アメリカにおけるアクリル樹脂シート製造販売会社設立について
三菱レイヨン株式会社は、97年10月1日、米国有数の総合化学メーカーであるアリステック・ケミカル社との合弁で、アクリル樹脂シート製造販売会社アリステック・アクリリックス社を設立いたします。出資比率は、アリステック・ケミカル社90%、三菱レイヨン社側10%です。
新会社は、アリステック・ケミカル社のアクリル樹脂事業部門を分離独立させるもので、同社のフローレンス工場をそのまま承継します。現在の生産能力は年間約3万4000トン、製品の主用途は、バスタブ、スパ、看板、建築その他分野となっています。
アリステック・ケミカル社は、多くの化学品、ポリマー製品を製造・販売していますが、汎用化学品・樹脂が主体となっています。その中でアクリル樹脂は特殊品として、汎用品とは異なる経営を必要とされるため、アクリル樹脂のトップメーカーであり、かつ同社の株主でもある当社と協力し単体として運営することで、より的確な事業運営のもと、成長・拡大することを図っています。
一方当社は、アクリル樹脂シートの原料であるアクリル樹脂モノマーの生産では、世界第3位の地位をしめています。モノマーの川下事業としては、コーティング材料、樹脂改質剤、成形材料、シートの生産を世界的に展開中であり、アメリカでは、先にコーティング材料、樹脂改質剤製造メーカーを合弁設立しています。今回のアメリカにおけるシート製造販売会社への出資は、当社アクリル樹脂事業のグローバリゼーションの一翼を担って、北米での展開をより強固にするものと考えています。
Aristech Acrylics LLC http://www.aristechacrylics.com/
Aristech Acrylics LLC is one of the world's largest producers of seamless continuous cast acrylic sheet. Our products are used in a wide variety of industries and applications...from bathtubs, hot tubs, shower units and whirlpools...to signage, exterior cladding, skylights, boat products and, yes...the kitchen sink!
Our involvement in the development of acrylic sheet technology actually goes back to World War II, when David Swedlow, eventual founder of what is now Aristech Acrylics LLC, played a major role in making the strength and clarity features of acrylic sheet the natural choice for use in fighter aircraft canopies and windshields.
Aristech Acrylics is currently one of only three acrylic manufacturers that can produce a continuous cast sheet. Here in our Florence, Kentucky plant, we have four continuous casting machines. Each of them is longer than a football field...and capable of producing acrylic sheet products up to 110 inches wide, in almost unlimited lengths...as single sheets, and on reels. Our products take many forms...from clear sheet to opaques, metallics, granite finishes, translucents and composites. Back in 1969, when we first came on-stream, we had an annual production capacity of 12 million pounds. Today's expanded and modernized plant outputs more than 50 million pounds a year...and growing!
Product innovation has always been one of our trademarks. We have pioneered improvements in sheet thermoforming and composite laminate technology. We were the first to produce an acrylic sheet product that thermoforms into a granite-like texture (Quarite). And we have been leaders in advancing solid-surfacing technology. Now, our elegant Pearlescent Acrylics line is providing yet another highly functional and aesthetically-pleasing alternative for the bathware surfacing industry.
2002/3/25 MRC・デュポン/三菱レイヨン
高品質メタクリル人造大理石 デュポン
コーリアン®成型品事業の強化について
三菱レイヨン株式会社の関係会社であるMRC・デュポン株式会社(本社:東京都港区、社長:鈴木達夫)は、高品質メタクリル人造大理石デュポン
コーリアン®成型品事業の強化拡大を図るため、三菱レイヨンと共同で開発した成形材料であるデュポン
コーリアン®メタクリルBMCの本格生産を4月から開始します。
既に市販されているデュポン コーリアン®シートは、天然の鉱物質を主体に樹脂の中で最も透明性、耐水性、耐候性に優れたメタクリル樹脂を複合したメタクリル人造大理石で、(1)独特の質感と透明感のある外観、(2)色と柄の豊富なバリエーション、(3)メンテナンス性の良さ、(4)自由なデザイン性、(5)耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐候性に優れるという特徴があり、システムキッチンカウンター、洗面カウンター、テーブルトップを始め様々な用途に使用されています。
さらに、ガラス繊維を含まない高品質メタクリル人造大理石であるデュポン
コーリアン®シートは、表面についたキズや汚れが容易に研磨補修できるのでリユース性に優れ、環境ホルモンとして疑われている物質を含まず、焼却処分してもダイオキシンの発生もなく、環境に対する安全性の高い素材として注目を集めており、市場の伸びは年率10%以上と見込まれています。
また、MRC・デュポンでは、工場で発生する端材をセメント原料として再利用したり、燃料として使用し、リサイクルに取り組んでいます。
このたび本格生産を始めるデュポン
コーリアン®メタクリルBMCは、MRC・デュポンが長年培ってきた上記したデュポン
コーリアン®シートの高品質・高意匠性と三菱レイヨンのメタクリル樹脂技術を融合して完成させた高品質メタクリル人造大理石成形材料であり、量産性に優れた圧縮成形や射出成形によって、デュポン
コーリアンR成型品を製造することができます。これを用いると、成形時間は従来の注型成形に比べて1/5〜1/10に短縮され、複雑な形状の成型品を容易に製造することができます。
今後は、デュポン コーリアン®シートを補完する材料として、洗面ボウル、浴槽、浴室カウンターや家具類、並びに制振性の良さを利用した音響製品の部材などの分野でデュポン
コーリアン®メタクリルBMCの用途拡大を図り、デュポン
コーリアン®成形品事業の2年後の売上げ5億円を目指します。
三菱レイヨングループは、MMA(メチルメタクリレート)系事業をコア事業と位置付けて事業基盤の強化拡大に取り組んでおり、その一環としてメタクリル樹脂の応用製品である
高品質メタクリル人造大理石デュポン
コーリアン®事業の拡幅を支援します。
|
Chemnet Tokyo 2002/5/13
旭化成、川崎にMMAシートでも新設備を設置へ
大型液晶導光板の需要の増大に対応
旭化成は川崎・浮島工場内にMMAシートの新設備を設置することにして準備に入った。現在同工場では、年産1万8,000トン能力のシート設備が稼動中だが、同社では今年11月に同6,000トン能力の新設備を追加設置する計画。総設備能力は同2万4,000トンとなる。所要資金は7〜8億円の見込み。
今回の計画は、大型液晶導光板向けにMMAシートの需要が急速に拡大する傾向が顕著となってきた点を睨んでのもの。液晶導光板向けには、MMAの成型材料が使われるケースとシートが使用される場合とがあり、旭化成はその両方のニーズにフレキシブルに対応していける体制を構築している。販売シェアは、成型材料とシートをあわせると旭化成が全世界のトップを占めている模様。いずれの製品もここにきて需要が本格的な立ち上がりを見せてきており、このため旭化成では先ずは千葉工場の溶液重合法成形材料の生産設備を5月末に従来の同1万5,000トン能力から同2万トン能力に増強することして現在工事を進めているところ。
今回はこれに加えて、15インチ以上の大型液晶用導光板向けに需要が急増し始めたシートについても量産体制を整えることにしたもの。
液晶用MMA製導光板は、3年前から普及しはじめて昨年の総需要量は世界全体で約2万1,000トンに達したと見られている。今後は拡大に加速がつき、2003年には3万トン、2005年には6万トンに膨らむというのが関係筋に共通した見方となっている。中でも大型画面向きのシートの需要の拡大が特に期待されている。
なお旭化成では、こうした展望を背景に同社特有の直メタ法MMAモノマー設備(川崎・塩浜工場)の生産能力を現在の同7万トンから同10万トンに増強することにしている。今年11月に完工の予定。
↓
Chemnet Tokyo 2002/5/20
旭化成、6月に増設完了。液晶導光板用のMMAポリマー
旭化成はメチルメタクリルレート(MMA)事業の積極的な拡大に取り組んでいるが、ことし11月に完成する川崎工場でのMMAモノマー増設を前に、6月中にフラットディスプレーなどに使われている液晶導光板向けMMAポリマー「デルペット」の増設を完了、操業を開始することになった。
MMAポリマーは千葉工場で在来の年産1万5,000トン設備を5,000トン増の2万トンに拡充。また同時にMMAシート(押出板)「デラグラス」の設備年産5,000トンについても年内完成をめざしている。
MMAのアジアでの需要は年間約80万トンの規模になっており、今後も年率3〜4%の伸びが期待されている。旭化成ではMMAモノマーの製造工程を短縮する「直メタ法」の技術を開発したことからMMA事業の積極的拡大に重点を置き、1999年1月に川崎工場に年産7万トン設備を完成した。増設中の設備は3万トン。直メタ法はイソブチレンを原料にメタクロレインをつくり、これを直接MMAとするもので、メタクロレインをメタクリル酸としたのちMMAとする「直酸法」やイソブチレン―メタアクリロニトリル―メタクリルアミド―MMAの工程をたどる「MAN法」などに比べコスト的に有利である。
こうした背景で同社はMMAポリマーの増設を完了するわけだが、MMAポリマーの設備能力は成形材料の液晶導光板用を含む重合分が年産5万1,000トンになるので、従来トップだった三菱レイヨンの4万7,700トンを上回る。
昨年来の重合分はほかにクラレが3万8,600トン、住友化学が2万9,500トンで4社計16万1,800トンだった。
成形材料としては賦形分が三菱レ4万4,200トン、旭化成2万7,000トン、住化2万2,900トン、クラレ2万トン、。板が注形板で4社計で5万7,350トン、押出板で同5万9,500トンとなっている。
液晶導光板用の需要は昨年の1万5,000トンからことしで2万5,000トンにもふえる見通しで、各社とも5月から20%ていどの値上げに踏み切っている。
なお、三菱レはさきにMMAポリマーでの中国進出計画をきめ、旭化成もさらに中国か台湾での生産を予定しているようである。
化学工業日報 2002/1/18
住友化学、押出板増強などMMA戦略を加速
住友化学工業は、世界のリーディングカンパニーを目指すMMA(メチルメタクリレート)で、モノマーに続き川下のMMA押出板についても能力増強を加速する。液晶表示装置向けに需要が拡大するなか、同分野のトップメーカーとして供給体制を強化していくもので、今秋、愛媛の生産能力を年産5000トン増強することを決めたほか、液晶表示装置の製造拠点が集中する中国など、海外での新拠点確保も検討していく方針。
化学工業日報 2002/6/3
住友化学、アクリル樹脂特殊製品を本格事業化住友化学工業は、特殊なアクリル樹脂の本格事業化に乗り出す。鐘淵化学工業と共同開発した発泡アクリル樹脂はサンプルワークが順調に進み、育苗ポットなど農業資材分野などで評価が高いことから、本格販売に向けた体制を整える。また独自に開発したアクリル樹脂フィルムは高透明・高級感、環境特性から自動車のインパネ回りに採用。供給面でも愛媛工場に年産1000トン体制を整えており、今後用途開発を加速し本格事業化を図る。同社は内外でアクリル事業の拡大を進めているが、特殊品戦略も強化することで事業競争力を高める。
2001/11/29 鐘淵化学・住友化学発表
発泡アクリル樹脂の試験発売を開始
−本格販売は、来年度上期中の予定−
◎ | 鐘淵化学工業株式会社と住友化学工業株式会社は、かねてより開発してきた発泡アクリル樹脂の来年上期中の本格販売に向けて、このほど試験販売を開始した。新製品は、「カネパールAX(鐘淵化学)」、「スミペックスAX(住友化学)」の商品名で販売し、5年後を目途に、両社で年間約10億円の売上を目指す。 | |
◎ | 新製品は、住友化学が長年にわたって研究・製造・販売を手掛けてきたアクリル樹脂と、鐘淵化学の重合技術・発泡技術をベースに、共同開発された。両社の異なる現有事業の販売網を生かし、鐘淵化学は発泡ポリスチレン樹脂(EPS)の特殊品として販売強化を狙い、住友化学はアクリル樹脂の市場拡大を進める。 | |
◎ | 新製品の主な特長は次ぎの通り。 | |
・ | 燃焼時の発煙量や残渣が極めて少なく、自動車エンジンなど鋳物の精密鋳造用のロストフォーム(消失鋳型模型)に最適な材料である。鋳造物時に金属溶湯によりガス化して消失し、その形状がそのまま鋳造品に置き換えられるため、従来の木型工法に比べ工数の合理化が期待できる。 | |
・ | 優れた耐候性があり、従来の発泡ポリスチレン樹脂では使用困難な長期間にわたる屋外での使用が可能である。太陽光線が直接あたる農業資材や各種緩衝材、部材、造形材などへの発泡性樹脂使用が容易になる。 具体的に期待される用途としては、水耕栽培容器、養蜂用の巣箱、育苗ポット、イチゴベッド、看板・外装(造形物含む)を含めたエクステリア、屋外で使われる家電機器の緩衝材、ロボットトレーなど多岐にわたる。 |
|
・ | 発泡ポリスチレン樹脂と同等の成形性を保有しているため、従来の発泡ポリスチレン樹脂の成形設備をそのまま使用できる。 |
1999/3/2 クラレ・住友化学
アクリル樹脂製品の相互生産委託等について
株式会社クラレ(本社:大阪市,社長:松尾博人)と住友化学工業株式会社(本社:大阪市,社長:香西昭夫)は、アクリル樹脂製品の一部についての相互生産委託及び、アクリルシートの共同物流を行なうことについて、試行を重ねてまいりましたが、このたび両社のメリットが確認でき、本格実施の運びとなりました。
アクリル樹脂は優れた透明性と耐候性を生かして照明器具、看板・ディスプレイ、テールランプ等様々な用途に使用されております。
このアクリル樹脂事業は、海外では大手メーカーによる寡占化が進みつつある状況で、国内メーカーも国際的な競争に晒されようとしており、この中で生き残るために、一層のコスト競争力の向上が必要となっております。なかでも国内においては、個別のユーザー要求に対応しながらグレードを統合するなど、競合激化の中で、いかに生産性向上を実現するかが大きな課題となっております。
このような本事業を取巻く環境に鑑み、クラレ・住友化学の両社は、次の通り提携することといたしました。
1. アクリル成形材料(ペレット)の相互生産委託
対象数量は年間約1万トン
2. アクリルシートの相互生産委託
対象数量は年間約2000トン
3. アクリルシートの共同物流
関東・関西地区で共同配送、共同保管を実施
共同物流量は年間約1万トン
今回の提携により、物流コストの合理化に加えて両社が生産しているグレードの統合を進め、両社の特色を生かした事業運営の実現を図り、一層の顧客サービスの向上を目指してまいります。
日刊工業新聞 2002/5/22
住友化学、メタクリル樹脂板の中国メーカーと提携交渉
住友化学工業は中国で、メタクリル樹脂板のメーカー数社と資本参加を含む提携交渉を進めていることを明らかにした。7―8月にまず1社と合意に達する見通し。同社はメチルメタクリレート(MMA)モノマーの外販を本格化させる方針で、成長市場の中国で同モノマーを使った樹脂板の安定した供給先を確保するのもその一環。拡販をてこに、事業全体で国際競争力の強化を目指す。
住友化学が提携を模索しているのは、「キャストシート」と呼ばれるメタクリル樹脂板の現地メーカー。詳細は明らかではないが、資本参加のほか生産委託や技術供与も選択肢に、年産能力で5000―1万トン級のメーカーと交渉している。
同樹脂板はMMAを重合して得られる誘導品の中でも、耐熱性や耐候性などに優れた素材で、看板などに使われる。現地メーカーと関係を深めるには、住友化学がもつ製造技術を生かせる同樹脂板が最適と判断した。
化学工業日報 2002/11/11
住友化学、愛媛でPMMAを増強
住友化学工業は、愛媛工場でアクリル樹脂成形材料(PMMA)の生産能力を増強する。2003年5月の定修時に連続バルク重合設備をボトルネック解消により年1万3000トン増強、4万5000トン能力に引き上げる。投資額は3億円。液晶ディスプレー(LCD)の主要部材であるバックライト用導光板を中心とした光学部品の需要増に対応したもの。同社では愛媛で光学向けアクリル樹脂押出板の新ラインを増設し今月から立ち上げており、2003年にもさらに新ラインを増設し安定供給を図る方針。また海外でも増産体制を整えるため、シンガポールで2004年にPMMAのボトルネック解消による増強を検討する。同社ではまず、こうした誘導品の増産・拡販体制を構築し、将来的に視野に入れているシンガポールでの原料MMA(メチルメタクリレート)モノマー増設の垂直立ち上げを図る考え。
2003. 6. 10 クラレ
メタクリル樹脂押出板生産設備の増設について
当社はこの度、パソコンやモニターに使われ国内外で需要が拡大している液晶表示装置や、米国・中国で拡大しているリアプロジェクションテレビ(背面投射型テレビ)の部材などに使用するメタクリル樹脂押出板「コモグラス」の生産設備の増設(年産5,000トン 04年4月稼動予定)を決定しました。
メタクリル樹脂シートはその優れた透明性や耐候性を生かし、看板、案内標示板、ディスプレー、また水族館の大型水槽などに使われています。近年ではパソコンやテレビなどの液晶ディスプレー(LCD)の導光板、リアプロジェクションテレビの前面板はじめとする光学関連分野を中心に需要の拡大を続けています。
当社は、メタクリル樹脂の原料となるMMA(メタクリル酸メチル)モノマーから、メタクリル樹脂シート・同成形材料、メタクリル樹脂系人工大理石など、メタクリル樹脂関連の各種製品を幅広く展開しています。その中で、当社のメタクリル樹脂押出板「コモグラス」は板厚精度に優れ、また独自技術による各種機能化の特長を生かし、光学材料、成形看板、ディスプレー、什器、照明カバーなどに広く展開していますが、最近では特に導光板、リアプロジェクションテレビの前面板などの光学関連分野への販売が拡大を続けており、今後も一層の拡大が見込まれる光学分野に適した押出板の生産設備を増設することにしました。
この増設により、当社のメタクリル押出板生産能力は5,000トン増加し、現状の23,600トンから28,600トンに増加します。
当社は、今後も光学関連を始めとしたメタクリル樹脂の特長を最大限に生かす製品や、従来にはない独自のメタクリル関連製品の開発を進め、メタクリル事業の更なる拡大を図っていきます。
設備投資の概要
生産能力:年産5,000トン(増設後の押出板生産能力 年産28,600トン)
設置場所:中条事業所(新潟県北蒲原郡中条町)
投資額 :約15億円
稼動時期:2004年4月(予定)
Chemnet Tokyo 2004/1/9
住友化学、MMA押出板の増設装置の本稼動を開始
導光板の需要の拡大に対応、全体の生産性も向上
住友化学工業は、年明けから同社愛媛工場内でMMA押出板の新設備の本稼動を開始した。
今回営業運転に入ったのは、需要が内外で急速に伸びている導光板用の専用ライン。生産能力は年1万t。この結果、同社のMMA押出板の総生産能力は5系列合計で同2万7,000tとなった。MMA押出板メーカー4社の中の最大規模となった。同社では、このうちの同2万tを導光板向けに活用していきたい考え。
MMA導光板の需要は、国内のみならず韓国、台湾、タイ、マレーシアなど他のアジア諸国でも液晶モニター向けに02年春以降急拡大している。しかし、押出板や成形材料の設備能力が不足しているためアジア地域全体の需給バランスは極端な逼迫状態が続いている。住友化学は、こうした事態を打開すべく昨年6月に愛媛工場の成形材料設備を同1万t規模増強して同5万5,000tに拡大、さらに押出板についても今回1万tの増産体制を整えたもの。
同社はMMAについては、モノマーから成形材料、押出板、注型板にいたるまでの一貫総合企業化体制を確立しており、国内のみならずシンガポール、韓国、タイにも生産拠点を設けている。今回の一連のポリマーの増産体制の確立によって、MMA製品全体の需要の拡大に対する対応力はかなり強化されたと言える。また、新鋭装置が加わったことで全体の生産効率の向上も図られることになった。
しかし、需要がかつて同社が予想していた以上のピッチで伸びているので、シンガポールの原料モノマープランントの同8万t増設が完了する05年7月まではポリマー全体の需給はタイトバランスのまま推移すると同社では予想している。
日本経済新聞 2004/4/30
クラレ 曲がるアクリル樹脂 柔軟性、原料で調整自在
本来は硬いプラスチックとして知られる素材がゴムのように曲がるーー。クラレは手で曲げたり、伸び伸縮させたりできるアクリル樹脂の開発に成功した。透明性に優れたアクリル樹脂は自動車のランプカバーやプラスチックケースなど幅広く利用されているが、クラレの素材を使えば柔軟で割れにくい製品が実現できる。液晶ディスプレーに応用できれば、将来は折り曲げて持ち運ぶといった装置の開発につながるという。
開発したのは「アクリル系熱可塑性エラストマー」と呼ぶアクリル樹脂の一種。分子レベルで化学反応を制御する触媒技術を開発、量産化にメドを付けた。製造時間も1時間弱で、従来方法に比べ約10分の1。有機溶剤などの可塑剤も使わずに済む。
樹脂の柔軟性も原料を変えれば自在に調整可能。柔軟性を高めれば接着剤や発布材などに使えるほか、シリコーン樹脂や塩化ビニール樹脂の代替用途も見込めるという。アクリルは透明度が高く薬品や傷にも強いが、硬いため、柔軟性が求められる材料には使えなかった。
クラレは7月に鹿島事業所(茨城県神栖町)に年産300トンの試験プラントを設置し、サンプル出荷を始める。2006年をメドに量産する考え。
2006年1月18日 旭化成ケミカルズ
韓国デラグラス(株)における液晶テレビ用拡散板生産ライン新設について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2005/ch060118.html
旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤原健嗣)、RAYGEN.Co.,Ltd.(本社:大韓民国慶北道漆谷郡、社長:太聖吉)及びサムスン物産株式会社(本社:大韓民国京畿道城南市、社長:池成河)は、このほど3社の合弁会社である韓国デラグラス株式会社において、液晶テレビ用拡散板生産ラインを新設することを決定いたしましたのでお知らせします。
1. 背景
液晶ディスプレイ市場は、パソコンモニター用に加え、液晶テレビ用需要が急拡大しており、特に、韓国において、テレビ用液晶ディスプレイパネルの大型増設が計画されております。このため、需要が拡大する液晶テレビ用拡散板について、韓国内のお客様の要望に応え、現地生産を実施することといたしました。
2. 新設計画の概要
(1) 生産能力 : 押出板(拡散板) 4千トン/年
(2) 稼動時期 : 2006年9月
《ご参考》
韓国デラグラス株式会社 概要
(1) 会社名 : 韓国デラグラス株式会社(DELAGLAS
KOREA CORPORATION)
(2) 資本金 : 50億ウォン
(3) 出資比率 : 旭化成ケミカルズ60%、RAYGEN30%、サムスン物産10%
。
(4) 代表者 : 共同代表 社長 太聖吉、副社長
能勢雅紀
(5) 所在地 : 大韓民国 京畿道 平澤市
(6) 生産能力 : 押出板(導光板) 6千トン/年
PMMA樹脂PLEXIGLAS(R), PLEXALLOY(R) をデグサ
ジャパンから取得
http://www.daicel-degussa.com/jp/index.php?mode=main&data_no=0
2006年1月より、ダイセル・デグサ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山部
泰治)はデグサ ジャパン株式会社から、代表的な透明材料であるPMMA樹脂、PLEXIGLASR,
PLEXALLOYRのモールディングコンパウンドビジネスを引継ぎ、日本市場のマーケティングを開始いたしました。
1933年にDr. オットー・レーム(Otto Rohm)により開発されたPLEXIGLAS(R)は、世界的に知られるメタアクリレート(PMMA)樹脂であり、デグサ
グループに所属するレーム GmbH & Co., KGが73年にわたり製造販売を行っている製品です。
レーム GmbH & Co., KGは1907年に設立され、メタアクリレート分野において世界のトップクラスのメーカーとしてメタアクリレート製品からモノマーや成形用樹脂から押出シート、キャスティング成形品まで一貫した製造販売を行っています。 日本のマーケットに於いては、これまでレームの製品はデグサ
AGの100%日本法人デグサ
ジャパン株式会社が扱っていましたが、そのうちのモールディングコンパウンドビジネスについて、2006年1月よりダイセル・デグサが取り扱うことになりました。 シートビジネスはデグサ ジャパンが引き続き取り扱いを致します。
このビジネスの取得により、ダイセル・デグサはPMMA樹脂事業に新たに参入する事になります。これまで35年以上ナイロン樹脂を中心にプラスチックの用途開発に携わり、その間に蓄積した技術力、市場開発力、マーケティングチャネルを大いに生かすことが出来ると考えています。特にナイロン12樹脂の市場開発で培ってきたスペシャリティビジネスでの市場開発能力は、PMMA樹脂業界においても十分に我々のポジションを確立できるものであると確信しており、PMMA市場の中で大きな成長を見込み、中期的には10億円の売上を達成したいと考えております。
ダイセル・デグサがご提供するPLEXIGLASR,
PLEXALLOYRモールディングコンパウンド シリーズは、それぞれが以下のような特有な機能を持ち合わせています。
■PLEXIGLAS(R)スタンダードグレード
射出成形用として成形時の流動性と製品の耐熱変形性のバランスを重視したグレードと、押出成形用として様々な厚みや形の成形に対応する様に最適な処理条件を満たす事を重視したグレードで構成されています。主な用途は自動車のリアライト、照明器具、ネームプレート、レンズ、家庭用品などの汎用製品に加え、押出成形シートです。
■PLEXIGLAS(R)耐衝撃グレード
このシリーズは、優れた耐衝撃性を持ち、射出成形と同様に押出成形や、Coextruding
profiles、シート成形に適しています。代表的な用途例として、照明カバー、ディスプレイ製品、万年筆などのステーショナリー、サニタリー製品やキッチンツールなどの家庭用品です。
■PLEXIGLASR hw 高耐熱グレード
ビカット軟化温度が約120℃という成形しやすい製品です。特に高い耐熱性が要求される射出成形品に適しています。
■PLEXIGLAS(R) df 光拡散グレード
PLEXIGLAS光拡散グレードは優れた光拡散性と高い光線透過性により、ベルベットのような滑らかなデザイン効果を可能にします。これらの光学特性は、異なった光の屈折を生む球形のポリマー粒子を樹脂に埋め込むことで改良されたグレードです。 この光拡散ビーズがそれぞれ異なった屈折を見せるために光の伝達を変化させるのです。 主な用途は広告用ディスプレイ、照明、広告・装飾用の製品です。
■PLEXIGLAS(R) 光学グレード
ご要望により、PELXIGLASR 7Nグレードを光学用途向けに提供します。
■PLEXALLOY(R) NTA シリーズ
主に自動車のピラーポスト、スポイラー、ミラーハウジング等の非透明材料として使われています。成形品表面の深みのある艶と光沢を生み出すグレード。主な用途は自動車のピラーポスト、スポイラー、ミラーハウジング等の車体外装部品。
この様に、PLEXIGLAS(R)、PLEXALLOY(R)は各グレードとも多方面の特性に於いて優れた物性値と評価を示しています。お客様の多様なニーズに十分にご満足頂ける製品として自信を持ってご紹介いたします。
ダイセル・デグサはドイツのヒュルス社(現デグサ社)とダイセル化学工業株式会社の合弁企業として1970年に発足し、設立以来ポリアミド12樹脂ベースの高品質で優れた機能性樹脂を開発、販売してまいりました。
1998年にISO9000S、そして2000年にはISO14000Sを取得するなど、お客様へ最良の製品、最高の技術を提供できる体制を充実させると同時に、環境問題への取り組みも積極的に行っています。 2003年にはビジネスフィールドを拡大するため新たにC8, C12脂環式化合物(モノマー)を製品ラインに加え、エンジニアリングポリマー分野での "No.1" を目指し日々躍進しています。
長年にわたりデグサ社と共に培ってきた技術開発力、豊富な知識、経験。 これらを糧に、世界中のお客様に確かな満足をお届けするため、ダイセル・デグサは常に新しい視点とアイデアで品質の向上とサービス体制の強化に努めています。 優れた製品とお客様に尽くす心、そして社会や環境に対する配慮を通して明日のニーズに応えること。 それがグローバル企業である私たちの使命なのです。