ABInBev(Anheuser-Busch InBev)社の豪州事業の株式取得及び新株式発行にかかる発行登録に関するお知らせ
当社は、Anheuser-Busch InBev SA/NVグループが豪州で保有する全事業(「CUB事業」)の取得についてAB InBev社と合意に達し、本日取締役会にて決議し、株式売買契約を締結しました。あわせて本日の取締役会において決議した新株式発行にかかる発行登録について、お知らせいたします。
CUB(Carlton & United Breweries)は旧称Foster's Group。1888年、2人のアメリカ人兄弟、William and Ralph Foster がメルボルンでFoster’s Breweryを設立した。
1907年、Foster’s Brewery、Victoria Brewery、Carlton Brewery、Shamrock Brewery、McCracken Brewery、Castlemaine Breweryの6社が合併し、Foster's Groupが設立された。
その後、Foster's GroupはCarlton & United Breweries(通称 CUB)に改称した。
2011年にSAB Millerに買収された。
そのSAB Millerは2016年にAnheuser-Busch InBev に買収された。2016/5/28 EU、AB InBev によるSABMiller 買収を承認
Anheuser-Busch InBevはこの買収で約1000億ドルの負債を抱えた。最大98億ドルの調達を予定したアジア子会社の香港での上場を市況により断念、今回の売却資金で借入金を返済する。
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アサヒビールは1990年にFoster's Groupに約20%(840億円)を出資した。
国際事業のノウハウやネットワークを活用できるとみて投資したが、その後Foster'sの経営が悪化、1997年に大半を売却し、派遣役員も引き上げた。
今回、再度出資することとなる。
1.本件取引の目的
当社は、本年から施行している新グループ理念“Asahi Group Philosophy”において、「高付加価値ブランドを核として成長する“グローカルな価値創造企業”を目指す」ことをビジョンに掲げています。
またAGPに基づいて更新した『中期経営方針』において、国際事業では、プレミアム化の推進とクロスセルの拡大展開を軸として、グループの持続的成長を牽引することを目指しています。
本件取引は、こうした戦略の一環であり、AB InBev社が保有する豪州のビール・サイダー事業(「Carlton」「Great Northern」をはじめとする有力ブランドの知的財産権を含む)を取得することにより、日本、欧州、豪州の3極を核としたゆるぎないグローバルプラットフォームの構築を目指します。
買収事業は、豪州ビール市場のトップブランドである「Carlton」や「Great Northern」などの商品に加えて、高いマーケティング力や商品開発力を有しています。強固なブランドポートフォリオや効率化推進力により、安定した収益性を備えている事業となります。
当社は、持続的な経済成長が続く豪州において、2009年以降、事業取得を推進してきており、飲料事業に加えて、酒類事業ではグローバルプレミアムブランドと位置付ける「Asahi Super Dry」「Peroni」「Pilsner Urquell」などを展開しています。
今後は、CUB事業の広範なディストリビューションネットワークを取得できることに加えて、同等の売上規模である既存の豪州事業との組み合わせにより、調達などでスケールメリットを享受することが可能となります。
また、グローカルなタレントマネジメントを拡大することにより、人材面における経営資源の高度化をさらに推進していく方針です。
本件取引により、既存事業を含めた豪州事業のEBITDAは約1,000億円と欧州事業と同規模となり、日本の2,000億円規模と合わせて3極体制が整うことになります。
2016/2/16 アサヒビール、英SABMillerの欧州事業の一部を買収
これまで培ってきた3拠点のブランドや人材などの「強み」を融合していくことで、“グローカルな価値創造企業”として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指していきます。
2.本件取引の概要
当社が本日締結した対象事業の買収に関する株式売買契約の概要は次のとおりです。
(1)契約当事者:(売主)AB InBev社、(買主)当社もしくは当社の100%子会社
(2)売買対象の株式及び資産:
AB InBev社が保有する豪州におけるビール・サイダー事業及びその他関連事業を構成する会社群の全株式、
「Carlton」、「Great Northern」等のすべてのCUB事業のブランド(商標権)を含む知的財産権、
豪州におけるAB InBev社ブランドの永久販売権及び一部AB InBev社ブランドのライセンス製造権、並びにその他関連資産
(3)取得価格:160億豪ドル(キャッシュフリー・デットフリー企業価値ベース)(約1兆2096億円※1)※1 :1豪ドル=75.6円で換算(7月18日現在)
(4)本件買収実行のための先行条件:当社が対象事業の買主として豪州競争法当局及び、豪州外国投資審査委員会から承認されること等
3.対象事業の概要
本件の譲受対象(予定)事業は、本契約締結日現在で123社から構成されますが、譲受対象企業毎の経営成績及び財政状態が正確に開示できないため、企業概要については、代表的な企業1社についてのみ記載致します。なお、譲受対象企業に関し開示すべき事項は、適宜改めてお知らせ致します。
名称 CUB Pty Ltd (Carlton & United Breweries) 所在地 メルボルン、豪州 事業内容 ビール・サイダーの製造販売 設立年月日 1907年5月8日 大株主及び持分比率 AB InBev社(100%) 従業員数 約1,310人(2019年3月31日現在)
ファイナンスプラン
当社の有利子負債額は、想定以上のキャッシュフロー創出力の向上により、計画を上回って減少していますが、本件取引成立後には、Net Debt/EBITDA倍率は一時的に4倍を超え、D/Eレシオや自己資本比率などの指標も悪化する見込みです。
そのため、本件取引成立後、早期に財務健全性の回復を図り、格付の現状維持を目指すとともに、リファイナンス・リスクを最小化するために、本件取引に係るブリッジローン約1兆2,000億円のパーマネント化に当たり、格付上の資本性評価額3,000億円相当の調達を検討します。
具体的には、保有自己株式の活用を含む普通株式による調達は上限2,000億円(主たる引受証券会社は、野村證券株式会社の予定)とし、格付上の資本となる劣後債(資本性50%を想定)を組み合わせることで、既存株主持分の希薄化を極力抑制しつつ、財務基盤の確保を図ります。残額については、負債性資金による調達を予定しており、調達手法の分散を図り、パーマネント化に際して発生する資本コスト、金利コスト全体の低減に努めていきます。
なお、上記のファイナンス・プランに関連し、本日、普通株式に係る発行登録(上限2,000億円)を行っております。具体的な資金調達のタイミングについては、今後の本件取引の進展に応じて検討し決定次第改めてお知らせ致します。