2002/12/2  帝人/帝人化成

中国におけるポリカーボネート樹脂新会社の設立について

 帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:長島 徹)の樹脂事業グループの中核会社である帝人化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 高信)は、このたび中国の浙江省にポリカーボネート樹脂の製造・販売会社を独資で設立することを決定しました。新会社を2003年1月に設立し、2005年4月に第1系列
5万/年の生産設備を立ち上げます。また、次のステップとして、早期に第2系列を増設し、トータル10万/年の工場を建設する予定です。
 ポリカーボネート樹脂の世界市場は、現在、約200万/年の規模であり、今後、中期的に年率7%程度の成長が見込まれていますが、その中でも中国は、年率10%以上の最も大きい伸びを示すと推測されています。当社は、
日本(愛媛県松山市)とシンガポールを合わせ、年内には30万/年のポリカーボネート樹脂生産能力を有することになりますが、こうした今後の市場の成長に対応して、中国に新会社を設立することにしました。中国では、既に2003年夏に操業を開始する予定で、上海にポリカーボネート樹脂とABS樹脂のコンパウンド工場を建設中であり、これと合わせて、中国市場での需要拡大に対応するとともに、ポリカーボネート樹脂事業のグローバルな競争力強化を図っていきます。
 新会社の立地は、工業化の進展が著しい華東地区で、浙江省が石油化学工業団地として企業誘致を進めている嘉興市乍浦開発区です。上海都心から車で1時間半と交通の便が良く、周辺の昆山、蘇州、杭州、寧波 等の各市にはポリカーボネート樹脂のユーザーが集まっています。また、港も近いため輸出入にも便利で、今後の発展が大いに期待できます。
 新会社の概要は次のとおりです。

【 新会社の概要 】

1.社  名   帝人化成(中国)有限公司(TEIJIN POLYCARBONATE CHINA LTD.)
2.所 在 地   中国浙江省嘉興市乍浦開発区
3.代 表 者   未定
4.資 本 金   50億円(帝人化成100%出資)
5.設立時期   2003年1月(2005年4月商業生産開始)
6.生産能力   第1系列5万/年(第2系列増設後は10万/年)
7.投資総額   140億円
8.売上目標   120億円(2006年)

 


2003/4/11 化学工業日報

帝人化成、中国でPC樹脂倍増設前倒しへ

 帝人化成は、中国でポリカーボネート(PC)樹脂の年産5万トン新設備建設を今夏に開始するが、2基目(同5万トン)は予定していた2007年稼働より前倒しで増設する方向で検討に入った。一般用途だけでなく、内需増が見込まれる光学用途も生産可能な設備を視野に入れている。さらに上海で8月に1基目が稼働するPC/ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)専用のコンパウンド設備(同2万トン)については、来年にも2基目(同2万トン)を増設する計画。またシンガポール拠点では今年から来年にかけて、ボトルネック解消により同20万トン以上へ増強する。


2003年10月17日 Chemnet Tokyo

帝人化成が中国初のPC工場の建設に着手
 第1期年産5万t設備を来年末に完成

 帝人化成は15日、中国浙江省嘉興市郊外の経済開発区内でポリカーボネート(PC)工場の建設起工式を挙行して工事に着手した。
 
 同社が建設するのは、第1期と第2期を合わせて年産10万tの基礎設計能力を持つPC工場。先ずは第1期の同5万t能力のプラント建設に着手、04年12月に完工の予定。中国では初めてのPCプラントとなる。
 試運転を経て05年4月から本格生産に入る計画。建設所要資金は140億円となる見込み。直接の投資と同樹脂の製造・販売は、帝人化成が50億円全額出資によって今年3月に現地に設立した「帝人聚●(石へんに炭)酸●(酉へんに旨)有限公司(Teijin Polycarbonate China)が担当する。
 
 第1期工事が完了すると、帝人化成のPCの設備能力は、松山工場の年産12万t、帝人ポリカーボネートシンガポールの同18万tを合わせて同35万tとなる。同社では、これに加えてできるだけ早時期に第2期の同5万tプラントの建設に入りたい意向。名実ともにアジアナンバーワンを目指す。
 
 中国ではPCの需要が急拡大している。必要量の全量が輸入でまかなわれていて、02年の総輸入量は前年の56.2%増の41万5,399tに達した。今年も順調に伸びており、1月から8月までの累計は32万9,097tとなっている。前年同期を28.5%上回っている。
 帝人化成は、今後も中国の需要が電子・電機関連を中心に引き続き大きく拡大していくのが確実と判断して現地生産に踏み切ることにしたもの。
 
 同社では、これに先駆けて中国に同じく全額出資の「帝人化成複合塑料」を設立して上海地区でPCとABSのコンパウンド工場を稼動中である。設備能力は同1万8,000tで、今年9月2日に竣工して最近本稼動に入ったところ。新設のPC工場は、このコンパウンド会社に対する供給責任も果たしていくことになる。


Chemnet Tokyo 2004/5/13

帝人化成、中国でのポリカーボネート工場立地経緯
政府の熱意、発展性、税制、用役など評価、年内に完成

 帝人化成は、中国浙江省の嘉興港区に建設中の大型
ポリカーボネート設備計画について今後のスケジュール、同区進出のいきさつなどを明らかにした。

 同区は揚子江デルタの南側、杭州湾の北側に位置している。東の上海まで95キロメートル、西の杭州まで110キロメートル、北の蘇州まで115キロメートル。海をはさんで南の寧波の北侖港までは74カイリの距離にある。嘉興市までは40キロメートル。同区の面積は21.8平方キロメートルで、省クラスの乍浦経済開発区と国家クラスの嘉興輸出加工区に隣接している。

 また、浙江省の第10期5カ年計画で重点的に開発中の浙江乍浦石油化学工業団地はエチレン年産80万トン級の規模でのセンター建設が予定されている。さらに杭州湾をまたぐ嘉興−寧波間の「杭州湾大橋」は昨年8月に着工、2008年完成を目標にしたもので、20億ドルと巨額の資金が投入され、開通後の経済効果が40兆円になると見込まれている。

 建設中のポリカーボネートはCD、DVD、自動車ランプや複写機、パソコンの躯体に使われるもので、帝人化成では年産5万トン規模を予定している。ポリカーボネートは世界的に需要が伸びており、年間の市場規模は200万トンと大きく、中国での市場の大きな拡大が予想されている。

 帝人化成では長江河口の南通市など4ヵ所を対象に中国での工場立地を検討したが、嘉興市の誘致意欲が高く、対応がすぐれていたことや、上海、蘇州、寧波を含めた市場の発展性、税の優遇措置、工業区の地盤、ユーティリティなどの用役が評価できたので同区を選んだとしている。

 用地の取得は2002年11月に申請、4ヵ月後に登記というスピードだった。工場はことし12月に完成、来年4月に操業の予定。原料ビスフェノールなどは三井化学の現地法人が供給する。


Chemnet Tokyo 2003/4/18 

台北出光石化のPC第2号機が完工、水運転開始
  6月から年産10万t体制でCD分野の基盤強化へ

 出光石油化学と台湾化学繊維(FCFC)の折半出資会社の「台北出光石油化学有限公司」は、麦寮工業区内の同社工場内にポリカーボネート(PC)の第2号装置を建設し、水運転に入った。6月中には営業運転に切り替えることになりそう。

 今回完工した設備の生産能力は、一昨年末に完成して稼動中の第1号機と同じ年産5万t。出光石油化学の技術によって、第1号機同様にコンパクトディスク(CD)用品種を専門に製造していく。
 
 今回の倍増設は、CDの需要が今後、台湾内だけでなく中国でも急速な伸びを遂げるとの判断に基づいて決定されたもの。CD向けに的を絞って年産10万tの生産体制が整えられたのは今回の台北出光が初めて。

 同社では、さらに同5万tもしくは10万t能力の第3号機の建設も検討中。3号機の場合は、CD用のほか一般グレードも製造できるラインとなる見通し。


2004年8月23日 旭化成ケミカルズ

ポリカーボネート技術ライセンス契約締結について

 旭化成ケミカルズ株式会社(本社 東京都千代田区 社長 藤原 健嗣、以下旭化成ケミカルズ)は、ロシア連邦
タタルスタン共和国カザン市のカザンオルグシンテツ社(Kazanorgsintez、以下KOS社)に対し、旭化成のポリカーボネート(以下PC)技術をライセンスする契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。

1. 旭化成ケミカルズは、独自の非ホスゲン法PC技術を開発し、台湾・奇美実業股*有限公司との合弁会社
旭美化成股*有限公司(以下旭美化成)において2002年6月から商業生産を開始いたしました。以降、旭美化成のプラントは順調に稼動しており、非ホスゲン法による生産技術及び製品技術が工業化実証されました。

2. この実績を受け、旭化成ケミカルズは、本年3月より、この技術のライセンス活動への精力的な取り組みを開始致しました。その最初の成果として、今回、当社の非ホスゲン法PC技術を高く評価したKOS社との間でライセンス契約の締結に至ったものです。  

3. 旭美化成に続く、当社PC技術の第2のライセンシー誕生となり、当社技術の優位性及び実績が評価されたことにより、現在交渉中の他のPCライセンス案件も加速するものと期待されます。当社は今後さらに本技術のライセンス活動に注力していく所存です。

4. KOS社は、ロシアで需要が拡大しているPCの生産を計画。三井物産及び東洋エンジニアリングを通じて当社の非ホスゲン法PC技術ライセンスの引き合いを受け、3月末より両社も参加して交渉を開始いたしました。7月末ライセンスの供与及び基本設計の提供について合意に達し、このほど契約を締結したものです。KOS社は、カザン市に、ロシアで第1号となる
年産65,000トンのPCプラントを建設し、2007年11月より生産を開始する予定です。

<参考>
1. KOS社の概要
(1) 本社:ロシア連邦タタルスタン共和国カザン市
(2) 代表者:会長 V. V. Presnyakov、社長L. S. Alyokhin
(3) 事業内容:エチレン、ポリエチレン、フェノール、エチレンオキサイド、ポリエチレン・パイプ等
(4) 総資産:US$341M (2003年末)
(5) 売上高:US$360M (2003年)

2. 旭化成ケミカルズ株式会社
(1) 本 社:東京都千代田区有楽町1丁目1番2号
(2) 代表者:代表取締役社長 藤原 健嗣(ふじわら たけつぐ)
(3) 資本金: 30億円(2004年4月1日現在)
(4) 売上高: 4,537億円(2004年度3月期決算)
(注) 旭化成ケミカルズの売上高は、旭化成(株)のケミカルズセグメントの実績

3. 旭化成のPC技術

二酸化炭素とBPAを出発原料とし、工程で毒性の高いホスゲンやオゾン層に影響を与える塩化メチレンなどの物質を使用せず、廃水も発生しない、環境に優しいクリーンなプロセスです。
製品中に塩素等の残留物がないため金型汚染がなく、また光学特性に影響を及ぼす異物が少ないため、特に光ディスク材料に最適です。
旭美化成での商業運転成功により、2002年度GSC(グリーン・サステイナブル・ケミストリー)賞、2003年度日化協技術賞、化学工学会賞の3賞を連続受賞しました。 (受賞順)

4.  旭美化成について
 旭美化成については、技術実証という所期の目的を達成したため、経営体制の最適化を目的に、本年3月、旭化成ケミカルズの保有株式の一部を奇美実業に譲渡し、出資比率を奇美実業90%、旭化成ケミカルズ10%としました。以降、奇美実業はPC事業の早期拡大、高収益化に向け、旭美化成のスピード経営に取り組んでおり、第2系列の増設(2006年、スタート予定)も決定しました。一方旭化成ケミカルズは非ホスゲン法PC技術のライセンス活動と旭美化成PCの販売に注力しております。


2005/1/19 化学工業日報

帝人化成、5月に中国のPC樹脂2期着工

 帝人化成は、中国でポリカーボネート(PC)樹脂を増強、2006年に年10万トン体制に引き上げる。需要が拡大する光学用を併産できる設備とし、今年5月に着工、2006年9月に完工し同年12月に商業生産を開始する。総投資額は120億円。同社は独バイエルとグローバルでのPC樹脂製品の相互供給を決めるなど、コアであるPC樹脂事業の基盤拡充を進めている。中国では第1期となる年5万トン計画を推進中で、予定通り今年4月に稼働を開始する。今回の2期計画決定により、2006年に日本およびシンガポールの既存設備と合わせ年42万トン体制を構築、アジア最大のPC樹脂メーカーとして攻めの戦略に拍車がかかりそうだ。

 同社は、日本とシンガポールでPC樹脂年32万トン能力を有している。アジアにおける需要拡大に対応するなかで、DVDなど得意とする光学用途における世界トップシェアを維持強化するとともに、電気電子部品や自動車部品といった一般用途が拡大する中国での現地供給体制を強化するため、同国での事業化を決定。2期10万トンで認可を取得し、浙江省嘉興市乍浦開発区で第1期のPC樹脂5万トン計画を進めてきた。


2005/04/26 出光興産

台湾プラスチックグループとのポリカーボネート樹脂合弁事業第三期計画に正式合意
− 連続法世界最大級のプラントを建設 −
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=99311&lindID=4

 弊社(本社:東京都千代田区、社長:天坊昭彦)と台湾最大手の石油化学グループFormosa Plastics グループ(台湾プラスチックグループ、以下FPG)の中核企業であるFormosa Chemicals & Fiber Corporation(本社:中華民国台湾省台北市、董事長:王 永慶)とは、2000年1月に契約した出光が保有するポリカーボネート(以下PC)樹脂製造技術のライセンスに基づき、第三期計画を当初計画より規模を拡大し7万5千トン/年の能力で実施することに、両社合意しました。
 本計画の実現により、光ディスク・グレードのアジア最大の製造拠点を構築することになります。

 弊社は、独自開発した製造技術をベースにグローバルなPC樹脂事業展開を進めております。特に、大型用途である光ディスク向けグレードについては、Formosa Chemicals & Fiber Corporation(以下FCFC)への技術ライセンスに基づき、光ディスク・グレード専用プラントを台湾に建設し、共同で事業を行っています。
 既に第一期5万トン/年(2002年商業運転開始)および第二期5万トン/年(2003年商業運転開始)のプラントは順調に稼動を続けており、弊社とFCFCの折半合弁会社であるFor,psa Idemitsu Petrochemical(和名「台化出光石油化学」,以下「FIPC」)を通じて、台湾・中国を始め世界のCD,DVD等の光ディスク・マーケットに供給しており、品質面で高い評価を得ております。
 今回の合意内容は、以下のとおりです。
(1)第三期計画(当初計画5万トン/年)は、7.5万トン/年の生産能力とする。
   * 連続法として7.5万トン/年は、一系列当り世界最大級の規模となります。
(2)完工目標 2007年
(3)計画拡大の理由
 光ディスク産業は、台湾に製造業者が集中しているCD−RおよびDVDの高成長により、PC樹脂の需要は旺盛で、引き続き高い伸びが見込まれる。このような環境認識の下、台湾を中心としたアジアにおける光ディスク産業向けの需要増に対応するため、当初計画より規模を拡大することにした。
(4)原料からの一貫生産
 本プラントは、台湾最大級の総合石油化学コンビナートである麦寮工業区に立地し、原料からの一貫製造体制を構築しているため、コスト競争力に優れている。特に主原料であるビスフェノールAは、弊社の製造プロセス技術ライセンス先であるNanya Plastics(台プラグループ企業,当工業区内の隣接プラント)から高品質且つ安定した供給を受けられる。
(5)今後の方向
 今回の第三期計画で、当初計画は全て実現することになるが、今後とも光ディスク産業向けPC樹脂は需要の拡大が見込まれることから、事業の更なる拡大の可能性について、両社で検討を進めていく。

 一方、弊社の千葉プラントは、液晶ディスプレー向けの導光グレード,高反射グレードやOA機器ハウジング・部品向けの環境対応型ノンハロノンリン難燃グレードなど、高機能・高付加価値グレードの製造に特化することで、その役割を分担していきます。

 弊社は、PC樹脂とSPS樹脂、PPS樹脂の機能性樹脂事業を通して、地球環境と調和した豊かな社会を形成することに貢献し、社会から期待され信頼される企業になることを目指してまいります。

<参考>
1. 光ディスク需要の年次推移と見通し(世界需要:弊社予測)

  単位 2003 2004 2005 2006

ディスクグレード需要

千d/年

530

620

660

690

伸長率

%

115

115

107

104

2. 弊社ポリカーボネート樹脂台湾計画経緯
 2000 年1 月 基本契約締結
 2000 年8 月 合弁契約締結
 2001 年8 月 合弁会社(FIPC)設立
 2002 年4 月 第1 プラント完工(5 万d/年)
 2003 年4 月 第2 プラント完工(5 万d/年)
 2005 年1 月 第3 プラントに関する契約締結

3. FORMOSA CHEMICALS & FIBRE CORPORATION の概要
 台湾最大手の石油化学グループであるFPG 系列の中核企業
  (FPG 董事長:王永慶、FPC グループ副董事長:王永在)
 会社名:FORMOSA CHEMICALS & FIBRE CORPORATION
      (台湾化学繊維股・有限公司)
 董事長:王永慶
 総経理(社長):王文淵
 営業品目:PS、ABS、スチレンモノマー、PTA、PP 他
 売上高:3,132 million US$ (3,380 億円) [2003 年]
 住所:台北市敦化北路201 號
      201, TUNG HWA N.ROAD, TAIPEI, TAIWAN, R.O.C.


2004年12月15日 帝人化成/バイエルマテリアルサイエンス

ポリカーボネート樹脂事業における相互供給体制の構築について

 帝人化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井信)と独バイエルマテリアルサイエンス社(本社:ドイツ・レバクーゼン市、CEO:ハーゲン・ヌーレンベルグ)は、両社それぞれの中核事業であるポリカーボネート樹脂事業において、グローバルで製品の相互供給を行うことで合意し、このたびLOI( Letter of Intent)を締結しました。
 現在、帝人化成は日本およびシンガポールにおいて、バイエルマテリアルサイエンス社はドイツ、ベルギー、アメリカ、タイの各国において、それぞれポリカーボネート樹脂を生産していますが、両社が各地域で操業している製造工場を有効に活用し、相互にポリカーボネート樹脂を供給することで生産の効率化と各市場に対する供給力の向上を図るものです。
 さらに中国では、帝人化成が浙江省嘉興市に建設している新工場で2005年4月より生産開始することとしており、一方、バイエルマテリアルサイエンス社は、2006年半ばに上海地区で新工場での生産を開始する予定です。両社はこれら中国の新工場で生産したポリカーボネート樹脂についても相互供給の一環とする予定で、これにより生産性のより一層の向上、広範囲な製品群の安定した供給、および製品の納期短縮を図ることができます。
 既に両社は相互に製品の評価を実施しており、可能なものから早急に実施していく予定で、初期の段階では、コンパウンド原料用ポリカーボネート樹脂、一般銘柄用ポリカーボネート樹脂、特殊銘柄用ポリカーボネート樹脂を相互供給する予定です。また、その後は状況に応じて生産に関する協力体制の幅を拡大していく計画です。


2006/04/10 三菱化学

黒崎事業所ポリカーボネート樹脂製造設備増設
および中国北京ポリカーボネート・ビスフェノールA事業計画について

 三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:冨澤 龍一)は、世界的なポリカーボネート樹脂(以下「PC樹脂」)の需要増大に対応するため、設備増設について検討を進めてまいりましたが、今般、三菱化学黒崎事業所(所在地:福岡県北九州市、事業所長:田中 繁雄)において2008年3月完成予定で
PC樹脂製造設備6万トン/年及びその中間原料であるジフェニルカーボネート(以下DPC)製造設備10万トン/年の増設を決定いたしました。また、中華人民共和国・北京市・房山地区において中国石油化工股■有限公司(本社:中華人民共和国北京市 董事長:陳 同海 総裁:王 天普 以下「SINOPEC」)と共同でPC樹脂及び原料ビスフェノールA(以下「BPA」)の製造会社を設立することに関し2005年末に意向書を締結し、2008年生産開始にむけ、本格検討を開始いたしました。

 PC樹脂は透明性に優れ、抜群の耐衝撃性と耐熱性、耐候性を備えた代表的なエンジニアリングプラスチックでCDやDVD等の光学分野、各種家電、カメラ、携帯電話、OA機器、医療機器、自動車などの工業分野、スポーツ等レジャ−分野、屋根材やガラス代替の建材分野など幅広い用途に使用されています。現在、世界のPC樹脂の需要量は約260万トンと推定され、今後も年率7〜8%の成長が見込まれています。

 黒崎事業所の位置する北九州市は、その周辺も合わせて自動車をはじめとする工業製品の生産拡大が見込まれており、部品素材としてのPC樹脂の新規需要の取り込みが期待されるとともに、伸長するアジアマーケットに近傍し、先進的な港であるひびきコンテナターミナル等の物流インフラが整備されているなど、アクセス利便性も有していることから、黒崎事業所で6万トン/年のPC樹脂増設を決定しました。今回の増設に伴い、競争力のある生産体制にするため同事業所において現在稼動中のPC重合設備2系列のうち、
旧設備の1系列2万トン(1975年稼働開始)を停止いたします。従って、今回の増設完成後は、従来の1系列2万トン(2000年稼働開始)とあわせて、合計8万トン/年の設備能力を有することになります。また、今回増設されるPC製造設備には世界的にコスト競争力があり、且つ、環境面にも配慮した最新の製造技術を採用いたします。(*1)
 製品の販売については従来同様、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社(本社:東京都中央区、社長:中村 悠一)を通じて行います。

 また、中国におけるPC樹脂需要は、年率10%を上回る勢いで成長を続けており、世界でも最大の需要地となっています。中国最大の国営企業であり、整備された豊富なインフラを有する、SINOPEC社と共同でPC樹脂及びBPA事業をすすめることにより、旺盛な中国需要に対応した、事業展開を図っていくことを検討してまいります。今後、SINOPEC社と共同で詳細FSを実施してまいります。

 三菱化学は、原料フェノールからPC樹脂に至る一貫したチェーン事業を戦略的コア事業として位置付けており、三菱エンジニアリングプラスチックス社とともに、成長するアジア市場でのNo1プレイヤーの地位を目指すとともに、今後も高い技術力を生かし、世界最強の競争力を有するチェーン事業とすべく、積極的な事業戦略を推進してまいります。

(*1) 本製造技術は、2001年度に日本化学工業協会の環境技術賞、2002年度に石油学会の学会賞を、また、2005年度には化学工学会の技術賞を受賞しております。

* ■はにんべんに分と表記します。

[事業概要]
(1) 黒崎事業所PC樹脂増設(予定)
 1.事業予定地 北九州市八幡西区 黒崎事業所
 2.生産能力 PC樹脂 6 万トン/年
         DPC 10 万トン/年
 3.完成時期 2008 年3 月
 4.総投資金額 約250 億円
 5.投資形態 三菱化学の単独投資

(2)中国北京 PC樹脂・BPA計画(予定)
 1.事業予定地 北京市・房山地区 (SINOPEC/燕山石化敷地内)
 2.生産能力 PC樹脂 6 万トン/年
         BPA 10 万トン/年
 3.完成時期 2008 年12 月
 4.総投資金額 約190mil US$(日本円換算・約220 億円)
 5.投資形態 日本側投資会社(MCC、MEP出資予定)と中国側SINOPECとの合弁会社設立を予定

<参考>
三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
 本社:東京都中央区
 社長:中村 悠一
 資本金:30 億円(三菱ガス化学株式会社、三菱化学の50:50 出資の合弁企業)
 売上高:約1,350 億円(2005 年度見込)


June 2, 2006 GE Plastics

GE Plastics and PetroChina Company Limited agree to cooperate on polycarbonate production in China
http://www.geplastics.com/gep/en/NewsRoom/PressReleaseDetail/june_02_2006_geplasticsandpetrochina.html

GE and PetroChina Company Limited announced today that they would cooperate by creating a world-scale polycarbonate (PC) resin manufacturing joint venture in China.

Under the terms of the joint venture agreement, PetroChina Company Limited will supply the feedstocks and the partners will collaborate on a phosgene-free, melt technology-based polycarbonate plant that will be built to serve the growing local demand for PC resin. Serving the growing Chinese demand for polycarbonate is a key strategic priority for GE. By combining our polycarbonate manufacturing technology with PetroChinas leadership and local expertise we expect to bring service and high-technology materials right to our Chinese customersdoorsteps,said Brian Gladden, GE vice president and general manager of Lexan* resin and Global Product Companies. For nearly a quarter century GE Plastics has been a polycarbonate leader in China. This joint venture, combined with our existing and future Chinese compounding facilities, gives us an even greater ability to serve Chinas fast-growing marketplace.

PetroChina Companys strengths are the exploration, production, refining, and marketing of our chemicals and natural gas businesses. By partnering with a well-respected leader like GE Plastics we create a natural extension of these strengths and generate new value for our shareholders,added Chen Geng, chairman of the Board of Directors of PetroChina Company Limited. PetroChina is committed to continuing expanding its scope of foreign cooperation and collaboration. We are looking forward to this partnership, where our competitive capabilities will achieve mutual benefits for GE and PetroChina.

GE Plastics manufactures Lexan polycarbonate resin at Mt. Vernon, Indiana; Burkville, Alabama, Bergen op Zoom, The Netherlands; Cartagena, Spain; and Chiba, Japan and compounds Lexan polycarbonate resin at 15 plants worldwide, including facilities in China.

PetroChina Company Limited was established as a joint stock company with limited liabilities under the Company Law of the People's Republic of China (the PRC) on Nov. 5, 1999 as part of the restructuring of China National Petroleum Corporation (CNPC). In the restructuring, CNPC injected into PetroChina Company Limited most of the assets and liabilities of CNPC relating to its exploration and production, refining and marketing, chemicals, and natural gas businesses.

About PetroChina Company Limited
PetroChina Company Limited (PetroChina) is one of the largest companies in the Peoples Republic of China in terms of sales. The company is engaged in a broad range of activities related to petroleum and natural gas, including: exploration, development and production of crude oil and natural gas; refining, transportation, storage and marketing, including import and export, of crude oil and petroleum products; production and sale of chemical products; and transmission, marketing, and sale of natural gas.


化学工業日報 2006/11/22

出光興産、台湾のPC樹脂合弁で能力倍増

 出光興産は、台湾プラスチック(FPC)グループの台湾化学繊維(FCFC)と運営するポリカーボネート(PC)樹脂事業について、台湾・麦寮の製造プラントの年産能力を2007年度に現在の2倍となる20万トンへ高める。両社は昨年、年7万5000トンの第3期増設計画について合意に達していたが、既存装置(2基合計年10万トン)もボトルネック解消により同2万5000トン能力を引き上げることで、能力倍増を実現する。需要増加が見込まれる光ディスク向けに攻勢をかけるとともに、生産能力の増強でコスト競争力を一段と高める狙い。

 出光興産とFCFCは、折半出資の「台北出光石油化学股〓有限公司」を通じて、PC樹脂の合弁事業を進めている。出光のPC樹脂製造技術をFCFCにライセンスし、FPCグループの石化拠点である麦寮コンビナートで原料からの一貫製造体制を実現、02年と03年にそれぞれ年5万トンの製造設備を建設・稼働している。

 両社は昨年春に、第3期計画のプラントを年産7万5000トンにスケールアップすることで合意。来年春の完成を目指し建設を進めているが、台湾を中心としたアジアにおける光ディスク産業向けの需要増に対応するため、既存装置もボトルネック解消により同2万5000トン能力を高め、年産20万体制とすることにした。


2008年4月8日 三菱化学

中国におけるBPA及びPC製造販売合弁会社設立計画について

三菱化学株式会社は、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社(「MEP社」)と中国石油化工股?有限公司(「SINOPEC社」)との3社で、中国におけるビスフェノールA(以下「BPA」)とポリカーボネート樹脂(以下「PC」)の製造・販売合弁会社(以下「合弁会社」)の設立について検討を進めてまいりましたが、今般、3社の合同事業化調査が合意に達し、2008年4月8日に中国の国家発展和改革委員会にプロジェクト申請書を提出いたしました。承認後、速やかに合弁会社の設立を申請し、2010年春を目標に製造設備を完成させる予定です。

PCは、透明性、耐衝撃性、寸法安定性に優れたプラスチックとして、光ディスクや自動車部品、電気/電子部品、建材、日用品等幅広い用途に使用されており、世界で年率7%、アジアでは年率9〜10%と高い需要の伸びが見込まれています。特に中国においては、年率10%を超える需要の伸びが期待されております。またBPAについては、PC及びエポキシ樹脂の主原料として使用されており、PCと同様に高い需要の伸びが見込まれています。当社は、この需要増に対応するため、今般BPA及びPC製造設備の中国立地を決定いたしました。

合弁会社のBPA及びPC製造設備は、北京市の
SINOPEC社北京燕山分公司内に立地し、SINOPEC社よりBPAの主原料であるフェノール及びアセトンとユーティリティの提供を受け、当社よりBPA及びPCの製造技術のライセンス及びPCの主原料であるDPCの提供を受けて生産いたします。現状の中国におけるBPA、PCの需給バランスは輸入に大きく依存しており、今回のプロジェクトにより中国国内のお客様に対して安定供給及びタイムリーなデリバリーを目指して参ります。

また、合弁会社の出資形態については、本年2月に当社とMEP社が日本にて設立した投資会社である
ピーシーアール・インベスツメンツ・ジャパン株式会社(以下「PCRIJ社」)と、SINOPEC社の折半出資となります。

当社は、フェノールからBPA、PCに至る一貫したチェーン事業を戦略的コア事業として位置付けており、今後も高い技術力を生かし、世界最強の競争力を有するチェーン事業とすべく、積極的な事業推進を進めて参ります。


[合弁会社の概要]
1. 会社名称 未定
2. 事業予定地 中華人民共和国北京市SINOPEC社北京燕山分公司内
3. 生産能力
PC:6万トン/年、BPA:15万トン/年
4. 製造プロセス 当社独自技術
5. 着工時期(予定) 2008年末
6. 完成時期(予定) 2010年春
7. 総投資金額 約3億米国ドル
8. 出資比率 PCRIJ社:50%、SINOPEC社:50%


[投資会社の概要]
1. 会社名称 ピーシーアール・インベスツメンツ・ジャパン株式会社
(英文名:PCR Investments Japan Corporation)
2. 本社所在地 東京都港区
3. 代表者 石塚 博昭 (三菱化学株式会社 執行役員 ポリマー本部長)
4. 設立時期 2008年2月
5. 資本金(予定) 約60億円
6. 出資比率 三菱化学:80%、MEP社:20%


<参考:MEP社の概要>
1. 会社名称 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
           (英文名:Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation)
2. 本社所在地 東京都中央区
3. 販売製品 PC、6ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、
変性ポリフェニレンエーテル、強化ポリエチレンテレフタレート、強化芳香族ナイロン
4. 資本金 30億円
5. 出資比率 三菱化学:50%、三菱ガス化学株式会社:50%
6. 売上高 1,560億円(2007年3月期)


2009/5/28 三菱瓦斯化学

子会社の設立に関するお知らせ

 当社は、下記のとおり中国に子会社を設立することを決定いたしましたので、お知らせします。

1. 子会社設立の目的
 当社は、中国上海市郊外の上海化学工業区に、ポリカーボネート樹脂(以下、「PC」)の製造からコンパウンド、テクニカルサービスまで一貫した事業を行うことを目的とした子会社の設立を決定いたしました。なお、同社には、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社(本社:東京都中央区、社長:喜嶋安彦、以下「MEP 社」)が共同で参画する予定です。
 同社の中核となる界面法PC 製造設備は年産8 万トンの能力で、2012 年4 月に商業生産を開始し、その後同10 万トン程度まで増強する計画です。これに先行し、2011 年8 月よりテクニカルセンターの運営を開始します。なお、同社で生産されるPC 製品は、全量が「ユーピロンR」ブランドとして、MEP 社を通して販売されます。
 また、当社では今回決定した計画のほかに、PC シート・フィルム加工設備の設置についても事業化調査を進めています。
 当社では、本年4 月よりスタートした新中期経営計画において、PC 事業を“伸びる・勝てる”コア事業のひとつと位置づけています。PC 需要の中心である中国にPC の総合拠点を設立し、界面法PC「ユーピロンR」を積極的に展開することで、「ユーピロンR」ブランドを確固たるものとし、PC 事業の一層の強化・拡充を進めて参ります。

2. 設立する子会社の概要
(1) 商 号 菱優工程塑料(上海)有限公司
(2) 代 表 者 未定
(3) 所 在 地 中国上海市 上海化学工業区内
(4) 設立予定 2009 年7 月
(5) 事業内容 PC およびPC コンパウンドの製造、テクニカルサービス
(6) 主な設備  PC 製造設備(界面法、年産8 万トン)
          造粒設備(年産6 万トン)
          コンパウンド設備(年産2.8 万トン)
          テクニカルセンター
(7) 生産開始予定 2012 年4 月
           (テクニカルセンターは2011 年8 月より運営開始予定)
(8) 従業員数 約260 名
(9) 資 本 金 約100 億円
(10)出資比率 三菱ガス化学株式会社 80%
    (予 定) 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 20%
(11)総投資額 約300 億円

3. 業績に与える影響について
 本件が平成22 年3 月期の当社連結および単独業績に与える影響は軽微です。
 なお、当該子会社は、将来、当社の連結子会社となる予定ですが、時期は未定です。