2010/4/19

リチウムイオン電池用原料(エチレンカーボネート)製造の合弁会社設立のお知らせ

東亞合成株式会社と三井化学株式会社は、エチレンカーボネート(EC)の製造を行う合弁会社を設立することで基本合意に至りましたのでお知らせします。
ECは、リチウムイオン二次電池用電解液の主要原料で、これまで東亞合成は名古屋工場においてECを製造しており、今後のLiB市場の拡大に伴うECの需要増大に対応するための設備増強を検討してきました。

今般、東亞合成と三井化学は、EC原料であるエチレンオキサイドを三井化学大阪工場から供給し、東亞合成独自技術によりECの製造を行う合弁会社を設立することで基本的に合意しました。
新合弁会社の製造設備は、三井化学大阪工場敷地内に設置し、販売業務は従来どおり東亞合成が担います。なお、東亞合成は、名古屋工場におけるEC製造も継続します。

LiBの需要は、パソコン、携帯電話用途に加え、電気自動車、プラグイン自動車、ハイブリッド自動車の普及とともに世界的に拡大する見込みです。その電解液の主要成分となるECの需要も2012年以降に急拡大が見込まれており、東亞合成としては、そのような市場動向を先取りしたEC製造能力の増強を目的に、また三井化学は、大阪工場へのEO誘導品事業誘致によるEO事業競争力強化と大阪工場基盤強化を目的として、今回の合弁会社設立に基本合意しました。新合弁会社の概要は下記の通りです。

<新合弁会社概要>
◆社 名 : MTエチレンカーボネート株式会社
◆本社所在地 : 東京都港区
◆出資比率 : 東亞合成 90%、三井化学 10%
生産能力 : 5,000トン/年
◆設備投資額 : 10億円程度
◆設置場所 : 三井化学株式会社 大阪工場敷地内
◆完成予定 : 2011年秋

 

ーーー

エチレンカーボネート

エチレンオキサイドと二酸化炭素とを、カーボネート化触媒の存在下に反応させて、エチレンカーボネートを製造

東亞合成  名古屋  2400t  自社技術   
MTエチレンカーボネート  大阪  5000t  東亞合成技術  
丸善石油化学  五井  2000t  プロピレンカーボネートと併産  
三菱化学  鹿島  2000t    

三菱化学は鹿島事業所でリチウムイオン電池電解液の原料である「エチレンカーボネート」の生産を始める。年産能力 2,000トンの設備を整え、2008年1月から本格稼働させる。
リチウムイオン電池は需要拡大が見込まれているハイブリッド車への採用が見込まれるため 量産体制を整える。

-------------

2011/12/7  日本経済新聞

三菱化学、リチウムイオン電池原料の生産4倍に

 三菱化学はリチウムイオン電池の原料の生産を4倍に増やす。エチレンカーボネート(EC)と呼ぶ物質で、現在は鹿島事業所(茨城県神栖市)で年2千トンを生産するが、設備を増強し2013年に同8千トンに増やす。投資額は約10億円。電気自動車などエコカー向けの電池の販売増が見込めるため、原料の増産体制を整え需要を取り込む。

 ECはリチウムイオン電池の主要部材の電解液の原料。三菱化学はポリエステル繊維原料になるエチレングリコールから高純度のECを低コストで生産する手法を確立しており、大量生産で競争力を一段と高める考え。



 来春までに鹿島事業所の既存設備を改造し、生産能力を1.5倍に高める。さらに13年までに年産5千トンの新プラントを建設する計画。

 増産するECの販売先として、鹿島事業所の近隣の土地を富山薬品工業(東京・中央、加山信弘社長)に売却して電解液工場を誘致した。富山薬品は東京電力の福島第1原子力発電所の事故で原発から3キロ圏内の主力工場が使えなくなっており、来年4月までに代替工場を鹿島に建設する。

 三菱化学は四日市事業所(三重県四日市市)で電解液の生産も手がけており、増産するECは自社向けにも回す。


平成19年10月26日 三菱化学

リチウムイオン二次電池用電解液の生産設備増強について

三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林 喜光)は、当社四日市事業所(所在地:三重県四日市市、事業所長:池浦 富久)において、2007年10月25日に、リチウムイオン二次電池用電解液(商品名「ソルライト」)の生産能力増強工事を完了し、竣工いたしました。

ソルライト:プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの等重量混合液にLithium perchlorate(LiClO4)を1 mol/Lの濃度となるように溶解させたもの

 近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピューター等携帯用小型電子機器の急速な普及に伴いリチウムイオン二次電池の需要は伸び続けており、現在では全 二次電池の中で最大の生産額を占めるまでに成長しました。今後は、従来のニッケル水素電池に比べ高容量・高電圧のリチウムイオン二次電池の搭載が、ハイブ リッド自動車や電気自動車向けに期待されています。

 このような状況下、当社では、リチウムイオン二次電池を搭載するハイブリッド自動車や電気自動車向けの需要に対応するため、四日市事業所において
本格量産化への第一弾として、年産2,000トン規模の製造設備を増強いたしました。

 三菱化学では、中期経営計画「革進−Phase2」の中で電池材料ビジネスを育成事業として捉えています。同事業は、電解液のほか、正極材及び負極材の 製造販売を行っており、セパレーターについても順調に研究開発が進んでおります。 これら4つの材料を扱っているのは、世界でも当社だけであり、各材料と もに高い開発技術を有し、お客様から高い評価を得ております。今回、電解液の製造設備増強により、さらなる電池材料ビジネスの拡大を図っていくとともに、 さらなる高機能化に向け開発を進めてまいります。

 

-