日本経済新聞 2006/5/11
米エタノール産業拡大 株式公開で資金調達 精製所建設ラッシュ
需要増加を背景に米エタノール産業が急拡大している。全米で35カ所の精製所が建設中で、生産能力は昨年末時点に比べ5割以上増える見通し。設備投資資金の調達のため株式を新規公開(IPO)する動きも活発で、ベンチャーキャピタルなどの資金も集まり始めた。輸入促進策を求める声も強まっており、ガソリン高が続く中、自動車用の代替燃料として一段と普及する見通しだ。
全米各地で精製所の建設ラッシュが始まった。ニューヨーク州では州政府が600万ドルを補助し夏から建設に着手するほか、原料のトウモロコシの主要生産地であるイリノイ、インディアナなど中西部で活発だ。業界団体の米再生燃料協会によると、建設中の35カ所を加えると約130カ所になり、一連の新増設が終わる来年半ばには年間生産能力は昨年末時点
の43億ガロンから67億ガロンに増える見込み。
米の約4分の1を生産する最大手アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は農作物の加工が中心だったが、エタノールを中心とするエネルギー企業へと変身しつつある。最近、米石油大手シェブロンからパトリシア・ウォルツ上級副社長を最高経営責任者(CEO)に迎えた。
生産量2位のベラサンエナジー、3位のアベンティン・リニューアブル・エナジーは先月、相次いで米証券取引委員会(SEC)に株式の新規公開を申請した。それぞれ1億5千万ドル、5千万ドルを調達し、精製所の建設資金に充てる。
成長性を見込み新たな投資家の参入も活発。マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が出資に熱心なほか、サン・マイクロシステムズの創業者ビノッド・コースラ氏は自らパートナーを務めるベンチャーキャビタルから、エタノール新興企業に数百万ドルの投資を始めた。英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長も投資を表明している。
ブッシュ米大統領が今年の一般教書演説でエタノール利用促進を強く打ち出し、ガソリンに混ぜて燃料として使うための需要が急増。米国内のエタノールスタンドは今年初めの時点で約600カ所しかなかったが、ゼネラル・モーターズ(GM)は石油大手と連携して2−3年内に1万2千カ所に増やす。GMは「人口の70%に対応できるようになる」としている。
エタノール関税 米で軽減策検討も ガソリン高抑制期待
米国でエタノールにかかっている関税を撤廃し、ブラジルなどからの輸入を増やすべきだとの声が広がってきた。ガソリン価格の上昇を抑える効果もあるとして期待が高まっている。
ボドマン米エネルギー長官は9日、ブッシュ大統領がエタノールの関税撤廃に向け「議会と協議に入る用意がある」と表明した。共和党下院のベイナー院内総務も同日、「一時的に関税を引き下げればエタノール不足は緩和され、ガソリン価格の下落にもつながる」と指摘。関税の軽減策を検討する考えを示した。
米国の輸入の大半を占めるブラジル産エタノールには1ガロン当たり54セントの関税がかかる。ブラジルのエタノールはサトウキビから主に作られるが、米国産エタノールの原料はトウモロコシ。米国の関税には政治的にも一定の影響力を持つアイオワ、イリノイ両州などのトウモロコシ農家を保護する狙いがある。
US' Archer Daniels
Midland to build new ethanol plant in Iowa
Large US ethanol producer Archer Daniels Midland will build a dry
corn milling plant with an annual capacity of 275 million gallons
in Cedar Rapids, Iowa, as part of a two-step project to boost its
output of the gasoline additive, the company said Wednesday.
The cost of the plant, to be built adjacent to an existing corn
processing facility, was not disclosed. The company said it
expected the new plant to be in operation in the second half of
2008, pending government approvals.
ADM previously announced plans to construct a corn milling plant
in Columbus, Nebraska, also with a capacity of 275 million
gallons/year.
"Biofuels are an important part of America's current and
future energy mix, and we believe it is important to invest in
expanded ethanol production to meet growing demand," Edward
Harjehausen, ADM's senior vice president for corn milling and
bioproducts, said in a statement.
Corn is the primary feedstock for ethanol produced in the US.
The federal mandate requiring the use of an oxygenate in gasoline
expired Monday, meaning refiners no longer need to blend their
product with MTBE, a suspected carcinogen that has been found to
leak from underground storage tanks into drinking water supplies.
Makers of MTBE were not granted a liability waiver in last year's
energy bill, further discouraging use of the chemical.
But with refiners still needing an oxygenate to boost the octanes
in gasoline, ethanol has become the preferred replacement to
MTBE.
朝日新聞 2006/6/12
ガソリン、バイオエタノール混合に転換 30年まで
環境省は、国内で使用される自動車のガソリンの全量を、2030年までに植物資源からつくるバイオエタノール10%混合(E10)に切り替える方針を決めた。京都議定書の約束期間(08〜12年)に、ガソリン車の新車すべてをE10対応とするための関係法令も整備する。5月末の「新・国家エネルギー戦略」で運輸エネルギーの脱石油化を打ち出した経済産業省と連携し、来年にも見直す京都議定書目標達成計画に政府方針として盛り込む。
バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなど植物原料を搾った汁をアルコール発酵させて蒸留してつくる。燃焼時に出る二酸化炭素(CO2)は「植物が生育中に吸収したものの再放出」との考えから、京都議定書では温室効果ガスとしてカウントされない。
計画ではまず、約束期間中に、ガソリン需要の最大2分の1程度を3%混合させたガソリン(E3)に切り替える。20年にはE10の供給を始め、30年には全量のE10化を目指す。これに伴うCO2削減量は全量転換時までに約1千万トンと試算。30年時点のバイオエタノール導入量は、原油換算で220万キロリットルを見込む。
ブラジルや米国では導入が進んでいるが、環境省はアジア諸国でのバイオエタノール生産を推進し、途上国支援と安定的な輸入量確保、排出権獲得も視野に入れる。設備投資などで高価格になり、普及の妨げとならないよう、揮発油税の減税なども検討する。
自動車対策では、約束期間内に発売する新車をすべてE10対応とするよう国土交通省と検討。E10ガソリンの認可を所管する経産省とも協議する。
現在販売されている新車はすでにE3ガソリンに対応できるようになっており、E10対応についても、排ガス基準クリアとそのための技術開発、燃料系トラブル対策など導入時の環境面や安全面での課題は、メーカー側がすでに解消しているという。
今はまだ一般的にE3の販売はしていないが、環境省は今年度、ガソリンスタンドとバイオエタノール普及に向けて沖縄・宮古島で実証実験を始めた。公用車で試験走行し、07年度には、同島のガソリン車すべて(約2万台)をE3化する方針。廃木材や規格外小麦やトウモロコシを原料とした、生産の大規模実験もする。
政府の京都議定書目標達成計画では、風力など新エネルギーを原油換算で1910万キロリットル導入を掲げている。同省は、このうち、50万キロリットルを輸送用燃料で達成する方針だ。
2006/06/20 日揮
米国でバイオエタノール生産事業に参画
-- 廃木材原料エタノール生産の事業開発基本協定を締結
--
日揮株式会社(代表取締役会長兼CEO 重久吉弘、横浜本社
横浜市西区みなとみらい2-3-1)は、米国で廃木材を原料とする自動車燃料用バイオエタノール製造・販売事業を実施するため、このほど米国の事業パートナーとの間で事業開発基本協定を締結しましたのでお知らせします。事業計画の詳細は以下の通りです。
1. | 事業パートナー | : | 米国アルケノール社(Arkenol, Inc. 本社:カリフォルニア州) |
2. | 協定内容 | : | 今後米国内に日揮、アルケノール社などが出資する新事業会社を設立し、同国内で廃棄物処理 されている廃木材を原料とする年産約3万キロリットルのバイオエタノールを生産し、販売する |
3. | 事業地 | : | 米国カリフォルニア州オレンジ郡 |
4. | 当社の役割 | : | [1]
バイオエタノールに関する製造技術・ノウハウ、プロセス設計パッケージの提供
[2] 事業会社への資金投資 [3] 設備の運転・保守に関わる技術サービス提供 |
5. | 事業スケジュール | : | [1]
プロセス設計の完成 2006年中
[2] 事業会社設立、設備建設(EPC)開始 2007年初頭 [3] 設備完成、エタノール生産開始 2009年初頭 |
6. 背景および経緯:
米国では原油価格の高騰に伴い、輸入エネルギー資源の比率を低下させ、さらにCO2の排出量を削減させる観点から、2005年に新エネルギー法が制定され、自動車用の代替燃料としてバイオマス由来エタノールの導入が積極的に進められています。今回当社が参画する事業は、今までバイオエタノールの原料に使用されているサトウキビやトウモロコシなど食物や飼料を使用せずに、廃棄物として処分されている木質廃棄物を利用する画期的なものです。
当社は以前より農作物の茎や芯、廃木材などの木質系残渣等バイオマス資源の燃料化技術に着目し、アルケノール社との独占提携により同社が所有するバイオエタノール製造特許技術の商業化実証研究を続けてきました。2002年には鹿児島県出水市の(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)出水アルコール工場内に、NEDOの委託事業としてパイロットプラント(実証装置)を建設し、当社が持つプロセス技術・開発技術の工業化ノウハウを組み合わせることで本技術の商業化への技術蓄積を行なってきました。
当社は今回の事業参画によりライセンサー収入、および投資事業としての事業収益を得ることになります。原料となる廃木材は既に米国の大手廃棄物処理企業からの長期無料提供が確保され、製品エタノールの全量購入先企業も確定しており、加えて米国大手環境事業ファンドなどからの事業資金および事業用地の調達といった主要開発事項にも目処が立っています。
当社およびアルケノール社は今後も今回の事業参画メンバーと共に米国内で同様の事業開発を進める予定です。さらに当社はフィリピン、タイ、インドネシアなど東南アジア地域でもバイオエタノール製造事業の開発を計画中です。
本事業はセルロース系バイオマス由来エタノール製造技術の世界に先駆けた商業化事業であり、当社は引き続き社会・環境の要請に対応したバイオマスエネルギーの技術開発や事業投資を積極的に展開していく所存です。
日本経済新聞 2006/6/24
欧州石油大手 バイオ燃料投資本格化
BP、技術開発に5億ドル
シェル欧米で量産体制
欧州石油メジャーがエタノールなどのバイオ燃料事業に本格的に乗り出す。英BPが今後10年で次世代の生産技術などの開発に5億ドルを投じるほか、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは商業生産を計画中だ。高値が続く石油の代替燃料として需要の急拡大が見込めるため、積極投資で長期的な収益源に育てる。
BPはバイオ技術に優れる英米の有力大学と提携、バイオ燃料開発の専門研究所を創設する。植物原料からバイオ燃料への効率的な生産技術や燃料に転換できる新たな植物の研究を急ぐ。ジョン・ブラウン社長は「医薬品分野を大きく変えたバイオ技術はエネルギー分野でも重要な役割を果たす」と強調する。
BPは昨年、太陽光や風力の発電など代替エネルギー分野に10年間で80億ドルを投資する計画を決定した。今回のバイオ燃料への投資は追加案件で、バイオ燃料の研究だけで5億ドルの投資はエネルギー業界で最大規模だ。20日には米デュポンとバイオ燃料の量産などの事業化で提携することも発表した。
シェルはカナダのバイオ燃料大手企業であるイノゲン(正しくは
Iogen)と欧米で合弁生産に乗り出す方針だ。イノゲンはトウモロコシの茎など植物の非食用部分を燃料に転換する技術を持ち、低コストの生産が可能。シェルは2007年にもイノゲンが北米で建設する量産工場に投資し、年1.5億−2億リットルの生産分の大半を自社向けに調達する考えだ。イノゲンとは欧州工場の新設でも協力する。
スペインの石油大手レプソルYPFは家庭の廃食油などから生産するバイオディーゼル燃料で世界最大規模の生産拠点を建設する。09年までに3億ユーロ(440億円)を投資し、スペイン内に6カ所の工場を立ち上げる。欧州では新車登録台数のほぼ5割がディーゼル車で、潜在需要は大きいと判断した。
1バレル70ドル台の原油高に苦しむ米欧など消費国の政策も普及を後押ししている。米政府は12年をメドにガソリンに添加されるエタノールの量を現在の2倍の年75億ガロン(285億リットル)に引き上げる政策を打ち出した。米国ではエタノール比率が85%と高い「E85」のような自動車燃料が人気を集めている。欧州連合(EU)は二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの大幅削減を目指し、10年にバイオ燃料の比率を全体の6%近くにする目標を掲げる。
▼バイオ燃料
サトウキビやヤシなどの植物原料を用いてつくる燃料。原油高や温暖化ガス削減の観点から注目を集めている。軽油を代替するバイオディーゼル燃料と、ガソリンに代わるバイオエタノールが代表的。ともに原料の植物自体が生育過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、温暖化ガス削減を目指す京都議定書ではCO2の排出がない燃料とみなされている。
米調査会社クリーン・エッジによると、2005年のバイオ燃料の市場規模は世界全体で前年比15%増の157億ドル。15年には525億ドルに膨らむという。
BP Pledges $500 Million
for Energy Biosciences Institute and Plans New Business to
Exploit Research
http://www.bp.com/genericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7018719
As part of its continuing
drive to find longer term commercial alternatives to oil and gas,
BP is to fund radical research aimed at probing the emerging
secrets of bioscience and applying them to the production of new
and cleaner energy, principally fuels for road transport.
The company plans to spend $500 million over the next
ten years to
establish a dedicated biosciences energy research laboratory
attached to a major academic centre in the US or UK, the first
facility of its kind in the world.
Chief executive Lord Browne said BP had begun discussions with
several leading universities to identify which could host the BP Energy
Biosciences Institute (EBI), with the aim of launching early
research programmes by the end of 2007.
Speaking in London today, Browne said the new institute would focus initially on three key areas of energy bioscience: : | |
・ | developing new biofuel components and improving the efficiency and flexibility of those currently blended with transport fuels |
・ | devising new technologies to enhance and accelerate the conversion of organic matter to biofuel molecules, with the aim of increasing the proportion of a crop which can be used to produce feedstock |
・ | using modern plant science to develop species that produce a higher yield of energy molecules and can be grown on land not suitable for food production. |
Browne said the EBI would be staffed by scientists drawn both from the host university and other academic institutions, along with a small number of specialists from BP. |
Browne said the EBI would
be staffed by scientists drawn both from the host university and
other academic institutions, along with a small number of
specialists from BP.
"The world needs new technologies to maintain adequate
supplies of energy for the future, Browne said. "Bioscience
is already transforming modern medicine and we believe it can
bring immense benefits to the energy sector.
"By creating this integrated and dedicated research centre,
we plan to harness a technical discipline with enormous potential
to provide new energy solutions."
The EBI will undertake basic research freely accessible to the
world's technical communities as well as proprietary applied
projects for commercial bioscience applications.
In the proprietary area, it will support the new biofuels
business within BP's refining and marketing division which has
been created to address the increasing requirement that
biocomponents be blended into traditional fossil-based transport
fuels.
Browne said: "We expect demand for biofuels to rise
significantly through the next decade to meet
consumer desire for more environmentally responsible products and
to satisfy the requirements of governments for more energy to be
home-grown.
"It is clear that this demand will outstrip availability
without major investment to stimulate the development of new
associated technologies that improve cost-effectiveness and
broaden the range of biocomponents available globally.
"BP's biofuels business will bring together all our existing
activities in this area and also identify a selection of new
demonstration projects to increase our knowledge and expertise
which is essential to bring these products to market on a wide
scale."
In addition to its
research remit, the EBI will facilitate the cross-training of a
new generation of researchers focusing on coupling biotechnology
and energy production. It will be a focal point for interactions
with leading biotech companies which have a major role in
developing and applying energy bioscience.
"While some very good energy bioscience work is already
under way, we don't believe it is adequately integrated into a
comprehensive strategic vision for commercial energy
production," Browne said.
"We intend that the
EBI will combine a broad science base with BP's energy knowledge
and expertise in the fields of energy processing, distribution,
marketing, and regulation, creating the potential for material
new offers to meet world demand for lower carbon energy."
In addition to its focus on advanced biofuels, the Institute will
also look at broader applications of bioscience to energy,
including improved recovery of oil, coal bed methane and carbon
sequestration.
Notes to Editors:
BP Forms BP Alternative
Energy 2005/11/28
http://www.bp.com/genericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7012352
BP today announced that
it plans to double its investment in alternative and renewable
energies to create a new low-carbon power business with the
growth potential to deliver revenues of around $6 billion a year
within the next decade.
Building on the
success of BP Solar - which expects to hit revenues of $1 billion
in 2008 - BP Alternative Energy will manage an investment
programme in solar, wind, hydrogen and
combined-cycle-gas-turbine (CCGT) power generation, which could amount to $8 billion over
the next ten years.
CCGT 複合サイクルガスタービン:
In a CCGT plant, a gas turbine generator generates electricity and the waste heat from the gas turbine is used to make steam to generate additional electricity via a steam turbine, this last step enhances the efficiency of electricity generation. Most new gas power plants are of this type.
“Consistent
with our strategy, we are determined to add to the choice of
available energies for a world concerned about the environment,
and we believe we can do so in a way that will yield robust
returns,” said BP chief executive Lord
Browne.
“Our recent
experience, particularly with solar, has given us the expertise
and confidence to develop new products and markets alongside our
mainstream business. We are now at a point where we have
sufficient new technologies and sound commercial opportunities
within our reach to build a significant and sustainable business
in alternative and renewable energy.”
Browne said the
first phase of investment would total some $1.8 billion over
the next three years,
spread in broadly equal proportions between solar, wind, hydrogen
and CCGT power generation. Investment will be made step by step,
and will depend on the nature of opportunities and their
profitability.
“We are focusing
our investment in alternatives and renewables on power generation
because it accounts for over 40 per cent of man-made greenhouse
gas emissions, the biggest single source. It is also the area
where technology can be applied most cost-effectively to reduce
emissions.
“As the pricing
of carbon develops through trading schemes and other initiatives,
the market will grow rapidly as low-emission technologies
displace less clean forms of power generation.”
Investment in solar
over the next three years is planned to boost BP’s leading position as a leading
manufacturer and supplier of photovoltaic systems. In a field
where technology improvements and higher productivity are causing
costs to decline, BP currently has 10 per cent of the global
market which is growing at 30 per cent a year, faster than any
other form of renewable energy.
BP currently has
more than 100 megawatts of solar
manufacturing capacity in the US, Spain, India and
Australia, with a plan to double its capacity before the end of
next year. BP recently signed a strategic joint venture to access
China’s expanding solar market and
provide local manufacturing capacity and is exploring similar
opportunities elsewhere in the region.
Investment in hydrogen fuels will include the world’s first commercial project - at
Peterhead, in Scotland - to turn natural gas into hydrogen by
stripping out carbon dioxide and pumping it into depleted oil
reservoirs.
The hydrogen will
be used at a power station in Peterhead to generate 350 megawatts
of ‘clean’ electricity, and the carbon
dioxide re-injected into the offshore Miller field. BP is looking
at a similar sequestration scheme to make hydrogen from low-value
coke by-products at a US refinery which would be used to generate
500 megawatts at an adjacent new-build power plant.
Investment
projected for wind represents a significant step up
in this area of power generation for BP. The company currently
runs two wind farms alongside existing oil plants in the
Netherlands. It also owns industrial land in open, high-wind
regions of the US, away from residential areas, providing the
possibility to build the first large-scale US wind farm
generating up to 200 megawatts in 2007. The company has
identified enough US sites to accommodate wind turbines with a
total capacity of 2,000 megawatts.
Projected
investment in CCGT will be spent mainly in the US
where the company already has significant co-generation capacity
and is currently finalising plans for a new $400 million scheme
at one of its major plants that will deliver 100 megawatts of
power to the plant, and 420 megawatts to the local electricity
grid.
BP Alternative
Energy will be based in Sunbury, Middlesex and initially employ
some 2,500 people around the world. It will be headed by Steve
Westwell, reporting to Vivienne Cox, chief executive of BP’s Gas, Power & Renewables
division.
Renewable
energy- ethanol
Production (Thousand tonnes of oil
equivalent)
1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | |
Brazil |
6,365 |
7,058 |
7,737 |
7,052 |
6,483 |
5,343 |
5,726 |
6,286 |
7,226 |
7,314 |
7,563 |
Canada |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
130 |
USA |
2,438 |
1,761 |
2,280 |
2,426 |
2,574 |
2,793 |
3,022 |
3,779 |
5,309 |
6,435 |
7,380 |
Total Europe |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
120 |
136 |
245 |
268 |
266 |
454 |
Australia |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
37 |
14 |
11 |
China |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
n/a |
643 |
TOTAL WORLD |
8,803 |
8,818 |
10,016 |
9,478 |
9,057 |
8,256 |
8,884 |
10,310 |
12,840 |
14,030 |
16,182 |
About Iogen
http://www.iogen.ca/
Established in the 1970s,
Iogen Corporation has become one of Canada's leading
biotechnology firms. Iogen is an industrial manufacturer of
enzyme products with a focus on products for use by the pulp and
paper, textile and animal feed industries. It also is the world
leader in technology to produce cellulose ethanol, a fully renewable, advanced
biofuel that can be used in today's cars.
Iogen is a privately held company, based in Ottawa, Ontario,
Canada, with a rapidly growing work force. Public and private
investment in Iogen has totaled approximately $130 million over
the past 25 years. Major investors include the
Royal Dutch/Shell Group, Petro-Canada and the Government
of Canada.
Iogen employs a staff of approximately 180 people, with over half
involved in research and development, and engineering; one fifth
in manufacturing; and the balance in sales, marketing, and
administration.
Cellulose ethanol can
significantly:
・lower
overall greenhouse gas (GHG) emissions
・reduce
reliance on imported oil and increase energy security
・help
build rural economies and improve farm income
Cellulose ethanol is one of the most cost effective ways to
reduce GHGs and gasoline consumption in road transport and can
deliver benefits similar to improved vehicle efficiency.
Iogen built and operates the world's only demonstration scale
facility to convert biomass to cellulose ethanol using enzyme
technology. This facility is located in Ottawa. Iogen is
currently assessing potential locations for the world's first
commercial prototype cellulose ethanol plant.
In the long-term, Iogen intends to commercialize its cellulose
ethanol process by licensing its technology broadly through
turnkey plant construction partnerships. License fees and the
supply of enzymes to the licensees' plants will generate income.
2006/1/8 Volkswagen, Shell and Iogen
Volkswagen, Shell and Iogen to Study Feasibility of Producing Cellulose Ethanol in Germany
Volkswagen, Shell and Iogen Corporation announced today that they will conduct a joint study to assess the economic feasibility of producing cellulose ethanol in Germany. This advanced biofuel produced by Iogen can be used in today’s cars and can cut CO2 emissions by 90% compared with conventional fuels.
Iogen’s cellulose ethanol is a fully renewable advanced biofuel made from the non-food portion of agriculture residue such as cereal straws and corn stover, and is one of the most cost-effective ways to reduce greenhouse gas emissions in road transport. Iogen’s cellulose ethanol technology is the result of more than 25 years of research and development. The company operates the world’s only cellulose ethanol demonstration-scale facility and made the first commercial shipments of this fuel in April 2004.
Shell’s Iogen venture now producing
cellulose ethanol fuel
Today, Shell Global Solutions International B.V. confirmed that Iogen Corporation (Iogen), a world-leading
bio-fuels technology company, is successfully producing the world’s first cellulose ethanol fuel
available for commercial use.
Replacing part of the fossil-derived transportation fuel with
biomass-derived products can be an effective way to reduce carbon
dioxide emissions - thus contributing significantly to
sustainable solutions.
Shell Global Solutions have world-leading expertise in fuel
research, technology implementation, project execution,
manufacturing, distribution and blending. Working together, Shell Global
Solutions and Iogen are combining Shell’s expertise with Iogen’s innovative cellulose ethanol
technology
to ensure commercial success for this venture.
“Iogen
has demonstrated that clean, renewable fuels are no longer a
dream, they are a reality,” said Duncan MacLeod, Portfolio
Manager of Shell’s technology division of Shell
Global Solutions International B.V. “We believe that the global market
for bio-fuels such as cellulose ethanol will grow significantly
over the coming years. Cellulose ethanol is a great fit with
Shell’s commitment to leadership in
fuels technology and sustainable development.”
Iogen President
Brian Foody said the company is in the final phase prior to
full-scale commercialisation of cellulose ethanol. ‘‘Shell Global Solution’s involvement has allowed us to
move from the technology development phase to demonstration-scale
production. Their support is a clear indication of their
commitment to fuels technology and sustainable development. ”
In some countries,
for example Sweden, USA and Brazil, conventional ethanol is
already blended into gasoline. Cellulose ethanol has two primary
advantages over conventional ethanol. Firstly, the greenhouse gas
emission reductions from cellulose ethanol are three times
greater than those from grain-based ethanol on a life-cycle
basis. Secondly, cellulose ethanol is made from a plentiful and
renewable resource, the non-food portion of agriculture crops
(e.g. straw, corn stalks and corn cobs). By contrast,
conventional ethanol is made from the food portion of
agricultural crops (e.g. sugar, corn, wheat, and barley),
feedstocks that have important alternative demands.
Bio-fuels
http://www.shell.com/home/Framework?siteId=royal-en&FC3=/royal-en/html/iwgen/what_we_do/oil_products/biofuels_0316.html&FC2=/royal-en/html/iwgen/what_we_do/oil_products/zzz_lhn.htmlFuel-ethanol is used in large quantities in Brazil, where it is produced from sugar cane, and in the USA, where it is made from corn. Sugar cane may replace well over 10 percent of all gasoline used in tropical regions, where it is grown. Corn and cereals are less productive, more expensive and in competition with the food industry. Greater potential exists in new technologies that convert the cellulose contained in plant residues, such as straw and stems, into sugars. One of the most advanced companies in this field is IOGEN. Shell has formed a partnership with this Canadian-based company, to bring this technology to the benefit of consumers.
Meeting the energy
challenge - Shell’s commitment to alternative energy
New developments in Biofuels, Wind, Solar and Hydrogen announced
Royal Dutch Shell plc provided an update of its activities in
alternative energy including Biofuels, Wind, Solar and Hydrogen.
Shell has now invested over US$1 billion in alternative
energies,
making it one of the world’s leading companies in the sector.
“In
Shell, we aim to develop at least one alternative energy such as
wind, hydrogen or advanced solar technology, into a substantial
business,” commented Shell CEO Jeroen van der
Veer. “In addition, we continue our
efforts to further expand our position as the largest marketer of
Biofuels. The actions announced today are consistent with this
long-term vision.”
Shell has an
established position as the world’s largest marketer of Biofuels, as
well as a leading developer of advanced Biofuels technologies.
Biofuels are fuels derived from biomass such as plant crops like
oil seed, or plant wastes like straw. They can be used either
pure or blended with standard automotive fuels dispensed at
today's filling stations with the potential for much lower CO2
emissions.
In
partnership with Iogen of Canada, cellulose ethanol Biofuels are
being successfully produced from plant waste. By producing Biofuels from
plant waste instead of food crops, the potential stress on the food
chain is alleviated. The Iogen process produces a fuel which can
be used in today's cars, cutting CO2 lifecycle emissions by 90%
compared with conventional fuels. Shell recently announced a
Memorandum of Understanding with Volkswagen and Iogen to explore
the economic feasibility of producing cellulose ethanol in
Germany. Shell Canada has been working with Iogen to develop a viable commercial
framework for a facility in Canada.
These projects complement Shell’s existing partnership with CHOREN
Industries
of Germany. CHOREN have a patented Biomass-gasification
process that converts biomass - such as woodchips - into
ultra-clean synthetic gas that can then be converted for use
in diesel through Shell’s Gas- to-Liquids technology.
CHOREN is preparing construction for the world’s first commercial
biomass-to-liquids facility in Freiberg, Germany.
Wind is currently one of the most
promising sources of renewable energy. Shell’s share of wind energy capacity is
currently greater than 350MW, and is expected to reach
approximately 500MW in 2007. Included in this growth is the first
Dutch offshore wind project, the 108MW Offshore Windpark Egmond
aan Zee (Shell share: 50%). Full construction will begin on this
project in March 2006, and first electricity production is
expected around the end of the year. Progress has also been made
with the development of the London Array offshore project in the
UK (Shell share: 33.3%). This project has a potential capacity of
1,000MW, making it one of the world’s largest planned wind farms.
In the United States, Shell is already one of the largest wind
energy developers, and is actively progressing projects in Texas,
Wyoming, Idaho, West Virginia, California, and Hawaii. Shell
recently acquired the development rights to Mount Storm, a 300MW
wind park (Shell share: 50%) in West Virginia - potentially one
of the largest new projects in the USA. Progress has also been
made in permitting the 200MW Cotterel Mountain wind project
(Shell share: 50%) in Idaho.
Shell also announced a Memorandum of Understanding today
outlining plans to explore the potential for wind energy
developments in China in partnership with Guohua Energy
Investment Corporation of the China Shenhua Group, a leading
national energy supplier.
In the area of Solar energy, Shell has been progressing the
next generation of technologies, including CIS
‘thin-film’. Shell believes that non-silicon
based technologies such as CIS are more likely to become
competitive with retail electricity in the coming years. Shell’s CIS technology is supported by
four years of manufacturing and marketing experience. The
technology recently achieved a 13.5% world record efficiency for
thin-film products, and is supported by International
Electrotechnical Commission certification.
Shell today announced the signing of a Memorandum of
Understanding with Saint-Gobain, one of the world’s leading producers of glass and
other building materials, to further explore the Shell CIS
technology and consider joint development. Saint-Gobain’s expertise in glass processing
and building material manufacturing provides an excellent fit for
joint exploration of this technology.
In light of this focus on CIS ‘thin film’
technology, Shell
decided to divest its crystalline silicon solar business
activities to SolarWorld AG. Shell’s silicon-based business has an
annual production of approximately 80MW. Manufacturing
facilities, sales and marketing, and silicon research and
development activities in Germany and the United States
(Washington state and California) will transfer to SolarWorld,
including all 579 staff currently involved in silicon PV.
Shell will continue to provide solar energy to the developing
world, and has signed a Letter of Intent with Good Energies Inc.
with a view to further expanding the business.
Finally, Shell today announced that it will be opening at least
two new Hydrogen stations in the U.S.A. in 2006, supporting
continued efforts to demonstrate the viability of a future
Hydrogen economy. Shell is also active in this area in Asia, and
is supporting the recently announced Hydrogen station at Tongji
University in Shanghai. Shell Hydrogen continues to take a
leading role in joint government/industry discussions and
partnerships to plan and develop hydrogen and fuel cell
activities, including the EU Hydrogen & Fuel Cell Technology
Platform, the California Fuel Cell Partnership and the Japan
Hydrogen and Fuel Cell Demonstration Project.
CHOREN http://www.choren.com/en/choren/company/
is one of the world’s leading gasification technology companies for solid biomass and oil based residue feedstock.
The center-piece of the technology is the patented Carbo-V® process that made the production of tar-free synthetic combustion gas possible and provided the breakthrough for the conversion of biomass to energy.
The Carbo-VR Process is a three-stage gasification process involving the following sub-processes:
low temperature gasification,
high temperature gasification and
endothermic entrained bed gasification.
During the first stage of the process, the biomass (with a water content of 15 - 20 %) is continually carbonized through partial oxidation (low temperature pyrolysis) with air or oxygen at temperatures between 400 and 500 °C, i.e. it is broken down into a gas containing tar (volatile parts) and solid carbon (char).
During the second stage of the process, the gas containing tar is post-oxidized hypostoichiometrically using air and/or oxygen in a combustion chamber operating above the melting point of the fuel’s ash to turn it into a hot gasification medium.
During the third stage of the process, the char is ground down into pulverized fuel and is blown into the hot gasification medium. The pulverized fuel and the gasification medium react endothermically in the gasification reactor and are converted into a raw synthesis gas. Once this has been treated in the appropriate manner, it can be used as a combustible gas for generating electricity, steam and heat or as a synthesis gas for producing SunDiesel.
CIS太陽電池とは
CISとは主原料である銅(Copper)インジウム(Indium)セレン(Selenium)の頭文字をとった薄膜系の太陽電池です。
このCIS太陽電池の特長は以下の4点です。
1)従来型の結晶シリコン系太陽電池とは異なる全く新しい構造の薄膜化合物系太陽電池です。
2)シリコンを使用しないので、結晶系で危惧されている原料不足問題に影響されません。
3)鉛やカドミウムなどの物質を使用していない環境対応型商品です。
4)外観は結晶系とは異なり、黒一色の落ち着いたデザインとなっています。
日本経済新聞 2006/6/25
エネルギーの理科 植物資源
森林を"油田"に変える 酵素で糖に分解
アルコール燃料
原油価格の高騰を背景に、バイオマス(生物資源)を原料にした燃料が注目されている。特に太陽光を浴びてどんどん育つ植物は、無尽蔵とも言われる。かつては薪などの形で主要なエネルルギー源だった植物資源が将来再び主役に躍り出る可能性もある。そのカギは植物の繊維質セルロースが握っている。
中国地方の山あい、幽玄なヒノキの森に囲まれた真新しいアルコール工場がある。木くずからエタノールなどアルコールをつくる国内唯一の施設だ。三井造船と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が昨年6月に建設した三井造船真庭バイオエタノール実証プラント(岡山県真庭市)。ここで、森林を"油田"のようなエネルギー源に変える壮大な実験が進んでいる。 工場ではヒノキの木くずを硫酸で処理し、酵素の入ったタンク内で分解する。木くず成分のほとんどを占めるセルロースは糖が鎖状に長く連なった分子構造。酵素がハサミのように鎖を切り、ばらばらの糖にする。
できた糖は別のタンクで酵母を混ぜ、発酵させてアルコールに変える。この反応は酒を造るのと同じだ。約4日で乾燥重量1トンの木くずが230キログラムのエタノールになる。できたエタノールはガソリンに混ぜ、自動車の燃料に使っている。
そもそも、燃料にする植物資源は大きく2つに分かれる。1つは、最初から、でんぷんなど発酵が容易な糖分として採取される部分を使う方法で、トウモロコシなら実の部分にあたる。現在盛んな燃料化はほとんどがこれ。ただし、食料をわざわざ燃料にしている側面がある。
もう1つはセルロースを使う方法で、トウモロコシなら軸や葉、茎の部分。ほとんどエネルギー利用は進んでいない。しかし、木くず、稲わら、麦わら、建築廃材、紙くず、果ては雑草まで、世界はセルロースの廃棄物であふれている。なぜ、あり余る資源を利用しないのだろうか。
セルロースも糖の一種だが、有機物としてはまれな丈夫さを持つ。木材はセルロースの塊で、木造建築物は何百年と風雨にさらされてもなかなか朽ちない。セルロースを薄く延ばして作られる紙も長持ち。丈夫なため発酵が難しく、まず発酵しやすい糖に分解する必要がある。高温高圧で処理するなどエネルギーをかければ分解できるが、エネルギー源にするのにエネルギーを多く消費してはあまり意味がない。低エネルギーで分解する技術が求められていた。
ヒントはヤギ。人間は紙を食べても消化できないが、ヤギは紙のセルロースを糖に変え、消化できる。胃の中にセルロース分解酵素を放出する微生物を住まわせているからだ。微生物の反応ならエネルギーは少ない。三井造船などの実証プラントの分解酵素も、微生物から得たものだ。
注目しているのは日本だけではない。「先進各国はセルロースを活用する技術開発に血眼になっている」とアルコール協会の斉木隆研究開発部長は解説する。米ブッシュ大統領は今年、一般教書演説で、セルロースを原料とするアルコール製造の推進を表明した。
背景には原油価格の高騰のほか、環境問題もある。燃料として燃やし地球温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)を排出しても、もともと植物がセルロースを作る際に吸収していたCO2なので影響が少ない。
現在、世界最大規模の工場を持つのはカナダのアルコールメーカー、アイオジェン(オタワ市)。ロイヤル・ダッチ・シェルやカナダ政府が出資、麦わらを原料に1日50トンを生産している。技術のポイントはやはりセルロースを分解する高性能の酵素だが、虎の子だけに詳細は公開していない。
分解が容易になっても、値段が高くては普及しない。三井造船環境・プラント事業本部の長拓治・事業開発部課長は「ひのきチップを集めるコストが一番の問題」と話す。例えば日本では山から木を下ろす人件費が最もかさむ。その点、大量の麦わらやトウモロコシの軸が、実の収穫に伴って集められる米国やカナダは有利。資源エネルギー庁の新エネルギー対策課は「セルロースを利用する技術は確立しつつあり、あとは原料をいかに安く安定して供給するか」と思案している。
RITEとHonda、セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術を共同開発
財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE)とHondaの研究開発子会社である株式会社
本田技術研究所(以下Honda)は、植物由来の再生可能資源であるソフトバイオマス※1からエタノールを製造する技術に関する共同研究の成果を発表した。
バイオエタノールは燃焼時に放出されるCO2が、もともと植物が光合成により取り込んだもので、大気中のCO2総量に影響を与えない為、カーボンニュートラルな燃料として、地球温暖化対策に有効なエネルギー源として注目されている。
しかし、現在のバイオエタノール製造は、サトウキビやとうもろこしの糖質や澱粉質など食用と同じ部分を原料としているため、供給可能量に限りがある。
今回の共同研究では、これまで困難とされてきた、稲藁など、食用に供さない植物の茎や葉といった、ソフトバイオマスに含まれるセルロース類※2からアルコール燃料を製造する技術の基盤を確立し、実用化へ大きなステップを踏み出した。
RITEの極めて高度なバイオ技術とHondaのエンジニアリング技術の融合により新たに開発されたRITE-Hondaプロセスは、セルロース類からのバイオエタノール製造に道を開き、大幅な増産を可能とするものである。
そのプロセスは、以下の各工程から成り立っている。
1)ソフトバイオマスからセルロース類を分離する前処理工程
2)セルロース類の糖化工程
3)微生物による糖からアルコールへの変換工程
4)アルコールを精製する後処理工程
既存の技術では、主にソフトバイオマスからセルロース類を分離する工程で副次的に生成される醗酵阻害物質が、糖をアルコールに変換する微生物の働きを妨げ、エタノールの収率が極めて低くなる。これが、ソフトバイオマスからのアルコール製造の大きな障害になっており、解決する策は今まで見出されていなかった。
微生物によって化学物質を製造するバイオプロセスの開発で世界的に著名なRITEは、従来技術に対し飛躍的に生産効率の高いRITEプロセスを確立、これまでもバイオエタノール製造関連を含む、多くの成果を発表してきた。
今回、RITEの開発した糖をアルコールに変換する微生物であるRITE菌を使い、Hondaのエンジニアリング技術を活用し、醗酵阻害物質による悪影響を大幅に減少させるRITE-Hondaプロセスの開発に成功、従来のセルロース系バイオエタノール製造プロセスと比較してアルコール変換の効率を飛躍的に向上させることが可能となった。
このRITE-Hondaプロセスは、バイオエタノールの大幅な増産と利用の拡大を可能とし、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた大きな前進となる可能性を秘めている。
今回の成果により、ソストバイオマスからのエタノール製造に関して、基礎的な課題がすべて解決したこととなり、今後は、工業化に向けて研究を進め、現在は別々の処理で行っている4つの行程をひとつのプラント内で連携させるシステムの開発に取り組み、この連携システム内でのエネルギーリサイクル※3による省エネルギー化と低コスト化を図る。
また、新しいバイオアルコール製造システムの社会適合性や経済性を検証するために、パイロット・プラントによる実証実験を計画している。
RITEとHondaは、これらの共同研究の成果を基盤として、将来はエタノールだけにとどまらず、バイオマスから自動車用材料を含むさまざまな産業用物質を生みだすバイオリファイナリー※4への進化を目指し、持続可能な社会の実現に向けて、更なるCO2低減による地球温暖化防止に貢献していきたいと考えている。
財団法人
地球環境産業技術研究機構 (Research Institute of Innovative Technology for the Earth、通称RITE) |
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概要 | 地球環境、特に気候変動問題に対する対策技術の基礎的研究を行う研究機関として、日本政府と民間企業の 共同出資によって1990年に設立。CO2の貯留技術や代替エネルギー研究などによる気候変動安定化に取り組んでいる。 |
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所在地 | 京都府相楽郡木津町木津川台 | |
理事長 | 秋山 喜久 | |
: | ||
株式会社 本田技術研究所 基礎技術研究センター | ||
概要 | Hondaの開発子会社である本田技術研究所で、基礎技術分野の研究開発を担当する機関。1986年4月設立。 二足歩行ロボットのASIMOや、HondaJetの開発に加え、バイオ分野やエネルギー分野の基礎研究も手がけている。 |
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所在地 | 埼玉県和光市 | |
責任者 | 川鍋智彦 (本田技術研究所 専務取締役) |
※1 ソフトバイオマス
生物由来の再生可能な有機物資源で化石資源を除いたものをバイオマスと言う。狭義には家畜糞尿や廃木材や、食用部分を取り除いた後の植物の残渣などを指すこともある。もともと生物が光合成により大気中のCO2と水から生成した有機物であり、これを燃やしても大気中のCO2は増加しない。
※2 セルロース類
植物の繊維質の主成分。天然の植物質の2/3を占めると言われるが、これまでの技術ではアルコール製造の原料とすることが難しかった。
※3 連携システム内でのエネルギーリサイクル
四つの処理工程のうち、ある工程で発生した熱を他の行程の反応促進に使うなど、熱やエネルギーを効率よくシステム内で使いまわしをすることで低コスト化の鍵となる。
※4 バイオリファイナリー
オイルリファイナリーに対する概念で、バイオマスを原料にバイオ燃料や樹脂などを製造するプラントや技術。
輸入義務米をバイオ燃料に 農水省、エタノール化推進
農林水産省は、在庫が積み上がっている政府の最低輸入義務(ミニマムアクセス)米を、ガソリンの代替燃料として期待されるバイオエタノールの原料として活用する方針を固めた。米や麦などからエタノールを生産する民間工場で、原料が足りなくなった場合に利用する。年間200億円を超える輸入義務米の保管費用削減との一石二鳥を狙っているが、売却価格は買い入れ価格を下回り、損失が出るのは確実とみられる。
農水省は5年後までに、国内でバイオエタノールを年間5万キロリットル生産する態勢を整える方針で、民間工場建設に補助金を出す考え。原料としては、地元産の規格外の麦、くず米などを想定してきたが、作柄によっては不足する可能性がある。このため、保管している輸入義務米のうち古米の一部をエタノール工場に販売し、工場稼働率を維持することにした。売却量や価格などは今後詰める。
最低輸入義務にもとづく輸入米の在庫は、今年3月末時点で203万トン(玄米換算)に上り、主食用国産米の年間需要の4分の1にあたる。全国各地の倉庫で保管する費用は、今年度は217億円に上る見込みだ。
政府は93年にコメ自由化を受け入れ、高関税を課す代わりに一定量の輸入義務を受け入れた。現在は米国、豪州、中国、タイなどから年間約77万トン輸入している。
ただ、国産米の売れ行きに影響を与えないように、主食用への販売は年約10万トンに抑えている。みそや焼酎などへの加工用と、途上国への食糧援助に、同約20万トンずつ使っているが、在庫は膨らみ、保管費用も増える一方だ。会計検査院などから在庫圧縮を求められた農水省は、用途の多様化を模索していた。
エタノール原料に回すと売却損が出るのは必至だ。政府は毎年、輸入義務米の買い入れに300億円余りの税金を投じており、購入価格は1キロあたり30〜60円。これに対し、バイオエタノールの価格をガソリン並みに抑えるには、原料米の価格を同15〜20円にとどめる必要があるとみられる。
安倍政権はバイオ燃料の利用拡大に力を入れている。これを受けて農水省はバイオエタノールの国内年間生産目標を、ガソリン消費量の1割にあたる600万キロリットルに設定した。今後、生産量が増えれば、輸入義務米の原料転用が大きく膨らむことも予想される。
これに対して米国など輸出国からは、日本の農家を保護するために外国産米を主食用として販売せずに燃料の原料に回すことに、反発が出る可能性もある。
◇
〈キーワード:バイオエタノール〉 植物からつくるエタノール(エチルアルコール)。原料は米、麦、サトウキビ、トウモロコシ、廃木材など。加熱して発酵させ、蒸留してアルコール分を取り出す。ガソリンと混ぜて使うのが一般的で、日本では3%まで混入できる。北海道や沖縄県など6カ所で実証試験が始まっており、生産量は年間計30キロリットル。
帝人、バイオ燃料に参入 欧州に生産会社 25%出資 軽油代替、現地企業と組む
帝人は植物を原料とするバイオ燃料事業に参入する。欧州で軽油代替となるバイオディーゼル燃料の生産会社を現地企業と共同で設立した。同事業を手掛けることで次世代の収益の柱と位置づける環境・エネルギー事業を強化する。温暖化ガス削減の規制を追い風に、国内主要企業がバイオ燃料事業に乗り出す動きが本格化してきた。
バイオディーゼル燃料は、バイオエタノールとともに次世代のバイオ燃料の主力とされている。生産会社はバイオメタノールケミホールディング(オランダ)で、帝人は25%に相当する1500万ユーロ(約22億5千万円)を出資した。新会社には現地でバイオ燃料の開発・供給を手掛けるイーコンサーン(オランダ)が約35%出資したほか、現地の投資会社2社も出資した。
新会社は生産効率を高めた新技術をテコに年内にも量産を始める。バイオディーゼル燃料は菜種油などの植物性油や動物性油などとメタノールを反応させて製造する。従来は製造過程で発生するグリセリンをエネルギーに再利用できなかった。
新会社はグリセリンを原料のメタノールに再生成する量産技術を保有しており、今後欧州市場を中心に供給していく計画。帝人は2−3年後には売上高が100億円以上に膨らむと予想している。
帝人はバイオ燃料事業の国内展開に向けて新会社を通じ技術やノウハウを取得する。欧州の需要家との関係も強化して環境対応の樹脂や繊維などの拡販にもつなげたい考えだ。
欧州では軽油を燃料とするディーゼル車の普及が進んでいる。バイオディーゼル燃料の2005年度の生産量は日本国内の約1万トンに対し、欧州連合(EU)加盟国では318万トンに達し、2010年には最大1400万トンに増えると予想されている。
温暖化対策の一環として国内企業のバイオ燃料事業への取り組みも加速している。トヨタ自動車やホンダなど国内自動車メーカーはエタノールを燃料とする車の開発を急いでいる。バイオ燃料の需要増を見越して伊藤忠商事は2010年にブラジルで現地企業と共同でエタノールの生産を始めるほか、三井物産もブラジルでバイオ燃料生産の事業調査に入った。
▼バイオ燃料
サトウキビやヤシなど植物から作る燃料。軽油を代替するバイオディーゼル燃料や、ガソリン代替となるバイオエタノールなどがあり、軽油やガソリンにそれぞれ混合して利用する。
いずれも原料の植物自体が生育過程で二酸化炭素(CO2)を吸収していることを踏まえ、温暖化ガス削減を目指す京都議定書ではCO2排出量ゼロとみなされる。
各社のバイオ燃料への取り組み
三井物産
・ブラジル国営石油会社ペトロブラスと同国での生産・輸出拡充に向けた事業化調査
・ペトロブラス、ブラジル鉄鉱石大手リオドセと同国でのエタノール物流効率化に向け事業化調査
丸紅
・07年からサッポロビール、月島機械とタイでサトウキビを原料にエタノール生産
・07年から大成建設、サッポロビールなどと堺市で建設廃材を原料にエタノール生産
伊藤忠商事
・ブラジル政府系企業などと同国東部でバイオエタノール、バイオディーゼルの生産工場を建設、2010年めどに対日輸出
トヨタ自動車
・07年春にブラジルでエタノールだけで走る「カローラ」投入
・08年にも北米で混合比85%まで対応の小型トラック発売へ
ホンダ
・ブラジルで混合比20-100%対応の「シビック」「フィット」を年内に発売
・稲わらや茎などからエタノールを製造する技術をRITEと共同開発。2-3年内に量産技術を確立
日産自動車
・欧米でエタノール車投入を準備中
デンソー
・エタノールによる腐食などを防ぐ部品の開発強化
新日本石油
・トヨタ自動車とバイオディーゼル燃料を共同開発
日本経済新聞 2007/1/23
米、エタノールヘ転換加速 自動車産業や農業に影響も
ブッシュ大統領は23日の一般教書演説で、トウモロコシを原料にしたエタノールの一層の消費拡大を促す政策を打ち出す見通しだ。法律で定めた消費目標を引き上げる可能性があるという。米国内の自動車産業や農業生産などに影響を与えそうだ。
ロイター通信がホワイトハウス当局者の説明を受けた関係筋の話として伝えたところによると、大統領は一般教書で「2030年までに年間600億ガロン(2270億リットル)」という新目標に言及する可能性がある。
大統領は昨年1月の一般教書で「石油依存症からの脱却」を掲げ、石油に代わる燃料としてエタノールを柱とする技術革新を進めると強調。今年はさらに踏み込んだ対策や目標を打ち出す構えだ。
05年に成立した「エネルギー政策法」は再生可能燃料の利用を義務づけ、その使用量を12年までに年間75億ガロン(284億リットル)に引き上げるよう求めている。その結果、米国内で販売されるガソリンの約5%がエタノールルに置き換わるという。
米国の36州とブラジル、カナダなどの代表で構成する「州知事エタノール同盟」は今月、エタノールの利用について20年までに120億ガロン(454億リットル)に法定目標を改め、25年には自動車燃料に占める使用割合を25%に上げるよう求める書簡を大統領に送った。大統領がこうした提案を取り入れ、現在の目標期限である21年以降もエタノール振興に取り組む姿勢を表明すれば、米国だけでなく、京都議定書が期限を迎える21年以降の温暖化対策を検討している日欧などの政策にも波紋を広げそうだ。
一方、米国でエタノール精製に携わる企業やトウモロコシの農家などには特需が続く見通し。自動車産業がエタノールを燃料にした車の開発を加速させるのは確実だ。
ただ、膨張に伴う副作用を懸念する声も出ている。環境問題のシンクタンクであるアースポリシー研究所のレスター・ブラウン所長はトウモロコシの価格急騰の恐れを指摘。「他の穀物も需給がきつくなり、牛乳や卵など飼料を使う酪農品も値
上がりする」と予想する。エタノールとガソリンの混合燃料で走るフレックス車向けにガソリンスタンドの整備も課題になりそうだ。
EU、自動車のC02削減義務付け 環境技術巡る提携促す
環境対応の取り組みで、日米欧の自動車メーカーはハイブリッドやバイオマス燃料など、それぞれに独自の開発を進めている。欧州連合(EU)による二酸化炭素(C02)の排出規制の義務付けで、各社の環境対応コストの負担が増えるのは確実。より有利な条件を整えるため、環境技術をめぐる提携が世界規模で加速する可能性がある。
トヨタ自動車など日本勢はエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車で先行。欧州勢はCO2排出量がガソリンエンジンよりも1−2割少ないディーゼルエンジンの開発に、米国勢はC02を吸収する植物を原料とするバイオマス燃料に力を入れている。だがEUによる厳しい規制の導入で、環境技術で相互に乗り入れを進める動きが広がりそうだ。
ホンダは欧州の規制よりも厳しいとされる、2009年からの米国の排ガス規制を視野に入れた対応を加速。燃費効率の高いディーゼルエンジン車の開発に成功し、米欧市場に相次いて投入していく計画だ。
トヨタは欧州市場でのハイブリッド車の普及に取り組みながら、いすゞ自動車との提携でディーゼルエンジン車の開発による環境対応も進めている。
EUは自動車メーカーがバイオマス燃料の普及を進めれば、CO2排出量の規制を緩和する制度などを検討中。低燃費化につながるタイヤの技術開発なども支援する。企業間でC02の排出権を売買する取引を規制に組み込む案もでている。
新燃料、日米アクセル 経産省・業界が作業着手
甘利経済産業相は24日、日本自動車工業会、石油連盟両首脳との懇談会を開き、バイオ燃料など次世代自動車燃料の普及に向けた官民共同作業に着手した。米国ではブッシュ大統領が、代替燃料利用などでガソリン消費を今後10年間で2割減らす新方針を表明。活発化する日米の石油代替エネルギー政策の背景には、安全保障や環境対策の強化に加え、自動車業界などの戦略もある。
「石油依存度の低減が不可欠で、3者で意思疎通したい」。懇談会で甘利経産相が呼びかけると、張富士夫・自工会会長(トヨタ自動車会長)は「燃料多様化は必須。国の戦略に協力したい」と応じた。一方、渡文明石連会長(新日本石油会長)は、「国民に過度な期待を持たせぬよう地に足が着いた検討を」と注文も付けた。
経産省は、2030年までに運輸部門の石油依存度を現在の100%から80%に下げるなどの目標を示し、(1)バイオ燃料(2)クリーンディーゼル車(3)次世代バッテリー(4)燃料電池――を具体策としている。
懇談会は6月までに意見をまとめ、政府の08年の「骨太の方針」に反映させる。
特にバイオ燃料については、政府が京都議定書の目標達成計画で「10年度までに50万キロリットルを導入する」としているため、新法制定やガソリン税減免で普及を急ぐ方針で、財務省なども加えた「インフラ検討会議」を2月に設置。必要な各種法案を08年の通常国会に提出する。
経産省が懇談会を発足させた背景には、燃料の供給・需要にかかわる両業界を抱え込み、バイオエタノールの国内生産目標を打ち出した農林水産省に対抗する狙いもある。
自動車各社は、バイオ燃料車の利用環境が整ったブラジル向けに開発を急いでいる。ホンダが昨年、100%エタノール燃料の製品を投入。トヨタ、日産自動車なども計画している。ただ、日本での展開にはコスト高の解決や安定供給態勢の整備が必須で、政府の役割は大きい。
石油業界は4月から首都圏50カ所のスタンドで、ETBEと呼ばれるバイオ燃料の試験販売を始める。ただ、主原料のトウモロコシには供給面での不安もある。
日本経済新聞 2007/1/25
石油連盟、国産バイオエタノールを購入へ
石油元売りの業界団体である石油連盟は24日、大阪や北海道で生産する国産バイオエタノールを購入する方針を明らかにした。石連はバイオエタノールを石油製品と合成した「ETBE」を4月末からガソリンに混合して販売する予定で、その原料に国産エタノールを使う。
石連は購入した国産バイオエタノールを貯蔵し、2008年末に新日本石油精製の根岸製油所(横浜市)内に建設するETBEの製造装置で利用する。当初ETBEはフランスから輸入するが、順次、国内製造を増やしていく方針だ。
国内では、大成建設や丸紅などが出資するバイオエタノール・ジャパン・関西が堺市で廃木材を原料にしたバイオエタノールの生産を始めた。北海道でも地元の農業協同組合がテンサイなどを原料にしたバイオエタノールの工場を建設、08年度中の稼動を目指している。
いずれも自動車用燃料としての利用を前提にしているが、自前で販売できる量に限界があるため、石油元売りとの連携を模索していた。
■大統領、多様化急ぐ 一般教書「木片も草も農業廃棄物も」
エネルギー安全保障の強化を狙う米ブッシュ大統領が、23日の一般教書演説で打ち出したエネルギー政策の新方針は、環境にも配慮し、エネルギーの多様化を加速させる内容だが、課題も大きい。
「木片や草、農業廃棄物など、あらゆるものを使ってエタノールを生産できる新たな技術投資を続けなければいけない」。ブッシュ大統領は演説でこう強調した。代替燃料エタノールの主原料、トウモロコシの生産に限界があるからだ。
米エタノール業界の生産量は来年にも75億ガロン(約280億リットル)を超すと予想され、国産トウモロコシの14%が利用されている。新たな方針では、代替燃料供給を17年までに350億ガロンに増やす計画。国内産トウモロコシが足りなくなる可能性もあり、著名エコノミストのローレンス・リンゼー氏は「輸出はゼロになるだろう」とみる。木片などからエタノールをつくるコストはトウモロコシの2倍とされ、ホワイトハウスからも「目標達成には画期的な技術が必要」との声が上がる。
バイオエタノール車は燃費がガソリン車に劣るうえに、価格は高いといわれるが、今回の政策には、販売不振に苦しむ米自動車大手ビッグ3の「救済策」との指摘もある。バイオ燃料車に積極的な米ビッグ3は昨年11月、その生産比率を12年までに年産台数の半数まで増やす、と共同発表。ハイブリッド車など燃費効率の良い小型車で先行する日本メーカーを追撃する構えだ。
乗用車の燃費規制の強化については、具体的な基準が示されず議会との調整に委ねられた。ビッグ3は「燃費の良い小型車に強い日本メーカーに有利だ」と反発していただけに、日本の自動車大手からは「大幅な規制強化は難しいのではないか」との見方も出ている。
日本経済新聞 2007/4/18
バイオ燃料 直接混合か化合物利用/日本では大半が輸入
Q バイオ燃料を採用する国はどのくらいあるのか。
A バイオエタノールをガソリンに混ぜた燃料は世界各国で導入が始まっている。消費量が多いのは米国とブラジル。いずれもガソリンに直接エタノールを混ぜて使う。ブラジルではエタノール100%の燃料も普及している。ガソリン専用車では使えないため、ガソリン、エタノール、その混合燃料のどれでも使える「フレックス車」が人気だ。新車豊録の半分を占めている。
中国やインドでも直接混合で利用が始まった。欧州主要国は日本の石油元売りと同じエタノール化合物のETBEをガソリンにに混ぜている。ディーゼル車が普及する欧州では菜種油で作るディーゼル燃料もエタノール以上に生産されている。
Q 国によって規格が違うのはなぜ。
A ガソリンへの直接混合は製造に手間がかからず、大量のエタノールを混ぜやすい。ドイツやフランスなどがETBEを使っている。利用者は2つの規格を混ぜても使えるが、製造や保存方法が違う2規格の導入は流通業者などの設備負担が増す。
直接混合では蒸発で光化学スモッグの原因物質が増え、水分が混入しガソリンと分離すると自動車部品の腐食につながるとの意見がある。一方でETBEは安全性の確認が必要との指摘もある。
Q 日本はどこからバイオエタノールを調達するのか。
A 05年の国内生産量は30キロリットルのみ。必要量を全量国内で調達するのは難しい。石油元売りは今回ETBEを欧州から輸入したが、欧州の輸出余力もわずか。現状でエタノールを大量に輸出できるのはブラジルだけだ。7年後をメドにサトウキビの作付け面積を5割増やし、輸出をほぼ倍増する計画だ。
Q 国内では大量に作れないのか。
A 政府は北海道や沖縄で、地元産の農作物を使ってエタノールを製造、利用する研究を支援している。ただ、地元で使う量を作る程度。政府は2030年までに年間ガソリン消費の1割、600万キロリットルを国産エタノールで賄う目標を掲げるが、国内の農地は限られている。現状ではコストも高く、課題は多い。
海外でのバイオエタノールの利用
混合率 | 主な原料 | |
▼直接混合' | ||
米国 | 10%、85% | トウモロコシ |
ブラジル | 20-25%、100% | サトウキビ |
中国 | 10% | トウモロコシ、小麦など |
インド | 5% | サトウキビ |
ETBE(エタノール化合物) | ||
ドイツ | 低率 | ライ麦、小麦 |
スペイン | 3-7% | 小麦、大麦 |
フフンス | 6-7% | 小麦、テンサイ |
Platts 2008/5/16
Bill Gates investment vehicle slashes Pacific Ethanol stake
Microsoft founder Bill Gates has been selling off his stake in
beleaguered West Coast ethanol producer Pacific Ethanol, slashing
the shares held by his Cascade Investment company to 1.4 million
from 10.5 million over the last six months, according to
securities filings.
Shares of Pacific Ethanol plunged more than 20% on November
19, 2007,
a day after Cascade filed to shed Gates' 20.55% stake in the
company. At the time, Raymond James analyst Pavel Molchanov
called Gates "one of the most visible investors within the
ethanol arena."
High corn costs and planned new capacity is weighing down US
ethanol industry stock prices. Pacific shares are currently
trading at just over $3 each, down from about $15/share a year
ago. Pacific shares peaked in May 2006 at more than $40/share.
Earlier this week, Pacific said it expected to report a first
quarter net loss of about $36.2 million (93 cents/share).
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International Herald Tribune 2007/11/19
Gates's investment fund to sell shares in ethanol producer
CHICAGO: Cascade Investment, a company owned by Bill Gates,
chairman of Microsoft, is preparing to sell its shares in Pacific
Ethanol, which has lost almost two-thirds of its market value
this year.
Cascade, which owns a 21 percent stake in the company, will
convert its preferred stock to 10.5 million common shares and
offer them to the public, according to a Pacific Ethanol filing
with the U.S. Securities and Exchange Commission. At the closing
price Friday, Gates has lost $24 million on the investment. He
paid $84 million for his stake in 2005.
Pacific Ethanol, based in Sacramento, California, has fallen 63
percent this year in Nasdaq composite trading, as the burgeoning
supply of the fuel additive drove prices down 25 percent. The
company reported a third-quarter loss last week of $4.8 million.
The filing is "nothing other than optionality," Neil
Koehler, chief executive of Pacific Ethanol, said Friday in an
interview by telephone. Cascade asked Pacific Ethanol to make the
SEC filing, Koehler said.
Cascade may sell the shares from "time to time,"
Pacific Ethanol said in the filing. Gates bought the preferred
shares two years ago to help the company finance construction
projects on the West Coast.
A voice-mail message left for Michael Larson, who manages
Cascade's investment holdings, was not returned.
Pacific Ethanol shares fell 13 cents, or 2.2 percent, to finish
Friday at $5.70, their lowest level since January 2005.
Pacific Ethanol produces about 80 million gallons, or 190 million
liters, of the additive annually at its plants in Madera,
California, and Boardman, Oregon. The company owns a 42 percent
stake in a 48 million-gallon plant in Windsor, Colorado.
Most analysts do not expect pure-play ethanol producers to be
profitable over the next two quarters as supply is expected to
increase, according to data compiled by Bloomberg.
There are 131 ethanol distilleries in the United States, with the
capacity to produce seven billion gallons of the fuel annually,
according to the Renewable Fuels Association in Washington.
Seventy-two plants under construction will almost double current
production.
POET of Sioux Falls, South Dakota, is the largest U.S. ethanol
producer. Archer Daniels Midland, based in Decatur, Illinois, is
the second biggest.