1999/10/7発表(日本曹達、帝人、丸善石油化学) 

日曹油化工業(株)の資本構成の変更について

 日本曹達(株)(以下 日本曹達、社長 槻橋民普)と帝人(株)(以下 帝人、社長安居祥策)は、両社が保有する日曹油化工業(株)(以下 日曹油化、社長 神山高明)の全株式を丸善石油化学(株)(以下 丸善石化、社長 小野峰雄)に譲渡することといたしました。
 日本曹達は経営資源のコアビジネスへの集中を、帝人は資本効率を優先させた結果であり、また、丸善石化はエチレンの需要維持を目的としています。 なお、帝人は株式譲渡後も従来同様、日曹油化からの原料EGの購入を継続する予定です。


株式譲渡予定
 (1)譲渡時期

日本曹達は所有する日曹油化の株式300万株(66.7%)、帝人は所有する日曹油化の株式150万株のうち83万株(18.4%)を、平成11年12月末までに丸善石化に譲渡する。その後、帝人は残りの67万株(14.9%)を1年以内に丸善石化に譲渡する。

 (2)譲渡価格

総額で約55億円。

 (参考)
  日曹油化の会社概要

創     立   昭和38年6月21日
資  本  金   22億5千万円
株     主   日本曹達 66.7%、帝人 33.3%
本社所在地   東京都中央区日本橋大伝馬町12−2
工場所在地   四日市工場 四日市市霞1−3
従  業  員   111名
生 産 品 目   ・酸化エチレン・エチレングリコール
    ・各種誘導品
生 産 能 力   酸化エチレン 82,000T/Y

 


化学工業日報 2000/9/1 

丸善石化、EO/EG関係会社を10月統合

 丸善石油化学は31日、エチレンオキサイド(EO)、エチレングリコール(EG)事業関係会社2社を10月1日付で統合、新会社「丸善ケミカル」を設立すると発表した。統合・合併するのは日曹油化と日曹丸善ケミカルの2社で、日曹油化が存続会社。丸善石化は昨年10月、EO/EG生産合弁会社「日曹丸善ケミカル」の一方の親会社である日曹油化を買収、EO/EGで日曹油化、日曹丸善ケミカルの2社体制となったことから、当初から2社を統合、再編成することを明らかにしていた。合併新会社「
丸善ケミカル」は資本金32億円で、丸善石化が100%出資する。本社は東京中央区八丁堀に置き、社長には柏木克之丸善石化取締役・丸善油化商事社長が就任する予定。従業員は約200名。


丸善ケミカル 

・ 設立   2000年10月1日
・ 資本金   32億円(丸善石油化学 100%)
・ 事業目的   酸化エチレン・エチレングリコールおよび各種石油化学製品、
化学工業製品、医農薬関係等の製造ならびに販売

沿革

1963/6   日本曹達(株)の100%出資により日曹油化工業(株)を設立
    五井工場操業開始
1969   日曹油化工業に帝人が参加(EG需要家)
1975/5   四日市工場操業開始
1985/10   五井工場を分離独立させ、日曹丸善ケミカル(株)を設立
      日曹油化工業(株)と丸善石油化学(株)の折半出資
1999/12   丸善石油化学(株)が日曹油化工業(株)の親会社となる
2000/10   日曹油化工業(株)と日曹丸善ケミカル(株)が合併
    丸善ケミカル(株)発足

       


日本触媒 

1959 自社技術によるわが国初の酸化エチレン工業化

1970 
プロピレン酸化法によるアクリル酸、アクリル酸エステルをわが国で初めて工業化

1982 メタクリル酸、メタクリル酸メチルエステル実証プラント完成(
酸化


Chemical Week 2002/6/12

Mitsubishi Chemical Develops Catalytic EG Process

Mitsubishi Chemical says it has developed a catalytic process to convert ethylene oxide (EO) into ethylene glycol (EG) that has a higher EG selectivity and lower costs than conventional, noncatalytic EG technologies. The process, which uses a phosphorus-based catalyst, has an EG selectivity of over 99%, compared to less than 90% for conventional, noncatalytic processes, Mitsubishi says. It also has a 10% lower capital cost and 5% lower operating costs to build, the company says.

The technology, called MCC Catalytic EG Process, has been tested by Mitsubishi at a 15,000-m.t./year pilot plant at Kashima, Japan that started up in July 2001. The company has awarded exclusive worldwide licensing rights for the EG process to Shell Chemicals, which will offer the process in association with its EO technology.

The MCC Catalytic EG Process requires milder reaction conditions than conventional EO processes, and has a simpler process design, Mitsubishi says. The leading EO technology licensers include Linde subsidiary Scientific Design, and Dow Chemical, which offers the meteor process developed by Union Carbide.

Mitsubishi says it expects strong interest in its technology because of the high selectivity for EG. Noncatalytic EG processes typically coproduce 10% diethylene glycol (DEG), a raw material for unsaturated polyesters and urethanes; and 1% triethylene glycol, used as a solvent, Mitsubishi says. Demand for DEG is growing at just 2%-3%/year, however, compared to 6%-7%/year for EG, which is being driven by use in polyester fibers, film, and containers.


平成19 年11 月30 日 日本触媒

日本乳化剤株式会社及び中日合成化学股?有限公司の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:近藤忠夫)は、平成19 年11月30 日開催の取締役会において、第一三共株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:庄田隆、以下「第一三共」)の100%子会社である日本乳化剤株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:谷原司、以下「日本乳化剤」)の発行済み全株式を取得し子会社化すること、および、同じく第一三共の子会社である中日合成化学股?有限公司(本社:台北市、代表公司負責人・董事長:王勳聖、以下「中日合成」)の発行済み株式の第一三共の全持分(発行済み株式の48.6%、日本乳化剤持分3.3%と合わせて52.0%の支配権)を取得し子会社化することを決議し、本日第一三共と株式譲渡契約を締結致しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、当譲渡契約は関連当局からの許認可の取得を前提としております。

1.株式の取得の理由
当社は平成18年度にスタートさせた中長期経営計画「テクノアメニティV3」に基づき、「個性的な技術で新たな価値を創造する国際企業」を目指した取り組みを行っております。
その中でエチレンオキサイド(以下「EO」)関連事業に関しましては、「市況に左右されない事業基盤の確立」を目指すとの方針の下、市況変動が激しく汎用品化の進んだエチレングリコール(以下「EG」)の生産比率を低め、EG 以外のEO 誘導品事業を拡充させていくEO センター化構想を推し進め、事業全体の高付加価値化による高収益化と収益安定化を進めております。その取り組みは順調に結実してきており、目標の非EG 化比率80%が早晩達成できる見込みの中で川崎製造所にて2009 年を目途に年産7万トン(as EO)の能力増強も決定致しました。また、その為、および更なる誘導品展開の為の拡張用地も確保致しました。
日本乳化剤は、EO、プロピレンオキサイド誘導体に独自の技術を持っており、その結果、界面活性剤から出発して高中沸点溶剤(各種グリコールエーテル)、アミン化合物、ウレタン発泡触媒など、多彩で競争力のある製品ラインアップを持つとともに、安定した事業経営を継続しています。
一方、中日合成は、日本乳化剤が技術供与を行っており、日本乳化剤同様、EO 誘導品などに強みを持つ台湾でも屈指の界面活性剤メーカーであります。
この両社の株式を取得することにより、グループとしてのEO のより効果的な活用と、EO 誘導品の技術革新、ユーザーに対する品揃えの充実による顧客満足の向上、などの相乗効果が見込めると判断しました。

2.日本乳化剤の概要
(1)商号:日本乳化剤株式会社
(2)代表者:代表取締役社長 谷原 司
(3)本社所在地:東京都中央区日本橋小舟町4 番1 号
(4)主な事業所:川崎工場(神奈川県川崎市)、鹿島工場(茨城県神栖市)
(5)設立年月日:昭和28 年5 月8 日
(6)資本金:300 百万円
(7)売上高:23,765 百万円(平成19年3 月期)
(8)従業員数:346 名(平成19年3月31日現在)
(9)主たる事業:界面活性剤並びに化成品の製造・販売

3.当社による日本乳化剤の取得株式数及び取得前後の所有株式の状況
(1)異動前の所有株式数 0 株(所有割合 0%)
(2)取得株式数 600,000 株
(3)異動後の所有株式数 600,000 株(所有割合 100%)

4.中日合成の概要
(1)商号:中日合成化学股?有限公司
(2)代表者:代表公司負責人・董事長 王 勳聖
(3)本社所在地:台北市中正区仁愛路二段九十九号十四樓
(4)主な事業所:林園工場(高雄県)
(5)設立年月日:1970 年(昭和45 年)5 月13 日
(6)資本金:144 百万台湾元(邦貨換算約5 億円)
(7)売上高:1,765 百万台湾元(邦貨換算約62 億円)(平成18年12月期)
(8)従業員数:130 名(平成18年12月31日現在)
(9)主たる事業:界面活性剤等各種工業用化成品の製造・販売

5.当社による中日合成の取得株式数及び取得前後の所有株式の状況
(1)異動前の所有株式数 0 株(所有割合 0%)
(2)取得株式数 702,035 株
(3)異動後の所有株式数(直接所有のみ) 702,035 株(所有割合 48.6%)
(4)同上(日本乳化剤所有の間接所有含み)750,435 株(所有割合 52.0%)

6.株式の取得先
(1)商号:第一三共株式会社
(2)代表者:代表取締役社長 庄田 隆
(3)本社所在地:東京都中央区日本橋本町三丁目5 番1 号
(4)主たる事業:医薬品等の製造、売買及び輸出輸入

7.日程
平成19年11月30日 株式譲渡契約締結
平成20年 2月29日(予定) 株券引渡し期日

8.今後の見通し
日本乳化剤および中日合成の経営は、現在の体制を継続していく予定であります。
両社の子会社化により、当社グループの化学品事業の総合力を一層強化・拡充してまいります。
なお、本件の業績への影響については、判明次第お知らせ致します。


2009年1月30日 三井化学

市原工場におけるエチレン系製品の高付加価値化推進について

当社(社長:藤吉建二)は、本年にも予想される、中東の安価なエタンガスを原料としたエチレン系製品の大量流入による競争激化に備えるため、次の通り、当社市原工場(千葉県市原市)におけるエチレン系製品の高付加価値化を推進いたしますので、お知らせします。

1.市原工場・EOGプラントの停止

ポリエステル繊維や不凍液の原料となるエチレングリコール(EG)は、中東及びアジアにおけるプラントの大幅な新増設により、今後、更に供給過剰となることが懸念され、事業環境は大変厳しい状況となることが見込まれます。

EGはその主原料のエチレンオキサイド(EO)と同一プラント(EOGプラント)において一貫生産されています。当社は、市原工場及び大阪工場にEOGプラントを有していますが、市原EOGプラントはEG比率が高く、今後大幅なEO比率の向上は困難 と見込まれることから、2009年11月をもって、同プラント(EO:11万9千トン/年)を停止することを決定いたしました。なお、当社は、市原EG顧客に対しては、海外品等への切り替えをお願いしてまいりますが、輸送面での困難さから中東品の影響を受けにくいEOは、界面活性剤等の付加価値の高い用途での原料として今後も安定した需要が見込めるため、市原EO顧客に対しては、他社に生産委託し販売を継続する予定です。

一方、大阪EOGプラントは、現在EO比率が65%と高く、更に顧客を当社大阪工場EOGプラント隣接地に誘致する等、更なるEO比率の向上を進めており、今後も運転を継続していく方針であります。

今回の、市原EOGプラントの停止に伴い、原料として利用しているエチレン8万トン/年については、下記の通り、より高付加価値な製品の新プラント向けの原料として活用してまいります。

2.新規高付加価値製品プラントの建設

当社は、下記のとおり、市原工場内に1−ヘキセンプラントを新設いたします。本新プラントにおいて、EOGプラント停止による余剰エチレンのうち、新たにエチレン4万トン/年を使用いたします。

新設プラントの概要

  1. 製品名:1−ヘキセン
  2. 生産能力:3万トン/年
  3. 技術:当社独自の触媒技術による選択的エチレン三量化法技術※
  4. 投資額:75億円
  5. スケジュール: 09年11月着工、10年10月完工、10年12月営業運転開始

※従来のクロム触媒技術を使用した場合に比べ、約600倍の極めて高い活性を示す。さらに、選択率が高く、低温かつ低圧でも優れた活性が得られるため、シンプルかつ省エネルギー型のプロセス設計が可能となる。

1−ヘキセンは、HAO−LLDPE*やHDPE(高密度ポリエチレン)の副原料として使用され ており、全世界で65万トン程度使用され、年率6〜7%の成長が見込まれております。当社と出光興産株式会社とのポリオレフィン合弁会社「株式会社プライ ムポリマー」は、コア事業である「エボリュー® (メタロセン触媒系HAO−LLDPE*)」の副原料として1-ヘキセンを使用しており、全量外部から購入しています。当社は今回の1−ヘキセンの自製化 により、プライムポリマーへ供給を行い、当社グループの外部購入費用削減を図るとともに、中東では生産されない高付加価値製品である「エボリュー® 」事業の安定・強化に貢献いたします。なお、生産余力については、外部販売を行います。

また、現在、プライムポリマーにおいて、当社市原工場内に所在するエボリュー® 既存プラント増強(24→30万トン/年:6万トン/年増強)について、計画の最終検討段階にあります。事業環境等鑑みて、最適のタイミングに建設すべく 検討を進めており、決定次第速やかに発表いたします。本計画の実現により、EOGプラント停止による余剰エチレンのうち、残る4万トン/年を消費する予定 です。

※HAO−LLDPE:フィルム等製品の強度、ヒートシール性、加工性などを改良するためにコモノマーをブテン(C4)からヘキセン(C6)やオクテン(C8)などの炭素数6以上のハイヤーΑ オレフィンに変更した直鎖状低密度ポリエチレン

当社は、08年度より新たにスタートした中期経営計画の中で、基礎化学品事業においては、「中東等の脅威に対する国際競争力強化」のため、「差別化 技術によるポートフォリオ入替え」及び「石油精製等との地域連携推進による工場コスト競争力強化」を基本戦略としております。今回の一連の取り組みは、中 東品と競合する製品の比率が高い市原工場における、差別化技術によるポートフォリオ入替の一環です。これに引き続き、今後、(1)汎用HDPE(高密度ポ リエチレン)から高付加価値製品のメタロセンHDPEへ、(2)汎用PP(ポリプロピレン)から付加価値分野用途PPへの入替等に取り組みます。当社は、 今後とも、基礎化学品事業分野において、国際競争力の更なる強化を図ってまいります。

参考:エボリュー®とは
メタロセン触媒を利用した当社独自の気相重合法により、エチレンとハイヤーΑ オレフィン(ヘキセン−1)を共重合した特殊なLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)です。 従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いたLLDPEに比較して、強度、透明性、シール性が優れ、物性と成形性とのバランスが極めて優れるLLDPEとして、包材用途を中心に幅広く使用されています。 今後も、環境負荷低減の要請に伴う薄肉化ニーズにより、中長期的に需要は堅調に推移すると見込まれます。