2010/3/30

日本曹達、米ダウ子会社の農薬製販権を買収

 日本曹達は米化学大手ダウ・ケミカルの農業用殺虫剤事業の一部を買収する。買収額は明らかにしていないが、数十億円とみられる。国内の農 薬市場が成熟化するなか、ダウが世界で展開する殺虫剤事業を取得し、新興国など成長市場を開拓する。

 買収するのはダウの農業子会社、ダウ・アグロサイエンスが持つ殺虫剤「テブフェノジド」の製造・販売権。31日に買収を完了する。主に日本 や韓国、北米など世界44カ国に製品を販売しており、コメや果樹の害虫駆除に幅広く使われる。同製品の売り上げは年間20億〜30億円とみられる。

 日本曹達は当面ダウから製品の供給を受けながら段階的に生産体制を整え、最終的にはすべて自社生産に切り替える。日本曹達の主力の農薬事業 の売上高は10年3月期で約380億円の見通しで、国内外の比率はほぼ半々。今後は海外を中心に売り上げを伸ばす考えだ。

 米ダウは農業事業の段階的な売却を進めており、今年1月には日産化学工業が農業用殺菌剤の一部を買収した。

---

2010/1/18 日産化学工業

農業化学品事業におけるダウアグロサイエンス社殺菌剤買収のお知らせ

当社は、ダウアグロサイエンス社(本社: 米国インディアナ州)より全世界における殺菌剤「チフルザミド」事業(日本における既存の混合剤を除く)を買収し、本日1月18日より自社製品として販売を開始いたしました。
「チフルザミド」は、担子菌類に属する糸状菌、特にリゾクトニア菌に優れた活性を発揮し、主に芝、稲およびばれいしょの病害を対象に「イカルガ」、「グレータム」、「パルサー」の商品名で、日本を始め、中国、韓国、ブラジルなど国内外において幅広く使用されている殺菌剤です。
当社は、かねてより農業化学品をコア事業の一つとして位置づけ、自社オリジナル製品の創製のための研究開発に注力し、最近では2008-09年にかけて殺菌剤「ライメイ」、殺ダニ剤「スターマイト」を相次いで上市しております。 一方では、除草剤「ラウンドアップ」の国内事業を米国モンサント社より買収するなど、製品ポートフォリオの充実による事業基盤の強化に向け総力をあげて取り組んでまいりました。 今般、新たに「チフルザミド」を戦列に加え、国内はもとよりグローバルに展開を加速することで、市場での存在感を高め、より一層の事業拡大を目指してまいります。

"This is part of Dow AgroSciences' ongoing portfolio management activities to maximize value and further our growth strategy," said Tim Hassinger, Vice President, Crops Global Business Unit for Dow AgroSciences. "Today, Dow AgroSciences is taking another important step by divesting this business, enabling us to focus resources on other areas of our portfolio that provide solutions critical to the growth of the agricultural industry."