2001/12/21 寳酒造 

持株会社体制移行に伴う会社分割について

 寳酒造株式会社(以下、当社)は、平成13年11月12日にグループ経営機構改革の基本構想を発表し、平成14年4月1日より持株会社体制へ移行することを表明いたしておりますが、本日開催の取締役会において、下記のとおり当社の酒類・食品・酒精事業を分割して新設する宝酒造株式会社に承継すること、及び当社のバイオ事業を分割して新設するタカラバイオ株式会社へ承継することを決議いたしました。
 なお、本件分割は、平成14年2月15日開催予定の臨時株主総会の承認、及び所管官公庁などの許認可を条件に行われる予定です。
本件分割後、当社は持株会社となり、社名を「宝ホールディングス株式会社」に変更し、引き続き上場会社となる予定です。

1. 会社分割の目的

当社は、当社の中核事業である酒類・食品・酒精事業とバイオ事業各々がその事業特性を最大限に発揮し、成長力と競争力を高めることのできる事業環境を整えるために、会社分割を実施し持株会社体制に移行することといたしました。
当該分割により各事業を承継する新設会社においては、効率的な経営資源配分や迅速な経営判断を図ることにより業績向上をめざし、持株会社を中心とするグループ企業全体としては、統一的な経営戦略を遂行することにより企業価値の向上を追求してまいります。

2. 会社分割の要旨

(1)会社分割の日程(案)
  分割計画書承認株主総会 平成14年 2月15日
  分割期日 平成14年 4月1日
  分割登記(当社・新設会社) 平成14年 4月1日

(2)分割方式

 1.分割方式
 当社を分割会社とし、新設する宝酒造株式会社、及びタカラバイオ株式会社に事業を承継させる分社型分割(物的分割)です。

 2.当該分割方式を採用した理由
 グループ全体の企業価値向上のために、当社の事業を酒類・食品・酒精事業会社とバイオ事業会社に分社し、持株会社体制へ移行するため、当該会社分割方式を採用いたしました。

(3)株式の割当
 当該分割は、当社を分割会社とし、新設する宝酒造株式会社及びタカラバイオ株式会社に事業を承継させる分社型分割(物的分割)であり、新設会社である宝酒造株式会社の発行する普通株式20,000株、及びタカラバイオ株式会社の発行する普通株式20,000株は全て当社に割当てられます。

(4)分割交付金
 分割交付金の支払いはありません。

(5)新設会社が承継する権利義務

 1.宝酒造株式会社
 本件分割において宝酒造株式会社が当社から承継する権利義務は、分割計画書に別段の定めのあるものを除き、平成13年9月30日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに分割期日に至るまでの増減を加除した、酒類・食品・酒精事業に属する資産、負債及びこれらに付随する権利義務、並びに契約上の地位とします。なお、債務の承継については、分割計画書に別段の定めのあるものを除き、免責的債務引受の方法によるものとします。

 2.タカラバイオ株式会社
 本件分割においてタカラバイオ株式会社が当社から承継する権利義務は、分割計画書に別段の定めのあるものを除き、平成13年9月30日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに分割期日に至るまでの増減を加除した、バイオ事業に属する資産、負債及びこれらに付随する権利義務、並びに契約上の地位とします。なお、債務の承継については、分割計画書に別段の定めのあるものを除き、免責的債務引受の方法によるものとします。

以下略

 


宝酒造株式会社のバイオ事業部門

  http://www.takara-bio.co.jp/

 当社の前身、宝酒造株式会社のバイオ事業部門が、国産初の制限酵素を発売しバイオテクノロジービジネスをスタートさせてから、20年以上になります。その間、我々は、かつては想像もできなかったほどの短期間でヒトゲノムの解読を完了し、先天性の疾患をもつ乳児を遺伝子治療で治すまでになるというバイオテクノロジーの劇的な発展を目の当たりにしてきました。
 西暦2千年は、また当社にとっても、画期的な年でした。フランスで行われている先天性重症複合型免疫不全症に対する遺伝子治療の臨床試驗が、当社提供のレトロネクチン®を用いることにより世界で初めて成功しました。欠損遺伝子の正常化により普通の日常生活が送れるまでになったのです。これは、学界だけではなく、世界中のマスメディアで、大いに話題になりました。
 こうした中、このたび、宝酒造株式会社の会社分割により、新しくタカラバイオ株式会社が、バイオテクノロジー専門の会社として設立されました。我々の使命は、バイオの技術を通して人々の暮らしに貢献することにあります。そのためにも、日進月歩のバイオテクノロジーただ一点に、全資源を集中していきます。当社コアであるバイオ研究分野と、それを発展させたアグリ分野、医療分野の
3つのバイオ主要分野に集中していきます。そうして、バイオのグローバルマーケットにおいて確固たる地位を築いていきたいと考えています。
 タカラバイオは優秀な人材であれば、国籍を問わずに求めます。また、ライフサイエンスの発展に結びつく有望な技術を追究します。さらに、我々の世界戦略においてシナジーが実現できる企業との戦略的提携を国内外を問わず積極的に行い、あらゆる面で真のグローバルカンパニーになろうとしています。そのための布石として、まず韓国や中国といったアジアのパートナーと密接な関係を築いています。 当社は、「研究開発と技術革新による飽くなき可能性の追究」を企業理念とした経営を進めてまいります。

3つのバイオ主要分野

DNA Tech
タカラバイオの知的所有財産ポートフォリオは広範囲にわたります。そのなかでも、特許申請中の最新で、革新的な技術を3つ紹介いたします。
 まずは
ICAN法(等温キメラプライマー遺伝子増幅法)と呼ばれる、全く新しい遺伝子増幅法です。この方法は、等温で行うため、温度変化を起こす装置が不要というメリットが有り、大量の遺伝子増幅を安価に簡単に行なえます。
 2番目は、
UCAN法といい、新規な一塩基多型(SNPs)タイピング法です。一塩基変換が起こっている可能性のある塩基部分に、RNA部分が結合するように設計し、3’末端をブロックしたDNA-RNA-DNAプライマー(DRDプライマー)を用います。DRDプライマーと鋳型が完全にマッチしている場合のみRNaseHによりRNA部分が切断され、DNAポリメラーゼによる鋳型DNAの複製が開始されます。一方、DRDプライマーと鋳型DNAがマッチしていない場合、つまりSNPが存在するときは、DNA増幅が起こりません。こうして、UCAN法は、薬剤感受性や体質を決めているといわれる一塩基多型(SNPs)の簡便な検出を可能にします。
 3番目は、
コールドショックプロテインA(cspA)プロモーターを利用した高効率の大腸菌発現系です。このシステムは、目的のタンパク質のみを効率的に低コストで発現させることができるため、プロテオミクスの有望なツールとなりえます。
 ゲノミクスにおいては、タカラバイオの100%子会社であるドラゴン・ジェノミクス株式会社が、大学や企業と共同で、バクテリアゲノムの解読に成功しています。たとえば、京都大学の今中忠行教授とは、石油合成菌HD-1株の、韓国のベンチャー企業、BioLeaders社とは共生菌のゲノムをそれぞれ共同で解読し、工業的に有用な遺伝子群の同定を行っています。ドラゴン・ジェノミクス社ではさらに、アジア人のゲノムデータベースを構築すべく、モンゴル政府と遺伝子解析プログラムを進めています。
 当社は、アフィメトリクス社よりライセンスを受け、IntelliGene
®という名称で、DNAチップを全世界に販売しています。Rat Toxicology CHIPやHuman Hematopoietic Stem Cell CHIPをはじめ多くの種類のユニークなDNAチップを製造しています。DNAチップは、日本、韓国、中国の3極体制でそれぞれ機能を分担しながら製造を行っています。


BIOMedi
 当社のコアテクノロジーである遺伝子工学の研究開発力を一層高めるためにも、その応用分野として、遺伝子に基づく診断検査などの予防医学から、細胞医療・遺伝子治療まで、先端医療技術の開発に力を注いでいます。
 タカラバイオメディカルセンター(TABC、登録衛生検査所)では、当社の独自技術であるICAN法(等温キメラプライマー遺伝子増幅法)を使った診断検査法の開発を行っています。迅速で、高感度の感染菌検出キットは、検体採取から結果入手まで約3時間で終了します。さらに、所用時間90分でICAN増幅産物である標的遺伝子を、短冊状試験紙上の赤いバンドとして肉眼検出できる方法を開発しました。結核菌、クラミジア、リン菌などのベッドサイド検査試薬として販売する予定です。また、ポストゲノム時代に、大いに期待されているテーラーメード医療の一環として、抗癌剤や、抗生物質の薬効を予測するための遺伝子検査受託も開始しました。
 21世紀の『未来医療』として嘱望されているのが、遺伝子治療、細胞医療、再生医療です。当社は、この分野での過去の実績に重ねて、一層の進歩・発展をめざし、細胞・遺伝子治療センター(CCGT)を建設しました。遺伝子治療に欠かせないcGMP基準に従ったベクター製造や、その安全性試験などの受託サービスを承っています。
 当社がその特許を保有する組換えヒト・フィブロネクチン・フラグメント『レトロネクチン
®』は、X染色体上の遺伝子欠損による重症複合型免疫不全症の臨床試験に用いられ、世界で初めて遺伝子治療が成功した例として話題を呼びました。現在も、世界中で、種々の症例につき臨床試験が行われ、実施施設数も増加しています。我が国でも、乳癌治療の臨床試験が行われており、中国でも計画されています。今年は、悪性血液疾患や免疫不全症の臨床試験が国内3箇所の大学病院で開始される予定です。また、韓国の子会社バイロメド社が展開している臨床試験は、慢性糖尿病などによって惹き起こされる虚血性脚部疾患に対する遺伝子治療で、血管内皮成長因子(VEGF)のプラスミドベクターを筋肉注射することによる治療的血管新生をめざしています。

AgriBio
 高齢化社会が進み、生活の質の向上と医療費の削減が、今、最重要課題です。特に、生涯で、出来るだけ長く健康を維持することが望まれています。当社では、『医食同源』の考えのもと、日本人が古来常食してきた食物を、先端バイオテクノロジーを駆使して科学的に見直し、機能成分を発見し、食品開発を進めて製品化しています。
 今日までに、種々のユニークな機能物質を発見してきました。例えば、当社独自の複合糖質解析技術を駆使して、ガゴメ昆布に含まれる食物繊維“フコイダン”3種の化学構造を世界で初めて明らかにし、F−フコイダン、U−フコイダン、G−フコイダンと名付けました。さらに、コンブやワカメなどの褐藻類に含まれる“フコイダン”が、エイズやC型肝炎などのウイルス感染症の治療やガン治療などに有効とされるインターロイキン12(IL−12)やインターフェロンガンマー(IFN−γ)をリンパ球に顕著に産生させることを動物実験で発見しました。この結果は食物繊維“フコイダン”を経口で摂取することで、これら疾患の治療に役立つ可能性を示唆しています。
 こうした長年の研究から得られた科学的根拠に基づき、健康食品素材としての昆布『フコイダン』を開発・製造。さらに、健康食品・飲料『アポイダン−U』として市販、堅調に売上げを伸ばしています。『きのこ』生産に特化している子会社のタカラアグリ(株)とともに、健康増進に役立つべく、人々の生活の根源に密着した分野を開拓していきます。
 明日葉(あしたば)、ホップ、食用菊の花、ガジュツ(紫ウコン)などの食用植物の成分が、神経成長因子(NGF)の生体内での産生を顕著に増強することを発見しました。NGF産生を増強する物質を経口で摂取すれば、血液脳関門の通過問題を解決でき、現代社会において問題になっているアルツハイマー型痴呆症や糖尿病末梢神経障害などの予防と治療への効果が期待されます。この明日葉での発見を契機に、韓国の自然食品のトップメーカーであるプルムワン社から有機栽培のノウハウを取得し、福島県と屋久島の農園で、土づくりから始める有機栽培事業に着手しました。安心と安全を確保し、有機JAS認証を取得したオーガニック食品を提供していきます。プルムワン社とは、遺伝子組換え作物の検査などを行う合弁会社を韓国に設立しています。

 


2002/9/26 タカラバイオ

組織の再編について

タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)では、平成14年10月1日(火)付で、次の通り組織変更および人事異動をおこないます。

<組織変更>
 1.ドラゴンジェノミクスセンターの新設

ドラゴン・ジェノミクス株式会社の吸収合併に伴い、ドラゴン・ジェノミクス株式会社のゲノム解析業務および遺伝子・蛋白解析受託センターが分掌していた遺伝子解析受託業務を統合し、「ドラゴンジェノミクスセンター」を設置します。

 2.カスタムサービスセンターの新設

営業部業務課および遺伝子・蛋白解析受託センターが分掌していた蛋白解析受託業務等を統合し「カスタムサービスセンター」を設置します。

 3.受託開発部の新設

遺伝子・ゲノム解析を中心とした研究受託に関する営業、市場開発を強力に推進するために「受託開発部」を設置します。

 4.食品安全検査センターの新設

食品の安全性検査や品種同定を専門におこなう独立した組織として、「食品安全検査センター」を設置します。

 5.遺伝子・蛋白解析受託センターの解消

上記の組織の再編成に伴い「遺伝子・蛋白解析受託センター」を発展的に解消します。


2002/8/13 タカラバイオ

組織の再編について

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、当社の分社化に伴い、事業戦略の明確化、全体最適での効率化を図ることを目的に、平成14年10月1日付で子会社のドラゴン・ジェノミクス株式会社を吸収合併します。
 今般の吸収合併により、当社は、ドラゴン・ジェノミクス株式会社の資産・従業員を全て引き継ぎ、ゲノム解析受託業務、関連開発研究をタカラバイオグループとして一元化します。また吸収合併による当社の新株式の発行および資本金の変更はなく、タカラバイオグループ連結業績予想に変更はありません。

<参 考 資 料>   
ドラゴン・ジェノミクス株式会社(英語名:DRAGON GENOMICS CO., LTD.)

 住所 :三重県四日市市桜町7870番地15
 社長 :加藤 郁之進
 設立年月日 :平成12年7月4日
 事業内容 :ゲノム解析、検査およびバイオ研究の受託業務等
 資本金 :50億円
 従業員数 :40名
 売上高 :14億2000万円(2001年1月〜2002年3月、15ヶ月)
 出資比率 :タカラバイオ株式会社100%

 


2003/1/9 タカラバイオ

タカラバイオ(株)は、米国リンクス・セラピューティクス社の筆頭株主となり提携関係を強化し、アナログ型からデジタル型DNAアレイへの移行を加速します

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、リンクス・セラピューティックス社(リンクス社と略、Lynx Therapeutics, Inc. カリフォルニア州ヘイワード市)が開発した遺伝子発現解析技術、「DNAマイクロビーズアレイ」のアジア(日本、中国、韓国、台湾)での独占的な使用・販売権を2000年11月に獲得し、現在まで強力に事業展開を続けております。このたび契約を改定し、当社がリンクス社の筆頭株主(出資比率13.5%)となり、5年間であったアジアでの独占権保有期間を、関連する全特許の有効期間までと延長し、さらにフランス・イタリアにおける同技術の非独占的な販売権をも獲得しました。

 リンクス社が開発したメガクローン(Megaclone)、メガソート(Megasort)および超並列的な遺伝子ビーズクローン解析法(MPSS)は、特定の組織・細胞で発現している全ての遺伝子の動きの変化を網羅的に解析することができる遺伝子発現解析技術です。例えば、ある薬品が、組織や細胞内の遺伝子発現を、どのように変化させることにより薬効を発揮するのかといった事を、明らかにすることができます。

 一般によく知られている「DNAマイクロチップ」は、日本では当社が最初に発売し、すでに14種類を販売しています。この「DNAマイクロチップ」は、平板上に異なった種類のDNA断片を高密度であらかじめスポットしておき、つづいて細胞内で発現している全遺伝子を蛍光標識した後に反応させ、反応したDNAの種類とその蛍光強度の強弱によって細胞内遺伝子の発現状況を調べる方法です。したがって、「DNAマイクロチップ」による結果は、DNAが反応する時の反応条件やDNA断片の大きさなどによって左右されます。現在の「DNAマイクロチップ」技術は、同一条件下で反応したDNAチップ上にある反応スポット間の蛍光強度差でしか答えを出すことができません。つまり「この薬品はこの細胞で、ある遺伝子を元の約5倍発現させている」というふうにしか言えず、いわばアナログな技術であるといえます。しかも、「DNAマイクロチップ」上にスポットされていないDNA種とは反応しようがなく、非網羅的で不完全な発現解析結果しか得ることはできません。

 一方、「DNAマイクロビーズアレイ」技術は、2002年度のノーベル医学生理学賞を受賞したシドニー ブレナー博士らが中心となって開発された技術で、まず対象になる組織や細胞において発現している全ての遺伝子を、約100万個のマイクロビーズ上にクローニングします。一つのビーズに一つの遺伝子が対応し、発現している全ての遺伝子の種類とその量が、クローニングされたDNAマイクロビーズの種類とその数によって現わされます。したがって「DNAマイクロビーズアレイ」技術によって得られたDNA発現解析結果は絶対的な意味を持ち、この技術は発現遺伝子のデジタルな解析技術といえます。

 以上のように、正確な遺伝子発現解析を行うには、まず「DNAマイクロビーズアレイ」というデジタル技術を使って重要な発現遺伝子を選び出しておき、続いて「DNAマイクロチップ」というアナログ技術を用いて簡便なチップを多数作製後に大量解析するというのが理想的な手順となります。

 今回の契約改定により、当社はリンクス社との提携関係をより強固なものとし、両社で協力してリンクス技術とドラゴンジェノミックスセンターのDNA配列解析技術を組み合わせた新薬開発のための遺伝子機能総合解析技術をアジア市場とフランス・イタリア市場に提供していきます。


<参考資料>

<Lynx社の概要>
  社名 Lynx Therapeutics,Inc.
  代表者 Kevin P.Corcoran,President & CEO
  設立 1992年
  上場 1998年NASDAQ
  所在地 25861 Industrial Blvd,Hayward,CA 94545,USA
  事業概要      マイクロビーズアレイ技術を核に遺伝子機能解析を行うベンチャー企業。DuPont社、BASF社、Aventis Crop Science社等の大手企業とプロジェクト単位で提携している。技術全般にわたる独占的提携はタカラバイオが初めて。

<語句説明>

マイクロビーズ
   直径5マイクロメートルの微小なビーズ。
   
DNAマイクロビーズアレイ
   DMAは従来のDNAチップのように固定的なアレイとは異なり、流動的な各ビーズにDNAが固定化された"DNA液体アレイ"とも呼ぶことができる、新規遺伝子の発見をはじめ多数の新しい機能をもった次世代型DNAアレイです。
   
メガクローン(Megaclone)
   マイクロビーズの表面に結合された捕獲用のオリゴヌクレオチドを利用して、細胞内で発現しているほぼすべての遺伝子断片を個々のビーズ表面に固定化する技術です。遺伝子の既知未知には関係なく網羅的に固定化することができ、細胞内での遺伝子発現をそのままビーズの形で再現することができます。
   
メガソート(Megasort)
   由来の異なるmRNAから調製した発現量の異なる蛍光のついたcDNAプローブを、メガクローン技術で作製したcDNAビーズ上で競合ハイブリダイズさせ、フローサイトメーターを用いてそれらの遺伝子を網羅的に分取することができます。
   
超並列的な遺伝子ビーズクローン解析法(MPSS)
   メガクローン技術で作製したcDNAビーズを平面的に充填した超高密度ビーズアレイを作製し、約100万個のビーズに捕獲された各cDNAの17塩基の配列を一挙に決定することができる技術です。細胞内で発現しているほぼすべての遺伝子の種類と発現頻度情報を一挙に得ることができます。
   
DNAマイクロチップ
   DNAチップと同義で、スライドガラス上に数百から数万個のDNAを高密度に固定化したもの。2種類の細胞のmRNAから調製した蛍光プローブを競合ハイブリダイズさせてレーザースキャナーで読み取ることにより、2種類の遺伝子の発現量を比較できます。
   
ハイブリダイズ
   一本鎖のDNAあるいはRNAが相補的な塩基対形成によって2本鎖状態を形成すること。
   
クローニング
   遺伝子の分離や大量調整するために、多種類のDNA混合物から個々のDNA断片を単離すること。

 


2003/08/05 タカラバイオ

米国リンクス社より「マイクロビーズアレイ技術」のアジアでの独占的実施権を買収

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、2000年11月に米国
リンクス・セラピューティックス社(Lynx Therapeutics,Inc. カリフォルニア州、以下リンクス社と略)が所有する遺伝子発現解析技術である「マイクロビーズアレイ技術」に関する独占的使用・販売権を獲得し、アジアを中心とした事業展開に注力してきました。この度、当社はリンクス社との契約を改訂し、当社からリンクス社への支払いが設定されていた同技術の利用に関する技術使用料やランニングロイヤリティー等の将来の支払いを完済し、事実上アジア地域における同技術の独占的実施権を買い取りました。

 リンクス社が所有するメガクローン法、メガソート法および超並列的な遺伝子ビーズクローン解析法(MPSS)は、特定の組織・細胞で発現しているほぼ全ての遺伝子を網羅的に解析することができる、画期的な遺伝子発現解析技術です。
 メガクローン法とメガソート法は2種類の細胞の機能の違いを、例えば癌細胞と正常細胞の相違を、両細胞で発現している遺伝子の種類の違いとして示すことができます。つまり遺伝子レベルで癌細胞の生理活性を解明することができます。
 MPSSは、ある細胞内で発現しているほぼ全ての遺伝子の種類と発現頻度を網羅的に示すことができます。同時に、この技術を応用することによって、各個人の遺伝的相違を支配している一塩基多型(SNP)を網羅的に探索できることを当社が考案しました。
 また、同技術を用いてある特定の組織や、特定の状態の細胞において、特徴的に発現するあるいは発現が抑制される遺伝子、つまり機能が予測される遺伝子を単離し、それらの遺伝子を貼り付けた「機能性DNAチップ」の開発を行っています。

 今回の契約改訂で、当社は、従前の契約で設定されていた技術使用料の支払い時期を繰り上げて支払う見返りとして、売上げに対するランニングロイヤリティー、リンクス社株式の購入等、リンクス社への一切の支払いを免除されることになります。さらに当社はMPSS装置3台をリンクス社より購入します。これにより当社は、リンクス社のマイクロビーズアレイ技術を今後の使用料支払い義務なしにアジア(日本、中国、韓国、台湾)で独占的に使用可能になるとともに、フランス・イタリアでも非独占的に同技術を無償で利用できることになります。さらに当社は、従前の契約では許諾されていなかったマイクロビーズの作製に関しても、無償での使用権を獲得したため、今後はマイクロビーズ作製についても自社で行う体制を整えていきます。

 今回の契約改訂により、当社では、アジアにおける同技術の基盤をより強固なものとすることができ、これにより一塩基多型(SNP)を網羅的に探索する技術の普及などを加速させることができると予想しています。

 網羅的に遺伝子発現状態を研究できるMPSS法を中心とするリンクス社の技術はアメリカでも注目を浴びており、本年6月5日付けでIBM社、リンクス社、システム生物学研究所(Institute for Systemes Biology)の米国グループが連携し、ポストゲノムの世界に挑戦することを発表しております。当社も、今後、アジアにおいてIT関連の大手企業との提携を進めたいと考えております。


<参考資料>

【リンクス社の概要】

社名 Lynx Therapeutics, Inc.
代表者 Kevin P. Corcoran, President & CEO
設立 1992年
上場 1998年NASDAQ
所在地 25861 Industrial Blvd, Hayward, CA 94545
事業概要      マイクロビーズアレイ技術を核に遺伝子機能解析を行うベンチャー企業。DuPont社、BASF社、Aventis Crop Science社等の大手企業とプロジェクト単位で提携している。技術全般にわたる独占的提携は当社が初めて。なお、当社はリンクス社の13.5%の株式を保有しています。

<語句説明>

マイクロビーズ
   直径5マイクロメートルの微小なビーズ。
マイクロビーズアレイ
   マイクロビーズアレイは従来のDNAチップのように固定的なアレイとは異なり、流動的な各ビーズにDNAが固定化された"DNA液体アレイ"とも呼ぶことができる、新規遺伝子の発見をはじめ多数の新しい機能をもった次世代型DNAアレイです。
メガクローン(Megaclone)
   マイクロビーズの表面に結合された捕獲用のオリゴヌクレオチドを利用して、細胞内で発現しているほぼすべての遺伝子断片を個々のビーズ表面に固定化する技術です。遺伝子の既知未知には関係なく網羅的に固定化することができ、細胞内での遺伝子発現をそのままビーズの形で再現することができます。
メガソート(Megasort)
   由来の異なるmRNAから調製した発現量の異なる蛍光のついたcDNAプローブを、メガクローン技術で作製したcDNAビーズ上で競合ハイブリダイズさせ、フローサイトメーターを用いてそれらの遺伝子を網羅的に分取することができます。
超並列的な遺伝子ビーズクローン解析法(MPSS)
   メガクローン技術で作製したcDNAビーズを平面的に充填した超高密度ビーズアレイを作製し、約100万個のビーズに捕獲された各cDNAの17塩基の配列を一挙に決定することができる技術です。細胞内で発現しているほぼすべての遺伝子の種類と発現頻度情報を一挙に得ることができます。
DNAチップ
   スライドガラス上に数百から数万個のDNAを高密度に固定化したもの。2種類の細胞のmRNAから調製した蛍光プローブを競合ハイブリダイズさせてレーザースキャナーで読み取ることにより、2種類の遺伝子の発現量を比較できます。
ハイブリダイズ
   一本鎖のDNAあるいはRNAが相補的な塩基対形成によって2本鎖状態を形成すること。
一塩基多型(SNP)
   遺伝子は個体により多様性を有していますが、その多様性には様々な種類があります。遺伝子多型の中で、1箇所が他の塩基に置き換わった多型を一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)と呼び、人の場合で数百塩基に1箇所の割合で存在すると言われています。例えば、この多型が存在する遺伝子を設計図として生産される酵素は、多型のタイプにより活性や生産量が変化し、中には多型が原因となる様々な遺伝子疾患もあります。さらに、薬剤を代謝する酵素にもこのような多型が存在し、薬剤に対する感受性と関連しています。

 


2003/5/8 タカラバイオ

タカラバイオ(株)と米国ミラス社が共同で米国に合弁会社を設立

タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、ミラス社(Mirus Corporation、ウィスコンシン州マディソン市、社長:Terry Sivesind)と、タカラバイオ社製品の米国における販売と遺伝子治療の共同研究開発を目的とした新会社「
タカラ ミラス バイオ株式会社(Takara Mirus Bio Inc.)」をウィスコンシン州マディソン市に設立することに合意しました。合弁新会社のPresident & CEOには加藤郁之進が就任します。資本金は20万ドルで、出資比率は、タカラバイオ50%、ミラス社側50%です。 1993年以来、当社製のバイオ研究用試薬等の米国における販売に関しては、販売代理店であるパンベラ社(PanVera Corporation)を通じて行ってきましたが、パンベラ社が他社に買収された結果、パンベラ社との代理店契約を本年3月に解消しました。

ミラス社は、遺伝子治療のパイオニアでウィスコンシン大学教授のJohn A. Wolff博士等により、遺伝子治療の事業化を目的として1995年に設立された会社です。Wolff教授は、ネーキッドDNA(裸のDNA)による遺伝子導入技術の第一人者です。当社は、ミラス社設立時より共同研究を行っており、当社とミラス社が共同で開発したDNAチップ用基板である「タカラ−ハッブル スライド」や、ミラス社が開発したネーキッドDNA用の遺伝子導入研究用試薬「TransITR」等の製品を販売しています。

また、今回の合意には、当社製のバイオ研究用試薬等の米国での販売業務のみならず、遺伝子治療分野における研究開発の推進も含まれており、当社にとっては遺伝子治療分野における研究開発をミラス社と共同で推進する体制が今まで以上に整うことになります。この合弁会社が当社の米国における遺伝子治療事業化に向けた拠点となることをも目指します。

<設立会社の概要>

社  名 : Takara Mirus Bio Inc.
所在地 : 505 S. Rosa Road, Madison, Wisconsin 53719, USA
資本金 : 20万米国ドル(約24百万円)
事業目的 : 米国におけるタカラバイオ製品の販売
   遺伝子治療およびその関連技術の研究開発
代表者 : President & CEO 加藤郁之進(タカラバイオ(株)代表取締役社長)
設立時期 : 平成15年5月30日(予定)

 


2003/5/14 タカラバイオ

タカラバイオ(株)と水町メディカルグループが、がん免疫療法の事業化のための合弁会社を設立

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、水町重範医師(水町メディカルグループ代表、水町クリニック院長)と、がん免疫療法に関する事業をさらに推進するため、ミズマチ・タカラバイオ株式会社(東京都渋谷区)を本年6月に設立します。

 がん治療の現状は、外科手術、放射線治療、抗がん剤を用いる化学療法などが併用されていますが、一般的にがん患者さん達のQOL(Quality of Life)が大きく損なわれることが多いと考えられています。この問題を取り除くために、副作用の少ない、いわゆる「
養子免疫療法」が広まり始めています。

 例えば、「活性化リンパ球療法」と呼ばれるがん免疫療法は、がん患者のリンパ球を抗CD3モノクローナル抗体で刺激し、インターロイキン2(IL−2)存在下で患者の体外(細胞培養用のバッグ)で増殖させ、得られた活性化リンパ球を再び患者に戻し、がん細胞に障害を与え結果的にがん細胞を破壊する治療法です。一般的に、大量に増やされた活性化リンパ球は、2週間間隔で6回程度、患者に投与されます。活性化リンパ球は患者自身のものであり副作用が非常に少ないことがこの治療の特徴です。
 一方、「細胞障害性T細胞療法」と呼ばれるがん免疫療法は、がん患者のリンパ球に、患者の腫瘍組織やがん細胞に特異的に存在するタンパク質のペプチド断片によって数回刺激を加え、がん細胞由来の抗原特異的な細胞障害機能を発揮するT細胞集団を作り出し、患者に戻すことにより、がんを破壊する治療法です。この治療法も患者自身に由来する細胞を使用するため、副作用が非常に少ないことが知られています。
 新会社は、水町メディカルグループが今秋から「活性化リンパ球療法」を行うために、必要な技術を提供し、タカラバイオが保有するリンパ球の培養・活性化などの細胞加工に関するノウハウと特許技術を基盤に、技術指導などを行います。
 また、細胞の汚染を防ぐための閉鎖系で細胞培養するためのガス透過性バッグの販売、細胞を回収するサイトメイト(CytoMate)などの細胞処理に必要な器具・機器や施設の貸出、その他のがん免疫療法に必要な試薬・器具の販売等の細胞加工処理に必要な業務の全面支援を全国的に行います。また、「樹状細胞ワクチン療法」等の異なった種類のがん免疫療法に関する細胞加工処理技術の支援業務も展開していく予定です。

 <設立会社の概要>

社名 ミズマチ・タカラバイオ株式会社(英語名Mizumachi-Takara Bio Inc.)
所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目1番16号
資本金 50百万円
出資比率 タカラバイオ(株)50%、水町重範医師50%
事業目的  活性化リンパ球療法等のがん免疫療法に関する研究開発、技術支援、細胞加工処理に関する支援業務
代表者 加藤郁之進(タカラバイオ(株)代表取締役社長)、水町重範(水町クリニック院長)
設立時期 平成15年6月

<参考資料>

水町メディカルグループの概要
グループ代表:水町 重範

水町クリニック(東京都新宿区西新宿2丁目7番1号新宿第一生命ビル3F)
医療法人社団碧生会 水町エム・アールクリニック千駄ヶ谷(東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目1番16号)
医療法人社団碧生会 水町エム・アールクリニック西新宿(東京都新宿区西新宿6丁目21番1号アイタウン・プラザ1F)

<語句説明>

養子免疫療法
 ヒト・リンパ球をインターロイキン2やインターロイキン4等の存在下で培養し、がん細胞に対して非特異的な細胞傷害活性を示すキラー細胞を誘導します。この細胞を患者の体内に戻してがん治療を行う治療法です。米国がん研究所のローゼンバーグ博士らが開発しました。

活性化リンパ球療法
 現在、国内ではいくつかの大学病院で高度先進医療として実施されているほか、民間の医療機関でも自由診療として実施されています。患者の血液から取り出した白血球の中のTリンパ球をリンパ球増殖因子であるインターロイキン−2やTリンパ球を刺激する抗CD3抗体により体外で刺激し、増殖させる方法が最も一般的に行われています。Tリンパ球として腫瘍部位から分離されるリンパ球を使用したり、刺激として自己腫瘍細胞やがんやウイルス由来のタンパク質抗原を使用する場合もあります。

抗CD3モノクローナル抗体
 CD3はヒトリンパ球上に存在する表面抗原分子の一つで、このCD3分子を特異的に認識する均一分子の抗体。抗CD3 モノクローナル抗体がTリンパ球上のCD3分子に結合すると、T細胞が活性化されると考えられている。

インターロイキン2
 Tリンパ球が分泌する糖蛋白質でサイトカインの一種。T細胞増殖因子ともよばれ、Tリンパ球を増殖させる働きがある。

Tリンパ球
 抗体産生の調節と標的細胞の障害の役割を担う重要なリンパ球で、T細胞とも呼ばれます。免疫系の司令塔的な役割を担っており、末梢リンパ組織の胸腺依存領域に主に分布します。

樹状細胞
 骨髄に由来する細胞で、リンパ節や脾臓のT細胞領域に広く分布しています。種々の免疫応答の始動において、生体に侵入した異物の情報をリンパ球に伝え、免疫系の活動を促す抗原提示細胞として働いています。血液から採取した白血球に顆粒球・マクロファージ刺激因子(GM-CSF)による刺激を加え、分化させる調製方法が最近良く使われています。

ガス透過性バッグ
 炭酸ガス培養装置中で外界と直接接することなく培養可能なプラスチック製のバッグです。リンパ球などのヒトの細胞は炭酸ガス培養装置中で通常プラスチック製のシャーレやフラスコで培養されますが、これらの培養器具では、培養中及び細胞の増殖とともに新たな栄養分を追加する際に、外界と接し微生物による汚染を起こす危険性があります。これに対して、ガス透過性のプラスチックを使用したバッグを使用すれば、培養中は外界と完全に隔てられること、培地の追加も他のバッグから移動させることにより外界と隔離して行うことができます。従って、汚染の危険性が極めて低い細胞加工が可能となります。

サイトメイト(CytoMate)
 細胞培養終了後、増やした細胞を集めるために、遠心管がよく用いられていますが、この作業は外界と接する可能性が非常に高いために、細心の注意を払う必要があります。CyteMateはリンパ球程度の大きさの細胞を集めるのに適した装置であり、ガス透過性バッグと組み合わせれば、全く外界と接することなく、細胞の培養から投与用の細胞の回収までが行えます。CytoMateは米国Baxter社の製品で、日本ではタカラバイオが研究用機器として独占で販売しております。


2003/05/15 タカラバイオ

組織の再編について

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)では、事業戦略の明確化、全体最適での効率化を図ることを目的に、次の通り組織変更を行います。

<組織変更>

1.  当社がタカラアグリ株式会社を2003年8月1日付で吸収合併します。
 この吸収合併により、当社は、タカラアグリ株式会社の資産・従業員を全て引き継ぎ、きのこ及びきのこ関連製品の生産並びに販売業務、きのこの生産に関する技術指導の受託業務などをタカラバイオグループとして一元化します。また吸収合併による当社の新株式の発行および資本金の変更はなく、タカラバイオグループ連結業績予想に変更はありません。
   
2.  当社子会社のタカラコリア株式会社社(Takara Korea Biomedical Inc.)が、当社子会社の株式会社韓国遺伝子検査センター(Korea Gene Analysis Center Co., Ltd.)を2003年5月31日付けで吸収合併します。
 韓国における事業展開の効率化を図るため、(株)韓国遺伝子検査センターで行っている遺伝子組換え作物(GMO)の検査業務などを、タカラコリア(株)に統合します。この吸収合併によるタカラバイオグループ連結業績予想に与える影響は軽微です。

 

< 参考資料 >  会社概要

●タカラアグリ株式会社(英語名:Takara Agri Co., Ltd.)
: 所在地 滋賀県草津市野路町2257番地 
  資本金 1億6000万円
  事業内容     きのこ及びきのこ関連製品の生産並びに販売業務、きのこの生産に関する技術指導の受託業務、肥料及び飼料の製造並びに販売業務
  代表者 木原 大
  設立 1995年4月1日
  従業員数 15名
  売上高 約5億(平成14年度)
  出資構成 タカラバイオ株式会社100%
       
●タカラコリア社(英語名:Takara Korea Biomedical Inc.)
  所在地 451-3, Dogok2-Dong, Gangnam-Gu, Seoul, Korea, 135-855
  資本金 36億6000万ウォン(約3億6600万円)
  事業内容 バイオ関連製品の販売、DNAチップ製造販売、バイオ食品販売
  代表者 加藤郁之進、李 済賢(リ・ジェヒョン)
  設立 1995年10月25日
  従業員数 36名
  売上高 約44億ウォン(約4億4000万円)(2002年度)
  出資構成 タカラバイオ(株):88.8%、 その他11.2%(三星物産(株)、韓国バイオ技術投資(株)など)
       
●株式会社韓国遺伝子検査センター(英語名:Korea Gene Analysis Center Co., Ltd.)
  所在地 123 Shincon-dong, Seodaemun-ku, Seoul, Korea 120-140
  資本金 10億ウォン(約1億円)
  事業内容 GMO検査をはじめとした遺伝子関連検査事業全般
  代表者 代表理事会長Ju Hyun Yu(前(社)韓国種菌協会会長)
  設立 2000年1月31日
  従業員数 6名
  売上高 約6億ウォン(約6000万円)(2002年度)
  出資構成 タカラバイオ(株):50%、Pulmuone(株):48%、その他2%

平成14年9月20日 タカラバイオ

アークレイ株式会社とのICAN法に係わる事業提携を解消

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、
アークレイ株式会社(社長:土井茂)との、遺伝子増幅技術ICAN法を用いた核酸検査システムに関する事業提携を解消しました。

 当社が開発した高効率等温遺伝子増幅法
ICAN法(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)を用いると、サンプル内に存在するDNAをPCR法と同等以上の感度で、しかも等温で増幅・検出することができ、従来PCR法で行われてきた感染症の遺伝子診断などをより高効率かつ低コストで行うことができます。

 当社は、アークレイ社に対して、アークレイ社が開発する核酸検出システムを用いた医家向け診断・食品検査・ヒト遺伝子検査の分野において、ICAN法を使用できる非独占的通常実施権を付与していました(平成13年4月9日付)。しかしながら今般、アークレイ社がICAN法を用いた開発の方針を変更したことを受け、事業提携契約の終了に至ったものです。この結果、アークレイ社が保有していたICAN法に係わるすべてのライセンスを解消しました。

 当社は、今後も従来どおりICAN法の特長を利用した診断・検査キットの自社開発やライセンス提携など積極的に事業展開していきます。すでにBed-Side ICANシリーズの第一弾として「結核菌群検出試薬」(研究用)の販売を株式会社メデカジャパンを通じて、今月より始めました。さらに、年内には「カルバペネム剤耐性菌検出試薬」(研究用)など数種類のベットサイドICANキットを発売する予定です。


2003/9/22 タカラバイオ

レトロウイルスベクターを用いる遺伝子治療において、導入された遺伝子の挿入部位を、高い精度でモニタリングできる新しい方法の開発に成功
         
http://www.takara-bio.co.jp/

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)のバイオ研究所は、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療において、遺伝子治療後の患者体内の遺伝子導入細胞の存在状態や挿入部位をモニタリングする手法として用いられているLAM (Linear Amplification-Mediated)-PCR法の重大欠陥を克服した新しい方法(タカラバイオLAM-PCR法)を開発しました。本法の詳細は、9月25日から名古屋で開催される日本癌学会総会で9月26日に発表します。

タカラバイオの遺伝子治療に対する取り組み
 当社は、遺伝子治療技術の確立・商業化を重要な戦略事業と位置付けており、現在までに、米国インディアナ大学と共同で、レトロウイルスを用いた造血幹細胞への遺伝子導入効率を飛躍的に向上させる組換えヒト・フィブロネクチンを用いた「レトロネクチン法」の開発、遺伝子治療企業
モルメド社(イタリア)との提携によるアジア及び極東ロシアでの造血器腫瘍を対象とした遺伝子治療の展開などこの分野に力を注いでいます。また「レトロネクチン法」は、現在全世界の30機関以上の研究機関や病院で幹細胞遺伝子治療の臨床研究に用いられており、レトロウイルスベクターを用いる遺伝子治療法には欠かすことのできない世界標準法になっています。

遺伝子治療の遺伝子挿入部位のモニタリング手法として開発されたLAM-PCR法
 レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療においては、レトロウイルスベクターの性質に由来して、ゲノム上の遺伝子挿入部位が特定の部位に限定されないため、挿入部位の違いによって遺伝子導入細胞に異常が生じるのではないかと一部で危惧されています。
 このような危惧に対する対応策の一つとして、遺伝子導入クローンの存在状態や挿入部位をモニタリングする手法であるLAM-PCR法が開発された経緯があります。 しかし、これまでのLAM-PCR法(従来法)を用いると、遺伝子導入細胞が少ない場合、不均一で偏った遺伝子増幅が引き起こされ、多数のクローンのうち特定のクローン由来の遺伝子断片だけが増幅されることが明らかになりました。すなわち、他のゲノム部位にも遺伝子挿入が起こっているにもかかわらず、見掛け上は増幅されやすい遺伝子断片だけが増幅され、遺伝子導入細胞の存在状態を誤って判断する危険性があります。したがって、この方法は多数の遺伝子導入クローンが少量ずつ存在する場合、その存在状況を反映して、均等に増幅することができない欠陥増幅法であったと言えます。

タカラバイオLAM-PCR法
 そこで、当社は、遺伝子治療の安全性の向上を更に追及するためには、LAM - PCR法の精度の向上が必要であると考え、不均一な増幅の回避、あるいは、検出感度や再現性の向上を目指して、LAM-PCR法の改良を行い、従来法より優れたタカラバイオLAM-PCR法を開発しました。
 タカラバイオLAM-PCR法では、@:数種の遺伝子導入クローンのDNAが存在する場合、A:多数の遺伝子導入クローンのDNAが存在する場合、B:特定クローンのDNAが優位に存在する場合において、それぞれ、クローンの存在状態を反映した増幅が確認されました。また、少量で多種の遺伝子導入クローンのDNAが鋳型として存在する場合でも、タカラバイオ法は従来法に比べて不均一な増幅は生じにくく、クローンの存在状態を反映した遺伝子増幅が可能であることが明らかになりました。さらに、感度や再現性においても、タカラバイオLAM-PCR法は従来法に比べて優れていることが示されました。
 つまり、タカラバイオLAM-PCR法を用いることで、遺伝子導入部位のモニタリングの精度が向上することが期待されます。今後は、弊社が進める遺伝子治療のモニタリング手法としても本タカラバイオ法を有効利用するとともに、遺伝子治療研究の場でも有効利用していただけるように、研究用キットとして販売する予定です。

<参考資料>

モルメド社の概要
社名 MolMed S.p.A.
代表者 Claudio Bordignon (President)
所在地 VIA OLGETTINA, 58, 20132, MILANO ITALY
設立 1997年
資本金 非公開
従業員数 約50名
事業目的 イタリアの聖ラファエル、サンラファエロ病院(H San Raffaele)での遺伝子治療開発の中核を担うベンチャー企業です。細胞・遺伝子治療用の細胞やベクターのGMP生産および、白血病、肺ガン、前立腺ガン、エイズ等に対する遺伝子治療法を開発しており、同遺伝子治療法に関連する重要な特許を保有しています
            

<語句説明>

レトロウイルスベクター
 レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとする約0.1 μmのウイルスで、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV: Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。

ベクター
 ベクターとは運び屋という意味で、遺伝子治療を行うための遺伝子を患者の体内に入れる運び役で、2重鎖の環状DNAや無毒化したウイルスなどが使われます。

LAM-PCR法
 レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療において、遺伝子治療後の遺伝子導入細胞集団の増殖や存在状態を把握する方法として、Christof von Kalle博士により開発された遺伝子導入クローンの存在状態や導入部位のモニタリング手法です。

PCR法
 Polymerase Chain Reaction法(ポリメラーゼ連鎖反応法)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。

フィブロネクチン
 細胞表面、結合組織、血液中などに存在する糖蛋白質で、分子量約24万の単体がS-S結合による二量体(血漿性)、または多量体(細胞性)で存在します。生理活性としては、細胞の接着、伸展、分化、増殖などが知られています。

レトロネクチン
®
 レトロネクチン
®は、ヒトフィブロネクチン分子中の細胞結合領域、ヘパリン結合領域(ウイルス結合部位)およびCS−1領域(細胞結合部位)から構成される分子量約63,000の組換え蛋白質です。当社は本物質に関する全世界的な物質特許を保有しています。標的細胞とレトロウイルス両者に対して特異的相互作用を持つこと により、シャーレに固定化されたレトロネクチン®上で、レトロウイルスと標的細胞が 密接に接触し、遺伝子導入効率が上がると考えられます。GMPグレードのレトロネクチン®を用いたレトロネクチン法は、いまやレトロウイルスベクターによる遺伝子治療臨床研究のスタンダードとなっています。

レトロネクチン法
 当社と米国インディアナ大学医学部が共同で開発したもので、これまで難しいとされてきた造血幹細胞等の血液系細胞へのレトロウイルスベクターによる高効率遺伝子導入を可能にしました。造血幹細胞とは、全ての血液細胞の源になる細胞で、その人が生きている限り増えつづけます。この造血幹細胞に目的の遺伝子を組み込むことができれば、その遺伝子は生涯にわたって体の中に存在することになり、治療効果が飛躍的に高まると考えられています。現在、国内外7カ国の30以上の研究機関や病院で遺伝子治療の臨床研究に用いられており、レトロウイルスベクターを用いる造血幹細胞遺伝子治療法には欠くことのできないものとなっています。

造血器腫瘍
 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの総称です。

クローン
 単一細胞に由来する細胞集団のことで、遺伝子治療の場合、遺伝子導入された単一細胞由来の細胞集団を示します。すなわち、遺伝子導入後のそれぞれのクローンでは遺伝子導入部位が単一の細胞集団となります。


平成13年12月 宝酒造

伊MOLMED社に遺伝子治療用RetroNectin
®のライセンスを供与

 宝酒造株式会社(社長:大宮 久)のバイオ事業部門(現 タカラバイオ株式会社)と、イタリアの遺伝子治療ベンチャー企業のMOLMED S.p.A.(MOLMED)は、宝の開発したRetroNectin
®(組換えヒトフィブロネクチンフラグメント)をMOLMEDが商業的遺伝子治療に利用することを許諾する契約を締結しました。

 RetroNectin
®を用いる遺伝子導入法は、宝酒造バイオ研究所(現 タカラバイオ株式会社)と米国インディアナ大学医学部が共同で開発したもので、これまで難しいとされてきた造血幹細胞等の血液系細胞へのレトロウイルスベクターによる高効率遺伝子導入を可能にしました。造血幹細胞とは、全ての血液細胞の源になる細胞で、その人が生きている限り増えつづけます。この造血幹細胞に目的の遺伝子を組み込むことができれば、その遺伝子は生涯にわたって体の中に存在することになり、治療効果が飛躍的に高まると考えられています。このRetroNectin®を用いた遺伝子治療の臨床試験研究は既に全世界の22ヶ所の医療機関で進められており、RetroNectin® はレトロウイルスを用いた遺伝子治療のスタンダードとなりつつあります。

 MOLMEDは、イタリアのサンラファエロ病院(H San Raffaele)の遺伝子治療開発の中核を担うベンチャー企業です。細胞・遺伝子治療用の細胞やベクターのGMP生産および、白血病、肺ガン、前立腺ガン、食道ガン、エイズ、ADA欠損症(重症複合免疫欠損症)等に対する遺伝子治療法を開発している、世界でも有数の遺伝子治療ベンチャーで、同遺伝子治療法に関連する重要な特許を保有しています。チミジンキナーゼ遺伝子を用いた白血病の遺伝子治療は現在臨床試験中であり、2005年にはNew Drug Application(新薬承認申請)を申請する予定です。MOLMEDはこれら開発中の遺伝子治療にRetroNectinRを用いることを計画しています。

 今回締結した契約では、宝酒造は、MOLMEDおよび同社の株式を所有するサンラファエロ病院(ミラノ)等の関連組織に、ヨーロッパ及び米国において、宝酒造(現 タカラバイオ株式会社)が特許権を保有するRetroNectinR及びその利用法に関する特許権を遺伝子治療法の開発、商業化に非独占的に利用することを許諾するとともに、GMPレベルのRetroNectin
®を有償で供給することに合意しました。

宝酒造バイオ事業部門(現 タカラバイオ株式会社)ではMOLMEDの遺伝子治療開発パイプラインにRetroNectinRが用いられることにより、RetroNectin
®法が遺伝子治療のスタンダードとして更に認知され、遺伝子治療の普及に貢献できるものと期待しています。

<会社概要>
MOLMED S.p.A.
 イタリアのサンラファエロ・バイオメディカル・サイエンスパークとベーリンガー・マンハイム社(現ロッシュ社)とのジョイントベンチャーとして1997年に設立されたバイオベンチャーで、細胞・遺伝子治療用GMPレベルのベクターや細胞の製造と、遺伝子治療法の開発を行う。1999年にベンチャーキャピタルのEuropean Development Capital Partnershipがロッシュ社から同社の株式を買い取った。代表者Claudio Bordignon、従業員数は約50人。


平成17年7月1日 タカラバイオ

タカラバイオ、米国BD社からクロンテック事業を買収
http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/07/01-1.htm

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と、BD(Becton, Dickinson and Company、米国ニュージャージー州フランクリンレイクス、社長:Edward Ludwig、以下「BD社」)とは、クロンテック・ラボラトリーズ社(Clontech Laboratories, Inc.、米国カリフォルニア州マウンテンビュー、従業員約190名)を中心とするBD社の「クロンテック事業」を、当社が6,000万米ドル(約66億円)で買収することに関する契約書に7月1日付けで調印致しました。日本を始め欧米でのいわゆる「独占禁止法」上の許可取得など所定の手続は本年8月までに完了すると見込まれ、その後、当社が米国に設立予定の100%子会社を通じてBD社クロンテック事業を買収する予定です。

 BD社クロンテック事業は、1984年に米国カリフォルニア州パロアルトに設立されたクロンテック・ラボラトリーズ社が起源であり、BD 社はクロンテック・ラボラトリーズ社を1999年に買収しました。クロンテック製品は、分子生物学分野を中心としたバイオ研究用試薬の老舗ブランドとして、確固たる地位を築いており、遺伝子の発見や調節、機能解析等を行うためのツールとして世界で広く使われております。全世界におけるクロンテック事業の 2004年の売上は約60億円です。

 当社は、1979年に制限酵素を発売して以来、PCR関連製品を日本で最初に導入してバイオ研究者に提供するなど、遺伝子工学研究分野における事業を推進し、現在はコアビジネスと位置づけるに至っています。2004年度の遺伝子工学研究分野の売上実績(連結)は約118億円です。

 当社は、今般の買収により以下の効果を期待できると考えています。

1. 研究用試薬のラインナップの拡充
 クロンテック製品は、蛍光タンパク質を用いた遺伝子機能解析システム、タンパク質相互作用解析システムやタンパク質生産のための発現ベクター等の優れた製品をラインナップしています。一方当社は、制限酵素等の遺伝子工学研究用酵素、PCRなどの遺伝子増幅関連製品等、遺伝子工学研究分野に強みをもっています。つまり、クロンテック製品と当社製品は相互に補完的であり、両製品の融合は、バイオ研究者にとって、非常に魅力ある製品群となると考えています。

2. 遺伝子工学研究分野における海外売上高の拡大
 BD社クロンテック事業の売上高約60億円(2004年)うち、2/3以上が欧米における売上である一方、当社の遺伝子工学研究分野の売上高(連結)のうち、85%程度が日本における売上です。今般の買収により、クロンテック製品のみならず当社製品も含めた、欧米を中心とした海外での研究用試薬の販売強化ができると考えています。

3. 研究用試薬開発の強化及び効率化
 当社は日本を中心に研究用試薬の開発を進めており、BD社クロンテック事業は米国において製品開発を行っています。今後は、日米での製品開発の分担や効率化を行うことで、研究用試薬の製品開発力を強化し、グローバルマーケットにおいて、確固たる地位を築いて行きたいと考えています。

 今般のクロンテック事業の買収により、平成17年5月13日の平成17年3月期決算の発表時に公表した平成18年3月期の業績予想を以下のとおり修正いたします。

1. 平成18年3月期連結業績予想値の修正(平成17年4月1日〜平成18年3月31日) 略

2. 平成18年3月期単体通期業績予想値(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)
 平成18年3月期単体通期業績予想値につきましては、平成17年5月13日に公表した数値から変更はありません。
 なお、平成17年9月中間期業績予想値につきましては、連結・単体ともに、平成17年5月13日に公表した数値から変更はありません。

<参考資料>
【BD社の概要】
社 名 : Becton, Dickinson and Company
ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー
所在地 : 1 Becton Drive, Franklin Lakes, New Jersey 07417-1880, U.S.A.
代表者 : Edward Ludwig (Chairman, President and CEO)
設 立 : 1897年
資本金 : 363,804,000米ドル(約400億円、2004年9月30日現在)
主要株主 : Barclays Bank PLC(11.2%、2005年3月31日現在)
従業員数 : 25,000人(2004年9月30日現在)
売上高 : 4,934百万ドル(約5,400億円、2004年度)
事業内容 : 注射器、血糖測定器などの医療機器、診断薬、細胞分離解析装置等の製造販売

【BD社クロンテック事業の概要】
売上高 : 60,513千米ドル(2003年10月1日〜2004年9月30日)
経常利益 : 333千米ドル(2003年10月1日〜2004年9月30日)
資産合計 : 29,143千米ドル(2005年5月31日現在)
負債合計 : 8,346千米ドル(2005年5月31日現在)

(注):BD社クロンテック事業の概要については、BD社が今回の事業譲渡にあたり作成した当該事業に係る数値であり、未監査の数値であります。

【語句説明】
制限酵素:DNA鎖の、特定の塩基配列を認識して切断する酵素です。遺伝子工学研究には必須の酵素で、数百種類もの制限酵素が分離精製されています。
PCR:Polymerase Chain Reaction法(ポリメラーゼ連鎖反応法)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。