2000/7/11 三菱化学

半導体製造用高純度薬品事業における米国ハネウェル社との世界的な事業提携について

 三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:正野 寛治)は、この度、米国ハネウェル社(Honeywell、 本社:米国ニュージャージー州、CEO:マイク・ボンシニョール)との間で、両社の持つ半導体製造用高純度薬品について、世界的な事業提携の検討を開始することを合意いたしました。
 提携が実現すれば、両社は半導体生産の主要地域である日本・台湾・米国・欧州に生産拠点を有することになり、各地域毎に高品質の商品をユーザーへ供給することが可能になります。また、現在需要が急増している東南アジア地域についても、今後両社で生産拠点の設立を検討していく予定です。
 半導体製造用高純度薬品は、半導体製造プロセスの様々な段階で使用されており、半導体産業の世界的な成長により、需要が大幅に拡大しております。
 提携が実現すれば、両社は不純物が100ppt(1兆分の1)以下の硫酸、塩酸等の超高純度薬品において、業界リーダーとしてのポジションをさらに強固にしていくと考えられます。

 ハネウェル社スペシャリティーケミカル部門副社長、フレッドリンチ談
   「今回の提携は、半導体製造用高純度薬品業界における初めての世界規模での提携であり、両社による製品の補完関係を通じて、世界中の様々なユーザーに豊富な品揃えと高いサービスを提供することができるようになる。」
   
 三菱化学(株)情報電子カンパニー化学システムサービス事業部長、大塚重徳談
  「半導体製造用高純度薬品の業界リーダーである両社は、各々が持つ最先端技術を通じて今後ますます厳しくなるユーザーからの技術要求に対応することが可能になる。今回の提携は、我々サプライヤーのみならず、ユーザーにとっても大きなメリットとなると考えている。」

 両社による事業提携は本年末スタートを予定しております。


化学工業日報 2000/11/27

三菱化学、300ミリウエハー向け高純度薬品の品揃え急ぐ

 三菱化学は、半導体ウエハーの300ミリ径への移行や銅配線化に対応した洗浄用の高純度薬品を品揃え、来年以降、市場の立ち上がりに合わせ本格投入する。300ミリでは装置メーカーとも連携し、超高純度で、しかも洗浄工程を大幅に軽減するアンモニア系高純度薬品を供給する。銅配線では、層間絶縁膜と銅配線に影響を与えず、高純度を保った混酸を順次製品化していく。
 同社は、従来型の硫酸、塩酸、アンモニア水などの底上げを図りながら、先端技術に対応した製品のラインアップ強化により、電子産業向け薬品事業のシェア拡大を目指す。
 三菱化学は、ウエハー洗浄用の硫酸、塩酸、アンモニア水、フッ酸、IPA(イソプロピルアルコール)を持ち、洗浄用の高純度薬品メーカーとしてはトップグループに位置する。国内の黒崎事業所(北九州市)で原材料の生産と精製、米テキサスと台湾の2カ所で精製事業を展開している。こうした半導体用の薬品は、100ppt(pptは1兆分の1)レベルを実現しており、半導体産業の回復を受け、順調に拡大した。同社はさらに、半導体メーカーが今後、新規投資する300ミリ、微細化に対応した高純度薬品を投入する。大口径・微細化は純度を1ケタ上げた薬品が求められるため、コンタミとしてのパーティクルと金属成分を極限に抑えた10ptレベルのアンモニア水系高純度品(商品名・MC1)を供給するもので、さらに、従来何工程も必要だった洗浄を2ステップで完了、省力化に貢献する。


2002/9/26 e-Plastics 中国・ASEANニュース速報

ステラケミファ、工場稼働で域内掌握へ        会社発表

 高純度薬品大手のステラケミファ(本社:大阪市、
深田純子社長)は25日、5,000万Sドルを投じたシンガポール工場を正式稼働した。今後2〜3年で2倍の生産増強を行い、東南アジア諸国連合(ASEAN)の市場シェアを現在の80%から100%まで引き上げたい考えだ。
 シンガポール工場は、シリコンのエッチング(表面腐食)に利用される超高純度フッ化水素酸とバッファードフッ酸を当初年間1万トン生産する。ステラケミファ・シンガポールの高野順社長によると、2〜3年後をめどに施設を増強、生産量を年間2万トンへと引き上げる計画だ。
 ステラケミファが日本以外に生産施設を持つのはこれが初めて。半導体、液晶向けの需要が高まっており進出を決めた。
 日本の施設では現在、同種の製品を年間2万5,000〜3万トン生産しており、市場シェアは世界で66%、ASEANで80%。
 シンガポール工場を増強し2万トンの生産開始以降は、ASEANシェアの100%掌握を狙う。すでに韓国などでは100%のシェアを握っている。
 シンガポール工場からの出荷先は、ASEAN向けが5割超となる予定で、このほかに台湾、欧米などにも輸出される予定。
 2万トンの生産が開始された以降の売上高は3,000万Sドルが予想される。同社は、資本金1,170万Sドルで昨年1月に設立。ジュロン島の同工場は、面積が1万7,478平方メートル。30人を雇用する。
 国内企業では、チャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリングを筆頭に大手各社に供給する。
 稼働式典に参加した、経済開発庁(EDB)のテオ・ミンキャン長官は、準備中のチャータード第7工場を例に挙げ、「300ミリメートル(12インチ)ウエハーは、200ミリメートル(8インチ)ウエハーの3〜4倍の薬品を使用すると聞いている」と話した。


化学工業日報 2005/11/4

ステラケミファ、フッ酸1万トンの新プラント建設

 高純度フッ化水素酸の世界最大手、
ステラケミファ(本社・大阪市)が30億円近い設備投資を計画していることが明らかになった。フッ酸年1万トンの新プラント建設と、新製品の大型リチウムイオン電池用電解材料の増産で来期に実施することを決めている。

 同社は、今中間期で前年同期比4%増以上の売上高94億円超、経常利益も同18%増の約14億円を計上し、通期では売上高約192億円、経常利益約25億円を達成する見通しで、来期には上場後の当初の目標であった年商200億円突破がほぼ確実。これを受けて年商300億円超の実現に向けた投資計画が相次いで浮上している。

 フッ酸の生産能力は現在、日本国内が2万5000トン、シンガポールが1万トン。生産が追いつかない状態が続いており、三宝工場(大阪府堺市)に20億円を投じて新プラントを設置する予定。これによってグローバルで年産4万5000トン体制が整うことになる。
 


ステラ ケミファ シンガポール
(STELLA CHEMIFA SINGAPORE PTE LTD )

 ステラケミファでは、年々需要の高まるシリコンウエハ半導体および液晶用超高純度フッ化水素酸・バッファードフッ酸の安定供給をはかるために、シンガポール共和国に100 %出資による「ステラケミファ シンガポール(STELLA CHEMIFA SINGAPORE PTE LTD )」を2001年1月に設立しました。
 シンガポール進出は、技術力が高く、少数精鋭の人員で操業可能な産業の強化を望むシンガポール政府経済開発庁(Economic Development Board )の誘致によるものです。
 同国ジュロン島マリマウ地区に生産プラント・ロジスティック棟・事務所棟からなる工場設備(敷地約25,000 u)をこの度オープンいたしました。9月25日に行いましたオープニングセレモニーには、シンガポール政府をはじめ多数のお客様にご出席いただき盛会俚に開催されました。
 シンガポール工場は、シリコンウエハ半導体および液晶用超高純度フッ化水素酸・バッファードフッ酸の両製品を合わせて年産2 万トンを見込んでおり、半導体用薬液の新たな生産拠点としての役割を担うことになります。また、世界の半導体メーカーのあらゆるニーズに対応できるよう4 品目50 種類の薬液を品揃えし、シンガポール国内のみならずアジアの拠点として、マレーシアなどの周辺のアジア諸国に展開する半導体工場向けの製品供給のほか、ヨーロッパなどへも輸出していく予定です。

会社概要

・設立   2001 年1 月20 日
・資本金   1,170 万S$
・代表   Managing Director 野順
・社員数   30 名


ステラ ケミファ株式会社
    http://www.stella-chemifa.co.jp/

本 社   大阪市中央区淡路町3丁目6番3号(NMプラザ御堂筋3F)
代表者   取締役社長 深田 純子
創 業   1916(大正5)年2月1日  当社の母体となる橋本升高堂製薬所が創立
設 立   1944(昭和19)年2月1日 橋本化成工業株式会社設立
    1990 社名を橋本化成株式会社に変更
    1997 ステラ ケミファ株式会社に社名変更
資本金   31億8 千万円
従業員   197名(男:179名 女:18名)

創業・ベンチャー国民フォーラム 
 
http://www.js-venture.ne.jp/cgi-bin/jpc/02/027/p027_00.cgi?theIV_ID=19&theTBL_ID=1

ステラケミファ株式会社 代表取締役 深田 純子 氏
薬品会社を引き継いだ4代目女社長
  化学の技術をIT分野に生かして、1部上場

 「創業の苦労はどこでしても同じ。どうせやるならワシの会社でやらんか!」
 ステラケミファ社の主力製品は、売上のほぼ半分を占める半導体用薬液(フッ素水素酸=フッ素など)。その半分は輸出されているが、国内シェア60%以上、海外では80%のシェアを誇る文字通りのトップ企業だ。
 フッ素化合物に次ぐ商品は、リチウムイオン電池の電解質の基になる六フッ化リン酸リチウム。リチウムイオン電池は携帯電話やデジタルビデオカメラ、ノートパソコンなどの小型化に欠かせない"夢の電池"といわれ、こちらも需要増がさらに見込める有望株といわれている。このほか、オゾン層を破壊しないという代替フロンの原料など数多くのフッ素化合物(フッ化物)や医療分野で応用の可能性が高い濃縮ボロン(ホウ素)などの開発・製造を行っており、IT分野の最先端産業に欠くことの出来ないフッ素化合物を高い技術で生産する数少ない企業の一つである。

 深田氏が4代目社長として同社を引き継いだのは1987年。深田氏41歳のことだった。短大の家政科を出て23歳で見合い結婚。専業主婦で「経営」にも「起業」にも縁はなかったが、社長候補とされていた前夫が退社したことを契機に、別居、離婚へと進む。子育ても終わっていたので、服飾デザインの仕事でも始めようとしたとき「創業の苦労はどこでやっても同じ。ワシの会社でやらんか」と父の強い勧めで入社した。

 周囲の反対を押し切って社内の大改革
 「ワンマン社長の娘、何の経験もないお嬢さんに何ができる」。当然、社内の空気は冷たかった。しかし、「中途半端は駄目」が持論で、「やる以上は社長になる。なれないなら辞める」。そう決意して、社内にもそう公言した。
 まず、「良くも悪くもオーナー企業」の体質改善に取り組んだ。具体的には、徹底した社内の意識改革、業務の合理化などを実施した。
 「社長がやれと言うからやる」。保守的で積極性に欠ける社員。「会社を背負って立つのは自分たち」であることの自覚とやる気を喚起させることに努めた。若い社員を登用し、94年に自身が社長に就任するまでに役員を総入れ替えした。役員の定年も設けた。「古参役員の抵抗は気にしませんでした。そうしないと、間違いなく近代化に遅れをとる」。そう確信して改革を進めた。納品伝票など、ほとんどが手書きだった事務処理もコンピュータ化によって合理化を図った。
 2000年6月からは、社内改革の大きな事業として全社員に年俸制を導入した。評価基準は大きく分けて「仕事の結果」と「仕事に対する取り組み姿勢」。中高年社員より若手社員の年俸が高いという逆転現象も起きているが、社員の反発はないという。
 これを、ステラケミファでは、実力主義と言わず、「挑戦主義」と言い換えている。「マニュアルのないところで考え、工夫し、トライして結果を出す力」を実力と定義。まず、どれだけ挑戦するかである、というのが年俸制の精神だ。

 製薬会社として1916年(大正5年)に創業、フッ素化合物の製造を始めるのは30年(昭和5年)。以来、長年にわたって蓄積した技術力が会社を支えている。特許の数は400件にのぼる。実際に有効性のあるものはその4分の1ぐらいだが、技術革新に積極的なのは「技術屋だった」先代社長によるところが大きい。
 しかし、その高い技術力を生かして高純度フッ素化合物に特化し、時流に合った製品開発に取り組んできたのは深田氏であった。バブル崩壊で業界再編が求められる中、入社7年後の94年、48歳で社長に就任した深田氏は、大量生産志向から、先端産業にターゲットを絞った高付加価値製品志向へと戦略をシフト。転換期の厳しい環境変化に順応してステラケミファを99年に大証二部、翌年10月には念願の東証、大証1部上場の会社に成長させた。 「恐れないで、信じたことをやっていくことだと思います。精神論的な発想ですが、絶対にやり遂げる、絶対ものにしてみせる、という強い意思が成就への道」という。
 「私の場合は上場が大きな目的でした。しかし、株式市場に対する知識があったわけでもありません。市場を分析する能力もありませんでした。が、上場への強い思いが、時も天も味方してくれたのだと思います」

 優れた起業家であり優れた経営者であること
 同族経営の会社を引き継いだ深田氏はたぐいまれな経営手腕を見せて、今日のステラケミファを築いた。それは父親から受け継いだ経営者の「血」によるものかも知れない。一方で、高純度フッ素化合物生産への特化など、市場を見極めて資本を投下していくさまは、まさに「ベンチャー企業家」の躍動感がある。
 「私は冷静、これが最高とは思わない。もっといいものがあるのでは、と客観的にものを見る目があります」。それと「チャンスでは決断が早い」と言う。「リスクはどんな場合でもあります。リスクのないものはありません。それを恐れていては何も出来ません」
社員全員の年俸制導入もそうだが、2002年操業を目指してシンガポールに建設中のフッ素化合物製造工場の進出も、シンガポール政府から打診があって半年もかからないでの決定だった。
 経営者としての資質の1つ、決断の速さは深田氏の持って生まれた性格もあるが、日頃磨いた感性によるところが大ともいう。
 オペラ、能、フラメンコ、ソーシャルダンス、ガーデニング、ダイビング、動物好きで犬、猫も飼っている。最近では趣味が嵩じて高知県に海洋研究所を設立した。「これが私の栄養源」と言う深田氏の起業家・経営者としての感性は、多趣味によって磨かれているのかもしれない。


2003/10/15 東京応化工業

台湾での事業拡大に関するお知らせ
(生産能力の増強およびユーザーサポート・販売拠点の新設について)
   
http://www.tok.co.jp/news/news_pdf/tw_new_office_capa_increase-j.pdf

 東京応化工業株式会社および長春石油化學股有限公司(長春石化社)との合弁会社、台湾東應化股有限公司(台湾東應化社)は、半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュールの各分野のフォトリソグラフィ工程で主として用いられる高純度化学薬品の生産能力増強と、台南地区にユーザーサポート・販売の拠点の新設を決定いたしましたので、お知らせいたします。
 台湾東應化社は、これまで積極的な活動により新規顧客の獲得をすすめ、順調にその業容を拡大させてまいりました。今後も一層の事業拡大を図るため、台南地区を中心とした台湾南部におけるユーザーサポートの充実と新規市場での販売の強化を目指す拠点の新設と、また、半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュール分野での製造用材料の需要増加に対応する同社苗栗工場の生産能力の増強を行うものであります。
 新拠点、台南営業所にはセールスエンジニアが常駐し、最先端の微細加工技術を必要とする半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュールの各分野において、フォトリソグラフィに関連する高純度化学薬品等の製造用材料、ならびに塗布装置等の製造用装置のユーザーサポートと販売を行う予定であります。
 また、この苗栗工場の生産能力増強は、特に第5 、第6 世代と投資の進む液晶ディスプレイ分野での需要拡大に応じ、安定的な供給体制を構築するもので、この増強により台湾東應化社の生産能力は倍増することとなります。
 当社グループでは、顧客に密着したグローバルなサポート体制の構築をアジア、北米、欧州の各地域において推進しており、アジア地域では台湾東應化社、上海、シンガポールの駐在員事務所、今月業務開始予定のソウル営業所と着実に拠点の整備を行ってまいりました。台湾は、東京応化グループにとって重要戦略地域の一つであり、子会社である台湾東應化社を軸として、重要なパートナーの長春石化社を含めた長春グループと連携し、きめ細やかなユーザーサポートと安定供給を行うことにより、さらなる事業の拡大を図ってまいる所存であります。
※長春グループにつきましては、こちらのホームページ(http://www.ccp.com.tw/)をご覧下さい。

生産能力増強の概要

(1)工場名   台湾東應化股有限公司 苗栗工場
(2)所在地   苗栗市福安里福星246 號
(3)増強品目   半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュール製造用シンナー・
剥離液・フォトレジスト現像液
(4)工事内容   工場棟、生産設備、倉庫棟の建設等
(5)面  積   約1,600 u
(6)完成予定   2003 年8 月および2004 年6 月
(7)投資予定   約NT$58,000,000-
     
台南営業所の概要
         :    
(1)名称   台湾東應化股有限公司 台南営業所
(2)所在地   永康市中華路425 號17 樓之3  中華世貿大樓
(3)活動内容  
半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュール製造用フォトリソグラフィ関連製造用材料のユーザーサポートおよび販売
    半導体、フラットパネルディスプレイ、パッケージモジュール製造用装置のユ
ーザーサポートおよび販売
(4)人員   5 名(当初)のち10 名
(5)業務開始   2003 年10 月1 日

 


東京応化工業株式会社

 事業内容

半導体・フラットパネルディスプレイ・プリント配線板等の製造用感光性樹脂(フォトレジスト)・付属薬品を中心とした製造材料、半導体用・液晶パネル用製造装置などの各種プロセス機器、印刷材料、その他無機・有機化学薬品等の製造・販売