1999/12/28 三井化学プラテック

日石プラストよりポリオレフィン一軸延伸フィルム事業を譲り受け

 三井化学プラテックは、日石プラストからポリオレフィン(HDPE、PP)一軸延伸フィルムの事業移管を受け、1月末から自社製品の本格的な供給を開始する。これにともない日石プラストは関連会社に委託していた製品の製造を来春で停止し、同事業から撤収する。
 両社は今年8月に日石プラストの製品(商品名・バリーラフィルム)に関する営業譲渡で合意し、三井化学プラテックでは自社製品(同・ハイブロン、ノーブレンフィルム)への切り替えなど需要家への対応を図ってきたもので、ほぼ理解が得られたことを受け1月末から本格的な供給を開始する。これによって、三井化学プラテックのシェアは約60%から約70%に拡大する。
 一方日石プラストは不採算事業の見直しの一環として営業譲渡を決断したもので、今後は主力事業であるワリフおよび関連製品、新規製品への集中展開を推進する。
 ポリオレフィン一軸延伸フィルムは、包装用資材として独自の市場を形成し年間約6000トンの市場を確保しており、三井化学プラテックは約60%のシェアを持つトップメーカー。同社ではHDPE製品のハイブロンおよびPP製品のノーブレンフィルムを揃え、積極的な展開を進めてきている。
 一方、日石プラストは同フィルム分野ではHDPEで年間210トン、 PP370トンのシェアを持つが、メーカー4社のなかではシェアも約10%と最も小さく、同社の選択と集中による事業構造再構築の一環として見直しを進め、三井化学プラテックに営業譲渡することで、同フィルム事業からの撤収を決めた。
 三井化学プラテックとしては、 日石プラストのバリーラフィルムの販売先がラミネート分野(洋菓子、医療医薬、詰め替え洗剤袋、食品個包装など)で重なっていることもあり、この分野むけのコンバーテック用途でさらに事業拡大を図るため、日石プラストからの営業譲渡を受けたもの。
 同フィルムは需要家サイドでの機械適性などオーダーメイド的な性格も強いことから、三井化学プラテックではこの半年をかけて切り替え作業の詰めを行ってきており、ほぼ需要家の了解が得られ、増産についても生産性や生産形態など既存設備で対応できるめどを得たことから1月末をもってハイブロンおよびノーブレンフィルムの供給を本格的に開始する。
 ポリオレフィン一軸延伸フィルムは、 HDPE製品は、キャンデーなどのひねり包装用、蒸着基材、ラミネート基材、コイン包装、タイヤ包装、電線用、果菜包装などに、一方、PP製品はピロー包装、洗剤詰め替え容器、おにぎり包装、テープ用、シュリンク用などに使用され、独自の市場を形成している。
 今回、日石プラストが三井化学プラテックに営業譲渡したことで、他のメーカーは東セロ、二村化学の3社となり、三井化学グループとしては東セロを加え、約85%のシェアを持つことになる。

 


日刊総合化学 1999/2/4

三井東圧プラテックと三石アグリが合併  4月1日付で「三井化学プラテック」設立   

 三井化学関係子会社の整理統合で  三井化学は3日、農業用資材で事業領域が重複する100%子会社の三井東圧プラテック(資本金12億円、桂伸光社長)と三石アグリ(資本金5,00O万円、大島義一社長)両社を本年4月1日付で統合し、新たに「三井化学プラテック」をスタートすると発表した。  新会社の資本金は12億5000万円で三井化学の全額出資・本社は東京都千代田区猿楽町に置き、社長には桂伸光氏が就任の予定。事業内容は食品包装資材(売上高構成50%)、農業用資材(同30%)、産業用資材(同20%)の製造・販売で、99年度売上高は255億円を見込んでいる。従業員は三井東圧プラテックの379名と三石アグリの17名を引継ぐ形で、390名でスタートする。  
 三井東圧プラテックは、旧三井東圧化学の子会社として名古屋工場で農ビフィルム、食品包装資材、安城工場では建築時に用いられる表面保護用マスキングテープなどを製造・販売し、年商242億円(97年度)を売上げてきた。  
 一方、旧三井石油化学工業の子会社である三石アグリは、販売会社としてベタ掛資材、灌水材を三井東圧プラテックに生産を委託し、市場開拓に取り組むとともに三井化学、住友化学両社の合弁会社である日本工ボリューが生産するメタロセン触媒による直鎖状低密度PE(年20万トン)を原料にした農業用ポリオレフィンフィルム(農PO)の市場開拓にカを入れ、97年度には15億円の売上げを計上。  
 今回の両子会社の統合は、合併によって重複する事業領域を整理統合し、生産・販売効率及びユーザーサービスの向上などシナジー効果追求の一環として具体化したもの。三井化学は国内約130社を含めた203社に及ぶ関係子会社の整理統合を引き続き追求していくことにしている。


三井化学プラテック株式会社
   MITSUI KAGAKU PLATECH CO.,LTD.

設立   平成3年4月1日
(創立 昭和47年10月2日)
事業内容        1. 各種合成樹脂製品の製造、加工、売買及び輸出入
2. 合成樹脂、アルミニウム、紙等を原材料とする日用品雑貨の製造、加工、売買及び輸入
3. 肥料及び植物活力剤の製造、加工、売買及び輸出入
4. 種子、土壌改良剤、育苗床土及びその関連資材の加工、売買、及び輸出入
5. 農林漁業用各種資材の加工、売買及び輸出入
6. 農業生産管理用各種機器類の売買及び輸出入
7. 施設園芸栽培に関する栽培システム及びノウハウの売買及び輸出入  
資本金   12億5千万円
従業員数   約300名
年商   約200億円
決算期   3月
株主   三井化学株式会社  100%
主要取引銀行   三井住友銀行  農林中央金庫