日本経済新聞 2002/6/20  

ペットボトル向け樹脂 三井化学タイで生産 年産10万トン、アジア2位に

 三井化学はタイで、ペットボトル用樹脂を生産する。80億円を投資して年産10万トンの設備を建設、2004年春に稼働する。事業主体となる合弁会社には東レも出資する予定。日本などと合わせた総生産能力は約4割増の年36万トンと、アジア第2位のメーカーになる。アジア最大規模の能力を持つ原料事業と合わせ、石油化学事業の柱に育成する。
 生産するのはポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)。事業主体の「タイPETレジン」(本社バンコク)の資本金は9億バーツ(1バーツ=約3円)で、三井化学が70%、現地企業との合弁によるPET樹脂とポリエステル繊維の原料メーカー、SMPC(同)が30%を出資する。東レの出資額などはこれから詰める。
 設備の建設地はバンコク南東のラヨン県にあるSMPCの工場敷地内で、同社から原料の供給を受ける。生産する樹脂は米大手飲料メーカーのアジア各地の工場のほか、日本メーカーにも出荷、年間100億円程度の売り上げを見込む。
 三井化学によると、同樹脂のアジアでの需要は2001年の約150万トンから2005年には4割増の210万トンに増える見通し。ミネラルウオ−ターや炭酸飲料向けの需要が伸びているため。アジア最大手は台湾の遠東紡織で生産能力は年50万トン程度とみられる。 
 三井化学は日本に年18万5千トン、インドネシアに同7万5千トンのPET樹脂工場を持つ。原料工場は日本、タイ、インドネシアにあり、総生産能力は約330万トン。中国での原料、樹脂の生産も検討していく。