海外資産の売却について
日本ユニパックホールディンググループの大昭和製紙は、その海外子会社である大昭和カナダ社(Daishowa Canada Co. Ltd.)が所有するケネルリバーパルプ工場("QRP")の持分すべてを、合弁相手先であるウエストフレーザー社(West Fraser Timber Co.Ltd.)に下記内容にて売却することとし、この度同社との間で基本合意に達しました。
1.売却物件
大昭和カナダ社が所有するQRP工場の不可分な2分の1の権利
(QRP工場は合弁事業契約により運営されており、2分の1の権利はウエストフレーザー社が保有している)
2.売却先
ウエストフレーザー社(カナダの森林産業企業、本社:B.C.州ヴァンクーヴァー、トロント証券取引所に上場)
3.売却時期
平成14年10月末に売却完了の予定
4.売却理由
QRP工場は1981年の操業開始以来、日本国内での新聞用紙原料となるサーモ・メカニカル・パルプ("TMP")の供給拠点として、その役割を果たしてまいりました。一方、大昭和製紙は地球規模で対応が必要となる環境関連に配慮するとともに、収益性のよりいっそうの向上を図るために、DIPパルプ設備の新増設等による古紙パルプの活用を推進しております。
このような背景から、QRP工場の製品であるTMPの使用が減少するため、本事業開始以来の合弁相手先であるウエストフレーザー社と交渉してまいりましたが、今回売却の基本合意に達しました。
なお、日本のユーザー向けのTMP供給につきましては、従来どおり大昭和グループが継続してまいります。
5.諸条件について
ウエストフレーザー社との合意により、売却に係わる諸条件につきましては、公表を控えさせていただきます。
2000/3/27 大昭和製紙/日本製紙
事業統合について
今般、日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社は、「事業統合の趣旨と概要」記載のとおり、2001年4月1日に株式移転により共同して完全親会社を設立し、両社はその完全な子会社となり、事業の一体運営を図ることとしました。
今日の製紙業界は、情報・通信技術の革新に基づく洋紙需要の変化、経済のグローバル化による国際競争の激化など産業構造の急速な変化への新たな対応を迫られております。また、連結経営、キャッシュフロー経営、時価会計、退職給付会計、持合株式の解消など新会計基準への移行に伴い、経営効率向上への迅速な取り組みも緊急かつ重要な課題となっております。
以上の認識の下で両社は、連結ベースでの競争力の強化及び資本効率の向上等、経営上のメリットを追求する目的で一致し、まず中核事業である洋紙の製造・販売の一体運営を図るため、共同して持株会社を設立するとの合意に至りました。
今後、相互信頼と互譲の精神に基づいて、円滑な完全親会社の設立と、その下での両社事業の統合を鋭意進めていく所存です。本統合により多様化するユーザーニーズへのより迅速な対応を可能とするとともに、統合効果の実現により株主価値の更なる増大を図って参ります。長年ご愛顧を賜っております、お取引き先、株主各位をはじめ、皆様方のご理解と一層のご指導とご支援を切にお願い申し上げます。
■事業統合の趣旨と概要
基本精神
日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社は、それぞれ中期経営計画に基づいて、企業基盤の強化に取り組んできたが、経営環境の急速な変化に迅速に対応し、21世紀において競争力ある企業集団として発展するため、対等の精神の下で夫々の独自性、自立性を維持しながら事業運営の一体化を図ることとした。
基本スキーム
両社は株式移転により共同して完全親会社(以下共同持株会社という)を設立し、両社はその完全子会社として存続する。
共同持株会社の設立及び株式移転期日は2001年4月1日とする。
共同持株会社は、包括的経営戦略の策定と実施を主目的とし、組織は極力スリムなものとする。その運営にあたっては、傘下の日本製紙及び大昭和製紙のスタッフを利用して統合効果を実現していく。
共同持株会社の下に共同販売会社を設置し、対象品目を絞り込んで販売部門を統合する。
株式移転比率
株式移転比率は、株式会社日本興業銀行を含む複数の外部機関の評価を踏まえ、両社協議の上決定する。
社名及び役員
共同持株会社の社名は、両社協議のうえ、設立の日までに決定する。傘下の両事業会社は現状のまま日本製紙及び大昭和製紙とする。
共同持株会社の取締役の総数は10名とし、会長・社長各1名、副社長2名を置き、日本製紙が推薦する者6名、大昭和製紙が推薦する者4名とする。監査役は3名とし、日本製紙が推薦する者1名、大昭和製紙が推薦する者2名とする。
共同持株会社の会長は十河一元、社長は小林正夫とし、副社長各1名づつ及びその他の役員などの人事については両社協議の上決定する。
企業基盤の強化
両社は、共同持株会社の下で統合効果を早期かつ最大限に享受すべく努めると共に、自主・自立の精神で経営基盤の強化策を遂行し、世界的一流企業を目指す。
日本製紙は現在推進中の都島工場の閉鎖、5,500名体制の達成及び有利子負債の500億円の削減などを柱とした中期経営計画強化策を完遂する。
大昭和製紙は現在推進中の中期経営計画をさらに強化するものとして、統合効果を含めて3,000名体制の早期実現と、有利子負債1,000億円の早期圧縮を図る。
その他
事業統合に関する業務の遂行ならびに統合目的を速やかに達成するため、事業統合委員会を設置する。
当 事者の概要
(1)平成11 年3 月末時点
商号 | 日本製紙株式会社 | 大昭和製紙株式会社 |
設立年月 | 1949 年8 月(昭和24 年8 月) | 1938 年9 月(昭和13 年9 月) |
本店所在地 | 東京都北区王子1 丁目4 番1 号 | 静岡県富士市今井四丁目1 番1 号 |
代表者 | 取締役社長 小 林 正 夫 | 取締役社長 十 河 一 元 |
資本金 | 1,048 億円 | 318 億円 |
発行済株式総数 (額面金額) |
948,588
千株 (50 円) |
219,787
千株 (50 円) |
株主資本 | 327,411 百万円 | 60,371 百万円 |
総資産 | 849,185 百万円 | 541,945 百万円 |
決算期 | 3 月31 日 | 3 月31 日 |
従業員数 | 6,633 名 | 3,614 名 |
大株主及び持株比率 | 日本生命(4.22%)興銀(4.20) さくら銀(4.20)上位10 社 31.02 % |
大王製紙(9.99%)丸紅(9.68)齊藤商会(4.68) 上位10 社 46.84 % |
主要取引銀行 | 興銀・さくら | 興銀・富士 |
(2)最近3 決算期間の業績 略
(3)紙・板紙事業
日本製紙株式会社 | 大昭和製紙株式会社 | |||||
1997 年 | 1998 年 | 1999 年 | 1997 年 | 1998 年 | 1999 年 | |
紙生産量 | 3,150 千トン | 3,055 千トン | 3,182 千トン | 2,063 千トン | 1,961 千トン | 1,956 千トン |
同シェア | 17.2 % | 17.1 % | 17.3 % | 11.3 % | 11.0 % | 10.6 % |
板紙生産量 | 8 千トン | 6 千トン | 7 千トン | 631 千トン | 583 千トン | 610 千トン |
同シェア | 0.1 % | 0.1 % | 0.1 % | 5.0 % | 4.8 % | 5.0 % |
■事業統合後の姿
企業規模
連結売上高
日本の製紙業界ランキング(1998年度) 1兆2174億円 第1位 世界の製紙業界ランキング(1998年PPI誌より) 93億米ドル 第7位 (日本製紙 第10位、大昭和製紙 第33位)
国内グループ生産高(1999年)
紙生産量 591万5000トン シェア 32.2% (第1位) 板紙生産量 220万5000トン シェア 18.0% (第2位)
生産拠点
両社は工場立地・原材料調達・流通面において、極めて相互補完的な関係にあり、統合効果の最も発揮できる組み合わせである。(参照 両社の紙パルプ生産拠点)
統合効果
本統合によって両社の競争力は飛躍的に向上する。具体的には,以下のような施策により、年500億円程度の統合効果が期待できる。
施策 収益改善額/
年間1 生産・原料調達面 最適生産配分及び技術交流、原料・資材の共同購入等による
コストダウン及び生産余力の効率的活用250億円
2 販売・流通面流通機能の最適化による販売力の強化、製品原材料の在庫圧縮、
交錯輸送の回避及び消費地倉庫の共用化による物流合理化50億円
3 人件費・経費等販売拠点の統廃合、研究体制の一体化及び管理部門のスリム化、
人材の活用等による人件費・経費の削減100億円 4 重複投資の排除 生産設備投資、資源及び研究開発投資、IT投資等の削減による
コストダウン70億円 5 財務体質の改善等 有利子負債の削減効果 30億円 合 計 500億円
段ボール原紙を主体とする板紙共販会社設立について
今般、日本板紙株式会社と大昭和製紙株式会社並びに東北製紙株式会社の3社は、段ボール原紙を主体とする共同販売会社「日本板紙共販株式会社」を共同出資により設立し、3社の段ボール原紙を主体とする板紙販売体制を一元化することといたしました。
これにより、日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社との事業統合によって本年3月
30日からスタートいたします、日本ユニパックホールディング・グループの段ボール原紙を主体とした板紙分野の基盤をより強固にし、長年ご愛顧を賜っておりますお取引先や株主各位をはじめとする皆様の信頼に応えるとともに、多様化するユーザーニーズに一層適切かつ柔軟な対応を目指すものであります。
今後とも、3社は、お取引先の皆様や株主各位をはじめとする関係の方々のご理解を賜わり、ご協力をいただきながら、相互信頼と互譲の精神に基づいて諸準備を鋭意進めていく所存であります。引き続き、皆様方のご指導とご支援を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。
■日本板紙共販株式会社の概要
商 号 日本板紙共販株式会社
(ニッポン・イタガミキョウハン・カブシキガイシャ)資本金 3億円(予定) 出資比率 日本板紙株式会社 40%
大昭和製紙株式会社 30%
東北製紙株式会社 30%営業開始 平成13年7月の予定 従業員数 約90名(3社より出向) 営業拠点 東京、大阪、名古屋、仙台、札幌、福岡 年 商 約800億円
(参考1)共販会社が販売する段ボール原紙の販売状況(平成11年度実績)と生産工場
売上高
億円生産工場 日本板紙(株) 301 亀有、草加、足利、芸防 大昭和製紙(株) 202 本社工場吉永、白老 東北製紙(株) 168 秋田 合計 671 その他板紙 143 日本板紙(株)
亀有、草加、足利再計 814 注1. 3社合計の販売数量(平成11年度実績)は、段ボール原紙157万トンと
その他板紙約23万トン。
注2. その他板紙:チップボール、色板紙、石膏ボード原紙、紙管原紙、ワンプ、貼合品他
(参考2)共同出資会社3社の概要
商号 日本板紙株式会社 大昭和製紙株式会社 東北製紙株式会社 本店所在地 東京都千代田区神田
須田町1−3静岡県富士市今井
4−1−1秋田県秋田市向浜
2−1−1代表者 代表取締役社長
高橋貞春代表取締役社長
十河一元代表取締役社長
中内康夫資本金
(平成12年3月末)108億63百万円 317億84百万円 200億円 売上高
(平成12年3月期)773億87百万円 2,737億27百万円 372億27百万円 売上構成
(平成12年3月期)板紙 71%
洋紙他 26%
段ボール製品 3%板紙 15%
洋紙 80%
その他 5%板紙 45%
洋紙 39%
その他 16%なお、東北製紙株式会社の株主は、日本製紙株式会社1社(100%)です。
January 30, 2001
Daishowa Paper
Manufacturing Co., Ltd. of Japan announced today that it has
entered into an agreement for the sale of the shares of Daishowa Forest
Products Ltd., which includes a paper mill and related assets
located in and near Quebec City, Canada. The agreement was signed between Enron Industrial Markets,
LLC, a wholly-owned subsidiary of Enron Corp. of the United States and Daishowa North
America Corporation, a wholly-owned subsidiary of Daishowa Paper.
The main assets being sold
include a 515,000 metric ton newsprint, telephone directory and
paperboard mill, the Leduc sawmill, and Ste-Aurelie timberlands
located in the state of Maine. Daishowa purchased the Quebec mill
in 1988 from Reed International PLC. Improvements since 1988
include a TMP plant, a DIP plant, and improved and modernized
paper machines and paperboard machines.
The sale requires the
approval of certain governmental authorities in Canada and the
USA. Closing is expected around the end of March 2001.
子会社の異動を伴う株式の譲渡について
当社は、本日開催の取締役会にて、下記株式の譲渡について決議いたしましたのでお知らせいたします。
1 . 譲渡する株式当社の100 %子会社である大昭和北米コーポレーションが100 %出資する大昭和フォレスト・プロダクツ・リミテッドの全株式。
なお、当該譲渡により異動する主要な子会社は以下の通りであります。(1 )大昭和フォレスト・プロダクツ・リミテッド
@ 商 号 Daishowa Forest Products Ltd. A 代 表 者 社 長 Richard Kazuta B 所 在 地 181 Bay Street ,Toronto ,Ontario ,Canada C 設 立 年 月 1988 年8 月 D 事 業 内 容 北米での新聞用紙・電話帳用紙・板紙・製材品の販売 E 決 算 期 12 月 F 従 業 員 32 名 G 事 務 所 トロント本社、ケベック事業所他 H 業 績
総 資 産
売 上 高2000 年12 月期見込み(連結)
471 百万カナダドル
435 百万カナダドルI 最近事業年度における業績(連結)
(単位:百万カナダドル)
1998年12月期 1999年12月期 売 上 高 462 411 経 常 利 益 70 32 当 期 利 益 41 16 (2 )大昭和インク (大昭和フォレスト・プロダクツ・リミテッドの100 %子会社)
@ 商 号 Daishowa Inc. A 代 表 者 社 長 Richard Kazuta B 所 在 地 10 blvd des Capucins,Quebec,Canada C 設 立 年 月 1988 年8 月 D 事 業 内 容 新聞用紙・電話帳用紙・板紙・製材品の生産 E 決 算 期 12 月 F 従 業 員 1,138 名 G 事 務 所 ケベック工場、レダック製材工場 2.株式の譲渡先
エンロン・インダストリアル・マーケッツ
@ 商 号 Enron Industrial Markets LLC. A 代 表 者 社 長 Jeff McMahon B 所 在 地 1400 Smith St.,Houston ,USA C 事 業 内 容 紙・パルプ・製材・鉄鋼等金属の販売 D 資 本 関 係 米国エンロン・コーポレーションの100 %子会社
当社との関係はなし3.日 程
平成13 年1 月30 日売買契約締結
平成13 年3 月末クロージング予定
4.譲渡の理由および業績への影響額当社は、中期経営計画の一環として、国内への経営資源の集中によるグループ全体の体質強化を図るため、かねてから海外資産整理の検討を進めておりましたが、この度、当該海外子会社の株式譲渡を行なうことといたしました。この株式譲渡により大昭和北米コーポレーションにおいて株式売却益約12 億円が発生いたします。
なお、大昭和北米コーポレーションは、当株式譲渡後に、当社に対し同社発行の優先株式を償還(約360億円)し、当社は設備投資および有利子負債削減の原資といたします。
また、この償還に伴い発生する為替差損約175 億円は、平成13 年3 月期当社の特別損失に計上いたします。
当社は、平成13年3月末に日本製紙株式会社との事業統合を予定しており、更なる体質強化を図っていく所存です。
大昭和北米コーポレーション組織および還流資金の流れ
株式会社日本ユニパックホールディンググループの発足にあたって
本日、株式会社日本ユニパックホールディング(以下:日本ユニパックと言う)が誕生し、日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社はその子会社として、引き続き事業展開を図ることになりました。
多様化するユーザーニーズへの迅速な対応と、グループ全体の企業価値の向上を目指し、日本ユニパックの基本方針ならびに経営目標と、日本製紙および大昭和製紙の中期経営計画を策定しましたので、その概要を下記の通りお知らせいたします。
本日より、新たな経営形態でスタートしましたが、長年ご愛顧を賜って参りました日本製紙および大昭和製紙のお取引先、および本日より日本ユニパックの株主となっていただきました両社の旧株主の方々には、変わらぬご愛顧と、一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申しあげます。
【日本ユニパックの基本方針】
@ | 日本ユニパックは、日本製紙および大昭和製紙に対し、コスト削減など統合効果の早期実現を促進させ、国際競争力を備えた世界的一流企業グループの構築を目指す。 |
A | 日本ユニパックは、環境と共生して事業活動を行うことが企業存続の条件であるとの認識の下、「日本ユニパックホールディング環境憲章」を制定し、資源循環型企業集団として 存続・発展することを基本理念とする。 |
B | 日本ユニパックは、日本製紙と大昭和製紙に対し資本効率重視の経営を求め、グループ全体の企業価値の向上を図る。特に、平成15
年度までの3
年間において、次の事項を重点課題とする。 日本製紙は「経営資源の効率化の徹底と資源配分の流動化の推進」を通じて、日本ユニパックグループの発展基盤を整備する。 |
C | 日本ユニパックは、製紙事業を核とした成長戦略、グループ内企業再編成、事業の多様化 、海外戦略など、グループ全体を視野に置いた戦略の立案・調整を行う。 |
D | 日本ユニパックは、内外の投資家に対し公正で適切な情報開示を行うことを基本として、IR活動の一層の充実と積極化を図る。 |
【日本ユニパックグループの到達目標】
平成15 年度目標
@ 利益目標 売上高経常利益率 : 8 .2 %以上 (経常利益) (1200 億円以上) 株主資本利益率 12 .3 %以上 投下資本利益率 9 .4 %以上 A 有利子負債残高目標 有利子負債残高 7400 億円以下 D /E 比率 1 .3 以下 B 正規従業員数目標 15000 名以下 (参考:平成15 年度売上高 1 兆4000 億円規模)
【日本製紙グループの到達目標】
平成15 年度目標
@ 利益目標 : 【単独】 : 【連結】 売上高経常利益率 10 %以上 8 %以上 (経常利益) (700 億円以上) (900 億円以上) 株主資本利益率 10 %以上 11 %以上 投下資本利益率 10 %以上 10 %以上 A 有利子負債残高目標 有利子負債残高 2900 億円以下 4500 億円以下 D /E 比率 0 .8 以下 1 .0 以下 B 正規従業員数目標 4800 名以下 11000 名以下 世 界 的 一 流 企 業 の 構 築
NEP 重視の経営
(日本製紙版EVA )基本方針
1 .大昭和製紙との統合効果の早期発現
2 .紙事業の生産体制再構築
3 .マーケティング企業の確立
4 .更なる労働生産性の向上と人材の活性化
5 .多角化事業の分社化
6 .関係会社の強化・収益改善
7 .自然環境との共生
「峻別と集中」の更なる徹底
【大昭和製紙グループの到達目標】
平成15 年度目標
@ 利益目標 : 【単独】 : 【連結】 売上高経常利益率 9 %以上 9 %以上 経常利益 270 億円以上 300 億円以上 株主資本利益率 15 %以上 18 %以上 投下資本利益率 9 %以上 8 %以上 A 有利子負債残高目標 有利子負債残高 2700 億円以下 2900 億円以下 D /E 比率 2.5 以下 2.5 以下 [経過目標] 平成15年3月末 1000億円返済 (H11/3末比) B 正規従業員数目標 (平成14 年3 月末に達成) 3000 名以下 4000 名以下 コスト構造改革へのチャレンジ
基本方針
1 .日本製紙との統合効果の早期発現
2 .比例費構造を改善し、国際競争力を有するコスト基盤の再構築
3 .グループ会社に関する損失をすべて処理し、グループとしての体質を改善
4 .メーカーの本来機能を追求し、外部環境の変化に耐え得る企業体質を
構築し、平成15 年度には配当を実施
重点施策
1 .原材料コストを中心とした比例費コストの削減
2 .日本ユニパックグループの片翼をになう大昭和グループとして、
最適経営組織を構築
3 .3000名体制に向けた取り組みの推進
4 .財務体質の強化および金融コストの削減
日本ユニパックホールディンググループの洋紙・板紙事業の再編成について
昨年3 月に純粋持株会社である当社の100%子会社となった日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社が、洋紙事業の一体運営を開始してから1
年が経過しました。両社はこの1
年間を統合第一ステップと位置付け、統合効果推進委員会の下で、各社の自主性を維持しながら、早期に効果を発現できる統合効果諸施策の立案と推進を図り、着実に所期の成果をあげてまいりました。また、板紙事業についても、日本ユニパックホールディングの連結グループ会社となった日本板紙株式会社、大昭和製紙株式会社、東北製紙株式会社の3
社は、昨年7
月に販売体制の一元化を図り、事業統合の成果を追求してまいりました。
当社は、このたび、この様な事業統合の進捗状況を踏まえて、グループの洋紙事業と板事業を下記のとおりそれぞれ再編成し、日本ユニパックホールディンググループのより強固な経営基盤を確立し、世界的一流企業グループの実現に邁進することといたしました。
このグループ内再編成によって、多様化する需要家の皆様のニーズへより迅速な対応をはかるとともに、再編効果の早期実現によって、企業価値の更なる増大を図ってまいります。長年ご愛顧を賜っておりますお取引先、株主各位をはじめ、皆様方のご理解と一層のご指導、ご支援を切にお願い申しあげます。
1 .洋紙事業の再編 | |
日本製紙、大昭和製紙、日本紙共販の3社が平成15 年4 月1 日に合併し、合併新会社名を「日本製紙株式会社」として再スタートいたします。この合併によって各個別企業の枠組みを取り払い、これまでの統合効果よりさらに踏み込んだ合併効果の追求とスピードアップを図って参ります。 | |
3社の合併についての詳細は、別途リリース文「洋紙事業3社の合併について」をご参照下さい。 | |
2 .板紙事業の再編 | |
@ | 平成14 年10 月1 日、日本ユニパックホールディングは日本板紙との株式交換により、日本板紙を完全子会社化します。 |
A | 日本ユニパックホールディングの完全子会社化した日本板紙は社名を「日本大昭和板紙株式会社」と改め日本板紙共販を合併、さらに日本板紙の4 工場と大昭和製紙本社工場吉永事業所および東北製紙を100%出資の生産子会社として事業の一体化をはかります。 |
板紙事業一体化の詳細は、別途リリース文「日本ユニパックホールディンググループ板紙事業再編について」をご参照下さい。 |
3 .株式交換契約の概要 略
株式交換当事者の概要
(1 )平成13 年9 月末時点
商号 : | 株式会社日本ユニパックホールディング | 日本板紙株式会社 | |
事業内容 : | 紙・板紙事業を中核とする純粋持株会社 | 紙 ・板紙の製造 | |
設立年月 | 2001 年3 月 (平成13 年3 月) | 1927 年8 月 (大正2 年8 月) | |
本店所在地 | 東京都千代田区有楽町一丁目12 番1 号 | 東京都千代田区神田須田町一丁目3 番地 | |
代表者 | 取締役社長 小 林 正 夫 : | 取締役社長 高 橋 貞 春 | |
発行済株式総数 | 1,080,670.23 株 (額面 50,000 円) | 87,733,599 株 (額面 50 円) | |
株主資本 | 403,115 百万円 | 13,131 百万円 | |
総資産 | 434,395 百万円 | 115,353 百万円 | |
決算期 | 3 月31 日(平成14 年度以降) | 3 月31 日 | |
従業員数 | 19 名 | 869 名 | |
大株主及び持株比率 | 日本興業銀行(4.09
%) 日本生命(3.72 )三井住友(3.69 ) 上 位10 社 28 .40 % |
日本製紙(44.16 %)富士銀行(3.62
) 東洋製罐(3.14) 上 位10 社 66 .44 % |
|
当事会社の関係 | 資本関係 | 鞄本ユニパックホールディングの完全子会社である日本製紙鰍ェ日本板紙鰍フ発行済株式総数の44 .16 %を保有する筆頭株主であり、連結子会社 | |
人的関係 | 鞄本ユニパックホールディングの完全子会社である日本製紙鰍フ元役員・従業員11 名が日本板紙鰍フ取締役10 名、監査役1 名に就任しています |
国内の紙・板紙生産拠点
洋紙事業3社の合併について
日本ユニパックホールディンググループの日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社及び両社共同出資の紙販売会社である日本紙共販株式会社は、明年4
月1 日に合併することに合意いたしました。
日本製紙株式会社と大昭和製紙株式会社は、昨年3
月に持ち株会社「日本ユニパックホールディング」を設立し、その完全子会社となり、夫々の独自性・自立性を維持しながら洋紙事業の一体運営を図ってまいりました。統合初年度の平成13
年度においては、国内景気低迷により非常に厳しい事業環境に直面しましたが、計画を超える統合効果を発現し、グループ発展基盤の強化に貢献することができました。
しかし、今後ますます厳しさを増すことが想定される環境下、統合効果発現のさらなるスピードアップ、効率化を図っていくためには、事業運営の完全一体化が最善であるとの認識で一致し、3
社での合併合意に至った次第です。
日頃よりご愛顧を賜っておりますお取り引き先をはじめ、関係の皆様方からより信頼していただける世界的一流企業を目指し、スムーズな新会社発足に務めていく所存でございますので、一層のご指導とご支援を切にお願い申しあげます。
合併の概要
T 基本合意事項
1 .合併期日 平成15 年4 月1 日 2 .存続会社 日本製紙株式会社 3 .新会社の社名 日本製紙株式会社 4 .役員人事 新会社の社長は三好孝彦(現日本製紙・日本紙共販社長)とし、
その他の役員人事については、別途決定する。5 .従業員の処遇 新会社は、大昭和製紙株式会社及び日本紙共販株式会社従業員
の勤続年数を原則として通算のうえ、合併時の給与水準で引き
継ぐものとする。6 .合併推進組織 合併に関する業務の遂行並びに合併目的を速やかに達成するた
め、統合効果推進委員会を発展的に解消し、合併委員会を設置
する。
U 新会社の概要
1 .本店所在地 東京都北区王子1 丁目4 番1 号 2 .売上高 約6 ,800 億円 3 .資本金 未定 4 .従業員数 約7 ,000 名 5 .生産量 約590 万t (平成13 年暦年実績 グループ会社を含む)
V 合併当事会社の概要
平成13 年9 月末時点
商号 | 日本製紙株式会社 | 大昭和製紙株式会社 | 日本紙共販株式会社 |
設立年月 | 1949年8月 | 1938年9月 | 2001年4月 |
本店所在地 | 東京都北区王子1 丁目4 番1 号 | 静岡県富士市今井四丁目1 番1 号 | 東京都千代田区有楽町一丁目12 番1 号 |
代表者 | 取締役社長 三好 孝彦 | 取締役社長 北岡 郊司郎 | 取締役社長 三好 孝彦 |
資本金 | 1,049 億円 | 318 億円 | 3 億円 |
発行済株式総数 | 948,745 千株 | 219,788 千株 | 6,200 千株 |
株主資本 | 329,315 百万円 | 72,559 百万円 | 137 百万円 |
総資産 | 844,265 百万円 | 545,921 百万円 | 145,165 百万円 |
決算期 | 3 月31 日 | 3 月31 日 | 3 月31 日 |
従業員数 | 5,048 名 | 3,023 名 | 473 名 |
大株主 | 日本ユニパックホールディング(100%) | 日本ユニパックホールディング(100%) | 日本製紙(70%)、大昭和製紙(30%) |
主要取引銀行 | 日本興業銀行*、三井住友銀行 | 日本興業銀行* |
*日本興業銀行は平成14 年4 月1
日、みずほコーポレート銀行となった
日本ユニパックホールディンググループ板紙事業再編について
今般、グループの持株会社である株式会社日本ユニパックホールディング(以下「日本ユニパックホールディング」)、大昭和製紙株式会社(以下「大昭和製紙」)、日本板紙株式会社(以下「日本板紙」)、東北製紙株式会社(以下「東北製紙」)、段ボール原紙の共同販売会社である日本板紙共販株式会社(以下「日本板紙共販」)の5
社は、平成15 年4
月を目処に、日本ユニパックホールディンググループの板紙事業を生販一体化する具体的な再編実施策について、合意いたしました。
すでに日本ユニパックホールディンググループ板紙事業については、平成13
年7 月に発足いたしました日本板紙共販に日本板紙、大昭和製紙、東北製紙の各社の板紙販売部門を一元化し、お客様の多様な要望にお応えし、統合メリットを早期に実現する体制作りをすすめてまいりました。一方で、日本経済の低迷による未曾有の板紙業界の環境悪化に対処し、生き残りをかけて、生産の一元化による最適生産体制の構築を検討してまいりました。その結果、株式交換により日本板紙を日本ユニパックホールディングの100%直接子会社とし、社名を日本大昭和板紙と改め、日本板紙共販を合併し、大昭和製紙から本社工場吉永事業所、日本製紙から東北製紙株式を譲受け、子会社化し、さらに既存の4
工場を分割、子会社化し、計6 社の100%出資の生産子会社をもつ、グループ板紙事業の統合会社として新たに発足させることを決定したものであります。
グループ板紙事業再編により、最適な経営資源再配分、より効率的かつ迅速な経営のもと、国際競争に勝ち残ることができるコスト競争力を確立し、日本ユニパックホールディングの企業価値増大に寄与する安定した収益を実現し、株主、顧客の皆様のご期待にお応えしてまいりたいと思います。皆様のご理解とご支援を切にお願い申しあげます。
1 . 再編スキーム
(1)現状(平成14 年4 月現在)
(2)再編後(15 年4 月1 日〜)
2002/11/22 発表 下記のように変更いたします。
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2 .日本ユニパックホールディング・日本板紙株式交換の概要他 略
(7)主な再編ステップ | ||
@ 平成14 年10 月1 日 | ||
a. | 日本ユニパックホールディング株式、日本板紙株式の交換により、日本ユニパックホールディングは日本板紙を完全子会社化 | |
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A 平成14 年12 月 | ||
a. | 日本板紙は、大昭和製紙および東北製紙から日本板紙共販株式を譲受け、100%子会社化 | |
b. | 日本板紙は、日本製紙から東北製紙株式を譲受け、100%子会社化 | |
c. | 日本板紙は、足利、草加、芸防、高知の4
工場を新設分割により100%子会社化 (日本板紙亀有工場は15 年3 月末閉鎖予定) |
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d. | 大昭和製紙は、本社工場吉永事業所を新設分割により100%子会社化 | |
e. | 日本板紙は日本紙共販から白板紙営業を譲受け | |
B 平成15 年4 月1 日 | ||
a. | 日本板紙は日本製紙(旧大昭和製紙)から本社工場吉永事業所株式を譲受け、100%子会社化 | |
b. | 日本板紙は、商号を「日本大昭和板紙株式会社」に変更 | |
c. | 日本大昭和板紙は日本板紙共販を吸収合併 (同日、日本製紙、大昭和製紙、日本紙共販が合併し、新社名を「日本製紙」とします) |
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(注)各生産子会社の譲渡金額、資本金、総資産、株式数等はいずれも未定です |
3 .板紙事業統合新会社「日本大昭和板紙」の概要
(1)商号 | 日本大昭和板紙株式会社(にっぽんだいしょうわいたがみ) (英文名) Nippon Daishowa Paperboard Co., Ltd. : |
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(2)本店所在地 | 東京都内 : |
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(3)売上高 | 約1,450
億円(単純合算) : |
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(4)資本金 | 未 定 : |
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(5)代表者 | 取締役社長
堀川 K二(現日本板紙副社長 兼
日本板紙共販社長) : |
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(6)従業員数 | 本社
230 名 生産子会社 1,500 名 計 1,730 名 : |
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(7)生産能力 | 段ボール原紙
白板紙 その他板紙 洋紙・特殊紙 紙・板紙トータル : |
150 万トン/年 30 万トン/年 15 万トン/年 35 万トン/年 230 万トン/年 |
市販パルプ15 万トン/年 | ||
(8)連結子会社 (生産子会社除く) |
南国パルプ工業侃ケージーパック侃十條東段ボール侃 日板パッケージ東京侃日板パッケージ京都侃十條段ボール侃 後藤段ボール侃中部段ボール侃十條パック侃サンミック千代田 段ボール侃日本板紙加工侃日本板紙物流侃日板芸防産業侃 日紙興業侃十條板紙産商侃土佐紙業侃太田紙販売 : |
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(9)板紙事業再編 の効果金額 |
:: | 合理化による固定費、管理費の削減、比例費の削減、物流費の 削減を中心に、100 億円の再編効果をあげることをめざします。 : |
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(10)目標人員数 | @14 年4
月(現時点)1,730 名 A目標人員数1,200 名 (生産子会社除く) |
(11)生産拠点、営業拠点
○生産子会社の概要
会 社 名 | 所 在 地 | 主要生産品 | 抄 紙 機 | 平成13年暦年 生 産 実 績 |
日本大昭和板紙秋田 | 秋田県秋田市 | 段原紙 コート紙 |
板紙1 台 洋紙1 台、コーター1 台 |
板紙 34.4 万トン 洋紙 14.2 万トン |
日本大昭和板紙足利 | 栃木県足利市 | 段原紙 紙管原紙他 |
板紙2 台 | 板紙 16.5 万トン |
日本大昭和板紙草加 | 埼玉県草加市 | 段原紙 チップボール他 |
板紙4 台 | 板紙 49.7 万トン |
日本大昭和板紙吉永 | 静岡県富士市 | 段原紙、高板、 白板、洋紙他 |
板紙3 台 洋紙2 台 |
板紙 55.6 万トン 洋紙 10.8 万トン |
日本大昭和板紙芸防 | 広島県大竹市 | 段原紙、高板、 白板、洋紙他 |
板紙2 台 洋紙2 台 |
板紙 13.1 万トン 洋紙 4.8 万トン |
高知特殊紙 | 高知県伊野町 | 特殊紙 | 特殊紙7 台 | 特殊紙 1.3 万トン |
(注)上記生産子会社の他に、白老工場に段ボール原紙マシン1
台(13 年実績6.1
万トン)あり(日本大昭和板紙にて販売)
4 .再編当事会社の概要 略
日本経済新聞 2002/11/21
段ボール原紙 日本製紙など中国生産
日本ユニパックホールディンググループの日本製紙と日本紙パルプ商事、中国の段ボールメーカーである浙江景興紙業集団公司(浙江省平湖市)は同省で段ボール原紙の合弁生産を始める。生産規模は年15万トンほどで、新工揚の建設も検討する。投資額は数十億円になる見込み。中国での包装用段ボール需要の増大に対応する。
3社はこのほど合弁事業を開始することで合意した。合弁会社の資本金などは今後詰めるが、日本製紙と日本紙パルプ商事がそれぞれ20%、浙江景興紙業集団公司が60%出資する。合弁会社は中しん用の段ボール原紙を生産し、現地の段ボール加工会社などに供給する。日本製紙と日本紙パルプ商事は浙江景興紙業集団公司に5.5%ずつ出資している。同公司は現在、段ボール原紙のライナー・中しんを年32万トン生産している。
日本経済新聞 2003/7/17
発表
日本ユニパック 中国で段ボール一貫生産 来秋、合弁で原紙工場建設
日本ユニパックホールディングは2004年秋をめどに、中国・浙江省で段ボール箱の生産を始める。近く合弁会社を設立し、年産能力15万トンの段ボール原紙工場を建設する。現地の段ボール加工会社にも出資し、段ボール原紙からの一貫生産体制を整える。日本企業が中国で段ボールを一貫生産するのは、レンゴーに続き2社目。
合弁会社は「浙江景興日紙」で、資本金は約19億円。現地メーカーの浙江景興紙業集団造紙(浙江省平湖市)が45%、日本ユニパック傘下の日本製紙が41%、日本紙パルプ商事が14%出資する。従業員は約380人になる見込み。
浙江景興紙業集団造紙が持つ工場隣接地に新工場を建設する。投資額は約45億円。今年3月末に閉鎖した亀有工場(東京・葛飾)から段ボール原紙をつくる抄紙機を1台改良し持ち込む。初年度は45億円の売り上げを目指す。
日本製紙は今月中に段ボール加工会社、エヴァーウェルスペーパー上海(上海市)の株式も23%取得する。取得額は数億円とみられる。エヴァーウェルスペーパー上海は現在、段ボールシートを年約3千万平方メートル生産しており、2006年には年産能力を2倍に増やす計画だ。
中国の経済成長に伴い、代表的な包装材の段ボール需要は年率7%ほど伸びるとみられている。日本の段ボールメーカーではレンゴーが年産約20万トン規模の原紙工場を稼働、段ボール箱までの一貫生産を手がけている。
中国における段ボール原紙(中芯)合弁新会社の設立及び段ボール製造加工会社への出資について
日本ユニパックホールディンググループの日本製紙(社長:三好孝彦)は、中国浙江省で段ボール原紙(中芯)製造の合弁会社を設立、同時に上海市で段ボール製造加工会社へ出資することに合意しました。
【段ボール原紙(中芯)合弁新会社の設立】
日本製紙は、2001年6月に、浙江景興紙業に5.5%を出資すると同時に、日本大昭和板紙と共同して、段ボール原紙(ライナー)抄紙機(2002年稼働、生産能力20万トン)の生産技術指導を行い、板紙事業の中国展開の足掛りを得ました。
今回、日本紙パルプ商事株式会社および浙江景興紙業グループとの合弁により、浙江省平湖市(上海の南西約100km)に段ボール原紙(中芯)を製造する合弁新会社を設立します。なお、抄紙機(生産能力15万トン)は、日本大昭和板紙が閉鎖した亀有工場の抄紙機を改造の上、移設を行い、日本ユニパックホールディンググループの操業指導のもと、2004年内の立上げを目指します。これによりライナーと中芯とのバランスのとれた段ボール原紙の製造販売を行います。
【段ボール製造加工会社への出資】
上海恒富紙業有限公司は、上海市松江区(上海の南西25km)の工業団地にある米国資本100%の段ボール製造加工企業で、1993年の設立以来、安定した経営を続けている優良企業です。同社への出資により、中国へ進出する日本国内ユーザーのニーズを獲得し、今後、合弁新会社からの中芯原紙納入先として関係を強化していきます。
上海地区の段ボール需要は高い伸びが続いており、今回の投資により当社グループは(1)パートナー及び立地の良さ、(2)原紙からシート、箱にいたるまでの一貫した段ボール事業展開、(3)既存設備・技術を利用した早期の立ち上げ、という優位性をベースに少ないリスクで板紙事業の中国展開を図ります。
また、景興紙業グループは、将来的には年産100万トン以上の生産規模への拡大を目指しており、当社も今後の中国事業拠点として育成していく考えです。
<参考資料>
【段ボール原紙(中芯)合弁新会社】 | ||
1.会 社 名 | 浙江景興日紙有限公司(合弁企業) 英文名: Zhejiang Jingxing Nippon Paper Co., Ltd. |
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2.資 本 金 | 約16百万米ドル(約19億円) | |
3.出資比率 | 当社41%、日本紙パルプ商事14%、浙江景興紙業集団造紙45% | |
4.立 地 | 浙江省平湖市(浙江景興紙業集団造紙に隣接) | |
5.生 産 量 | 中芯原紙15万トン/年 (ワイヤー幅5,600mm 1台) | |
6.販 売 | 浙江景興紙業が既存のライナー顧客を中心に直接販売 |
【段ボール製造加工会社】 | ||
1.会 社 名 | 上海恒富紙業有限公司(設立1993年) 英文名: Everwealth Paper Industries(Shanghai) Co., Ltd. |
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2.資 本 金 | 約6百万米ドル (約7億円) | |
3.出資比率 | 当社がEverwealth Paper Industriesから23%持分を購入 | |
4.立 地 | 上海市松江区 | |
5.生 産 量 | 約30百万m2/年 (設備投資により2006年に倍増) | |
6.販 売 | 上海市松江区内の外資系顧客を中心に直接販売 |
日本経済新聞 2002/11/21
中国に段ボール生産拠点 王子製紙
王子製紙全額出資子会社で包装資材メーカーの王子インターパック(佐藤好宏社長)が12月に中国・江蘇省で重包装用段ボールの製造・販売を始めると発表した。中国に進出する日本の食品や家電メーカーなどに販売する。2年後をメドに7億7千万円の売上高を目指す。
王子インターパックが現地の段ボールメーカー、蘇州昆宝包装公司(江蘇省昆山市)の出資者から持ち分の9割を買い取ることで合意した。買収額は数億円とみられる。王子製紙グループの中国での段ボール生産拠点は2カ所目となる。
2002/11/29 日本経済新聞
日本ユニパック 紙・板紙 年産能力を6%削減 計画を上積み
日本ユニパックホールディングは28日、200年度から3年間の中期ビジョンを発表した。紙と板紙の生産能力を全体の6%にあたる年45万トン削減する。約1万8千人のグループ人員は10%減らす。2005年度の連結経常利益を今年度見込み比約2.3倍の1千億円に引き上げる。
ビジョンでは生産体制の再構築や固定費削減などで約500億円のコストを削減するほか、新製品の拡販で約70億円の利益を確保し、1千億円の連結経常利益の達成を目指す。紙と板紙の設備のうち「4台ほどの抄紙機を停止する」(三好孝彦社長)。これまで合計年25万トンの生産能力削減計画を打ち出していたが、さらに20万トン上乗せする。約8800億円(2003年3月期見込み)ある連結有利子負債は7千億円以下に減らす。
同社は来年4月、傘下のグループ企業を洋紙事業を手掛ける日本製紙と、板紙事業を営む日本大昭和板紙に再編する。これに合わせ、今回のビジョンを具体化した新中期計画をスタートさせる方針だ。
日本経済新聞 2003/5/26
王子製紙 中国に一貫工場 700億円投資、塗工紙生産 発表
王子製紙は中国で紙を一貫生産する。上海市近郊に新工場を建設、2006年にも書籍などに使う塗工紙の製造を始める。投資額は700億円程度とみられ、素材メーカ一の中国投資としては最大規模。中国の紙需要は急増しており、日本の製紙会社として初めて中国に本格進出、世界最大の製紙会社である米インターナショナル・ぺーパーや現地メーカーと競う。
塗工紙は光沢をつけるため表面に顔料等を塗った紙で、書籍やパンフレット、カタログなどに使われる。工場の生産能力は年50万トン程度の見通しで、塗工紙設備としては世界最大規模。パルプから原紙を作って加工までの一貫体制を整える。
王子は昨年11月に米生活用品大手プロクター・アンド・ギャンブル・グループが中国に持つ小規模工場を買収してティッシュペーパーなどを生産しているが、一貫生産工場を建設するのは初めて。中国で生産した塗工紙を日本に輸入する可能性もある。
2003年の国内紙需要は前年並みにとどまる見込みで、王子の国内生産もここ数年、年440万トン程度で推移している。中国の紙需要は年9%程度の伸びが期待されるが、王子は日本から少量輸出しているだけだった。今後は生産品目を新聞用紙などに広げる可能性もある。
製紙大手では日本ユニパックホールディングが上海市の事務所で事業化調査を進めているが、本格進出するかは2006年度以降に決める方針。
中国における製紙工場建設の計画について
王子製紙は、中国における事業を本格的に展開するため、中国江蘇省南通市にある南通経済技術開発区管理委員会と用地取得に関する基本合意に達しました。当社はこの用地に、2006年末を目処に塗工紙60万t/年の生産設備を建設(投資額は約600億円)し、将来は120万t/年規模の上質紙、塗工紙を生産する紙パルプ一貫工場を建設する計画(総投資額は概算2,000億円)です。
当社は、2001年度策定の中長期経営計画において「本籍日本のアジア国籍企業」を目指し、5年後を目処に100万t/年の生産拠点をアジア地域に設置する構想を発表し、検討を行なってまいりました。
中国は、2008年に北京オリンピック、2010年には上海万博の開催が予定され、今後も年7%の経済成長が見込まれ、商業印刷などに使用される上質紙、塗工紙の需要の伸びが期待されます。当社はこれまで100万t/年規模の生産拠点設置を前提に様々な調査を重ねてまいりましたが、上質紙、塗工紙の印刷用紙事業で本格進出することを決定いたしました。世界で高く評価されている王子製紙ブランドの印刷用紙を中国で生産販売することで、中国の経済・文化の発展に貢献していきたいと考えています。
1.取得予定事業用地の概要: | ||
・場 所 | : | 江蘇省南通市にある南通経済技術開発区内。 |
・面 積 | : | 200万m2(揚子江沿いの用地) |
・合意相手: | : | 中華人民共和国江蘇省南通市南通経済技術開発区管理委員会。 |
・合意の性格 | : | 基本合意。 |
(中華人民共和国江蘇省南通市人民政府の立ち会いのもと、本日「備忘録」を締結) | ||
・取得実行の 条件 |
: | 今後詳細な取得条件交渉の結果、完全に合意すること。 |
2.事業の概要: | ||
・基本構想 | : | 年産能力120万t規模の印刷用紙を中心とした紙パルプ一貫工場を建設。 総投資額は概算2,000億円 |
・第1期工事 | : | 2006年末稼動を目処に、塗工紙60万t/年の生産設備建設計画を立案中。 資本構成は独資で、投資額は約600億円の見込。 |
・許認可 | : | 事業計画を取りまとめの上、数ヶ月以内に関係当局へ事業許可を申請予定。 |
3.事業の推進体制: | ||
・本社側体制 | : | 6月27日付で中国事業推進本部を設置。 当本部に事業推進に関する責任と権限を一元化し、機動的に意思決定を行う。 |
・中国側体制 | : | 持株会社(投資性公司)「王子制紙(中国)」(仮称)を年内を目処に設立予定。 |
[持株会社概要] | ||
・資本金 | : | 3,000万ドル(随時増資可能) |
・資本構成 | : | 独資 |
・設立場所 | : | 上海市 |
当持株会社は、中国へ既に進出している事業も含めて統括する「王子製紙中国本社」との位置付けである。 |