2018年6月13日

日本メジフィジックスに公取委立ち入り、がん検査薬を私的独占容疑

 

がん検査に使われる放射性医薬品をめぐり、製造大手の「日本メジフィジックス」が他社の事業を不当に制限した疑いがあるとして、公正取引委員会は6月13日、独占禁止法違反(私的独占)容疑で立ち入り検査をした。公取委は、同社が他社の参入を妨げることで市場を独占し、薬剤の価格を高止まりさせるおそれがあると判断した模様だ。

日本メジフィジックスは、がん細胞を見つけるための「PET」(陽電子放射断層撮影)検査で使われる薬剤を2005年に国内で初めて販売し、その後は市場をほぼ独占してきた。

関係者によると、同社は富士フイルムが2014年に新規参入を発表すると、薬剤の投与装置を開発するメーカーに対し、富士フイルムの薬剤に対応する改良を行わないよう圧力をかけたほか、両社の薬剤に対応できる装置が開発されると、病院側に「この装置は自社の薬剤には使えない」とうその説明をして装置を使わせないようにし、富士フイルムの事業を妨げた疑いがある。

また、卸売会社に「富士フイルムと取引をするなら、うちの薬剤は扱わせない」と伝え、日本メジフィジックスより低価格で納入しようとした富士フイルムを排除しようとした疑いがある。

日本メジフィジックスは取材に対し、「検査には真摯に対応する」と回答した。

 

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2014年11月4日 富士フイルム 

PET(陽電子放射断層撮影)検査用の放射性医薬品市場に参入

約60億円を投資し、神奈川・大阪に研究開発拠点を新設
「T-817MA」の治療薬と合わせ、アルツハイマー型認知症の診断から治療まで幅広く貢献

富士フイルムは、脳疾患や心臓疾患、腫瘍などの各種疾病の機能診断に役立つPET(陽電子放射断層撮影)検査用の放射性医薬品市場に参入します。今後、約60億円を投資し、国際戦略総合特区に指定されている彩都西部地区(大阪府茨木市)と殿町地区(神奈川県川崎市)に研究開発拠点を新設します。

PET検査は、18F(フッ素)などポジトロン(陽電子)を放出する核種を化合物に標識した放射性医薬品をヒトに投与して断層撮影する検査で、各種疾病の機能診断に役立ちます。また、従来の核医学検査と比べて高い感度と空間分解能を有しており、より診断に適した機能画像が得られることから、各種疾病の診断、治療方針の決定や予後の判定などに大きな役割を果たします。

現在、脳疾患領域においては、高齢化社会の進展に伴って、アルツハイマー型認知症が増加しています。アルツハイマー型認知症の原因の一つとして、アミロイドβというタンパク質の脳内への異常な蓄積が考えられており、この蓄積はアルツハイマー型認知症が発症する15〜20年前から始まっていると解明されつつあります。また、アルツハイマー型認知症の診断精度向上は、放射性医薬品を用いたPET検査でアミロイドβを検出する手法が有効であると期待されています。これまで、富士フイルムは、100%子会社の富士フイルムRIファーマを通じて、放射性医薬品分野ではSPECT検査領域で事業を展開してきましたが、今後、アミロイドβ検出用薬剤の研究開発に取り組み、PET検査領域にも事業拡大を図ります。

富士フイルムRIファーマは、本年10月14日に、大手製薬企業のイーライリリー・アンド・カンパニーと、同社のPET検査用放射性医薬品「florbetapir(18F)注射液)」の日本国内における共同開発契約を締結しました。「florbetapir」は、イーライリリー・アンド・カンパニーが世界で最初に承認を取得した、脳内アミロイドβプラークを可視化できる放射性医薬品です。すでに、米国、EU諸国およびスイスにて承認され、アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者に対して、診断的評価を補助する目的で使用されています。

今後、富士フイルムRIファーマは、日本イーライリリーとの共同開発体制の下、「florbetapir」の国内承認取得を目指します。また「florbetapir」を用いたPET検査による認知障害の診断精度向上に取り組んでいきます。

 

【PET検査用放射性医薬品の研究開発拠点の概要】

会社名 富士フイルムRIファーマ
国際戦略総合特区 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区 関西イノベーション国際戦略総合特区
研究開発拠点 神奈川県川崎市 大阪府茨木市
延床面積 約2,000m2 約2,000m2
投資金額 約60億円