新日本製鐵(株)・(株)神戸製鋼所の更なる連携強化と相互出資に関する協定締結について
新日本製鐵(株)(所在地:東京都千代田区、社長:千速晃)と(株)神戸製鋼所(所在地:神戸市中央区、社長:水越浩士)は、昨年12月に双方の競争力強化を目的に相互連携を行っていくことに合意し、今日まで、中山製鋼所殿向け半製品の共同供給や製品物流・原料/資機材購買・近隣事業所間・関係会社間での具体的な連携施策を検討し実施してまいりました。
今般、従来から検討してまいりました項目および新たな項目について、一層踏み込んだ連携を目指した検討を行っていくことに合意いたしました。
現時点で合意している連携の重点項目は以下のとおりです。
なお、今後、相互に合意できる項目があれば、適宜追加していく予定です。
1. | 両社の鋼材加工分野での関係会社間連携について、特に地域別での最適な生産・稼動体制を構築すべく体質強化のための連携を強化する。 |
2. | 両社の物流子会社について、海上輸送・中継基地を中心に連携を強化し一層の効率化を図る。 |
3. | 今後予想される高炉原料の供給制約や環境問題への対応の観点から、新鉄源製造プロセスの活用策に関する両社での共同検討を推進する。 |
なお、住友金属工業(株)の和歌山製鉄所設備休止に伴う熱延鋼板供給に関しては、両社が熱延鋼板を供給することになっております。
また、これら連携施策の推進のため、新日本製鐵(株)と(株)神戸製鋼所は相互出資(それぞれ約30億円程度)に関する協定を締結いたしました。
|新日本製鐵(株)・住友金属工業(株)間の熱延鋼板協力、更なる連携強化と相互出資に関する協定締結について
新日本製鐵(株)(所在地:東京都千代田区、社長:千速晃)と住友金属工業(株)(所在地:大阪市中央区、社長:下妻博)は、本年2月に、双方の競争力強化を目的に相互連携を行っていくことに合意し、今日まで、具体的な連携施策を検討してまいりました。
住友金属工業(株)は鉄鋼事業の抜本的競争力強化の為、和歌山製鉄所の薄板生産体制の構造改革に関する検討を行ってまいりました。
その結果、住友金属工業(株)は、和歌山製鉄所の薄板生産体制の構造改革に関しては、2004年度末に和歌山製鉄所の熱延ミル・タンデム冷延ミルを休止することを決定し、薄板量産品の生産を鹿島製鉄所に集中する一方、和歌山製鉄所では、レバース冷延ミル・連続メッキミル・電磁鋼板製造ラインでの薄板高級品の生産に特化することにより、効率的な薄板生産体制を確立していくことを決定いたしました。
また、和歌山製鉄所の鉄源工程の有効活用に関しては、中国鋼鐵(CSC)グループへの半製品(スラブ)供給を、現状の年間60万トンから2005年度には180万トン程度に拡大すること、加えて、和歌山製鉄所の鉄源工程の共同事業化について協議を開始することを住友金属工業(株)と中国鋼鐵(CSC)殿の間で合意いたしました。
今般、両社は、住友金属工業(株)の和歌山製鉄所の熱延ミル休止に伴い不足となる熱延鋼板については、新日本製鐵(株)が供給協力を行うことに合意いたしました。なお、(株)神戸製鋼所も住友金属工業(株)向けにその一部を供給することとなっております。
同時に、新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)が従来から検討してきた(1)君津製鉄所および鹿島製鉄所間でのコストダウンに向けた相互協力、(2)高炉改修時・緊急時の鉄源及び下工程での相互融通、(3)原料/資機材購買及び物流面での相互協力等の連携施策については、今後、迅速かつ強力に進めるとともに、新たに、それぞれの関係会社間で体質強化のための連携施策についても、検討を推進していくことといたします。
また、これらの連携施策の推進のため、新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)は相互出資(それぞれ約50億円程度)に関する協定を締結いたしました。
なお、従来から検討を行ってきましたステンレス事業の統合については、平成15年10月実施を目途に進めてまいります。
|住友金属工業(株)・(株)神戸製鋼所間の熱延鋼板等の協力、相互連携と相互出資に関する協定締結について
住友金属工業(株)(所在地:大阪市中央区、社長:下妻博)と(株)神戸製鋼所(所在地:神戸市中央区、社長:水越浩士)は、今般、2004年度末に予定されている住友金属工業(株)和歌山製鉄所の熱延ミル休止に伴い不足となる熱延鋼板、及びチタン薄板の熱間製品について、(株)神戸製鋼所が供給協力を行うことに合意いたしました。
同時に、両社は今回の協力関係構築を機に、双方の競争力強化のための相互連携を幅広い分野で実施していくことにも合意いたしました。現時点で合意している連携内容は以下のとおりです。
なお、今後の協議の中で相互に合意できる項目が出てくれば、適宜追加していく予定です。
1. | 製品物流面 |
中継基地・船舶・トラック等、製品物流インフラの相互有効活用を図るための連携を実施する。 | |
2. | 原料/資機材購買面 |
原料/資機材の購買についての連携と備蓄在庫の相互融通を実施する。 | |
3. | 関係会社間 |
両社の関係会社間で、設備能力の有効活用・立地条件の相互補完等、体質強化のための連携を実施する。 | |
4. | チタン事業 |
上記のチタン薄板での協力関係に加え、チタン事業の原料調達・製造・物流分野について、相互の効率化・コストダウンのための連携を実施する。 |
また、これらの連携施策の推進のため、住友金属工業(株)と(株)神戸製鋼所は相互出資(それぞれ約30億円程度)に関する協定を締結いたしました。
2002/11/14 新日本製鉄/住友金属工業/神戸製鋼所
新日本製鐵(株)・住友金属工業(株)・(株)神戸製鋼所の3社間提携検討委員会の設置について
今般、新日本製鐵(株)、住友金属工業(株)、および(株)神戸製鋼所は、各2社間での連携施策及び相互出資に関する協定を締結致しました。各社は、それら協定に基づき連携施策を一層強力に推進してまいりますが、各2社間での連携施策検討テーマにつき、3社間で連携施策を検討することでより各社の事業効率向上に資するべく、3社による3社間提携検討委員会を設置することといたしました。
以上の各分野における連携施策の検討・実施により、3社は営業上の競合関係を維持しながら、同時にそれぞれの競争力を強化するための協力関係を構築してまいります。
新日本製鐵(株)と住友金属工業(株)のステンレス事業統合について
新日本製鐵株式會社(所在地:東京都千代田区、社長:千速晃)と住友金属工業株式会社(所在地:大阪市中央区、社長:下妻博)は、去る6月13日に両社ステンレス事業(薄板、厚板、及び棒線、但し株式会社住友金属直江津及び株式会社住友金属小倉の事業は含まず)の統合に向けた基本覚書を取り交わし、以降、事業統合検討委員会にてより構造的な体質強化策を鋭意検討・協議してまいりました。
その結果、新会社設立によるステンレス事業の統合を、顧客対応に万全を期するための業務基盤整備等に関わる準備期間を勘案し、平成15年10月を目途とすること(当初平成15年4月までを目途)と致しました。今後、事業統合検討委員会にてさらに詳細条件の詰めを行った上で、最終的な合意が得られれば、本年内を目途に事業統合のための正式契約を締結する意向であります。
2002/11/14 住友金属工業
『中期経営計画(2002年度〜2005年度)』
当社は、昨年4月に策定した「変革と再生」実行プランに基き、出向者移籍施策の実施等による固定費の削減、資産圧縮の推進等による借入残高の削減等の諸施策を実施することにより企業体質の強化と収益改善に取り組んできました。
今年度においては当初見通しどおり連結決算では経常利益400億円、当期利益150億円、単独決算では経常利益230億円、当期利益100億円の計上ができる見込みであり、配当可能利益の確保を前提に、2002年度決算で復配します。
また、連結借入残高についても今年度末14,600億円程度へと当初見通しを上回る削減を達成できる見込みです。
当社は、さらに磐石な経営体制を確立するため、今般、『中期経営計画(2002年度〜2005年度)』を策定し、より一層効率的な鉄鋼事業体制の構築、財務基盤の抜本的な改善をはかることとしました。
1.『中期経営計画』により目指すもの
世界の鉄鋼需要は、中国をはじめとするアジア諸国を中心として今後も着実な増加が見込まれます。しかしながら、国内需要家の海外シフト等により中長期的には日本国内の鉄鋼需要は漸減していくものと見込んでいます。
一方、需要家業界における世界規模での統合・再編の進展、鉄鉱石サプライヤーの統合など、当社を取り巻く事業環境は激変を続けています。
当社は、このような需要見込み、環境変化の中にあっては、さらに製品競争力を高め、顧客評価NO.1を実現するとともに、高収益体質を確立するための事業基盤の強化が必要と認識しています。
そのために本計画では、
(1) 鉄鋼事業の抜本的な構造改革と競争力強化
(2) 財務基盤の強化
(連結ベース)
・借入残高 1兆円以下
・ROA 5%以上
・株主資本比率 20%以上
の実現をはかります。
事業分野別には、当社固有の鉄鋼事業である交通産機品事業及び鋼管事業においては既に安定的な収益体質を確立しました。
鋼板事業分野については本計画において設備集約をはかり、世界最高水準のコスト競争力を有する事業体制を構築します。
その結果、当社の鉄鋼事業はキャッシュフロー創出力が高い事業の集合体となります。
また、当社企業グループ全般にわたって、経営資源を鉄鋼事業に集中することにより、資産効率の向上と連結借入残高の大幅削減をはかります。さらに早期に資本を充実することにより、財務構造の改善をはかります。
2.具体的施策
I.鉄鋼事業の抜本的な構造改革と競争力強化
1) | 薄板量産品の鹿島製鉄所への集中/和歌山製鉄所での薄板高級品への特化により効率的な薄板生産体制を整え、世界一級の鋼板事業を確立 |
・ | 和歌山製鉄所の熱延ミルとタンデム冷延ミルを休止(’04年度末)し、薄板量産品を鹿島製鉄所に集中 鹿島製鉄所で吸収できない熱延鋼板は新日本製鐵(株)及び(株)神戸製鋼所に供給を委託 |
・ | 鹿島製鉄所新第1高炉の稼動(’04年度央)に合わせ、上工程から下工程まで一貫したフル操業体制を確立し、世界最強の競争力を実現 |
・ | 和歌山製鉄所レバース冷延ミル・連続メッキミル・電磁鋼板製造ラインで引き続き薄板高級品を製造 |
2) | 和歌山製鉄所上工程のフル操業化 |
・ | 中國鋼鐵(CSC)グループへのスラブ長期安定供給により和歌山製鉄所上工程のフル操業体制を確立 (現状のスラブ供給契約600千トン/年から1,800千トン程度/年へ) そのために、上工程の共同事業化について中國鋼鐵(CSC)と協議を開始 →和歌山製鉄所の構造改革を完了 |
3) | ステンレス事業の統合 |
・ | 新日本製鐵(株)との新会社設立による事業統合を実施(’03/10月) |
4) | 新日本製鐵(株)と近隣製鉄所間・原料/資機材購買及び物流面等での相互協力 |
5) | (株)神戸製鋼所とチタン事業・原料/資機材購買及び物流面等での相互協力 ↓ 新日本製鐵(株)、(株)神戸製鋼所との相互出資 |
・ | 営業・研究開発は当社の独自性を保ちつつ、国際マーケットにおける競争力の一層の向上をはかるため、新日本製鐵(株)<約50億円程度>、(株)神戸製鋼所<約30億円程度>と相互出資を実施 |
・ | 各社の事業効率向上に資するため3社間提携検討委員会を設置 |
II.財務基盤の強化
1) | 連結借入残高1兆円以下 |
・ | 鉄鋼事業への経営資源の集中(グループ事業の大幅な絞込み) |
・ | 非効率資産(不動産、有価証券等)の売却により、連結借入残高を、’01年度末16,487億円から約6,600億円削減し、→’05年度末1兆円以下 |
2) | 株主資本比率の向上 |
・ | フロー収益の確保ROA5%以上 |
・ | 資産圧縮 |
・ | 財務体質の早期改善・・・・・・・第三者割当増資〈500億円規模〉の実施による資本の充実により、株主資本比率を、 ’01年度末11.3%から約11%改善し、→’05年度末22%台 |
3.中期経営計画における財務目標 下記
4.結び
当社は、本計画に従い効率的な鉄鋼事業体制を構築し、財務基盤を強化します。
さらに、これらの事業基盤強化を背景として、今後、世界的に増加が見込まれるエネルギー需要、自動車生産などに対応するため、これまで取り組んできた技術提携、海外事業展開などを一層積極的に推進するとともに、国内においてはIPP事業を2007年度に営業開始するなど、住友金属グループの収益力の強化と将来の飛躍を目指します。
当社は、激変する事業環境への的確な対応及び高収益を安定的に確保できる企業体質の構築を通じて、株主、顧客、サプライヤー、地域社会、従業員など様々なステークホルダーの満足を得られる企業となるために全力を尽くします。
中期経営計画における財務目標
日本経済新聞夕刊 2002/11/20
鉄鋼3社提携
新たな課題 独禁法上の「潔白」示す必要
新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所の鉄鋼大手3社が資本、業務提携を発表した。既にNKKと川崎製鉄が共同で持ち株会社を設立しており、2グループ体制が幕を開けた。ただ新日鉄など3社は、価格調整など独占禁止法上の疑いをもたれないよう、注意を払う必要がある。