2004/08/04 日本ポリペンコ

切削加工用ナイロン素材「MCナイロン」の標準グレード
 業界に先駆け環境に配慮した着色剤への切り替えを進める
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=78126

 日本ポリペンコ株式会社は、切削加工用ナイロン素材「MCナイロン(商品名)」の標準グレード「MC901」の着色剤について、重金属が主成分であるコバルトブルー(コバルトおよびクロムを含有)から、軽金属が主成分である着色剤への変更を行い、より環境に配慮したMC901への切り替えを進め、2004年9月1日から逐次出荷を開始します。着色剤の変更に伴って、製品の色調も、従来のコバルトブルー色からウルトラマリンブルー色に変更されます。

 当社は、三菱樹脂株式会社の関連会社であり、1967年に日本で初めて 「MCナイロン」の販売を開始したエンプラ素材のリーディングカンパニーです。「MCナイロン」は、ナイロン6のモノマーであるカプロラクタムを独自の方法によって大気圧下で重合成形することにより、ナイロンの特性を向上させた素材で、優れた機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、自己潤滑性を有しています。車輪や歯車、ライナーなどに加工され、搬送機器などの産業装置や遊戯施設の車輪など、多岐に渡る分野で幅広く使用されています。

 この「MCナイロン」の標準グレード「MC901」は、発売以来30年以上に亘り、着色剤としてコバルトブルー色の着色剤が使用されており、現在では同色が事実上の業界標準色となっています。しかしながら、微量添加された着色剤の主成分であるコバルトおよびクロムは重金属成分であり、PRTR法における届出対象物質であることから、自主的に使用を制限することが望ましい物質であります。そこで当社は、業界に先駆けて、コバルトおよびクロムを排し、重金属を含まない(主成分が軽金属で構成された)着色剤へ変更することにより、より環境に配慮したMC901への切替えを実施することとしました。これにより、製品の色調は従来より鮮やかな青色(ウルトラマリンブルー色)に変わりますが、機械的性質・耐熱性・機械加工性等の品質、価格は従来と変更ありません。なお、今回の切り替え対象品の形状は、板、丸棒、パイプとなります。

【用語解説】
・PRTR法
Pollutant Release and Transfer Resister
 正式名称は「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」。一般的には「化学物質管理促進法」と呼ばれています。環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調動向に配慮しつつ、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的としています。

【日本ポリペンコ株式会社について】
 三菱樹脂株式会社とスイスのQUADRANT社との合弁会社です。1967年に「MCナイロン」の製造・販売を開始し、金属に代わる新素材として注目を集めました。その後、「ポリペンコアセタール」など品種を増やしながら、エンプラよりもさらに優れた特性を持つハイパフォーマンスプラスチック素材として、「ポリペンコ PEEK」などの品揃えを充実させ、幅広い用途に最適な材料を供給しています。また最近では、半導体製造装置などのより厳しい条件下に真価を発揮する耐熱グレード、帯電防止グレード等を開発して商品化しています。なお、環境への主な取り組みとしては、2000年3月にISO14001を認証取得しています。


日本ポリペンコ株式会社( Nippon Polypenco Limited
www.polypenco.co.jp

事業の目的: プラスチック工業にかかわる製品の製造および販売
設立年月日: 昭和41年8月5日
資  本  金: 240,000,000円
(授権資本): 360,000,000円
代  表  者: 取締役社長 小林 正威

 日本ポリペンコは1967年にMCナイロンの製造販売を開始し、金属に代わる新素材(エンジニアリングプラスチック)として一躍注目を浴びました。
 その後、ポリペンコアセタール(POM)等品種を増やしながら、さらにHPM(High Performance Materials)素材として、ポリペンコPEEK等を取り揃え、幅広い用途に最適な材料を供給してまいりました。
 最近では半導体製造装置などのより厳しい条件下でその真価を発揮する耐熱グレード、帯電防止グレード等を開発してまいりました。
 日本ポリペンコは常に時代を先取りしたエンジニアリングプラスチックのパイオニアとして、更なる開発・開拓型企業を目指します。

MCナイロン:モノマーキャストナイロン