平成13年2月22日

高吸水性樹脂事業の統合で合弁契約を締結
三洋化成工業株式会社
三菱化学株式会社
三洋化成工業株式会社(本社:京都市東山区、社長:筧哲男)と三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:正野寛治)では、先に基本合意しておりました高吸水性樹脂事業統合の件で、本日、合弁会社基本契約書を締結することになりましたので報告申しあげます。
 合弁会社の社名は『サンダイヤポリマー株式会社』で、社長には三洋化成工業株式会社から増田房義(同社専務取締役)が就任する予定です。
 引き続き両社は、当初予定の本年4月1日営業開始のスケジュールに沿って詳細検討を進めてまいります。
高吸水性樹脂(Superabsorbent Polymer)とは:
  水と接触すると瞬時に吸水し(吸水能力は自重の数百倍から1000倍)、しかも少々押さえた程度では吸った水を容易に放さないというユニークな機能を持つポリマーです。現在では、紙おむつなどの吸収剤として不可欠のものになっています。
【合弁会社設立の理由】
  高吸水性樹脂(以下、SAP)は、1990年代に入って市場の国際化が一段と進展、コスト競争の時代を迎え、新たな事業戦略の構築が急務となっています。
 こうした状況の中で、両社は、保有する設備、技術、営業力などを統合することにより、国際競争力を高め、グローバル・サプライヤーとしての地位を確保することができると判断し、昨年11月、SAP事業全般にわたる事業統合を行うことで基本合意いたしました。
 以来、両社は事務レベルで具体的折衝を重ね、本日、合弁会社基本契約書を締結する運びとなりました。
   
【合弁会社の概要】
 
1. 商号 : サンダイヤポリマー株式会社
(英文商号:San-Dia Polymers, Ltd.)
2. 代表者 : 増田房義(三洋化成工業株式会社専務取締役兼任)
3. 所在地 : 東京都中央区日本橋本町1−5−6 第10中央ビル
4. 営業開始日 : 2001年4月1日
5. 事業内容 : 高吸水性樹脂の研究開発、生産、販売
6. 決算期 : 3月31日
7. 従業員数 : 約65名
8. 主な事業所 : 名古屋工場(愛知県東海市)
大垣工場(岐阜県大垣市)
研究所(京都市東山区)
9. 資本の額 : 20億円(額面5万円)
10. 株主構成および
所有割合
: 三洋化成工業株式会社…60%
三菱化学株式会社………40%


【営業譲渡の内容】
1.SAP事業の内容
 三洋化成工業株式会社は、1975年、水溶液重合法によるSAPの開発に成功し、1978年、世界で初めてコマーシャルベースでSAPの生産販売を開始しました。以来、ニーズの多様化に対応して製品ラインを強化し、生産能力も順次増強、現在は名古屋工場に年産8万5000トンのSAPプラントを有し、国内・海外の衛生材料メーカーなどに広く供給しています。
 一方、三菱化学株式会社は、SAPの原料であるアクリル酸のメーカーでもあり、原料からの一貫生産の強みを生かして当分野に進出すべく独自に懸濁重合法によるSAPを開発、1987年に生産販売を開始しました。同じく、三菱化学株式会社の関連会社である日本合成化学工業株式会社もSAPの生産販売をしており、両社はSAP事業合理化のため、1996年、合弁会社・ダイヤポリアクリレート株式会社(三菱化学株式会社51%出資、本社:岐阜県大垣市、生産能力:年産1万トン)を設立し、三菱化学株式会社は同社からSAPの供給を受けて販売しています。
 両社のSAP事業の経営成績は次項の表のとおりです。

2.SAP事業の経営成績(2001年3月期実績見込み)

  三洋化成工業株式会社 三菱化学株式会社
売上高(単独) 750億円 7950億円
うち、SAP売上高 102億円 18億円
SAP売上高比率 13.6% 0.2%

3.譲渡資産

(1) 三洋化成工業株式会社からの譲渡資産(4月1日付で譲渡)
  名古屋工場のSAP製造プラント建屋およびこれに付帯する構築物、機械装置、 車両運搬具、器具備品(土地は貸与)
  研究器具および備品
(2) 三菱化学株式会社からの譲渡資産(4月1日付で譲渡)
  棚卸資産
    (なお、合弁会社は、4月1日付にて、ダイヤポリアクリレート株式会社からSAP製造プラントおよびこれに付帯する構築物等の資産を譲り受ける予定です。)

【日程】

2001年1月29日 三菱化学株式会社取締役会にて三洋化成工業株式会社との高吸水性樹脂事業合弁会社の発足について決議
2001年2月22日 三洋化成工業株式会社取締役会にて合弁会社基本契約書締結の決議
2001年2月22日 合弁会社基本契約書締結