2003/1/29 帝人
会社の分割による産業繊維事業グループの分社化のお知らせ
当社は、平成14年6月20日開催の当社第136回株主総会において、持株会社制への移行を目的とした定款一部変更に関する議案が決議されましたが、本日開催の当社取締役会において、平成15年4月1日を期して当社の産業繊維事業グループを会社分割し、平成14年11月26日に設立した帝人テクノプロダクツ株式会社に承継させる吸収分割を行うことを決定いたしましたので下記の通りお知らせいたします。
1. 会社分割の目的
当社は、当社グループ全体の企業価値を増大するうえで持株会社体制によるグループ経営を最適と判断し、当社における主要な個別事業についてこれを分社化して各事業会社による自己完結的な運営を図ることといたしました。そして、当社の産業繊維事業グループについても、分社化によって、その事業環境に即した効率的運営、迅速な意思決定を推し進め、競争力を一層強化してまいります。
2. 会社分割の要旨
(1)分割の日程 | |||
分割契約書承認取締役会 | 平成15年1月29日 | ||
分割契約書調印 | 平成15年1月29日 | ||
: | 分割契約書承認株主総会 | 当社は、商法第374条の22の規定により、株主総会の承認を得ずに分割いたします。帝人テクノプロダクツ株式会社は、平成15年2月13日に分割契約書承認株主総会を開催いたします。 | |
分割期日 | 平成15年4月1日 | ||
分割登記 | 平成15年4月1日 |
(2)分割方式 | |||||||||||||||||||||||||||||||
1.分割方式 | |||||||||||||||||||||||||||||||
: | 当社を分割会社とし、当社の全額出資子会社である帝人テクノプロダクツ株式会社を承継会社とする分社型吸収分割方式です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2. 当分割方式を採用した理由 | |||||||||||||||||||||||||||||||
当社は、当社グループ全体の企業価値を増大するうえで持株会社体制によるグループ経営を最適と判断し、当社における主要な個別事業についてこれを分社化して各事業会社による自己完結的な運営を図ることといたしました。当社の産業繊維事業グループについても、分社化によって、その事業環境に即した効率的運営、迅速な意思決定を推し進め、競争力を一層強化してまいります。従って、本件会社分割にあたり、帝人テクノプロダクツ株式会社が発行する株式全部を、分割会社である当社に割当てる分社型吸収分割を行うことが、もっとも有効な方法であると判断いたしました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(3)株式の割当 | |||||||||||||||||||||||||||||||
帝人テクノプロダクツ株式会社が本件吸収分割により発行する株式4,990株は、すべて当社に割当てられます。この結果、帝人テクノプロダクツ株式会社の資本金は50億円となる予定です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(4)分割交付金 | |||||||||||||||||||||||||||||||
分割交付金の支払いはありません。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(5)承継される権利義務 | |||||||||||||||||||||||||||||||
本件会社分割において、当社から帝人テクノプロダクツ株式会社に承継される権利義務は、分割契約書に別段の合意がなされたものを除き、平成14年9月30日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに分割期日に至るまでの増減を加除した当社産業繊維事業グループに属する資産、負債およびこれらに付随する権利義務、並びに契約上の地位といたします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(6)債務履行の見込み | |||||||||||||||||||||||||||||||
当社および帝人テクノプロダクツ株式会社の負担すべき債務の履行の確実性には問題がないものと判断いたします。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
3. 分割当事会社の概要 略 | |||||||||||||||||||||||||||||||
4. 分割する事業の内容 略 | |||||||||||||||||||||||||||||||
5. 分割後の当社の状況 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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6. その他 | |||||||||||||||||||||||||||||||
平成14年2月12日付の当社情報開示資料「持株会社制への移行について」において、当社の産業繊維事業グループにつきましては、アラミド事業及び工業繊維事業をそれぞれ個別の事業会社へ承継させることを予定しておりましたが、事業競争力強化の目的から検討を進めました結果、アラミド事業及び工業繊維事業ともに帝人テクノプロダクツ株式会社へ承継させることといたしました。 |
平成17 年3 月31 日 帝人
メキシコにおけるポリエステル繊維事業からの撤退に関するお知らせ
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2005/jbd050331_1.pdf
当社は、メキシコの大手石油化学グループである「アルペック社」との合弁会社「テイジン・アクラ社」(当社持株比率75%)を通じて、NAFTA・中南米でのポリエステル繊維事業の拡大を目指して参りましたが、アジア通貨危機を契機としたNAFTA
市場での中国の台頭等による急激な事業環境の変化や当社の収益重視への事業戦略の転換を踏まえ、このたびメキシコにおけるポリエステル繊維事業から撤退することを決定しましたので、お知らせします。
詳細は、以下の通りです。
(1) | 「テイジン・アクラ社」(設立当時の社名は「アクラ・テイジン社」)は、“ポリエステル繊維事業分野で、巨大消費地に事業拠点を設け、グローバルマーケットへの製品供給することにより世界のメジャープレーヤーの地位を確保する” という当時の基本戦略に基づいて、既存のメキシコ現地企業に資本参加して平成11 年に設立された「アルペック社」との合弁会社です。 |
(2) | しかし、アジアの通貨危機を契機に著しく輸出競争力を強めた東南アジアや中国の繊維製品が急激に北米市場に流入・拡大した結果、北米の繊維川中企業の疲弊が進展し、ポリエステル繊維事業の拡大が困難になって参りました。 |
(3) | このような北米繊維市場の環境変化により、当初想定した事業計画との乖離が拡大したことに加え、グローバルな事業環境の変化を受けて、当社のポリエステル繊維事業の事業戦略を「シェア重視から収益重視」に転換していることから、平成17 年3 月31 日付で、「テイジン・アクラ社」によるメキシコでのポリエステル繊維事業から撤退することを決定いたしました。 |
2.撤退の概要
当社グループが保有する「テイジン・アクラ社」の全株式を「アルペック社」に譲渡して完全撤退します。尚、「アルペック社」は、「テイジン・アクラ社」の社名を「アクラ・ポリエステル社」に変更し、当社撤退後も100%子会社として事業運営する計画です。
3.NAFTA
圏における今後のポリエステル繊維事業の対応
当社は、ポリエステル繊維事業については、今後、日本、タイ、インドネシアを含むアジアでの最適生産体制を活用し、世界の市場へ商品を供給していきます。今回、事業撤退いたしますNAFTA
圏では、テイジン・アクラ社はアクラ・ポリエステル社として事業運営を行っていきますが、主要顧客については、支障がないよう適宜帝人ファイバー株式会社などの帝人グループ会社が、引き続き対応します。
4.株式譲渡先の概要
社名:アルペック社 Alpek, S.A. de C.V.
所在地:メキシコ国ヌエボレオン州ガルサガルシア市
代表者:ホセJ.バルデス
主たる事業:合成繊維製品、原料の製造販売
5.株式譲渡の日程
平成17 年3 月31
日:撤退に関する基本合意、合弁終了契約、株式譲渡契約の締結
平成17 年4 月下旬(予定):株式の譲渡
6.業績への影響
平成17 年2 月3
日公表の連結業績予想におきましては、連結決算において、事業構造改善の一環として固定資産の減損会計処理による損失約130
億円を見込んでおりました。平成17 年3月31
日に、同社からの事業撤退が合意されたことから、事業撤退損失として新たに約120
億円の特別損失を計上する見込みとなりました。
また、当社単独決算においては、これに関連して、テイジン・アクラ社、北米フィルム子会社等の株式を保有する北米子会社の株式の時価が、テイジン・アクラ社等の累積損失により下落していることから評価減を行うこととしました。この処理および、テイジン・アクラ社に対する撤退損失と合わせ、当期に430
億円の特別損失を計上する見込みです。
7.テイジン・アクラ社の概要
社名: テイジン・アクラ社 Teijin Akra, S.A. de C.V.
設立: 1959 年12 月(1999 年4 月帝人鰹o資)
資本金: 1,959 百万ペソ(2004 年12 月末現在)
所在地:
メキシコ国ヌエボレオン州モンテレイ市
代表者: アンヘル・カサン
従業員: 1,388 人(2004 年12 月末現在)
総資産: 3,413 百万ペソ(2004 年12 月末現在)
業績
売上高: 2,760 百万ペソ(2004 年度)
経常利益: △256 百万ペソ(2004 年度)
事業内容:
北米市場向けの衣料用ポリエステル繊維、産業用ポリエステル繊維、
及びポリエステルチップの製造、販売
注:2004 年12 月期実績は見込み数値
拡大する中国の自動車市場に対応
中国にカーシート用ファブリック製造販売会社を設立
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2005/jbk051031_2.html
帝人ファイバー株式会社(本社:大阪市中央区、社長:野口
泰稔)と豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、社長:清水
順三)は、この度、中国江蘇省南通市にカーシート用ファブリック(生地)の製造・販売を目的とする合弁会社の設立を決定しました。
中国では、日本の自動車メーカーの進出に伴い、今後カーシート用ファブリックの需要が着実に増加すると期待されており、日本で生産したものと同等の品質と納期管理が求められています。このニーズに対応する体制を構築するため、当分野で販売力を有する豊田通商との合弁により、カーシート用ファブリック製造販売会社を設立することとしました。
詳細は以下のとおりです。
1.設立の目的と背景 | |
(1) | 中国における自動車需要の拡大により、日本の自動車メーカーは積極的に中国での自動車生産を増強しており、これに伴い、日本のカーシートメーカーも多数中国に進出しています。 |
(2) | 同時に、カーシートメーカーは、日本における自動車メーカーのコストダウン要請に応えるため、今後、中国生産品(縫製品)の日本への輸出(持ち帰り)を拡大していく計画です。 |
(3) | これらカーシートに使用されるファブリックは、納期対応などで現地調達が原則であることから、確実に中国での需要が増加すると期待されています。 |
(4) | また、日本の自動車メーカーは 、カーシート用ファブリックメーカーに対して日本並みの高品質で高級感のあるファブリックの中国現地での供給体制の確立を期待しています。 |
(5) | このような背景の中、カーシート用ファブリック製造ノウハウを有する帝人ファイバーと、中国での販売力を有する豊田通商は、中国現地のカーシート用ファブリックメーカーでは対応が困難とされる、日本固有の品種を中心としたカーシート用ファブリックの製造販売会社を、合弁で設立することとしました。 |
2.新会社の概要 (1)社 名: 帝人汽車用布加工(南通)有限公司 (Nantong Teijin Automotive Fabrics Finishing Co., Ltd.) (2)所在地: 中国江蘇省南通市経済技術開発区中央路19号 (南通帝人有限公司の敷地内) (3)代 表 者: 未定 (4)資 本 金: 50百万元(帝人ファイバー80%、豊田通商 20%出資) (5)設立時期: 2005年12月予定 (6)生産設備: 染色後加工設備一式 (7)生産能力: 18万m/月 (8)投資総額: 60百万元 (9)売上目標: 80百万元(2007年)、120百万元(2009年) |
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3.展開計画 | |
(1) | 2006年10月から商業生産に移行する予定です。 |
(2) | 使用する原糸については、品質確保のため、日本、タイ、インドネシアにある帝人グループの原糸製造会社より供給します。 |
(3) | 使用する加工糸については、南通帝人有限公司敷地内にある帝人加工糸(南通)有限公司 (2003年11月設立)より供給し、連携を図ることにより、新会社として特徴のあるカーシート用ファブリックを積極的に市場展開していきます。 |
(4) | 生産技術については、帝人グループのカーシート用ファブリック生産会社(帝人ネステックスなど)の支援を受けます。 |
(5) | 販売については、主として豊田通商(中国)が担当し、日系の自動車メーカーに販売する計画です。 |
【 参 考 】
帝人ファイバー株式会社 概要
1.設 立 2002年1月25日
2.本社所在地 大阪市中央区南本町1−6−7
3.資 本 金 12,025百万円
4.代 表 者 代表取締役社長 野口
泰稔(のぐち やすとし)
5.従 業 員 数
915名(2005年3月末現在)
6.売 上 高
1,261億円(2005年3月期)
7.事 業 内 容
帝人グループの衣料繊維事業の中核会社として、ポリエステル原料、衣料用ポリエステル繊維、およびポリエステルを主とする衣料用テキスタイルの研究開発、製造、販売並びにこれに関する事業を展開している。
豊田通商株式会社 概要
1.設 立 1948年7月1日
2.本社所在地 名古屋市中村区名駅4−9−8
3.資 本 金 26,748百万円
4.代 表 者 代表取締役社長 清水
順三(しみず じゅんぞう)
5.従 業 員 数
1,963名(2005年3月末期)
6.売 上 高
2兆6,383億円(2005年3月期)
7.事 業 内 容
トヨタグループの商社。金属、機械情報、自動車、エネルギー・化学品、生活産業・資材の5本部制で積極的な事業を展開している。
2009年8月3日
ポリエステル繊維事業の構造改革について
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木成男)は、本年4月27日に発表した「経営基本方針」の中で、ポリエステル繊維・PETフィルム・ポリカーボネート樹脂の各事業を課題事業として位置付け、「グローバル最適生産体制の構築」と「不採算事業の抜本見直し」を方針とする事業構造改革の検討を進めてきましたが、このたび、ポリエステル繊維事業の構造改革について以下の内容を決定し、実施することとしました。
ポリエステル繊維事業は、これらに加え、引き続き構造改革のための諸施策を実施し、2010年度には当期純利益の黒字化を目指します。
1.今次構造改革の背景
(1)
ポリエステル繊維事業は、赤字脱却を目指して
1)不採算製品からの撤退と高付加価値製品へのシフト、
2)原燃料コスト高騰の製品価格への転嫁、
3)生産コスト低減および一部銘柄の海外への生産移管などの施策を実施し、
これにより2006年度から2007年度には、中核会社である帝人ファイバー株式会社を中心に一定の成果を挙げました。
(2) しかしながら、2008年度は、原燃料価格の未曾有の乱高下、さらに後半からの世界的な経済危機を契機としたグローバルでの急速な需要減退の影響を受けて、ポリエステル繊維事業は大幅な営業赤字を計上しました。
(3)
こうした厳しい事業環境の中、先に発表した「経営基本方針」に沿って、赤字構造からの脱却、安定収益の獲得を実現するための構造改革プランを検討し、このたびその内容を決定しました。
2.今次構造改革の内容
(1)グローバル最適生産・販売体制の構築
世界的にポリエステル繊維の大幅な供給過剰が継続する中で、海外工場への一段の生産シフトによる抜本的なコスト削減と、品質競争力の確保により、グローバル最適生産・販売体制を構築します。従来、当社のポリエステル製品は各拠点別に生産・販売してきましたが、今後はタイのグループ会社を原糸・原綿の基幹工場とし、後加工を含めた中国・東南アジアの各拠点をネットワーク化して、重要市場である日本市場、成長する中国市場、そして欧米市場に向けて、グローバルに統合された生産・販売体制で供給していきます。
具体的には、1958年にポリエステル繊維「テトロン」の操業を開始した創業の地である松山事業所について、研究開発機能を除き、ポリエステル長繊維および短繊維の生産を中止します。松山事業所で行っていたポリエステル繊維の生産は、タイのグループ会社に移転し、強化・拡充して基幹生産拠点とします。これにより、松山事業所は研究開発拠点としての機能を担い、徳山事業所および岩国事業所は高付加価値製品の生産に特化していきます。
個別事業毎の実施内容は以下のとおりです。
■ 長繊維事業について
1) 国内唯一の製造拠点である松山事業所のポリエステル長繊維の生産を中止し、2010年度末までにタイのグループ会社に移転します。
2)
これに併せ、タイの生産技術力および開発力を強化し、基幹生産拠点とします。
■ 短繊維事業について
1)
徳山事業所と松山事業所で生産しているポリエステル短繊維については、2010年度に徳山事業所に生産を一元化します。
2)
海外においては、タイのグループ会社における生産を拡充し、国内外でのプロダクトミックスの最適化を図ります。
■ 工業繊維事業について
岩国事業所におけるポリエステル工業繊維の生産については、2011年度までに不採算分野の縮小、および強みを活かせる分野への集中を進め、タイのグループ会社とのプロダクトミックスの最適化を図ります。
■ 原料重合事業について
1) 原料のコスト競争力強化を目的として、国内におけるポリエステル繊維向けの重合生産を停止し、タイのグループ会社の重合生産に移行します。
2)
一方、ポリエステル製品の原料リサイクル事業は引き続き注力事業として継続しますが、徳山事業所でのリサイクル生産を2009年度に停止し、松山事業所での「繊維to繊維」リサイクルに集中します。
■ 研究開発について
1)
松山事業所は、ポリエステル繊維事業グループにおける「先端素材開発の中核拠点」として位置付け、引き続き革新的な繊維素材の研究開発を推進していきます。
2)
一方、タイのグループ会社は、「市場ニーズに迅速に対応する新商品開発拠点」として位置付け、スピーディーな開発体制を構築します。
3)
さらに、開発スピードの向上を図るため、重点市場および重要顧客のニーズに対応する販売・開発一体のチームを編成し、タイムリーな開発を推進していきます。
(2)不採算事業の抜本見直し
中・長期的な観点から収益状況の改善が困難な不採算分野については、抜本的な見直しを行うことにしており、その一環として、次の事業会社の解散・清算を決定しました。
■ テイジン・モノフィラメント・U.S.社の解散・清算
米国でモノフィラメントの製造・販売を展開しているテイジン・モノフィラメント・U.S.社(Teijin
Monofilament U.S.,Inc)は、帝人グループが2000年12月に買収した後、主力のPMC(Paper
Machine Clothing=抄紙用具)用途の継続的な需要減退に対して様々な対策を講じてきましたが、今後も収益性改善が困難であると判断し、このたび会社の解散・清算を決定しました。
* モノフィラメント:
1本の比較的太い糸だけでできているフィラメント。製紙用資材や一般産業用資材として使用される。
■ 帝人ネステックス株式会社の解散・清算
帝人ネステックス株式会社は、 1951年に帝人のグループ会社となって以降、テキスタイル事業における中核的な染工場として事業展開してきましたが、衣料品の海外縫製の進展により、染色の受注量および加工賃の下落が続き、厳しい収益状況が続いてきました。その間、業績改善に向けた幾多の努力を重ねてきましたが、今後も構造的に採算性の確保が困難であることから、このたび会社の解散・清算を決定しました。
なお、これに伴い、衣料テキスタイルの染色事業については、国内の協力加工場および中国のグループ会社である南通帝人有限公司(中国江蘇省南通市)への移管を進め、カーシートの染色事業については、帝人グループ会社または他社とのアライアンスによる事業の継続を図っていきます。
(3)安定的な収益構造を実現する新ビジネスモデルの構築
■ 「高機能 +
エコ」への重点化による高付加価値製品の拡販
「環境配慮」と「高機能」を追求することにより、新たな成長機会をとらえ、グローバルに成長を図っていきます。具体的には以下の取り組みを推進します。
1)
帝人グループが開発した世界初のポリエステル製品の原料リサイクル技術を核とする循環型リサイクルシステム「エコサークル」は、順調に拡大しており、既にメンバー企業は約120社に及んでいます。今後は、松山事業所の原料リサイクル工場で再生されたポリエステル原料を用いてタイのグループ会社でポリマーおよび繊維を生産し、グローバル市場への展開を進めていきます。
2)
高機能素材としては、高強力ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の拡販や、ポリエステル繊維の持つ様々な機能性を追求した新素材の開発・市場開拓を加速していきます。
■ バリューチェーンの構造改革
既成の流通にとらわれない新機軸の垂直統合や水平統合、他産業との連携など、アライアンスの積極的な活用により、市場ニーズへの対応力を強化し、成長の機会を追求していきます。既に、カーシート事業における住江織物株式会社との合弁会社設立(2009年12月)、ファッション分野における株式会社フランドルの新たな業態のSPA(製造小売業)への資本参加など、バリューチェーンの構造改革に先行着手していますが、今後はさらに広く機会を求め、ポリエステル繊維の周辺での事業の幅出しを推進していきます。
■ 重点市場・重要顧客対応型組織の設置
統合されたグローバルな生産・販売ネットワークを駆使し、日本を含め成長するアジアの重点市場・重要顧客に向けて、新たなサプライチェーンの構築と、顧客と一体となったスピーディーな商品開発を推進します。そのために、国内外横断の機動的なプロジェクトチームを編成し、市場・顧客の新たなニーズに迅速に対応する顧客対応型組織への組み換えを行います。
帝人グループは、2009年度を構造改革実行の年としています。ポリエステル繊維事業としては、今後実施する構造改革も含め2010年度には構造改革を完了し、当期純利益の黒字化を目指します。
さらに2011年度以降は、帝人グループが一体となったグローバル最適生産・販売体制を軸に、グローバル市場において「高機能+エコ」「バリューチェーンの構造改革」などを通じた新たなビジネスモデルを積極的に展開し、「存在感のある安定収益事業」として持続的な成長を図っていきます。