「鉄鋼輸出国」中国、韓国鉄鋼業界の対応は?
世界最大の鉄鋼輸入国だった中国が鉄鋼純輸出国に転換した。中国の鉄鋼輸出が急激に増加し、韓国の鉄鋼メーカーの大きな脅威となっている。
中国はここ3〜4年間、鉄鋼産業の施設投資に天文学的な資金をつぎ込んだ。昨年、各製鉄所が本格稼動に入り、一気に世界最大の鉄鋼輸出国入りを果した。ここ2年間、中国にポスコ規模の鉄鋼会社が7社以上もできた。
これにより中国産鉄鋼製品の韓国への流入が急激に増え、韓国の鉄鋼メーカーを緊張させている。
韓国鉄鋼協会が21日に明らかにしたところによると、昨年の中国鉄鋼輸出は、中国税関統計基準で2775万トンと、2004年に比べ36.9%増えた。一方、輸入は2717万トンと18.2%減少し、鉄鋼輸出国に転換した。中国の鉄鋼輸出は2003年には約845万トンだったが、わずか2年で3倍以上急増し、反対に輸入は半分に減った。
重要なのは、中国の鉄鋼輸出先が東南アジア国家と韓国に集中しているという点だ。昨年の中国産鉄鋼の対韓国輸出量は、規模において日本・台湾を圧倒的に上回った。昨年下半期には中国最大の鉄鋼メーカーである宝山鉄鋼に続き、中国4位の首都鉄鋼もソウル事務所を開き、韓国進出を本格的に宣言した。
現代・サムスンなど、韓国の造船メーカーも昨年から高付加製品に分類される船舶用厚板を中国から輸入している。特に、現代重工業グループは今年、中国から50万トンの中国産厚板を調達することにした。現代重工業の高位関係者は「中国産厚板の品質水準は、ここ3〜4年間で韓国産と比べても遜色がないほど向上した。今年は、中国産厚板の使用量が昨年の2倍近くに増えると思う」と語った。
せめてもの救いは、中国当局が鉄鋼産業の構造調整に突入したというニュースだ。宝山鉄鋼など、中国鉄鋼メーカーがダンピング競争を控え、鉄鋼価格を引き上げる兆しを見せている。サムスン証券のキム・ギョンジュンアナリストは「昨年末、中国の鉄鋼製品の価格が製造原価以下に下がったが、最近になって需要回復などに支えられ、少しずつ安定を取り戻している。鉄鋼産業の構造調整に対する中国政府の意志は非常に強いが、相変らず不安要因が多い」とみている。