジング
AN系事業のグループ設備能力 (トン/年)
製品 | 日本 | 中国 | 北米・ カナダ |
英国 | 年度末計 | |
アクリロニトリル | 07年度末 | 200,000 | 200,000 | |||
08-10年度新増設 | 200,000 | |||||
アクリル繊維 | 07年度末 | 132,000 | 50,000 | 182,000 | ||
08-10年度新増設 | -50,000〜-80,000 | 132,000 | ||||
炭素繊維 | 07年度末 | 5,400 | 2,000 | 750 | 8,150 | |
08-10年度新増設 | 2,700 | 10,850 |