(日本経済新聞 2001/12/7)

  積水化学 三菱樹脂 塩ビ管で提携 来春メド生産統括会社    

 積水化学工業と三菱樹脂は6日、給排水設備などに使う塩化ビニール管事業で提携すると発表した。2002年4月をメドに生産統括会社を設立、設備集約など生産効率化を進め、物流面や原料の購入でも提携する。塩ビ管は住宅着工件数の減少や公共事業の縮小を背景に内需が低迷。設備過剰感も強く、各社とも収益が悪化している。
 生産統括会社の社名、資本金や出資比率などは今後詰める。両社の生産体制は積水化学が6拠点で年産能力は17万トン。三菱樹脂は6拠点で同16万トン。来春以降、生産拠点や設備の統廃合を進める。物流面でも合計で21カ所ある拠点を統廃合し、更に原料である塩化ビニール樹脂の共同購入も進める。両社は提携により生産、物流、在庫に関するコストを2割以上削減する考えだ。
 塩ビ管は住宅の給排水や、上下水道、農業用水などに使う。国内出荷量は2000年で約46万トンだが、需要は先細り傾向にある。一方、業界全体の年産能力は約67万トンに達し、設備過剰が問題になっている。  今年8月には、経済産業省主導で塩ビ管メーカー11社で構成する勉強会が発足、11月19日には設備廃棄や業務提携の必要性を提言する報告書が出された。業界最大手のクボタと4位のシーアイ化成も11月、包括提携で基本合意するなど業界の再偏が進んでいる。


(日本経済新聞 2001/11/28)

  クボタとシーアイ化成 塩ビ管で提携

 クボタとシーアイ化成は28日、塩化ビニール管事業について生産設備や物流施設の集約、原料の共同購入など、販売を除く全分野で提携することで基本合意した。子会杜を含めた両杜の合計シェアは4割弱に達する見込みで、提携を機に塩ビ管メーカーの再編が加速するのは必至だ。  
 両社は来年3月末までに、包括提携に関する契約を結ぶ予定。来春以降、生産の相互受委託や品種の統合を進める。最適な生産体制を構築し、余剰設備を廃棄していく。  
 物流面では重複する地域の施設を集約するほか、製品の共同配送に取り組む。原料である塩化ビニール樹脂の共同購入などを通じて仕入れコストも引き下げる。研究開発も一元化する。  
 塩ビ管は住宅の給排水、上下水道、農業用水などに使う。住宅着工の減少や公共事業の縮小を背景に需要は伸び悩み、2000年の国内出荷量は約46万トンにとどまった。業界全体の年産能力は約67万トンに達しており、メーカー各社は設備過剰と収益力の低下に直面している。  
 このため2位の積水化学工業が昨年4月からクボタ、今年4月から旭有機材工業と相互OEM(相手先ブランドによる生産)を始めるなど、一部に合理化の動きが出ている。ただ提携規模が小さく、効果はあまり出ていない。  
 今年8月には経済産業省の主導で塩ビ管メーカー11社の勉強会が発足し、今月19日には
設備廃棄や業務提携の必要性を提言する報告書が出された。今回は同報告書が出てから初の業務提携となる。
 クボタは福岡、大阪、神奈川の3カ所に工場を持ち、年産能力は17万トン。シーアイ化成の生産拠点は栃木と滋賀の2カ所で、年産能力は7万トン。


日本経済新聞 2002/6/25夕刊

栗本鉄工所と日本鋳鉄管 水道用鋳鉄管で包括提携

 栗本鉄工所と日本鋳鉄管は25日、主に水道管に使う鋳鉄管事業の包括提携で合意した。今夏にも相互OEM(相手先ブランドによる生産)を始めるほか、原料などの購買、技術開発も共同で取り組む。合計で年間10億円のコスト削減を目指す。水道管向け鋳鉄管の2位、3位が組み、首位のクボタに対抗する。
 OEMは栗本の大阪市と堺市の工場と、日本鋳鉄管の埼玉県菖蒲町の工場で始める。東・西日本向けに自社生産し輸送している製品をOEMに切り替え、生産効率を高め、配送拠点を相互利用し物流費も削減する。購買面の協力は銑鉄、スクラップやコークスなど原材料が中心で、共同購入や仕入れ先の紹介を進める。塗装などの技術や製品の共同開発も具体化する。
 対象となる製品は「ダクタイル鋳鉄管」。引っ張り強度、耐震性に優れ、農業用などにも使われる。水道用直管のシェアはクボタが60%強、栗本が25%前後、残りを日本鋳鉄管が占める。