回収PETボトルを再びボトル用PET樹脂にリサイクルする「ボトル
to ボトル」の事業化について
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:長島
徹)は、既に確立している原料リサイクル技術をベースに、2003年10月より、回収PETボトルを再びボトル用PET樹脂に戻す完全循環型のPETボトルリサイクル「ボトル
to ボトル」を事業化することを決定しました。
当社は、2002年4月より徳山事業所(山口県徳山市)内において、回収PETボトルからDMT(ジメチルテレフタレート)への原料リサイクルを事業化することとしており、PETボトル約30,000トン/年(500mlPETボトル約10億本相当)から、石油より製造したものと同等の高純度DMT約24,000トン/年を回収できるようになります。これを2003年10月までに、回収PETボトル約60,000トン/年(500mlPETボトル約20億本相当)からDMT約50,000トン/年を回収できるよう増強します。さらに、当社の新規開発技術により回収したDMTをPETボトルの原料として最適なTPA(高純度テレフタル酸)に変換する設備、およびこのTPAを全量使用してボトル用PET樹脂を製造する設備を新設します。これにより、徳山事業所内に回収PETボトルからボトル用PET樹脂を生産するまでの一貫リサイクル体制が構築されたことになり、「ボトル
to ボトル」が実現します。
「ボトル to
ボトル」によって生産されるボトル用PET樹脂は年産50,000トンで、既存の松山事業所内のプラントで生産している年産40,000トンと合わせて当社のボトル用PET樹脂の生産能力は90,000トンとなります。
なお、「ボトル to
ボトル」による生産分も含め、ボトル用PET樹脂については、従来どおり、製造を帝人、販売をグループ会社である帝人化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:相田
憲一郎)が担当します。
詳細は下記のとおりです。
1.PETボトルリサイクルを取り巻く環境
(1) | PETボトルの需要は、その利便性が広く認められ、1999年は332,000トン、2000年は362,000トンと年々増加しており、2001年にはお茶を中心とした大型ボトル需要の増加もあって389,000トンを超えることが見込まれています(PETボトル協議会の調査結果より)。 |
(2) | 使用済みPETボトルの回収量は容器包装リサイクル法が施行された1997年より年々増加しており、2001年度は173,000トン(リサイクル率;42.6%)、2004年度には231,000トンでリサイクル率が50%を超えると見込まれています(回収量予測;2001年3月発表の環境省資料より)。 |
(3) | 一方、回収PETボトルを再商品化する量も年々増加してきましたが、これらは全て使用済みPETボトルを洗浄・粉砕・異物除去してフレークあるいはペレットにするマテリアルリサイクルによるもので、異物の完全除去が難しいことなどから再生製品の用途に一定の限界がありました。また、回収量が今後一層増加していく傾向の中で、現行のマテリアルリサイクルのみでは消化しきれなくなる懸念があります。 |
(4) | そのため、PETボトル協議会およびPETボトルリサイクル推進協議会の会員である当社は、各界より強い要請のある完全循環型リサイクルシステム「ボトル to ボトル」についての技術開発を鋭意推進し、このたびの実現に至りました。 |
2.当社のPETボトルリサイクルの歩み
1958 | ポリエステル繊維生産開始からまもなく、製造工程で発生する繊維屑を化学的に分解して原料に戻すケミカルリサイクルを開始。 | |
1995 | PETボトルリサイクル繊維「エコペット」(再生ポリエステル短繊維)を製造・販売開始。 | |
1996 | 衣料や雑貨、寝装インテリア製品、キッチン用品、スポーツ用品などの繊維製品への再商品化に向けて「エコペット」の本格展開を開始。 用途拡大とともに、96年度:600トン、97年度:800トン、98年度1,200トンと販売量増加。 |
|
1999 | 短繊維に加えて再生ポリエステル長繊維の製造・販売を開始。「エコペット」の販売量は、99年度:2,400トン、2000年度3,000トン、2001年度:5,000トン(見込み)とさらに拡大。 | |
2000 | ポリエステル製品から、石油より製造したものと同等の高純度DMTを回収できる原料「ボトル to ボトル」リサイクルの技術を確立し、12月に発表。 | |
2002 | 4月より徳山事業所内の原料リサイクルプラントを操業開始(予定)。 | |
2003 | 10月に「ボトル to ボトル」を事業化(予定)。 |
3.「ボトル to ボトル」の技術について
(1) | このたび当社が完成した技術は、回収PETボトルを化学的に分解してDMTとした後に精製し、引き続き加水分解反応によってボトル用PET樹脂の原料であるTPAとしてさらに精製するものです。 | |
(2) | この技術は、キャップ・ラベル等の異種ポリマーや金属等の異物を効率的かつ完全に除去し、石油から製造するTPAと全く同等の高純度のものを得ることができます。このTPAを原料として生産されるボトル用PET樹脂も、従来のものと同等の品質です。 | |
(3) | 徳山事業所内に新設するプラントでは、再生TPAを使用して耐熱ボトル用を含むあらゆる用途に使用可能なPET樹脂を製造します。 | |
(4) | 安全衛生面については、米国FDA(食品医薬品局)の安全性に関する証明を近々取得できる見込みであり、日本の食品衛生法に準拠した規格試験にも適合することを現在確認中です。当社は、このたびの「ボトル to ボトル」の技術について15件の特許を申請中です(DMTまで戻す原料リサイクルについては既に60件以上の特許を取得しています)。 |
4.「ボトル to
ボトル」に際しての設備対応
(1) 所 在 地 :帝人株式会社 徳山事業所
(山口県徳山市由加町1−1
事業所長;飯塚 志保)
(2) 事業内容および設備対応
2002年4月操業開始 | 2003年10月操業開始 | |
事業内容 | 回収PETボトルを主とするポリエステル製品から良質なポリエステル原料(DMTおよびEG:エチレングリコール)を回収する。 | 原料リサイクルにより回収したDMTをTPAに変換。これを原料にボトル用PET樹脂を生産する。
【「ボトル to ボトル」の実現】 |
設備対応 | 回収処理設備の新設および既存DMT工場を原料リサイクル工場に設備改造。回収PETボトル30,000トン/年(500mlPETボトル
約10億本相当)から、石油より製造したものと同等の高純度DMT約24,000トン/年を回収できる。
|
@トータルで回収PETボトル約60,000トン/年(500mlPETボトル
約20億本相当)からDMT約50,000トン/年を回収できるよう増強。 A回収したDMTをPETボトルの原料として最適なTPAに変換する設備を新設。 BDMTから変換したTPAを全量使用してボトル用PET樹脂を製造する設備を新設。これにより生産されるボトル用PET樹脂は年産50,000トン。 |
5.ボトル用PET樹脂の生産体制
このたびの「ボトル to
ボトル」による生産能力アップで、2003年10月以降、下表に示す生産体制となります。ボトル用PET樹脂は、その需要の伸長に対して逼迫状態が続いており、増産とともにシェア拡大を図っていきます。
既存設備 (松山事業所内) |
新 設 備 (徳山事業所内) |
合 計 | |
生産能力(トン/年) | 40,000 | 50,000 | 90,000 |
【 別 紙 】
帝 人 株 式 会 社 概 要
1.設 立 1918年6月17日 2.本社所在地 大阪市中央区南本町1−6−7 3.資 本 金 707億8,700万円(2001年3月31日現在) 4.代 表 者 代表取締役社長 COO 長 島 徹 5.従業員数 [連 結] 22,256名(2001年3月31日現在)
[単 体] 5,216名( 同 上 )6.売 上 高 [連 結] 7,614億円(2001年3月期)
[単 体] 2,727億円( 同 上 )7.事業内容 合成繊維・化成品・医薬医療を中心に事業活動を行い、活動拠点は、
日本国内のみならず世界10数カ国を超えている。グループ企業と共に、
グローバルに事業を展開している。
帝 人 化 成 株 式 会 社 概 要
1.設 立 1947年8月2日 2.本社所在地 東京都千代田区内幸町1−2−2 3.資 本 金 21億4,900万円(2001年3月31日現在) 4.代 表 者 代表取締役社長 相 田 憲一郎 5.従業員数 700人(2001年3月31日現在) 6.売 上 高 548億円(2001年3月期) 7.事業内容 ポリカーボネート樹脂・複合樹脂の製造販売、ポリカーボネート樹脂シート、
ボトル用PET樹脂・PEN樹脂・A−PETシートの製造販売、
燻蒸剤・難燃剤の製造販売、その他製品の製造販売
毎日新聞夕刊 2003/7/5
ペットボトル完全リサイクル 帝人・世界初 海外へ技術提供
帝人は5日、使用済みペットボトルを高純度のペットボトル原料に再生する世界初の完全循環型のリサイクル技術を海外に提供する方針を明らかにした。欧米や中東、中国などの企業、公的機関からすでに引き合いが来ている。来年夏までに、工場の生産工程や特許などを含めた、販売可能な設計情報をまとめ、具体的な商談に入る。
ペットボトルの再生は洗浄し砕いて溶かす「マテリアルリサイクル」と呼ばれる方法が主流。しかし、この方法だと、ボトルのキャップや混入した小石などを分別できず、品質の高いペットボトル原料に戻すのは困難だった。このため、衣料用やシート用の繊維にしか再利用できなかった。
帝人は、化学分解させて再生する「ケミカルリサイクル」という技術を活用し、回収したペットポトルを、異物を取り除かなくても、石油から精製したものと全く同じ品質の高純度ポリエステル原料に再生させることに世界で初めて成功した。この技術を使えば、ペットボトルだけでなく、ポリエステルを使った、使用済みの衣服や定期券を再生させることも可能になる。同社は、この技術を活用した年産5万トン(500ミリリットルのポトル17億本相当)の再生プラントを今年10月から山口県で稼働させる。
帝人の新技術は世界的に注目され、帝人によると、米国やカナダで、化学・繊維企業と提携してペットポトルのリサイクル施設を作る計画を進めている州政府や、使用済みペットポトルを砂漠に埋めている中東諸国も強い関心を示している。帝人は、販売する設計情報について「建設コストを削減し、小規模でも収益が出るものにする」(鈴岡章黄・執行役員)考えだ。
世界の回収率18%どまり
ペットポトルは、飲料用の缶やガラス瓶と違って、使用済みのボトルを新しいペットボトルに再生させる完全循環型のリサイクル技術がこれまで確立していなかったため、リサイクルが進展せず、環境上の問題があると指摘されてきた。
業界筋によると、98年の世界全体のペットボトル用樹脂の需要量349万トン(98年)の回収率は18%にとどまっている。
日本では、01年度のペットボトル生産量40万3000トンに対する回収率の実績は40%。03年度には生産量が44万トンに拡大し、回収率も49%になる見込み。
帝人が開発した、ペットボトルの完全循環型のリサイクル技術の登場で、回収率が増加することが期待されている。
PET再生繊維 「ECOPET®」
http://www.teijin-eco.com/e_product/outline/e_pet.html
●2002年よりエコペット®はその領域を大きく広げます。
帝人は、PETボトルリサイクル繊維を「エコペット®」として展開してきました。
2002年より、新原料リサイクル技術によって再生されたポリエステル(PET)繊維も併せ、PETリサイクル繊維「エコペット®」として拡大展開いたします。
帝人が開発した世界最先端の新原料リサイクル技術は、PETボトルのみならずポリエステル製品(繊維・フィルム)までも分解・精製し、石油から製造される原料と同一レベルの高純度なポリエステル原料の回収を可能としました。
その結果、高品質で機能性や感性を付加できる差別化ポリエステル(PET)リサイクル繊維が生まれます。
「エコペット®」はエタノール〈永久的な〉リサイクル手法で生まれたポリエステル(PET)繊維を新たな仲間に加え、より強力なラインアップを完成しました。
「エコペットREC100」が、その銘柄です。
テキスタイルや製品に於ける、エコマーク取得が容易にできる再生率で構成されており、皆様の多様なご要望にお応え出来るものと考えます。
回収ペットボトルに加え、回収繊維製品、回収繊維原料から再生するPETリサイクル繊維が「エコペット®」です。
帝人は、繊維to繊維のエターナルリサイクル技術の活用で、繊維製品リサイクルシステム「エコサークルR」との連動を更に推進し、真の循環型商品市場の創造を目指します。
循環型社会の構築を目指して
「ボトルtoボトル」リサイクル施設操業式
帝人グループは、使用済みPETボトルを化学的にポリエステル原料に戻し、再びPETボトル用樹脂として再生する「ボトルtoボトル」リサイクル施設を、このたび帝人ファイバー(株)徳山事業所内に完成し、本日操業式を開催することとなりました。
帝人グループでは、ポリエステル繊維の生産開始から間もない1962年より、生産工程内で発生する糸屑を原料に戻すリサイクルを続けてきましたが、1992年には「帝人地球環境憲章」を制定し、以来、持続的発展可能な循環型社会構築に向けた取り組みとして、使用済みポリエステル製品を原料にまで戻してリサイクルする技術の開発を進めてきました。その成果として、昨年4月には、使用済みPETボトルから、石油より製造したものと同等の高純度DMT(テレフタル酸ジメチル)を回収するプラントを操業し、それを原料としてポリエステル繊維へのリサイクルを開始しました。
その後、各方面からの強い要請を受けて、「ボトルtoボトル」を目指した技術開発に取り組み、回収した高純度DMTをPETボトルの原料として最適なTPA(高純度テレフタル酸)に変換する設備、およびこのTPAを全量使用してボトル用PET樹脂を製造する設備を完成し、このたび世界で初めて操業化を実現したものです。
この「ボトルtoボトル」リサイクル施設は、昨年操業の高純度DMT回収プラント(PETボトル約30,000トン/年から約24,000トン/年の高純度DMTを回収)を増強するとともに、それに続く工程を新設したもので、その能力はPETボトル約62,000トン/年(500mlPETボトル約20億本相当)からPETボトル用樹脂50,000トン/年を製造することができます。
帝人グループにおいては、PETボトル用樹脂の生産を帝人ファイバー(株)、販売を帝人化成(株)が担当しており、このたびの「ボトルtoボトル」操業により、その生産能力は、帝人ファイバー(株)松山事業所内の既存プラントで生産している年産40,000トンと合わせ、合計90,000トン/年となります。
詳細は以下のとおりです。
1.操業式概要
(1)開催日程 2003年11月19日(水)
(2)開催内容
1)14:00〜15:20 竣工式・工場見学
帝人ファイバー株式会社徳山事業所
(山口県周南市由加町1−1 TEL:0834−25−4555)
2)15:45〜17:15 竣工披露パーティー
アドホックホテル丸福 2階 富士の間
(山口県周南市桜馬場3−16 TEL:0834−32−5000)
(3)参列者 約100名
2.「ボトルtoボトル」リサイクル施設の概要
(1)事業所名 | 帝人ファイバー株式会社徳山事業所(1968年操業開始) | |
(2)所在地 | 山口県周南市由加町1−1(敷地面積:約186,000m2) | |
(3)代表者 | : | 事業所長 山田 裕憲 |
(4)事業内容 | 使用済みPETボトルからポリエステル原料(DMT:テレフタル酸ジメチル およびEG:エチレングリコール)を回収し、PETボトル用樹脂の原料として 最適なTPA(高純度テレフタル酸)に変換。その後EG(エチレングリコール) と反応させてPETボトル用樹脂を生産する。 |
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(5)設備能力 | 使用済みPETボトル処理能力 62,000トン/年 PETボトル用樹脂生産能力 50,000トン/年 |
|
(6)施設構成 | ポリエステル原料製造施設(21,208m2)、原料保管施設(12,638m2)、 製品保管施設(600m2)、管理運営施設(400m2) |
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: | ||
3.帝人グループのPETボトル用樹脂事業の概要 | ||
(1)事業開始 | 1978年(帝人株式会社) ※2002年4月より100%子会社である帝人化成(株)に移管。 |
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(2)生産能力 | 90,000トン/年(国内3位) 帝人ファイバー(株)徳山事業所 : 50,000トン/年(今次「ボトルtoボトル」操業分) 帝人ファイバー(株)松山事業所 : 40,000トン/年(既存の生産設備) |
|
(3)その他 | 「ボトルtoボトル」による製品は2004年初頭より販売開始 |
ポリカーボネ−ト樹脂のケミカルリサイクル技術確立
−経済産業省の補助を受けて実証プラント建設へ−
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=83100
帝人化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 高信)は、ポリカーボネート樹脂の廃材から、石油から製造したものと同等の高純度ビスフェノールA(ポリカーボネート樹脂の主原料)を回収するリサイクル(以下「ケミカルリサイクル」)技術を開発しました。
この技術は実用化の期待が高いことから、経済産業省より本年度の地域新規産業創造技術開発費補助事業として採択されており、帝人化成ではこのたび世界初の事業化に向けて実証プラントの建設を決定しました。
詳細は下記のとおりです。
1.開発に至る経緯 | |
(1) | ポリカーボネート樹脂は、光学用途・自動車用途・電気・電子用途など幅広く活用されているエンジニアリングプラスチックで、全世界で1年間に約220万トンが消費されており、今後も年率7〜8%の成長が期待されています。 |
(2) | こうした中、社会的に資源の有効活用、省エネルギー化の要請が高まっており、それを受けて帝人化成では、これまでポリカーボネート樹脂のマテリアルリサイクル技術を開発し推進してきました(別紙参照)。 |
(3) | しかし、マテリアルリサイクルでは再生後の用途展開に限界があり、社会の要請に応え切ることはできませんでした。そこで、より広範な展開・活用が可能であるケミカルリサイクル技術の開発に取り組み、このたび実用化を期待できる技術開発が実現したものです。 |
2.当技術の特徴 | |
(1) | このたび開発したのは、世界初の商業生産を目的とした実用性の高いポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクルプロセスで、回収した廃ポリカーボネート樹脂を解重合し、主原料であるビスフェノールAを分離精製して高純度な状態に再生できるところが技術のポイントです。 |
(2) | この技術が、従来技術と比べて特徴的なのは次の点です。 |
■ 解重合技術 | |
解重合工程(ポリカーボネートをモノマーに分解する工程)においては、低温でのアルカリ分解を可能とする技術を開発し、副生物の生成抑制によるモノマーへの転化率向上と、エネルギー負荷の低減を実現しました。 | |
■ 精製技術 | |
精製工程(モノマーの純度を高める工程)においては、溶液状態での高度な精製技術を確立し、一般の蒸留精製法に比べて大幅なコストダウンを可能にしました。 | |
(3) | この技術によって再生されるポリカーボネート樹脂は、石油由来のポリカーボネート樹脂と同等の品質およびコストで製造することができます。 |
3.実証プラントの概要 | |
(1) | このたび開発したケミカルリサイクルの基礎技術をベースとして、2005年2月完成の予定で帝人化成の松山工場(愛媛県松山市)内に実証プラントを建設し、実証テストを開始します。 |
(2) | 当プラントは、ポリカーボネート樹脂の廃材の種類に応じたケミカルリサイクル実用化技術の開発を目的としています。 |
(3) | リサイクルの対象とする廃材は、当面、社内外の透明部材屑を中心とし、逐次対象廃材の範囲を拡大していく予定です。 |
(4) | 投資額は約2億円で、その一部に地域新規産業創造技術開発費補助金を充当します。 【参考】地域新規産業創造技術開発費補助金制度とは・・・ 企業等が行うリスクの高い実用化技術開発に要する経費の一部を国が補助することによって、地域において新産業・新事業を創出し、地域経済の活性化を図ることを目的とした制度 |
(5) | 当プラントのプロセスは下図のとおりで、処理能力は数百トン/年程度です。
|
【 別 紙 】
帝人化成のマテリアルリサイクルの取り組み
■ 回収廃ディスクのリサイクル
1996年、音楽用CDを対象に、アルミニウム膜およびコート膜を分離して回収されたポリカーボネート樹脂を、ガラス繊維等との複合化により再利用する量産技術を確立しました。
■
ノート型パソコンハウジンングのクローズドリサイクル
1998年以降、東芝と共同でノート型パソコンハウジング(難燃PC/ABSアロイ)のクローズドリサイクルシステムの構築に取り組み、2000年には量産技術を確立しました。
(注)
クローズドリサイクル:リサイクル材料を再生元の製品に再利用すること。
■ オープンリサイクル材の供給
2001年以降、自社工場で発生するポリカーボネート樹脂のシート端材や顧客で発生するポリカーボネート樹脂廃材のリサイクル技術の開発に取り組み、現在OA機器やパソコンの筐体等を中心に展開しています。
(注)
オープンリサイクル:リサイクル材料を再生元の製品とは異なる製品に再利用すること。
【参考】
帝人化成株式会社概要
1.設立 1947年8月2日
2.本社所在地 東京都千代田区内幸町1−2−2
3.資本金 21億49百万円(2004年3月末現在)
4.代表者 代表取締役社長 藤井信
5.従業員数 700名(2004年3月末現在)
6.売上高 582億円(2004年3月期)
7.事業内容 帝人グループにおける樹脂事業の中核会社として、ポリカーボネート樹脂・
複合樹脂の製造販売、ポリカーボネート樹脂シート、ボトル用PET樹脂・
PEN樹脂・A−PETシートの製造販売、燻蒸剤・難燃剤の製造販売を展開している。
2005/6/29 日本経済新聞
帝人ファイバー ペットボトル再生停止
中国への輸出増加で 容リ法での原料調達ゼロ
帝人フアイバーは月内に、徳山事業所(山口県周南市)の使用済みペットボトルの再生工程の生産を停止する。容器包装リサイクル法(容リ法)に基づく入札で2005年度分の使用済みペットボトルの落札がゼロとなり、原料を調達できなかったため。使用済みボトルの中国向け輸出が増加し、容リ法ルートヘの供給量が減少した。
帝人ファイバーは来年度の入札で原料を確保し生産を再開する方針。最先端技術を持つ同社が生産停止に追い込まれたことで、容リ法の在り方が問われそうだ。
中国ではぬいぐるみの中綿用原料などに利用するため、使用済みペットボトルの需要が伸びている。容リ法ルートで使用済みペットボトルを引き渡しても、自治体は対価を得られない。このため中国に輸出する商社などに売却する自治体が増えている。05年度は容リ法ルートに引き渡されるペットボトルの計画量が初めて減り、落札できない企業が相次いだ。
徳山事業所はペットボトルを完全に再生できる世界初の事業所として注目された。総額百億円を投じて設備を導入、ペットボトルをポリエステル原料に戻し、再びペットボトル用樹脂を製造している。
後工程の高純度テレフタル酸からペットボトル用樹脂を生産する工程は、石油原料を使い、稼働を続ける。
2005年8月16日 帝人/パタゴニア
米国パタゴニア社と帝人による完全循環型の衣料品リサイクルプログラムについて
米国パタゴニア社〔本社:カリフォルニア州ベンチュラ市、社長:マイケル・クルーク〕(以下、パタゴニア)と帝人株式会社〔本社:大阪市中央区、社長:長島
徹〕(以下、帝人)は、本年9月より、ポリエステル繊維製品の完全循環型リサイクルプログラムを共同で展開していくことにしました。
具体的には、パタゴニアが、主力製品として展開している機能性アンダーウェア「キャプリーン(R)」について、使用済みとなったものをお客様から回収し、帝人グループで衣料繊維事業を展開する帝人ファイバー株式会社〔本社:大阪市中央区、社長:野口
泰稔〕(以下、TFJ)の松山事業所内にある「繊維to繊維」リサイクル施設でポリエステル原料に再生するもので、グローバル規模の完全循環型衣料品リサイクルシステムが確立することになります。
これにより、パタゴニアは米国において初めて衣料品の回収・リサイクルプログラムを導入する企業となると同時に、企業理念である「クローズドループ(循環)」プロセスの実現により一層近づくこととなります。一方、帝人は、これまでTFJが国内で展開してきたポリエステル製品の完全循環型リサイクルシステム「エコサークル(R)」(*1)を海外へと広げていく第一歩を踏み出すことになります。
パタゴニアと帝人は共に環境問題に対して全社的に取り組むことを企業理念に掲げており、このたびの「キャプリーン(R)」アンダーウェアにおける完全循環型リサイクルシステムの確立を皮切りに、地球環境を保護しながら持続的に成長ができる完全循環型社会の形成に貢献していきたいと考えています。詳細は下記のとおりです。
(*1)「エコサークル(R)」とは・・・
TFJが展開しているポリエステル製品の完全循環型リサイクルシステム。賛同する企業をメンバー登録し、商品 の開発、商品化およびその回収・リサイクルを共同で進めることを目的としている。回収した製品は、TFJが世界 で初めて開発したポリエステルのケミカルリサイクル技術により、石油原料から製造するものと同等のポリエステ ル繊維に再生される。現在、メンバー企業は国内約70社。
1.完全循環型衣料品リサイクルシステムのプロセスについて | |
(1) | このたびの取り組みをパタゴニアは「Common Threads Recycling Program(つなげる糸リサイクルプログラム)」と称しており、TFJが展開しているポリエステル製品の完全循環型リサイクルシステム「エコサークル(R)」を通じて、使用済み衣料品のリサイクル行っていくことになります。 |
(2) | パタゴニアは、使用済みの機能性アンダーウェア「キャプリーン(R)」を、お客様からの直接郵送により、またはパタゴニア直営店舗において回収し、TFJ松山事業所に輸送します。 |
2.当リサイクルシステム導入の効果 | |
(1) | 回収した衣料品を原料にまで戻し、ポリエステル繊維として再生するため、使用済みになったものを廃棄することなく無限にリサイクルでき、循環型社会の形成に貢献することができます。 |
(2) | LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)調査により、消費エネルギーや二酸化炭素排出量を削減できることが実証されており、地球温暖化防止に貢献できます。 |
【参考:石油からDMTを生産する場合との対比】
消費エネルギー削減効果 : 84%削減
二酸化炭素排出量削減効果 : 77%削減
(*2)
(*2)リサイクルせずに焼却した際に排出される二酸化炭素を加算した場合
3.両社のコメント
【パタゴニア】マイケル・クルーク 社長 兼
CEO のコメント
私たちの目標は、製造した全てのものに対して責任を持つことであり、衣料品のリサイクルは環境面において目指すべきプロセスの第一歩であると考えます。現在は使用済みの製品が廃棄され埋め立てられていますが、このたびの衣料品リサイクルを推進することにより、年間130万枚の「キャプリーン?」を再生することができます。
これを実現するためにはパートナーが重要であり、帝人には感謝しています。石油のような限られた資源に依存するのではなく、使用済み製品を活用して、我々独自のサプライチェーンを構築していくつもりです。今後、多くの米国企業が「クローズドループ(循環)」プロセスの実現に向けて、帝人の画期的なシステムに参加することを我々は望んでいます。
【 帝 人 】唐澤 佳長 専務取締役 CMO
のコメント
パタゴニアと環境問題についての認識を共有できること、また、我々の「エコサークル(R)」に参加していただくことを大変嬉しく思います。帝人は、2000年にポリエステルのケミカルリサイクル技術を世界で初めて開発し、国内でポリエステル製品の完全循環型リサイクルシステム「エコサークル(R)」を積極的に推進してきました。このたびのパタゴニアとの提携は、これを海外に広げていく第一歩となります。より多くの企業やお客様が、このシステムにご協力、ご参加下さることを望んでいます。
【 参考:会社概要 】
パ タ ゴ ニ ア 社
1.設 立 1965年
2.本社所在地
米カリフォルニア州ベンチュラ市(Ventura,
California USA)
4.代 表 者 代表取締役 兼
CEO マイケル・クルーク
5.従 業 員 数 約1,000人
6.事 業 内 容
グローバルに展開しているアウトドア用品・衣料品会社。徹底した品質主義と環境行動主義で国際的に知られている。 1985年に「Environmental Grants Program」を開始して以来、通算2000万ドル以上の寄付と一般の環境保全活動家への物資提供を続けている。1996年以降、衣料品製造において有機栽培された綿のみを使用。1993年からはフリース衣料にリサイクルポリエステル繊維を使用している。2004年の売上高は2億4000万ドル。
ホームページ:www.patagonia.com(日本サイト)
帝 人 株 式 会 社
1.設 立 1918年6月17日
2.本社所在地
大阪府大阪市中央区南本町1丁目6番7号
4.代 表 者 代表取締役社長 CEO 長 島
徹
5.従 業 員 数
【連結】18,960人(2005年3月末現在)
6.事 業 内 容
帝人グループとして、合成繊維、化成品、医薬医療、流通・リテイル、ITなど各分野の事業を展開。環境・安全、企業倫理、社会貢献などの面において、優れた会社を投資対象に推奨する「ダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」に5年連続で認定されている。繊維、フィルム、ペットポトルなどのポリエステル製品を完全循環させることができる世界初のケミカルリサイクル技術を開発し、現在は「ボトルtoボトル」「繊維to繊維」を事業化している。「エコサークル?」は、衣料繊維事業グループの中核会社である帝人ファイバーによって運営されている。
ホームページ:www.teijin.co.jp
毎日新聞 2006/5/5
ペットボトル 275度の水で再生産 低コスト
原料へ分解
ペットボトルなどを高温の水を使って原材料まで効率よく分解することに、独立行政法人・産業技術総台研究所(茨城県つくば市)が成功した。原材料まで戻す完全リサイクルで、繰り返しペットポトルを再生産できる。さらに、ごみ処理場の排熱で加熱できるため資源の有効利用につながる。従来、分解には毒性の強いメタノールを用いていたが、水を使えば有害な廃液も出ず、環境にもやさしい。同研究所は2〜3年後の実用化を目指す。19日に東京都内で開かれる石油学会で発表する。
研究グループはステンレス製の密封反応器内で、ペットボトル片などのポリエステル系樹脂と水を一緒に加熱。300度の高温で原材料のテレフタル酸とエチレングリコールに分解することに成功した。さらにテレフタル酸を、加熱前に水に加えておくと、もっと低い約275度でも分解できることを突き止めた。
ペット樹脂は、エチレングリコールとテレフタル酸が交互に結合している。この間に高温の水の分子が入り込み結合を切断。エチレングリコールは水に溶け、テレフタル酸は沈殿するため分離できた。
ごみ処理場に年間数百トンを処理できる分解用の装置を併設し、一定の地域内でリサイクルシステムが実現すれば、ペットボトル原料を新しく生産するより、2〜3割安い費用で作ることが可能という。メーカーなどで作るPETボトルリサイクル推進協議会(東京都)によると、ペットボトルの国内生産量は年間約51万トンで、推定約75%がリサイクルされている。
現在の主流は、洗浄・粉砕して、そのまま繊維やシートに加工し、衣類の素材などに利用する方法。メタノールを使い原料まで分解する方法は全体の数%に過ぎない。採算を取るには年間数万トン規模で処理しなければならず、大量のペットボトルを周辺から集めてくるなど課題があった。
同研究所コンパクト化学プロセス研究センターの白井誠之・触媒反応チーム長は「既存の回収システムと組み合わせれば、資源循環型の社会に貢献できる」と話した。
2007/5/12 日本経済新聞夕刊
帝人・住商 ペットボトル再生提携 自治体と契約 回収から一貫で
帝人と住友商事は使用済みペットボトルの再生事業で提携した。自治体が回収したボトルを効率的に再利用する仕組みを作り、月内にも帝人グループのリサイクル工場でペット樹脂への再生を始める。廃棄されたペットボトルの再生は石油資源利用を抑制する環境効果があるが、国内ではこれまで樹脂に再生してボトル生産に利用する一貫体制が整っていなかった。
廃ペットボトルは近年、中国がペット樹脂の需要拡大を受け高値で購入しており、輸出業者などが自治体から購入するケースが増えている。両社は自治体と直接契約することで課題だった回収量の確保を実現、再生工場の稼働率を上げる。
帝人の再生技術と、住商が持つ回収ルートを組み合わせる。住商はノルウェーのペットボトル回収機大手、トムラ・システムズ日本法人と組み、東京都足立区と廃ボトルの回収契約を結んでいる。同区内の商業施設などに17台の自動回収機を設置する。回収機は足立区以外の地方自治体にも導入を働きかけ、2009年に日本市場で2千台の設置を目指す。
帝人は、自動回収機て再生しやすいように破砕された廃ボトルをグループ企業で購入。帝人ファイバーの徳山事業所(山口県周南市)でペット樹脂を再生産し、ボトルメーカーに販売する。初年度に500mlのボトル433万本に相当する130トンを回収する計画だ。
PETボトルリサイクル推進協議会によると、国内の廃ボトルの回収率は05年度で約66%。日本の再生技術は世界の最先端とされるが、輸出に回る廃ボトルの増加で再生工場の稼働率が低下していた。
Japan Teijin refining recycling of polycarbonate into bisphenol-A
Japan's Teijin Limited is
experimenting with process technology for the recycling of colored
polycarbonate and polycarbonate compound products into
bisphenol-A,
at a pilot plant in Matsuyama, a company source said.
Teijin has established basic technology for re-using the plant's
polycarbonate sheet and pellet scraps towards the production of
bisphenol-A, she said. Incorporating colored and compounded
polycarbonate into the recycling process requires technology
which is more advanced.
Polycarbonate is traditionally made from bisphenol-A, which is in
turn produced from phenol and acetone. The durable and
lightweight plastic product is used heavily by the automobile,
electrical appliance and electronics industries in the
manufacture of shatter-proof windows, lenses, panels, casings and
shields.
Teijin has also invested in recycling facilities for polyethylene
terephthalate (PET) bottles and carbon fiber.
The specialty plastics and synthetic fibers producer recycles PET
bottles into polyester fiber at a plant in Tokuyama. Earlier this
month, Teijin subsidiary Toho Tenax joined Japan Carbon Fiber
Manufacturers Association and six other Japanese firms in a
feasibility study for the recycling of carbon fiber. Other
partners in the project are Toray, Mitsubishi Rayon, Kureha,
Osaka Gas Chemical, Mitsubishi Chemical Functional Products, and
Nippon Graphite Fiber.
2008年10月2日 帝人化成 /
帝人ファイバー
「ボトルtoボトル」リサイクルの休止と「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用について
帝人グループでは、世界に先駆けて開発したポリエステル製品のケミカルリサイクル技術(使用済みの製品を化学反応によって石油由来と同等の高純度原料まで戻す技術)により、2003年11月より使用済みペットボトルから新たなペットボトル用樹脂を再生する「ボトルtoボトル」リサイクルを展開してきました。
帝人グループは、元来ペットボトル用樹脂の生産・販売を手がけており、「ボトルtoボトル」リサイクルを含む生産を帝人ファイバー株式会社、販売を帝人化成株式会社が行っています。
この「ボトルtoボトル」リサイクルについて、昨今の事業を取り巻く環境変化などを勘案して、このたび当面休止することとし、リサイクル設備については、同様の技術によって使用済みペットボトルから新たなポリエステル繊維を再生する「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用を図っていきます。
詳細は下記のとおりです。
1.休止の背景
(1) ペットボトルのリサイクルは、基本的に容器包装リサイクル法(容リ法)に沿って行われており、各自治体によって回収された使用済みペットボトルが集められ、容器包装リサイクル協会(容リ協)の運営による入札制度により、当初は処理委託費とともに再商品化事業者に割り振られていました。
(2) しかし、その後、中国をはじめとして使用済みペットボトルの需要が急増して、容リ協を介さない独自ルートで有価取り引きされるようになり、2006年度からは容リ協の入札においても有価で割り振られる状況となりました。これに伴い、使用済みペットボトルは入手困難な状況になっています。
(3) 一方、国内におけるペットボトル用樹脂の年間需要は約60万トンですが、その過半を占め、さらに比率を増している非耐熱ボトル(無菌充填に使用)用樹脂は輸入品が主体であり、逆に主として国内樹脂メーカーが供給している耐熱ボトル(高温充填に使用)用樹脂の需要は漸減しています。これに昨今の原燃料価格高騰も加わり、ペットボトル用樹脂の事業環境は非常に厳しくなっていました。
(4) 帝人グループでは、環境配慮の観点から、世界に先駆けたこの取り組みの継続に真摯に取り組んできましたが、こうした状況から、このたび当面休止することとしました。
2.「ボトルtoボトル」リサイクル施設について
(1)所在地: 帝人ファイバー(株)徳山事業所内(山口県周南市)
(2)工程概要:
・使用済みペットボトルからポリエステル原料(DMT:テレフタル酸ジメチルおよびEG:エチレングリコール)を回収する。
・そのDMTをペットボトル用樹脂の原料として最適なTPA(高純度テレフタル酸)に変換する。
・その後、EGと反応させてペットボトル用樹脂を生産する。
(3)設備能力: 使用済みペットボトル処理能力 62,000トン/年
ペットボトル用樹脂生産能力 50,000トン/年
3.休止の内容
(1) 本年は、容リ協の入札において落札することができず、昨年度の未処理分約4,000トンを6月までにリサイクルし、本年度予定していた「ボトルtoボトル」による樹脂生産は終えていましたが、このたび当面休止することを決定しました。
(2) 休止するのは、上記のリサイクル施設中、使用済みペットボトルを投入して原料であるTPAを得るところまでの工程です。ペットボトル用樹脂を生産する後工程については、今後も購入したTPAを原料として操業を継続します。
4.今後の展開
(1)ペットボトル用樹脂事業について
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上記のとおり、帝人ファイバー(株)徳山事業所では、購入したTPAを原料として、ペットボトル用樹脂の生産を継続します。
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「ボトルtoボトル」リサイクルの休止に合わせ、ペットボトル用樹脂の生産体制についても見直しを行います。具体的には、帝人ファイバー(株)の徳山事業所(年産能力50,000トン)と松山事業所(年産能力40,000トン)に分かれている生産を徳山事業所に統合し、併せて銘柄の統廃合なども行って競争力の強化を図ります。
(2)「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用について
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このたび休止する使用済みペットボトルのケミカルリサイクル工程については、使用済みペットボトルからより付加価値の高いポリエステル繊維を再生する「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用を図り、好調なポリエステル繊維のケミカルリサイクルを積極的に拡大していきます。
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帝人グループとしては、帝人ファイバー(株) 松山事業所で、使用済みのポリエステル繊維製品から新たにポリエステル繊維を再生する「繊維to繊維」リサイクルを展開していますが、徳山事業所の「ボトルto繊維」への転活用も含め、今後とも環境への貢献を目指してリサイクル事業を継続展開していきます。