2004/5/17 藤沢薬品

藤沢薬品・山之内製薬共同新設分割による
一般用医薬品事業会社「ゼファーマ株式会社」新設のお知らせ
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=71639

 藤沢薬品工業株式会社(本社:大阪、社長:青木初夫、以下「藤沢薬品」)と山之内製薬株式会社(本社:東京、社長:竹中登一、以下「山之内製薬」)は、2003年10月16日に発表しました一般用医薬品事業の分割と共同出資会社の新設について最終的に合意し、本日開催された両社の取締役会において共同分割計画書が承認されましたので、お知らせいたします。

1) 共同新設分割により設立される会社は、「ゼファーマ株式会社」(以下「ゼファーマ」)の商号で、2004年10月1日より事業を開始する予定です。
2) 本社は東京都に置きます。
3) 藤沢薬品と山之内製薬の出資比率は50:50 です。
4) 胃薬(ガスター10)、総合感冒薬(プレコール、カコナール)、皮膚用薬(マキロン、オイラックス、ピロエース)、抗アレルギー剤(エージーアイズ/エージーノーズ)など、主要薬効領域に知名度の高いブランドを有し、両社のマーケティング・ノウハウや研究開発力を統合することで、一般用医薬品市場における競争力の強化と高い顧客満足の提供を目指します。
5) 従業員約200 人の少数・機動的な組織体制のもと、効率的な事業運営によって、収益力の一層の向上を図ります。
6) 藤沢薬品、山之内製薬からのスイッチOTC候補について第一選択権を保有します。


会社分割とゼファーマの概要は、下記の通りです。

●会社分割の概要

1. 会社分割の目的
   藤沢薬品と山之内製薬の両社は、国内において一般用医薬品事業(医薬部外品、化粧品、食品等を含む)を展開しており、それぞれ生活者の方々から高い評価とご愛用をいただいております。
 このたびの共同新設分割によるゼファーマの設立は、両社が培ってきたマーケティング・ノウハウや研究開発力の融合、生産や物流はすべて外注するなどコア機能に特化した効率的な組織設計、医療用医薬品事業を主体とする両株主会社との連携など、統合によるシナジーを最大限に活かし、一般用医薬品市場における競争力をさらに強化するとともに、将来への成長基盤を固めることを目的としたものです。
 ゼファーマは、自主独立の精神と、藤沢薬品でも山之内製薬でもないまったく新しい企業文化のもとで、事業を進めてまいります。生活者の声をすべての起点とし、一般用医薬品市場の変化を先取りすることによって、セルフメディケーションの分野で、これまで以上に高い顧客満足を提供できる企業になることを目指しております。
2. 会社分割の要旨
(1)会社分割の日程
  分割計画書および最終合意書承認取締役会: 2004 年5 月17 日
最終合意書調印: 2004 年5 月17 日
分割期日: 2004 年10 月1 日(予定)
分割登記: 2004 年10 月1 日(予定)
(2)会社分割の方式
 @分割方式(新設分割・物的分割)
   藤沢薬品および山之内製薬を分割会社とし、両社が共同で設立する「ゼファーマ株式会社」を新設会社とする共同新設分割であり、新設会社が発行する株式を両分割会社に割り当てる物的分割です。
 なお、本分割は簡易分割で行ないます。
 A本分割方式を採用した理由
  従来からの営業譲渡方式等に比べ、より機動的な事業承継、会社設立ができるため、当方式を採用しました。
(3)株式の割当
 @株式割当比率
   新設会社は、本分割に際して普通株式6,000 株を発行し、藤沢薬品に3,000 株、山之内製薬に3,000株を割り当てます。
 A株式割当比率の算定根拠
   株式割当比率につきましては、藤沢薬品および山之内製薬がそれぞれ独自に依頼したファイナンシャル・アドバイザーによる評価を踏まえ、両社が交渉・協議を行ない決定いたしました。なお、藤沢薬品はリーマン・ブラザーズ証券会社より、山之内製薬は野村證券株式会社より、本比率が妥当である旨の意見をそれぞれ受領しています。
(4)分割交付金
  分割交付金の支払いはありません。
(5)新設会社が承継する権利義務
   本分割において、新設会社は藤沢薬品および山之内製薬から、両社の2004 年3 月31 日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎として、これに分割期日前日までの増減を加除した、一般用医薬品事業(医薬部外品、化粧品、食品を含む)に属する、資産・負債およびこれらに付随する権利義務ならびに契約上の地位を分割期日において承継します。
 ただし、藤沢薬品および山之内製薬が有する一般用医薬品事業以外の事業にも関わる知的財産権、ならびに一般用医薬品事業に関わる子会社株式は承継しません。
(6)債務履行の見込み
   藤沢薬品および山之内製薬から新設会社が承継する一切の債務は、すべて併存的債務引受の方法によるものとしています。本分割が藤沢薬品および山之内製薬の財務状況に与える影響が軽微であること、また、本分割後の事業活動において債務の履行に支障を及ぼす事象の発生は現在のところ予想されていないことから、藤沢薬品、山之内製薬および新設会社が負担すべき債務の履行の確実性に問題はないものと判断しております。
(7)新設会社に新たに就任する役員
   

3.分割当事会社の概要

  分割会社
(2004年3月31日現在)
分割会社
(2004年3月31日現在)
新設会社
(2004年10月1日見込み)
(1)商号 藤沢薬品工業株式会社 山之内製薬株式会社 ゼファーマ株式会社
(2)事業内容 医薬品、医薬部外品、医
療関連製品の製造・販売、
および輸出入、並びに在
宅医療事業など
医薬品、医薬部外品、食
品、医療用機械器具の製
造・販売、および輸出入
など
医薬品、医薬部外品、化
粧品、食品等の開発・販
(3)設立年月日 1930 年12 月 1923 年4 月 2004 年10 月1 日
(4)本店所在地       : 大阪市中央区道修町3 丁目4 番7 号 東京都中央区日本橋本町2 丁目3 番11 号 東京都中央区日本橋本町2 丁目7 番1 号
(5)代表者 代表取締役社長
青木初夫
代表取締役社長
竹中登一
代表取締役社長
大江方二
(6)資本金 38,594 百万円 99,760 百万円 300 百万円
(7)発行済株式総数 330,190,106 株 361,216,470 株 6,000 株
(8)株主資本 353,688 百万円 665,665 百万円 12,448 百万円
(9)総資産 449,196 百万円 784,191 百万円 15,931 百万円
(10)決算期 3 月31 日 3 月31 日 3 月31 日
(11)従業員数 3,645 名 4,088 名 約200 名
(12)主要取引先 潟Nラヤ三星堂
潟Xズケン
潟Aズウェル他
潟Nラヤ三星堂
潟Xズケン
潟Aズウェル他
潟Nラヤ三星堂
竃ホ木薬品商会
潟Rバショウ他
(13)大株主及び
持分比率
日本マスタートラスト信託銀行(株)
10.48%
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)
10.24%
日本生命保険相互会社6.92%
ザチェースマンハッタンバンクエヌエイロンド
ンエスエルオムニバスアカウント5.17%
鰍tFJ銀行4.31%
日本マスタートラスト信託銀行(株)
10.29%
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)
7.69%
ザチェースマンハッタンバンクエヌエイロンド
ンエスエルオムニバスアカウント4.51%
ステートストリートバンクアンドトラストカン
パニー4.30%
日本生命保険相互会社4.08%
藤沢薬品50%
山之内製薬50%
(14)主要取引銀行 鰍tFJ銀行
鞄結梹O菱銀行
鰍ンずほコーポレート銀行
且O井住友銀行
鰍tFJ銀行
鞄結梹O菱銀行
未定
(15)当事会社の関係 資本関係 新設会社の株式は、両分割会社がそれぞれ50%保有する。
人的関係 会社分割にあたり、藤沢薬品および山之内製薬の関係従業員は、新設会社に転籍
する。
取引関係 両分割会社またはその子会社は、新設会社と商品の売買取引を行なう。

(16)分割会社の最近3 決算期間の業績  略

4.分割する事業部門の内容
(1)分割する事業の内容
   医薬部外品、化粧品、食品等を含む一般用医薬品事業

参考:両社の一般用医薬品事業の概要

  藤沢薬品 山之内製薬
事業部名 薬専事業部 ヘルスケア事業本部
責任者 大江方二(執行役員薬専事業部長) 吉長孝二(取締役ヘルスケア事業担当)
従業員数 約120 名(2004 年4 月藤沢薬品個別) 約120 名(2004 年4 月山之内製薬個別)
売上高 11,854 百万円(2004 年3 月期個別実績) 11,636 百万円(2004 年3 月期個別実績)
取扱製品 一般用医薬品、医薬部外品 一般用医薬品、医薬部外品、化粧品、食品
主要製品 総合感冒薬「プレコール」
抗アレルギー剤「エージーアイズ/エー
ジーノーズ」
皮膚疾患治療薬「オイラックス」、
水虫薬「ピロエース」、
ビタミン剤「ノイビタゴールド」
胃薬「ガスター10」、
総合感冒薬「カコナール」、
外傷救急薬「マキロン」、
ナチュラルスキンソープ「ミノン」、
コンドーム「サンシー」

(2)一般用医薬品事業部門の2004 年3 月期における経営成績(単位:百万円)

  藤沢薬品 山之内製薬
一般薬事業
部門(A)
全体(B) 比率
(A)/(B) ×
100
一般薬事業
部門(A)
全体(B) 比率
(A)/(B) ×
100

売上高

11,854

264,431

4.5%

11,636

345,426

3.3%

(3)分割する資産・負債(2004 年9 月30 日見込み)(単位:百万円)

藤沢薬品 山之内製薬
資産額 負債額 純資産額 資産額 負債額 純資産額

8,189

1,613

6,576

7,741

1,868

5,872

5. 分割後の両分割会社の状況
 分割後の両分割会社の商号、本店所在地、資本金および決算期は前述の通りです。本分割により、個別の事業内容から新設会社に分割する事業が除外されます。また、当分割により藤沢薬品の総資産は16 億円程度、山之内製薬の総資産は18 億円程度減少する見込みです。
 なお、
両分割会社は本年2 月24 日に、2005 年4 月1 日付けで合併することに基本合意しており、現在最終合意に向けて準備を進めています。

6.分割後の両分割会社の業績に与える影響
 ゼファーマは両分割会社の持分法適用会社となり、それぞれの2005 年3 月期業績に与える影響については、藤沢薬品が2004 年4 月27 日に発表した業績予想、山之内製薬が2004 年5 月13 日に発表した業績予想に織り込み済みですが、両社の収益に与えるインパクトは軽微の見込みです。

●ゼファーマ株式会社の概要
1.会社概要

社名 ゼファーマ株式会社(Zepharma Inc.)
設立予定日 2004 年10 月1日
本社所在地 東京都中央区日本橋本町2丁目7番1号
資本金 3億円
出資比率 藤沢薬品50%、山之内製薬50%
代表者 代表取締役社長大江方二(現藤沢薬品執行役員薬専事業部長)
代表取締役副社長B長孝二(現山之内製薬取締役ヘルスケア事業担当)
従業員数 約200 名(両社より概ね同数が転籍)
事業概要 医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の開発・販売
主要製品 胃薬「ガスター10」、総合感冒薬「プレコール」・「カコナール」、
皮膚用薬「マキロン(外傷救急薬)」、「オイラックス(皮膚疾患治療薬)」、
「ピロエース(水虫薬)」、抗アレルギー剤「エージーアイズ/エージーノーズ」、
ビタミン剤「ノイビタゴールド」、ナチュラルスキンソープ「ミノン」、
コンドーム「サンシー」

*上記会社概要は、2004 年10 月1 日の設立時点の見込みであります

2.社名の意味
 ゼファーマ(Zepharma)とは、ギリシャ語で「生きる」を意味する「ze」と、医薬品会社をあらわす「pharma」からなる社名です。また「ze」には、究極(z)の価値を探究する(zetima)たゆまぬ熱意(zeal)という意味も含まれています。さらに、音が似ているゼファー(zephyr)は英語で、春の息吹を運んでくる優しいそよ風のこと。セルフメディケーションの世界に新風を吹き込み、あふれる情熱をもって、人々のよりすこやかで快適な生活に貢献しよう、という新会社の決意が、ゼファーマという社名に込められています。

3.経営理念・ビジョン

(1)経営理念
<目的>
  私たちは、セルフメディケーションの質を向上させる革新的な商品と情報の提供を通じて、人々の
よりすこやかで快適な生活に貢献します。
<使命>
・最高のお客様満足の追求
・従業員に対する働きがいと自己実現機会の提供
・企業価値の継続的な向上
・公正な事業活動による社会・自然環境との共生
<価値規範>
・生活者がすべての起点
・信頼される人・商品・プロセス
・知恵こそ最大の資源
・変革・スピードへの挑戦
・個の自立とチームワーク
・コミュニケーションの重視
   
(2)ビジョン
<2010 年度のめざす姿>
セルフメディケーションの分野で、お客様満足度No.1を実現している会社。
積極的な構造革新で、収益力と競争力あるビジネスモデルを確立している会社。
努力し成果を上げた人が報われる風土の中で、新しいことへの挑戦意欲と活力がみなぎっている会社。

<2010 年度のめざす業績>
 売上高: 500 億円超(自力成長+外部資源活用)
 営業利益: 対売上高10%
 一人当たり生産性: 売上・利益とも業界No.1

参考:2004 年3 月期における藤沢薬品と山之内製薬の実績をもとに、同時点で換算したゼファーマの売上高は、約230 億円となります。

4.組織・体制
(1)組織図  略
(2)従業員数
   正社員約200 名(営業関係約150 名)
   他に契約・派遣社員約40 名
(3)事業拠点
 本社(東京)、研究所(横浜)、支店(仙台、関越、東京、名古屋、京都、大阪、広島、福岡)
 サテライトオフィス(札幌、千葉、さいたま、横浜、神戸)
  注:サテライトオフィスは支店に所属する営業オフィスです。
5.経営基本戦略
<成長ステージ別の経営戦略>
 第一期(現有資源による自力成長期):収益性の向上、成長力の強化等
 第二期(自力成長に加えて、外部資源獲得による飛躍期):製品買収、M&A等
<全体戦略>
 収益基盤・企業プレゼンスの確立と提携戦略の推進
 ・選択と集中、効率化による収益構造の確立・強化
 ・知名度と信頼感の早期確立
 ・外部資源の導入・提携機会の探索・具体化
<マネジメントシステム>
 スピード、成果、風通しのよさを重視する新しい企業文化の構築
<事業戦略>
 統合による競争力と成長力の強化
 ・営業・マーケティング: 現行商品ブランドの徹底育成
  売上高30 億円超の3カテゴリー(胃腸薬、総合感冒薬、皮膚用薬(水虫薬含む))における
  ブランド力の一層の強化
 ・研究開発: 新商品開発の質の向上、スピードアップ
  中期予定新商品:胃腸薬、総合感冒薬、生活改善薬等
 ・信頼性保証: 生活者の視点に立った万全な品質保証、安全管理体制の構築