三菱化学生命科学研究所
使命:『人類のLIFE(生命・生活)に貢献する』研究
運営の基本方針
1. | 人間と自然の共生を目指し、人間社会が抱える大きな課題である健康・環境問題の解決のための基礎研究に戦略的目的志向で取り組む。 |
2. | ポスト・ゲノムシーケンス時代の到来に即し、分子・細胞レベルの研究を踏まえ生命・複合システムを時空間的、統合的に究明することを目指す。 |
3. | 基礎研究の中から生まれるシーズを社会的なニーズに対応させる事業化への道を切り開くため、目的方向性をもった基礎研究を推進し、その成果を速やかに社会へ還元する。 |
概 要
名 称 | 株式会社 三菱化学生命科学研究所 (Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences) (acronym: MITILS, 略称:L研) |
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資 本 金 | 2億5000万円(三菱化学株式会社 全額出資) | |
所 員 | 総計 203名(2003年4月1日現在) 研究員 39名 研究技術員 44名 特別研究員 30名 特別技術員 32名 研究補助員 27名 共通部門 31名 |
三菱化学生命科学研究所は、1971年(昭和46年)に
三菱化成工業株式会社(現、三菱化学株式会社)創立20周年記念事業の一環として、
当時の社長、篠島秀雄氏(故人)が、
東京大学名誉教授・江上不二夫博士(故人)
の構想を基に設立しました。
初代所長に就任した江上不二夫博士は、生命科学すなわちライフサイエンスには、3つの段階があると提言しました。第一段階は、すべての生物に共通な生命現象を物理的化学的立場から解明する。第二段階で、その成果を基に、高等動物に特有な生命現象を解明する。そして、第三段階として、これらの成果を人類の福祉に還元する。
この理念の基に、日本の生命科学の黎明期におけるパイオニアの役割を果たしてきた三菱化学生命科学研究所は、一私企業が設立・維持する基礎研究所として世界的にもユニークな存在に発展してきました。
2001年4月、三菱化学生命科学研究所は、創設以来30年の歴史を基盤に21世紀を期して、新しいミッションのもと、新生研究所として再出発いたしました。
三菱化学社は、三菱化学生命科学研究所の基礎研究所としての可能性を認識し、三菱化学グループのバイオ・ライフサイエンス関連の活動に対する中核の研究センターとして位置づけ、支援し拡張することを決定しました。
2003年度研究テーマ一覧
研究ユニット名 | ユニット リーダー |
研究テーマ | |||
発生・再生分野 | |||||
発生形態制御 | 竹内 隆 | 発生における細胞増殖制御機構 | |||
生殖発生 | 野瀬 俊明 | 生殖発生の分子制御機構 | |||
幹細胞 | 橋本 有弘 | 筋組織幹細胞による組織再生系の形成・維持機構 | |||
細胞機能 | 後藤 聡 | 小胞輸送による蛋白質・脂質の翻訳後修飾と分泌制御 | |||
先端技術開発室 | 横山峯介 | 遺伝子操作マウスの開発に関する研究 | |||
組織病理室 | 宋 時栄 | ヒト疾患の病態解明のための組織病理学的基盤 | |||
微細形態解析室 | 宋 時栄 | 顕微法を用いた細胞・組織の微細形態機能解析 | |||
脳・神経分野
■脳形成 |
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大脳皮質回路 | 有松 靖温 | 大脳皮質における領野特異的神経回路の形成と機能発現 | |||
神経回路形成 | 高橋 浩士 | 記憶制御システムの神経ネットワーク形成の分子メカニズム | |||
脳発生 | 北村 邦夫 | ホメオボックス遺伝子Arxによる前脳・中脳の形成機構の解明 | |||
生命分子医学 | 田辺 康人 | 単一細胞由来の発現遺伝子プロファイリング法に基づいた
ゲノム機能解析のための基盤研究 |
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■脳機能 | |||||
記憶・可塑性 | 井ノ口 馨 | 遺伝子制御による選択的シナプス可塑性の分子機構の解明 | |||
分子神経生物 | 小西史朗 | 抑制性GABAシナプス制御機構の解明とその応用 | |||
アルツハイマーモデル | 藤田 忍 : | アルツハイマー病モデルマウスの作出と解析 | |||
神経変性疾患 | 星 美奈子 | 老年痴呆における新たなAmylospheroid仮説提唱と検証 ---アルツハイマー病発症機序の解明と防御を目指して--- |
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脳機能分子 | 佐野慎一郎 | 脳に発現する免疫グロブリン様分子、BITの機能解析 | |||
アルツハイマー病 | 石黒幸一 | アルツハイマー病の血液診断法の開発 | |||
生体防御分野 | |||||
生体防御機構 | 岩田 誠 | T細胞分化の分子機構とその撹乱要因 | |||
免疫制御 | 高山 大 | 細胞内抗原に対する免疫反応の死細胞処理系による 制御機構の解析 | |||
発生免疫 | 島村道夫 | NKT細胞の機能研究とその医学的応用 | |||
冬眠制御 | 近藤宣昭 | 環境有害要因から生体を保護する冬眠の制御機構の研究 | |||
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生体分子機能分野 | |||||
糖鎖工学 | 蟹江 治 | 糖鎖構造多様性研究 | |||
蛋白アレイ | 高久 学 | ヒトタンパク質を用いたチップの開発 | |||
ゲノム複製制御 | 石見幸男 | 細胞分化・ガン化におけるゲノム複製制御の役割 | |||
プロテイン工学 | 戸澤 譲 | 無細胞蛋白質合成系を用いたゲノム情報解析システム開発 | |||
構造生物学 | 河野俊之 | 蛋白質のハイスループット立体構造決定のための 蛋白質調製法の開発とその適用 | |||
遺伝子機能 | 上田 龍 | RNAiを用いたゲノム網羅的な遺伝子機能解析システムの開発 | |||
ゲノムデザイン学 | 板谷光泰 | 枯草菌ゲノムベクターを用いたゲノム工学の展開 | |||
情報ペプチド工学 | 向井秀仁 | G蛋白質共役受容体およびG蛋白質を活性化する 内因性物質の効率的スクリーニング法開発 |
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所長フロンティア 研究室 |
岩下新太郎 | 細胞分化過程における細胞応答と恒常性維持機構の解明 脳恒常性維持機構 細胞間認識における糖鎖シグナル |
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蛋白質構造解析室 | 大森 彬 | タンパク質の構造研究法の開発とその応用 | |||
科学技術文明分野 | |||||
社会生命科学研究室 | ぬで島次郎 | 現代科学技術文明の解明 |