韓国・東レセハン社におけるポリプロピレン・スパンボンドの新設
東レグループの長繊維不織布事業強化に向けた、韓国・東レセハン社におけるポリプロピレン・スパンボンドの新設について
東レ(株)と韓国の大手合繊メーカーであるセハン社との合弁会社である東レセハン株式会社(略称TSI社、本社:大韓民国ソウル特別市麻浦(マッポ)区、代表理事社長:李泳官(リーヨンガン))は、このたび、ポリプロピレン・スパンボンド(PPSB)生産設備を新設することを決定しました。この設備は4層構造のスパンボンドでポリプロピレン・ポリエチレン(PP・PE)等複合ポリマーのスパンボンドも生産可能な最新鋭設備です。年産13,000トンの設備を2003年10月稼動予定で新設します。これにより、TSI社のPPSBの生産能力は合計年産45,000トンになります。
TSI社は2000年12月にアジアで最初の4層のPPSB生産設備を増設して年産30,000トン/年の生産能力とし、本年6月にも年産約2,000トン/年の増能力を実施して需要拡大への対応を行いましたが、紙おむつ用途においてさらなる需要拡大が見込めるため、このたびの増設を決定し、アジアにおける同事業の地位を確固たるものにします
日米欧など先進国では、PPSBの主な用途であるベビー用紙おむつの普及率はほぼ100%に達しています。近年、アジア各国においても、国民一人当たりの所得の伸びとともに紙おむつの普及率は上昇しています。紙おむつは、よりソフトな風合いで軽いもののニーズが高く、これに最適な多層構造スパンボンド(3層構造以上)の需要は、2010年まで年率10%以上の拡大が見込まれます。
東レは平成11年10月にセハン社からポリエステル長繊維、ポリエステルフィルムおよびPP、ポリエステル長繊維不織布事業を買収しました。長繊維不織布事業において、東レと東レセハンは今回の増設後に合計で年産53,000トンの能力をもつ世界有数のメーカーとなります。今回の増設は、東レグループの構造改革プログラムである“プロジェクト
New TORAY 21”に掲げた「“New Value Creator”への転換」を推進する、ソリューションビジネスの一環です。今後とも東レグループは、ユーザーニーズを起点とした新しい素材提案を行い、ユーザーの満足をより高める商品を提供していきます。
【ご参考】
−東レセハン社の概要−
1. 社 名 : 東レセハン株式会社(Toray Saehan Inc.) 2. 本社所在地 : 大韓民国 ソウル特別市麻浦区 3. 工場所在地 : 第1工場: 慶尚北道亀尾市臨洙洞93-1
第2工場: 慶尚北道亀尾市工団洞2874. 代表者 : 代表理事会長 梅本俊之
代表理事社長 李 泳官(リーヨンガン)5. 資本金 : 3,000億ウォン(約300億円) 6. 出資比率 : 東レ 70%
セハン 30%7. 事業内容 : 下記製品の製造・販売
ポリエステルフィルム
ポリエステル長繊維糸
長繊維不織布: ポリエステル
ポリプロピレン
(年産9万トン)
(年産5万トン)
(年産4千トン)
(年産3万2,000トン)8. 売上高 : 約4,600億ウォン(約460億円)*2001年実績 9. 総資産 : 約6,600億ウォン(約660億円)*2001年末実績 10. 従業員 : 約800名(うち東レ出向者、日本人役職員8名)
*2002年6月末現在
ユニチカ http://www.unitika.co.jp/spunbond/
当社の不織布事業は、1972年にポリエステルスパンボンド不織布「マリックス」の販売より歴史の幕を開けました。
「マリックス」は、その高強力と品質安定性を活かし、農業資材、土木資材、建材用途等に販売を拡大しております。その後、ナイロンスパンボンド不織布「ナイエ−ス」「ウイウイ」、オレフィン系のヒ−トシ−ルが容易な「エルベス」の販売を開始し、生活資材用途へも進出しました。
さらに、衛生材料、化粧雑貨用途を主力にしたコットンスパンレ−ス不織布「コットエ−ス」、超極細繊維を使った不織布「アルシ−マ」の販売も開始し、ユニチカは総合不織布メ−カ−として活躍のフィ−ルドを拡大しています。
化学工業日報 2001/5/2
国内外でスパンボンド増強−ユニチカ
ユニチカは、国内外で長繊維不織布(スパンボンド)の増強に乗り出す。岡崎工場(愛知県岡崎市)に年産1万トン規模の新ラインを導入するとともに、タイ工場を増強し50%の能力アップを図る。これにより総生産能力は現在の年間2万4000トンから同3万6000トンに拡大する。投資額は50億円程度で、2002年度までに実施する方針。スパンボンドは衛生材料、産業資材用途を中心に需要が拡大しており、繊維各社が増産に乗り出している。国内大手のユニチカが増設に着手することで今後、同市場の販売競争が激化するとみられる。
日刊工業新聞 2003/5/9
ユニチカ、中国でスパンボンド事業を本格展開
ユニチカは中国でのスパンボンド(長繊維不織布)事業に乗り出す。タイルカーペットと自動車内装材用途をメーンに中国市場を開拓する。近く営業活動をはじめ、04年度からタイの現地法人を拠点に供給を本格化させる。4―5年後には年500―1000トンの販売を目指す。
中国ではこれまで不織布の中でも高品質なスパンボンドへのニーズが低く、ユニチカでは年10―100トンの販売にとどまっていた。今回、生活水準の向上から需要増加が見込まれるため、本格展開することにした。上海事務所やタイにある帝人との合弁企業「タスコ」を通し、現地の代理店を活用しながら売り込む。
当面は、タイルカーペット用途と自動車内装材用途の開拓に力を入れる。タイルカーペットは最近のビル建設ラッシュで需要が見込まれている。自動車内装材も自動車メーカーの中国進出に合わせて需要が期待できる。
*タスコ 1997年設立 ポリエステルスパンボンド製造販売
旭化成 http://www.asahi-kasei.co.jp/eltas/
「エルタス」は、旭化成が独自の技術で開発した スパンボンド法の合繊長繊維不織布の総称です。
合成繊維フィラメントを均一に分散させたウェブを、熱圧着によりボンディング(接合)したシートです。
接着剤を全く使用していないため、100%ピュアなスパンボンド不織布です。特長
1. 通気性に優れます
2. 繊維の毛羽立ちが少ないです
3. 切断面がほつれません
4. 細い繊維からなるため、保温性、断熱性に優れます
素材
ナイロン 1. 染色加工性に優れます
2. ソフトな風合いで、ドレープ性が良いです
3. 高い強力で、加工性に優れていますポリエステル 1. 寸法安定性に優れます
2. 耐熱性、耐光性に優れます
3. 高い強力で、加工性に優れますポリプロピレン 1. 軽量でボリューム感、嵩高性に優れます
2. 親油性に優れます
3. 熱加工性に優れます
建設を進めておりました旭化成エルタス(株)延岡工場(宮崎県延岡市)は(2001)8月に完成し、10月に商業生産を開始いたしました。
旭化成エルタスでは、紙おむつ用途などに使用されるポリプロピレンスパンボンドなどを製造しています。製造能力は、13,000トン/年で、これで当社グループのスパンボンドの総生産能力は、守山工場(滋賀県守山市)とあわせて約35,000トン/年となります。
スパンボンド生産設備の増強について
このたび、旭化成工業株式会社(社長 山本一元)では、スパンボンド(合繊長繊維不織布)の生産設備を下記の通り増強することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
(1) 当社のスパンボンドの特徴当社では、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンの3素材のスパンボンドの生産を行っており、医療衛生、生活資材、産業資材用途向けなど、幅広い用途に販売を行っております。技術面では、当社のスパンボンドは、薄くて柔らかな生地を生産するための“細デニール技術”と生地の均一化に不可欠な“薄目付け技術”に優位性を有しております。
また、当社ではスパンボンド事業を、技術面の優位性と市場の成長性さらには、メディカル、住宅建材、エレクトロニクス、膜などの他の事業分野にも「シナジー効果」を有することなどから、競争優位事業として位置づけております。(2)増設の背景
高齢化社会が到来しつつあることから、国内での大人用紙オムツの需要が増加しています。紙オムツはスパンボンドの主力用途であり、特に1枚当たりのスパンボンド使用量の多い大人用紙オムツの需要が拡大しており、それにともないスパンボンドに対する需要も急増しています。また、今後の成長分野として、生活資材用途(食品包装など)やメディカル用途(手術着など)などの市場拡大も期待できます。当社では、これらの需要増に対応するため、このたびの増設を決定いたしました。
(3) 増設内容
素材 :当面はポリプロピレンを中心に生産を計画 生産能力 :13,000トン/年 投資額 :50億円弱 立地 :延岡市(宮崎県) 着工及び稼働時期 :2000年初着工→2001年稼働予定 (4)増設後の生産能力
<現状能力計 70トン/日=約22,000トン/年>
素材別内訳
ポリプロピレン :約12,000トン/年 エステル :約 6,000トン/年 ナイロン :約 4,000トン/年 増設=約+13,000トン/年 <増設後能力計=約35,000トン/年>
東洋紡 http://www.toyobo.co.jp/seihin/sb/fusyoku_making.html
東洋紡スパンボンドは、ポリマー樹脂やペットボトルなどから再生されるポリエステルを原料に生産されます。この工程で不純物が混じると強度や品質などに問題が起きるので、厳しい検査が施されます。
集められた原料は溶融処理されて、チップの状態にします。
チップ状に加工されたポリエステルは、溶融され、ノズルから押し出され、糸状に引き伸ばされます。
糸状の繊維は、重ねられ、強度を出すためと繊維を固定するために熱エンボス・ニードルパンチ法などにより、シートにします。
スパンボンドは、用途によって厚み、強度などを調節することができます。ここでは、基準値クリアの厳しい検査が行われます。また、目的に合わせた幅カットも行います。
1999/4 ポリプロピレン スパンボンド法不織布プラント増設の件
2001/11 タイにおけるPPスパンボンド不織布の企業化
1999/4/26 三井化学
ポリプロピレン
スパンボンド法不織布プラント増設の件
三井化学株式会社 (本社:東京、
社長:佐藤彰夫)
は、今後も需要の見込まれる衛生材料分野向けにポリプロピレン製スパンボンド法不織布のプラントを次のとおり建設することと致しました。
(1) 生産能力 | |
: | 9,000トン/年(新プラント完成後の能力合計36,000トン/年) |
(2) 場 所 | |
サンレックス工業(株)四日市工場内 当社は、従来からプラスチック加工品事業の拡充強化に取り組んでおり、ポリオレフィンスパンボンドについては、当社全額出資の関係会社サンレックス工業株式会社において生産しております。 |
|
(3) 工 期 | |
1999年4月 着工 2000年4月 営業運転開始 |
この度プラントを建設するポリプロピレンスパンボンドは、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドという
3層構造の不織布(PP-SMS)で、従来のスパンボンド単体の不織布に比べ遮水性等様々な機能を有する新しい不織布であります。本プラントの設計に当っては、ドイツのライフェンホイザー社の技術を一部活用し、省エネ
・ 省力化を実現しております。
不織布に対する市場ニーズは、今後ますます多様化していくものと見込まれますが、当社は、原料ポリオレフィンからの一貫生産体制の利点を活かし、顧客に密着した販売体制をさらに強化し、幅広い品質を有する不織布を安定的に供給することにより旺盛な市場ニーズに積極的に応えて参ります。
(ご参考) サンレックス工業株式会社 | |||
本社 | 三重県四日市市朝明町1番地 | ||
社長 | 加峰靖則 | ||
設立 | 1986年12月 | ||
資本金 | 2億4千万円(当社全額出資) | ||
事業内容 | 不織布、合成樹脂フィルムの製造、販売 |
<参考資料> 不織布事業概要
1.組織
機能製品事業本部 樹脂加工品事業部
製造− サンレックス工業株式会社(三重県四日市市)
※ 三井化学全額出資
2.営業品目 ポリオレフィンスパンボンド 36,000t/年 →34,000トン
3.主用途
衛生材料(紙オムツ他)
生活資材(包装材料、ワイパー他)
工業材料(油吸着材他)
農業資材(農業被覆資材他)
土木資材(地盤改良材他)
4.販売高 約210億円(2000年度見込み)
5.設備増強推移
1971年 ドイツ国ルルギ社よりスパンボンド製造技術導入
1972年 1号機設置(生産能力 現在 3,000t/年)
1986年 2号機設置( 〃 〃
3,400t/年)
1991年 3号機設置( 〃 〃 12,600t/年) *
自社技術
1997年 4号機設置( 〃 〃
8,000t/年) * 自社技術
2000年 5号機設置予定 (9,000t/年) 自社技術+ライフェンホイザー社技術
2001/11/14 三井化学
タイにおけるPPスパンボンド不織布の企業化
当社(社長:中西宏幸)は、タイにおいてコア事業であるポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布を企業化するため、同国にPPスパンボンド不織布を主体とする衛生材料の製造・販売の新会社Mitsui Hygiene Materials(Thailand)社(MHM)を設立し、タイ王国投資委員会(BOI)から投資奨励認可を得て、計画の内容を検討してまいりました。このほど、MHMがラヨン県イースタンシーボード工業団地内に2002年12月の商業生産開始を目指し、年産能力14,000トンのPPスパンボンド不織布の生産設備を建設することで計画が纏まりましたので連絡致します。
東・東南アジア地区では、タイ、中国を中心に子供用紙オムツの普及が進み、PPスパンボンド不織布の需要が大幅に拡大しており、今後とも大きな需要の伸びが期待できます。今回のタイにおけるPPスパンボンド不織布の企業化は、こうした需要拡大に対応するものです。
当社は、既に国内において100%子会社であるサンレックス工業株式会社(三重県四日市市)内に年産34,000トンのPPスパンボンド不織布生産設備を有し、事業展開を進めています。当社は、タイでの企業化を図ることにより、今後大きな需要の伸びが期待できるタイ、中国を中心とする東・東南アジア地域での紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料用不織布の最適生産販売体制を構築し、海外メーカー品に対するコスト競争力及び供給力の優位性を確保するものであります。生産設備完成後は、日本を含めたPPスパンボンド不織布の生産能力が年産48,000トンに拡大し、アジアにおけるトップメーカーの地位が更に強固なものとなります。
なお、MHM及び生産設備建設の概要は次のとおりです。
1. 社 名 | Mitsui Hygiene Materials(Thailand)Co., Ltd. | |||
2. 社 長 | 鈴木憲二(三井化学 取締役 樹脂加工品事業部長) | |||
3. 資本金 | 1,320万US$(三井化学 100%出資) | |||
4. 設 立 | 2001年8月1日 | |||
5. 所在地 | 本社:バンコク | |||
6. 住 所 : | 175 Sathorn City Tower, 11/1th Floor, South Satorn Road, Thungmahamek Sub-district, Satorn District, Bangkok | |||
7. 事業内容 | PPスパンボンド不織布を中心とする衛生材料の製造・販売 | |||
8. プラント建設 | @生産能力: | 14,000トン/年 | ||
A立 地: | ラヨン県イースタンシーボード工業団地 | |||
B総投資額: | 約60億円 | |||
Cスケジュール: | 2001年12月 着工 2002年 9月 完工 2002年12月 営業運転開始予定 |
日本経済新聞 2004/8/11
紙おむつ用合成繊維 三井化学、タイに工場 2006年メド、年産2万トン
三井化学は紙おむつに使う合成繊維の工場をタイに新設する。2006年をめどに世界最大規模となる年産能力2万トンの設備を稼働させる。中国や東南アジアでの需要拡大に対応し、生産体制を拡充する。
全額出資子会社、三井ハイジーン・マテリアルズ(タイランド)に新設備を設け、ポリプロピレン不織布を生産する。2003年春に立ち上げた年産1万4千トンの生産ラインの供給能力が限界に近づいており、第2ラインを設け、東南アジアに進出している日系紙おむつメーカーに供給する。投資額は50億−60億円とみられる。
三井化学のポリプロピレン不織布の年産能力は現在、日本とタイの工場を合わせて4万8千トンでアジア最大。日本では伸縮性などを高めた高付加価値製品の生産比率を引き上げ、タイでは汎用品を中心にコスト競争力を高める。
中国での需要急増をにらみ、将来は中国への工場進出やタイでの一段の生産能力増強を検討する。
ポリプロピレン不織布分野では東レが韓国で生産し、中国への工場進出も検討している。
http://www.kanebotx.com/brand/sabetsu/espansio/espansio.htm
エスパンシオーネは、当社が独自の技術で開発した熱可塑性ポリウレタンエラストマーのスパンボンド。エスパンシオーネは、ポリウレタン弾性繊維100%の細い連続フィラメントがランダムに積層した構造をしているため、従来のスパンボンドの特性である通気性やハンドリング性に加えて高い伸縮性(約400%)や柔軟性など多くの優れた特長を有しています。
エスパンシオーネは、その特性を活かした様々な用途の可能性が期待されるニューマテリアルです。
チッソ http://www.chisso.co.jp/fld/fldmain3.html
EsBond(複合スパンボンド)
EsBond(エスボンド)はチッソが独自に開発した熱接着性複合繊維製造技術をスパンボンド技術と組み合わせることにより生まれた、新しい発想の複合スパンボンド不織布です。従来のスパンボンドと比較して、柔らかく、優れた熱加工性を有します。ポリオレフィン系のポリマーから構成されているため、安全性が高く、紙おむつ・生理用ナプキンなどの衛生材料・食品などの包装材料他、各種用途にその使用分野が広がっています。
PP/LLスパンボンド不織布ストラテック
出光独自の樹脂技術と不織布成形技術が実現したスパンボンド不織布です。このスパンボンド不織布は、連続長繊維を熱エンボス加工して得られるもので、短繊維不織布にないさまざまな特長を備えています。また、素材はポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマーの3つを取り揃え、用途に応じて幅広く展開しています。
●高強力 | ||
: | 一般的なスパンボンド不織布と比べて、縦横方向の強力バランスが優れています。 | |
●ほつれや毛羽立ちが少ない | ||
長繊維を熱エンボス加工しているため、カット面からのほつれや表面の毛羽立ちが少ない不織布です。 | ||
●着色 | ||
練り込みによる着色が可能です。 | ||
●高ドレープ性、柔軟性 | ||
従来の不織布では不可能だった高ドレープ性、柔軟性を実現しました。 | ||
●通気性 | ||
通気性がある接着剤シートとしての活用も可能です。 |
2000/11/8 出光ユニテック
韓国東レセハン社とスパンボンド不織布に関する提携
我が社はこのたび韓国大手合繊ならびにフィルムメーカーである東レセハン株式会社(以下TSI社という)に対し、当社の保有するポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布の柔軟性改良技術のライセンスを実施し、同不織布の製造ならびに販売に関する両社の提携関係をより一層深めることに合意しましたのでお知らせします。
当社の有するPPスパンボンド不織布の柔軟性改良技術は、樹脂の改質等により不織布の柔軟性を改良するもので、5件の特許を申請中であります。紙おむつ等衛生材料向けに伸長を続けるPPスパンボンド不織布の販売展開に大きく寄与するものと考えております。すでに10月より国内外で販促活動に入っており、2001年度には5000トンの販売を目標としております。
一方、TSI社は現在、PPスパンボンド不織布3系列2万トン/年(PP単体タイプ2系列、SMSタイプ1系列)、ポリエステル(PET)スパンボンド不織布1系列4千トン/年の製造設備を有しており、さらに本年12月完成に向けSMSタイプPPスパンボンド不織布1系列1万トン/年のプラントを建設中です。この増設により、アジアにおけるPPスパンボンド不織布設備能力では、三井化学(5系列3万6千トン)に次ぐ規模となり、世界的にもトップレベルの設備能力を有することとなります。
両社は1998年より、TSI社が製造するPPスパンボンド不織布の日本国内における販売について提携関係にありましたが、このたびの技術ライセンスにより、紙おむつ等衛生材料向け不織布の製造はTSI社が、研究開発は当社が担い、販売は両社共同で行うという役割分担をさらに強化することとしました。
注:
・スパンボンド不織布〜スパンボンド法による連続長繊維不織布
・SMS〜スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドの3層構成のスパンボンド不織布、 PPスパンボンド不織布の主要用途である紙おむつ用にはSMSが主流になりつつある。
日本バイリーン http://www.vilene.co.jp/
大株主
大日本インキ化学工業 22.80% フロイデンベルグ ベタイリグングス
ゲーエムベーハー22.49% 東レ 11.12% 事業分野は大きく6つ。それぞれユーザー・ニーズに合わせた不織布繊維を日々供給しています。
衣料資材部門
自動車資材部門
空調資材部門
メディコン資材部門
工業資材部門
電気資材部門
東燃化学、東燃タピルスの全株式売却
東燃化学は22日、100%子会社、東燃タピルス(東京都港区)の全株式を、関係会社である日榮工業に売却すると発表した。売却は今年12月に行う予定。
東燃タピルスは資本金5000万円。不織布の製造・販売を目的として1987年(昭和62年)に設立。日榮工業市原工場に生産を委託してきたが、東燃化学はコア事業への集中を図るため売却を決めた。
東燃タピルス株式会社 http://www.tapyrus.co.jp/
創立年月日 昭和62年7月31日 本 社 東京都港区海岸一丁目16番地1号
ニューピア竹芝サウスタワー15階工 場 神奈川県伊勢原市鈴川18番地 資 本 金 授権資本 2億円
払込資本金 5000万円事 業 内 容 不織布及び不織布を原料とする製品の製造・販売
微多孔膜の仕入れ・販売
溶融した熱可塑性樹脂を多孔の口金をもつダイから高温・高速の空気流で糸状に吹き出し、繊維状になった樹脂をコンベアー上に集積し、ノーバインダーの自己接着型極細繊維のウェブを形成する、ジェット紡糸法の一種です。
タイにおけるPPスパンボンド不織布設備の増設について
当社(社長:藤吉建二)は、東・東南アジアにおける紙おむつ市場の急拡大に対応し、衛生材料事業のリーダーとしての地位の強化を図るため、タイにおけるPPスパンボンド不織布の製造・販売を目的とするMitsui
Hygiene Materials (Thailand) Co., Ltd.(以下MHM、社長:吉冨文雄、三井化学100%出資)の設備増設を決定致しました。
<設備増設の概要>
1. 対象製品 衛生材用スパンボンド不織布
2. 所在地 タイ国 ラヨン県
イースタンシーボード工業団地
3. MHMの増設能力
16,000トン/年(14,000トン→30,000トンへ増設)
4. 総投資額 約50億円
5. スケジュール 2006年 4月 着工
2007年12月 完工
2008年 1月
商業運転開始
当社は中期経営計画において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。そのなかで、ヘルスケア材料のひとつである衛生材料については、紙おむつメーカーのアジア展開に対応して、日本及び東・東南アジアに高品質の衛生材料を供給できる体制を整備し、事業の拡大を図ってまいります。
PPスパンボンド不織布の需要は、日本でも大人用紙おむつ市場が拡大し、堅調に推移する一方、東・東南アジアでは中国を中心に、2010年までに20%を超える成長が見込まれています。今回のプラント増設は、このような市場環境を踏まえて、東・東南アジア市場の紙おむつメーカーの増産に対応するものです。
当社は現在、100%子会社であるサンレックス工業株式会社(三重県四日市市)に、国内最大のPPスパンボンド不織布設備(5系列、34千トン/年)を有し、衛生材料・産業資材向けに販売しております。また、日本以外の東・東南アジア地域での紙おむつ市場立上りに合わせ、2003年にMHMにおいて、PPスパンボンド不織布の生産を開始し(生産能力14千トン/年)、現在フル稼動の状況が続いております。
当社は今回、MHMの生産能力を増設することで、PPスパンボンド不織布のアジアトップメーカーとしての地位をさらに強固なものにしてまいります。
<参考1:当社グループのPPスパンボンド不織布設備能力>
増設前 | 増設後 | |
サンレックス工業 (三重県四日市市) |
34,000トン/年 (5系列) |
34,000トン/年 (5系列) |
MHM (タイ国 ラヨン県 イースタンシーボード工業団地) |
14,000トン/年 (1系列) |
30,000トン/年 (2系列) |
合計 | 48,000トン/年 | 64,000トン/年 |
<参考2:MHMの概要>
@商 号 | Mitsui Hygiene Materials (Thailand) Co., Ltd. | |
A事業目的 | PPスパンボンド不織布を中心とする衛生材料の製造・販売 (PPスパンボンド不織布に加え、現在、紙おむつ向け通気性フィルムの製造設備試運転中。本年6月に商業運転開始予定) |
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B設 立 | 2001年8月1日 (設備の営業運転開始は、2003年3月) |
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C資 本 金 | 862百万タイバーツ | |
D出資比率 | 三井化学100% | |
E社 長 | 吉冨 文雄 | |
F従業員数 | 107名 | |
G売 上 高 | 1250百万タイバーツ(2005年度) | |