旭硝子、PDP用光学フィルターを増産
旭硝子は29日、PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)用部品の光学フィルターを増産すると発表した。主力生産拠点の愛知工場(愛知県武豊町)を中心に近く工事に着手。9月までに月4万枚の生産能力を8万枚に倍増する。増産により2年後に100億円の売上高を見込む。
PDP用の光学フィルターは画面の前面に取り付ける部品。画面の明暗や色を鮮明にするほか、画面から出る電磁波や赤外線の遮断に不可欠な部品となっている。
同フィルターは強化ガラスを特殊なフィルムで挟む構造。最終組み立ての愛知工場とフィルムを生産する千葉工場(千葉県市原市)でラインを新増設する。総投資額は20億円。
2002.5.29 旭硝子株式会社
PDP光学フィルター製造設備を増強
http://www.agc.co.jp/news/2002/0529.html
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)光学フィルターの製造設備を増強することを決定しました。本件の総投資額は約20億円、増強完了は本年9月で、現在4万枚/月の生産能力は、今回の増強により8万枚/月になる予定です。
PDPは薄型・大画面の新型ディスプレイとして、来るべくデジタルネットワーク時代を支える最も有望な表示装置として注目されています。現在の空港や店舗における公衆表示、広告宣伝などの業務用に加え、テレビ、ホームシアターなどの民生分野への急速な需要拡大が期待されており、2001年に全世界で40万台の生産量であったものが2005年には400万台まで成長すると予測されています。
PDP光学フィルターはパネルの前面に取り付けられ、1.明暗コントラストや色再現性の向上、2.パネルから放出される電磁波や赤外線のカット、3.周辺映像の画面への映り込み防止、4.パネルの破損防止、など様々な機能を併せ持つPDPの重要な部材の一つであり、PDPの生産量増加とともにその需要は急速に伸びています。このような需要動向を受け、当社ではPDP光学フィルターの製造設備増強を行うことを決定しました。
今回行う主な投資の内容は以下の通りです。
・ 反射防止フィルムのガラスへのラミネート(貼合)設備の増設(当社愛知工場他)
・ フィルムへの透明導電膜スパッタリング設備の新設 (当社千葉工場)
当社は1.光学フィルターの主要部材である反射防止フィルム(商品名:「アークトップ」)及びガラスを自社で製造していることによるコスト競争力、2.スパッタ技術に関する蓄積されたノウハウ、3.光学フィルターの他にガラス基板やフリット・ペーストなど、様々な部材でPDPメーカーと取引していることによる顧客情報の共有、などを強みとし、現在PDP光学フィルターでは全世界で1位の約50%の販売シェアを持っています。
今後も需要の拡大に応じ適宜設備投資を行い、2004年に約100億円の売上を目指します。
日本経済新聞 2003/2/20
プラズマパネル用フィルター 旭硝子が中国生産
旭硝子は中国でプラズマパネル用光学フィルターを事業化する。国内でパネル生産を委託するフジプレアム(兵庫県姫路市)と組み、上海で来年4月までに製造会社と販売会社を設立、初年度に年産60万枚の生産体制を整える。顧客となるパネルメーカーが中国生産を拡大するのに対応する。他のフィルターメーカーも追随しそうだ。
同フィルターは画面への外光の映り込み防止や、画面から発生する電磁波や赤外線を遮断するほか、画面の色合いを鮮明にする役割を持つ主要部材。ガラス基板にフィルムや導電層を形成した構造で、パネル前面に取りつける。
上海に設ける製造会社はフジプレアムが設立し運営。原料となるガラスやフィルム類を旭硝子が供給し、完成したフィルターは全量、旭硝子が設立する販売会社が引き取る。投資額は十億円程度とみられる。旭硝子は同フィルターの世界市場で5割のシェアを占め、現在国内で自社生産と外部委託で年産100万枚程度の生産能力を持つ。
プラズマディスプレイパネル用光学フィルターを本格量産化
旭硝子(株)(本社:東京、社長:瀬谷博道)は、大型カラーPDP(プラズマディスプレイパネル)用光学フィルターの量産技術を確立し、このたび国内2工場に生産拠点を設置して本格的な供給を開始しました。
当社はこれまで、反射防止コート・透明導電膜等の技術をベースとして、液晶ディスプレイ(LCD)の保護パネル等各種ディスプレイの前面に配置される高機能パネルおよびパネル用部材を供給してきました。大型カラーPDPについても、前面に配置される光学フィルターの開発を進め、求められる特性である電磁波カット性能を、従来技術であるメッシュスクリーンを使用することなく、高い透明性と優れた画質を実現するガラス基板への透明導電膜スパッタリング技術によって実現しました。同時に、近赤外線カット性能、色調補正特性、低反射性を有する光学フィルターの量産技術を確立しました。
当社の技術は各PDPメーカーから高い評価を受け、96年秋より正式採用され既存設備を利用して供給を開始しました。この1年間の納入数量は約1万枚に達していますが、当社は今後の大型カラーPDP市場規模の急速な拡大に対応するため、光学フィルターの量産化を決定し本格的な供給を開始したものです。今回、当社千葉工場に光学フィルター表面に使用する低反射フィルム「アークトップ」の量産設備を新設し、愛知工場にフィルムラミネート設備を新設することにより、千葉でフィルムを生産し愛知でガラス基板を加工する体制を整え、生産能力は年間約5万枚に拡大します。さらに98年夏までに同15〜20万枚への能力増強を計画しています。
今回本格量産を開始する光学フィルターの特長は次の通りです。
1. | 画質に悪影響を与えるメッシュスクリーンを使用することなく、高い透明性(70%)を備えた透明導電膜によって電磁波をカット。 | |
2. | リモコン等への妨害の原因となる近赤外線を95%以上カット。 | |
3. | 画像の色調を補正し美しい色を再現。 | |
4. | 低反射フィルムの使用により外光反射率1%台に抑え、写り込みを防止。 | |
5. | 基板に強化ガラスを使用し、表示パネルを物理的な衝撃から保護。 |
当社は、現在市場ニーズの高い40インチ級PDP用の光学フィルターを中心に生産を行っていますが、需要に応じて50インチ以上、あるいは30インチ以下のサイズも生産する予定です。また市場の要求により、さらに高い特性のものを開発中です。販売金額は2000年に約100億円を目標としています。
《ご参考》
電磁波規制 | ||
国内ではTV用としては電気用品取締法、情報処理端末としてVCCIの規格があります。PDPにおいては、規制をクリアするために従来技術として「金属メッシュスクリーン方式」がありますが、透過率が50〜55%と低く、画像にモアレ現象が生じやすい、という問題点がありました。 | ||
: | ||
透明導電膜 | ||
絶縁体であるガラスの表面に物理的製膜法(スパッタ法、真空蒸着法)、化学的製膜法(CVD法)等により、Ag、ITO、SnO2等の透明な導電膜を製膜します。用途としては液晶用、太陽電池用、タッチパネル用、帯電防止用等があります。表面抵抗値は低いもので数Ω/□(*1)、高いもので10の8乗Ω/□です。 | ||
*1Ω/□: | ||
オームスクウェア。正方形の基板であれば、大きさに係わりなく抵抗値は同じになる。 | ||
近赤外線(NIR) | ||
PDPのプラズマガス放電によって発生する、波長0.8μm(ミクロン)以上の赤外線。リモコンで使用する波長と重なるため、光学フィルターによってNIRを選択的にカットします。 | ||
反射防止(低反射)コート | ||
低屈折率の薄膜による光学干渉を利用して表面反射(写り込み)を低減し、透過率を向上させるもので、成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法のほか、本製品に応用されている「アークトップ」のようなウェットコート法などがあります。 | ||
低反射フィルム「アークトップ」 | ||
透明フッ素樹脂「サイトップ」を薄膜層としてウェットコートした、耐擦傷性に優れる光学フィルムです。反射防止・色調補正・NIRカット・飛散防止などの機能を備えています。 |
2002.7.18 旭硝子
TFT―LCD用ガラス基板製造能力を増強
旭硝子(株)(本社:東京、社長:石津進也)は、TFT−LCD(薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ)用ガラス基板の製造能力を増強することを決定しました。今回の増強では、関西工場におけるガラス基板製造窯の新設、及び台湾でのガラス基板研磨ラインの増設を行います。 本年8月より着工し増強完了は2003年10月の予定です。総投資額は約170億円を見込んでいます。尚、今回の増強により総生産能力は、ガラス基板製造窯4基フル稼働時1000万u/年になる予定です。
TFT−LCDの需要は、ノートPC用途が今後も順調に増加する上、PCモニター用途においてもノートPC以上の増加が予想され、加えてTV用途も本格的な立ち上がりが期待されることから、2005年頃までは年率30%程度増加するものと見込まれます。またTFT−LCDパネルメーカーは、大型の基板を利用したコストダウンを意図しており、今後は1m角以上の「第5期サイズ」ガラス基板が主流になると言われています。
当社のガラス基板は、他の基板メーカーとは異なりフロート法で製造しており、大型の基板を大量に生産するのに適しています。TFT−LCDの需要増加と、TFT−LCD用ガラス基板の大型化要求は、当社がさらに本事業を拡大し、TFT−LCD用ガラスでの「Global
NO.1」を目指す、大きなビジネスチャンスであると捉え、TFT−LCD用ガラス基板の製造設備能力増強を決定しました。今回行う能力増強の内容は以下の通りです。
ガラス基板製造窯の新設 | ||
当社として4基目に当たるTFT−LCD用ガラス基板製造窯を関西工場(兵庫県尼崎市)に新設します。新設窯は主に1m角以上の超大型ガラス基板をターゲットとしており、超大型サイズ基板の効率的な複数列生産を行うため、約4m幅でのガラス基板製造を可能にしました。この窯の製造能力は、弊社既存製造窯の2倍弱の400万u/年であり、設備投資額は約120億円です。 | ||
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ガラス基板研磨ラインの増設 | ||
2001年に研磨ラインを稼働させている旭硝子ファインテクノ台湾社(斗六市、出資比率100%)において、第5期サイズのガラス基板をターゲットとしたTFT−LCD用ガラス基板研磨ラインを増設します。新ラインの設備投資額は約50億円です。 日本国内の旭硝子ファインテクノ社(山形県米沢市、出資比率100%)でもTFT−LCD用ガラス基板の研磨を行っていますが、今後TFT−LCDパネルの生産量が台湾において大幅に増加すること、また台湾のTFT―LCDパネルメーカーが日本国内に先行して第5期サイズのガラス基板を採用する見込みであることから、台湾で増設を行うことにしたものです。 当社は、ガラス基板の大型化に適した製法「フロート法」の特長を活かし、増加する需要に対応することで、TFT−LCD用ガラス基板事業の拡大を進めます。 |
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<ご参考> | ||
1.当社製TFT−LCD用ガラス基板の特徴について | ||
(1) | 当社は、TFT−LCD用ガラス基板の製造プロセスにフロート法を採用している世界で唯一のガラスメーカーです。フロート法で生産され、1998年に上市した当社製品「AN100」の大きな特徴は、以下の通りです。 | |
1. | 大型ガラス基板を大量に且つ安定的に供給できること | |
2. | 他社のガラス基板に比べて、高ヤング率(高剛性)であるために、顧客ライン搬送中のたわみ量が少ないこと | |
3. | 反りや板厚偏差(板厚のばらつき)が小さく、熱的寸法安定性にも優れていること | |
(2) | 今後TFT−LCD業界で主流化する第5期(1m角以上のサイズ)ラインで使用される大型ガラス基板に求められる特性を充分に備えている商品が「AN100」であり、当社のお客様からも非常に高い評価を得ています。 | |
(3) | 当社の「AN100」は製造工程で有害物質であるAs2O3(亜砒酸)Sb2O3(アンチモン) を使用していない唯一のTFT―LCD用無アルカリガラス基板であり、環境問題にも充分な配慮をした製品です。 |
2.旭硝子ファインテクノ台湾社の概要
(1) 商号 | 旭硝子發殷科技股イ分有限公司 | |
[英名:Asahi Glass Fine Techno Taiwan Co., Ltd] | ||
(2) 本社及び工場所在地 | 台湾 斗六市 | |
(3) 代表取締役社長 | 熱田 正次 | |
(4) 資本金 | 1,149 million New Taiwan$ | |
(5) 株主 | 旭硝子(株) | |
(6) 営業品目 | TFT−LCD用ガラス基板 | |
(7) 設立年月 | 2000年7月 | |
(8) 従業員数 | 132名 |
3.旭硝子のTFT-LCD用ガラス基板製造フロー
印刷レス導光板の量産技術の開発について
旭化成工業株式会社(社長 山本一元)は、モニター等の液晶画面に使用されるアクリル樹脂製導光板について、後加工(パターン印刷)を省略する、画期的な射出成形技術を確立しましたので、お知らせします。
1 背景・経緯 | |
: | 導光板は、パソコンやモニター等の液晶画面に使用されているアクリル樹脂成形品であり、画面を背面から発光させる機能があります。 画面の輝度をムラなく高めるためには、導光板の表面に数〜数十μmの微細なパターンを加工する必要がありますが、従来の射出成形技術では、金型表面の微細部分に樹脂が充分に入り込まず、細かなパターンを忠実に転写しづらいという問題がありました。 このため、導光板の製造では、アクリル樹脂板を成形した後、表面に光を反射させるパターンを印刷するという、二段階の工程が必要であり、コスト面から課題とされていました。 |
2 今回開発した技術 | |
今回、旭化成が開発した技術は、導光板の製造過程において、金型からアクリル樹脂への転写性を著しく向上させるもので、従来必要とされたパターン印刷が不要になる(印刷レス導光板)という、画期的な技術です。 また、 |
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(1)金型表面状態を忠実に転写できるため、最適なパターン設計が容易となる (2)金型の種類(直彫り、電鋳、スタンパなど)を問わない (3)従来、技術的に困難とされた大画面(15インチ以上)用途にも適用可能 など、導光板業界のニーズを先取りした技術であることが実証され、今回の実用化につながりました。 |
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3 今後の展開 | |
旭化成は、導光板用途のアクリル樹脂販売において、日本(世界)でトップのシェアを保有しており、かねてからこの印刷レス技術の実用化を検討していましたが、この度、量産技術の確立に成功しました。 バックライト業界最大手の油化電子株式会社での採用も決定し、今後の導光板分野では、この印刷レス方式による生産が主流になると見込まれています。 旭化成は、今後、国内外のモルダーに対し、新技術をライセンスすることで幅広く展開していくとともに、アクリル樹脂の拡販にも繋げてゆく計画であります。 |
液晶画面(導光板)の模式図
液晶用カラーフィルターの製造販売会社を設立
三菱化学株式会社(本社:東京、社長:三浦 昭)と旭硝子株式会社(本社:東京、社長:瀬谷博道)は、北九州市八幡西区黒崎において、カラー液晶パネルの部材として使用されるカラーフィルターの製造販売会社「アドバンスト・カラーテック株式会社」を合弁で設立することでこのほど合意しました。
液晶用カラーフィルターは、カラー液晶パネルを構成する重要部品のひとつで、透明なガラスの基板の上に、赤・緑・青の顔料を含む微小な樹脂膜を規則的に配列したものです。現在の市場規模は約1,000億円で、2000年には約2,000億円の市場まで成長するものと見込まれています。カラー液晶パネルは軽量・薄型・省電力の表示素子として、ノートブック型パソコン向けを中心に、携帯表示端末やカーナビゲーションシステム、ゲーム機器などの多彩な用途に使用されており、その需要は年々拡大の一途を辿っています。最近はカラー液晶パネルのサイズも大型化し、デスクトップパソコンモニターとしての用途も広がってきており、21世紀にはディスプレイの主役になると予測されています。
三菱化学株式会社は、長年にわたる化学素材の製造に関する技術の蓄積や経験を基に、カラーフィルター用としての樹脂や顔料の材料開発を続けてきています。平成6年からは、これらの材料を使用したカラーフィルター
を製造するための生産技術の開発にも着手し、黒崎事業所内に設置したパイロットプラントで試作を重ねてきました。一方、旭硝子株式会社は、液晶素子の草創期からガラス基板の供給を開始し、現在ではTN、STN液晶用のソーダガラス基板や透明電導膜付きガラス基板のみならず、TFT液晶用の無アルカリガラス基板や金属膜付きガラス基板など、液晶用ガラス材料を総合的に供給する素材メーカーとなっています。
両社ともに、液晶用カラーフィルター事業は今後の大きな伸びが期待できる成長分野であるとの認識で一致し、両社の持つ材料技術や生産技術の蓄積を最大限に活かして市場に参入することが望ましいとして、今回合弁事業を行うことで合意しました。新会社の出資比率は、三菱化学
50%、旭硝子 50%で、資本金は30億円の予定です。
なお、「アドバンスト・カラーテック株式会社」の設立は平成9年6月、着工は7月上旬、営業運転開始は平成10年夏の予定です。新会社は、北九州市八幡西区黒崎の三菱化学黒崎事業所の敷地を借受けて工場を建設します。新会社の総投資額は約100億円の見込みで、平成10年初年度(8ヶ月間)の売上げは、約40億円、次年度は約100億円を目標にしています。
《ご参考》
1.アドバンスト・カラーテック株式会社 概要
@本社所在地 | 福岡県北九州市八幡西区黒崎 | ||
A工場所在地 | 同 上 | ||
B社 長 | 広田 郁夫(旭硝子) | ||
C資 本 金 | 30億円 | ||
D出資 比率 | 三菱化学(株) 50% 旭硝子(株) 50% | ||
E従 業 員 | 約100名 | ||
F設 立 | 平成9年6月 |
2.液晶用カラーフィルター製品説明
@液晶用カラーフィルターの構造
A液晶用カラーフィルターの製造工程
ガラス基板投入
↓
BM(ブラックマトリックス)形成
↓
カラー(R.G.B.)形成
↓
保護膜形成
↓
ITO(透明電導膜)成膜
↓
検査 ・ 出荷
2002/10/31
大日本印刷、旭硝子、三菱化学
アドバンスト・カラーテックへ大日本印刷が資本参加
大日本印刷株式会社(社長:北島義俊 資本金:1,144億円 本社:東京 以下『DNP』とする)、旭硝子株式会社(社長:石津進也 資本金:904億円 本社:東京 以下『旭硝子』とする)および三菱化学株式会社(社長:冨澤龍一 資本金:1,450億円 本社:東京 以下『三菱化学』とする)は、旭硝子と三菱化学が折半出資する合弁会社で、液晶ディスプレイ用カラーフィルター業界第3位のアドバンスト・カラーテック株式会社(社長: 山本正弘 資本金:50億円 本社:北九州市 以下『ACTI』とする)の株式について、DNPが旭硝子、三菱化学のそれぞれから40%ずつを取得することで本日合意しました。
今回の資本参加は、さらに拡大が期待される液晶ディスプレイ市場において、カラーフィルターの生産能力の拡大と技術開発力向上をめざすDNPの戦略と、旭硝子の大型基板ガラス、三菱化学のカラーレジストなどのカラーフィルター向け高機能材料事業に経営資源を集中し、第三者との資本提携によるACTIの更なる競争力強化を図る旭硝子、三菱化学の戦略が一致した結果です。
ACTIは、旭硝子、三菱化学の素材技術との融合により、現世代カラーフィルターの技術のみならず、次世代カラーフィルターの開発においても優位性を創出してきました。ACTIが、旭硝子、三菱化学両社から許諾されていたカラーフィルターの製造に係わる技術については、今後も継続してACTIに許諾されることになります。ACTIの先進的なカラーフィルター製造技術は、今後ますます基板サイズの大型化が進むカラーフィルター業界で、現在最も期待されている技術であります。ACTIのカラーフィルター製造については、北九州市の三菱化学黒崎事業所内で継続して行ないます。
DNPは、今回の資本参加でACTIをDNPグループの傘下におさめることになり、3.5世代以上の大型カラーフィルターの製造能力で、DNPグループとして業界最大手(14インチ換算で月産約260万枚)となるとともに、旭硝子、三菱化学の素材技術、ACTI独自の製造技術とのシナジー効果により、第5世代以降のカラーフィルター事業においても、技術的に優位な展開が可能となりました。
DNPグループは、液晶ディスプレイ用パネルの市場ニーズに対応するため、カラーフィルターの大型化と高機能化に向けて技術開発のスピードアップを図り、この事業でのリーディングカンパニーをめざします。
【会社概要】
アドバンスト・カラーテック株式会社
設立 | 平成9年6月23日 | ||
社長 | 山本 正弘 | ||
資本金 | 50億円 | ||
事業内容 | 液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造および販売 | ||
所在地 | 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1 | ||
売上額 | 平成14年度 220億円(予定) |
液晶ディスプレー(LCD
)用偏光板生産合弁会社発足について
住友化学工業株式会社(社長:香西昭夫、本社:大阪市)と大倉工業株式会社(社長:石黒治也、本社:香川県丸亀市)は、このほど、液晶ディスプレー用偏光板(偏光フィルム)の生産を目的とする合弁会社を発足させました。
液晶ディスプレー市場は、大型モニター、液晶テレビ用途の本格立ち上がりなどで今後も大幅な成長が期待されており、偏光板は、これら液晶ディスプレーに不可欠な部材です。偏光板の生産に関して、両社は、従来から協力関係を築いてまいりましたが、今般、新ラインを本年秋完成に向けて両社合弁で建設し、両社がこれまでに培った精密延伸加工技術の融合により、早急に安定供給体制の構築に努めてまいります。なお、合弁会社で生産される偏光板は、全量、住友化学が引き取り、製品化をいたします。
住友化学は、液晶ディスプレー用光学機能性フィルムの総合メーカーとして、今般の大倉工業との合弁をはじめとする事業基盤強化策を通して、需要家の皆様の多様かつ高レベルなニーズにお応えで
きる製品づくりに努めるとともに、さらなる事業の拡大に向けて積極展開を推進する考えです。
<新会社の概要>
1 .社 名 | オー・エル・エス有限会社 | |
(Optical Materials for LCD Systems ) | ||
2 .本 社 | 東京都中央区新川2丁目27番1号 | |
3 .社 長 | 長岡 宏行(住友化学)[専務:鴻池正幸(大倉工業)] | |
4 .発 足 | 平成12年6月5日 | |
5 .資本金 | 10 億円(両社折半出資) | |
6 .事業目的 | 液晶ディスプレー用偏光板の製造 | |
7 .製造設備 | (1 )立地 大倉工業(香川県丸亀市)内 | |
(2 )生産能力 400
万平方メートル/年 (3 )運転開始 平成12 年10 月予定 |
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8 .製品の引き取り | 全量住友化学が引き取り |
1998/9/12 住友化学
PDP(プラズマディスプレイパネル)用前面保護板の本格生産開始
住友化学は、21世紀の表示体として伸びが期待されるPDPに使用される前面保護板の生産体制を整え、このほど本格生産を開始しました。保護板の骨格となる近赤外線吸収アクリル板は、当社のアクリル板製造設備を増強することにより、また、電磁波吸収や反射防止性能を付与するための設備は新規に設置しました。
1.PDP前面保護板の機能
1) PDP の保護
2) 電磁波のカット
3) 近赤外線のカット
4) 光学性能の向上 (反射防止、カラーフィルター
等)
2.住友化学PDP用前面保護板の特長 | ||
住友化学のアクリル板製造技術と光学フィルムの製造技術を生かして、前面保護板として要求される性能を満足する製品を開発することに成功しました。具体的には、 | ||
1) | アクリル板の製造技術を生かした近赤外線領域をカットするアクリル板が保護板の骨格になります。ガラス製と比較して重量1/2 以下。 | |
2) | このアクリル板に、電磁波シールド性能と表面反射防止性能を付与しました。電磁波シールド性能は導電繊維メッシュあるいは導電フィルムを使用して、電磁波シールド規制をクリヤーできるようにしたものです。 | |
また、反射防止性能は当社が保有する材料から顧客の要望にあう性能を選択できます。 上記のように、住友化学が保有する幅広い基盤技術をもとに、顧客の種々の要求にこたえています。 |
3.住友化学PDP用前面保護板生産工場
場所 | : 住友化学・愛媛工場内および協力会社工場内 | |
能力 | : 10,000 枚/月(今後の需要増には設備増強で対応可能) | |
完成時期 | : 1998 年4 月 | |
売上目標 | : 2001 年に50 億円/年を目指す。 |