2007/10/15 Al Gore にノーベル平和賞、英国では裁判沙汰
他方、英国ではこの記録映画が裁判沙汰になっている。
本年2月に英国政府は温暖化に関する授業の一環として
3,385 の中学校にDVDを配る計画を明らかにした。
これに対してある父兄が、この映画はプロパガンダであるとして、回収することを求める訴訟を起こした。
そして、その立場を述べるサイト Straight
Teaching を開設している。
http://www.straightteaching.com/
裁判で High Court (民事第一審)の判事は生徒にこの記録映画を見せるのは政治的行為であるとし、映画の禁止はしないが、教育の中立を守るため、指導書付きで映画を見せることを求めた。
判事は、この映画は多くの部分が科学的調査や意見に基づいてはいるものの、単なる科学映画ではなく、政治的映画であると結論付けた。
裁判のなかで、11カ所の問題が議論となった。いずれも映画のなかの注目点である。
・Mount Kilimanjaro の雪解けが温暖化のせいであるとされている。
政府の専門家はこれが正しくないと認めざるを得なかった。
・ ice cores の証拠が、65万年に亘ってCO2の増加が気温上昇を引き起こしていることを示しているとしている。
裁判では、CO2と気温の上昇の間に800年から2,000年のラグがあることが明らかになった。
・Hurricane Katrina
が温暖化によって引き起こされたとしている。
政府の専門家は単発の事象を温暖化のせいにするのは "not possible"
と認めざるを得なかった。
・ Lake Chad
が干上がったのが温暖化のせいとしている。
政府の専門家はそうではないと認めざるを得なかった。
・北極の氷がなくなり、北極熊が溺れ死んだという研究が示されている。
事実は、4頭の北極熊が特に激しい嵐のために溺れ死んだだけであった。
・温暖化でメキシコ湾流がとまり、欧州が氷河時代に入ると警告している。
これは科学的にはあり得ないとの証拠がある。
・温暖化でサンゴ礁の白化を含め、種の減少に繋がるを批判している。
政府はこの主張を支持する証拠を何も見つけられなかった。
・Greenland
の氷が溶け、海面が危険なほど上昇するとしている。
Greenland
の氷が数千年間溶けないとの証拠がある。
・南極の氷が解けているとしている。
実際には南極の氷は増えている。
・海面が
7m も上昇し、何百万もの人が移住を余儀なくされるとしている。
実際には次の100年での海面の上昇は40cm
とみられており、大量移住のおそれはない。
・海面上昇で太平洋のいくつかの島の島民がNew Zealand
に移住を余儀なくされたとしている。
政府はこれを証明できず、裁判所はウソであるとみなした。
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なお、デンマークの政治学者で「環境危機をあおってはいけない―地球環境のホントの実態」(The Skeptical Environmentalist)を書いた Bjorn Lomborg は、Al Gore のノーベル賞受賞について、"An inconvenient peace prize" と題して、次のように批判している。
IPCC は世界が気候変動の結果どうなるかを苦労してまとめたが、Al Gore は怖い怖いと言っているだけだ。
Gore の受賞は、世界が他にするべきことを放置して、ますます、気候変動のみに力を注ぐことになってしまう。我々は気候変動の遠い先の影響を心配しながら、現在直面している問題については放置している。
毎年、栄養不良で400万人が死亡し、エイズで300万人が死亡し、室内・室外の大気汚染で250万人が死亡し、微量栄養素やクリーンな飲み水の不足で200万人が死亡する。
金も注意能力も十分ではない場合には、先ず最善の解決策で問題に取り組むべきだ。
http://commentisfree.guardian.co.uk/bjrn_lomborg/2007/10/an_inconvenient_peace_prize.html
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中公新書の 「気候変動とエネルギー問題 - CO2温暖化論争を超えて」 を読んだ。
「地球温暖化の議論をリードしてきたIPCCがスキャンダルに揺れている。温暖化を印象付けるためのデータ操作や、不都合な報告の黙殺など、あるまじき行為が明るみに出た。」
本書では、気候変動の真因を最新の知見から解説する。
二酸化炭素が温室効果で気温を上昇させる可能性は否定しないが、その効果は小さい。
真の原因は宇宙線の影響である。現在の太陽活動は弱まっており、今後、気温は低下する。
「さらに化石燃料を温存する上で必要な、バイオマス、核融合など代替エネルギー技術の最前線を紹介する。震災復興が急がれる今、莫大な国費を根拠薄弱なC02削減策のために浪費することは許されない。」(同書の帯)
概要は以下の通り。
序章 クライメート事件 暴かれた二酸化炭素原因説の陰謀
序章では、クライメート事件の概要を述べ、IPCCが人為的温暖化説以外は排除し、「科学」が二酸化炭素削減という目的に奉仕するようになったとする。
地球温暖化は排出権取引などで国のレベルで金儲けの種になると判断されたに違いない。
「IPCCとは、・・・空気から排出権取引という巨大ビジネス ー 実業ならぬ虚業 ー を作り出した詐欺師と言う方が適当かも知れない。」
IPCCは原発推進の隠れ蓑になっているのではないかとの指摘もある。
二酸化炭素が気温変化の主因であったという科学的根拠は存在しない。将来に大きな気温上昇をもたらすという予測も科学的根拠はない。
南極の氷床コア試料の分析では、二酸化炭素の変動は気温の変動よりも遅れており、しかも二酸化炭素とメタンの濃度が全く同様の変化を示しており、共通の原因即ち気温によって変化していることが分かる。
大気中の二酸化炭素濃度が増えるにつれ、海洋中に溶解する量も増え、ある濃度で平衡化する。
大気中の二酸化炭素は植物の成長を促すプラスの効果はあっても、人間の環境にとっていかなる意味でもマイナス要因にはならない。
二酸化炭素排出削減は炭素資源を子孫に残すためにこそ意味がある。
日本だけがIPCC信仰は崩れておらず、二酸化炭素の排出削減を崇高な目標と信じ込まされている。
地球温暖化防止対策として年間1兆円を超える税金が使われており、排出権取得に巨額の負担を強いられる。
無意味な支出を止め、震災復興に使うべきだ。
* Climategateについては 2009/12/2 IPCCデータの捏造疑惑
第1章 気候変動はどうして起こるか
太陽黒点数と気候の相関は古くから気付かれていた。
しかし、太陽からの入射エネルギーの長期変動を気候の長期変動の主因とする見方は、大気圏外で流入エネルギーを測定した衛星観測の結果、エネルギーの変動幅が小さすぎることから否定された。
このため、二酸化炭素の温室効果がクローズアップされてきた。
IPCCは(偽装と分かった)ホッケースティックを論拠に、自然要因の長期変動は無視できるとした。
しかし、長い歴史にわたって比べると、気温と二酸化炭素の相関はあまり明らかでない。二酸化炭素が温室効果で気温を上昇させる可能性は否定しないが、その効果は小さい。
大気中の二酸化炭素は無限に増える訳ではなく、平衡状態に到達し、頭打ちになる。
6000万年前に濃度は約4000ppmもあったが、徐々に低下し、現在に到っている。地球には気温を安定化する機構が具わっている。
1998年になり、デンマークのH. Svensmark が宇宙線が低雲層量を変化させていることを見付けた。この後、気温と宇宙線との相関を示すデータが多数発表された。
宇宙線は超新星爆発で放出された高エネルギー粒子だが、太陽活動が活発な時は太陽磁場が強くなるため、地球に到達する一次宇宙線が少なくなる。
太陽磁場が強く、宇宙線強度が減ると、エアロゾルが出来難くなって雲量が減り、地表の温度は上がる。
(水と植物プランクトンから出る硫酸が宇宙線でイオン化し、成長後にイオン再結合でエアロゾルの核を形成、水を吸着して水滴になり、雲を形成する。)
逆に、太陽磁場が弱まり、宇宙線強度が増えると、低雲層が増え、太陽エネルギーを反射するため、地表の気温を低下させる。
(水蒸気は温室効果で地表の気温を上昇させるが、低雲層は太陽エネルギーの反射により気温を低下させる。)
過去の氷河期もこれで説明できる。
地球形成初期に、若い太陽からの放射は7%も少なかったはずなのに地球が凍結しなかった「暗い太陽のパラドックス」も、当時の太陽磁場が非常に強く、宇宙線がほとんど地球に到達せず、雲による寒冷化が起こらなかったと説明される。
現在の太陽活動 は弱まりつつあり、今後、気温は低下傾向に動く。
過去120年の実績では、平均気温と太陽磁場の変動とで相関関係がみられる。二酸化炭素濃度との対応は良くない。
第2章 「地球温暖化」から「エネルギー問題」へ
温暖化対策で原発が復活したが、福島原発事故で原発停止の声が高まる。
原発抜きでエネルギー需要は賄えるか?
今や問題は「地球温暖化」から「エネルギー問題」へ移った。
1.日本のエネルギー事情
2.エネルギーをどこから得るか
3.エネルギーをどう使うか
炭素資源は数十年で使い尽くされる。代わりうるのは原子力しかないが、暴走の危険と放射性廃棄物問題があり、長期使用は好ましくない。
将来のエネルギーシステムで理想的なのは水素エネルギーシステムとバイオマスエネルギー(藻類に期待)。
究極のエネルギー源は下記の核融合。
第3章 未来のエネルギー源 − 核融合
1.磁場核融合
2.慣性核融合
第4章 これからどうするか
2009/12/2 IPCCデータの捏造疑惑
11月20日に英国の East Anglia大学Climate Research Unit のサーバーへのハッカーの攻撃で、多数のemailデータが持ち出され、公開された。
一覧表は http://www.eastangliaemails.com/index.php
Wall Street Journal による抜粋:
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704779704574553652849094482.html
Climate Research Unit のProfessor Phil Jonesと米国や英国の研究者の間のemailなどで、科学的データの議論や、公表するかどうか、懐疑派に対してどのように反論するかの議論などが含まれている。
懐疑派の生データ要請を拒否してきたが、論文審査(peer-review)では生データが必要となる。懐疑派が'Climate Research' 誌を買収したため、これに論文を出すのを止めようとするメールもあった。
"I think we have to stop considering 'Climate Research' as a legitimate peer-reviewed journal."
"Perhaps we should encourage our colleagues in the climate research community to no longer submit to, or cite papers in, this journal." (from Mr. Mann to several recipients in March 2003)
「科学とIPCCのニーズは必ずしも同じではないが、これまで合わせるよう努力してきた」とのメールもある。
多くの新聞が取り上げ、例を詳細に説明している。Cimate-gate
と呼ばれている。
Wall Street Journal
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704888404574547730924988354.html
New
York Times
http://www.nytimes.com/2009/11/21/science/earth/21climate.html?_r=1
米 Fox Newsのアンカー、グレン・ベックにより報道されたClimateGate
がYouTubeに出ている。
http://www.youtube.com/watch?v=OIVAhIjRYHE
メールの中に、Michael Mannが科学雑誌“Nature”に発表した有名なHockey Stick曲線についてのPhil Jonesのメールがある。
直線から急激に曲がっている形がホッケーのスティックに似ていることから、Hockey stick曲線と呼ばれる。
Michael Mannは「この急カーブは19世紀以降の地球温暖化を物語っており、このままでは地球は悲劇的な事態に陥る。ただちに化石燃料の使用を減らして二酸化炭素の排出を抑えるべきである」と主張、このグラフはIPCCの報告書で何回も引用され、Mann自身が2001年からIPCC報告書の執筆者に選ばれるようになった。
しかしこの曲線の正しさについては、McIntyre & McKitrickによる批判、ドイツのハンブルク大学のvon Storch教授の批判など、論争となった。
問題のメールは以下の通りで、気温の下降を隠すために、Mannが1981年以降20年間、同Climate Research Unit のKeith Briffaが1961年以降、実際の気温にプラスした“Trick” について述べている。
From: Phil Jones
To: ray bradley,mann@virginia.edu, mhughes@ltrr.arizona.edu
Subject: Diagram for WMO Statement
Date: Tue, 16 Nov 1999 13:31:15 +0000
Cc: k.briffa@uea.ac.uk,t.osborn@uea.ac.uk
Dear Ray, Mike and Malcolm,
Once Tim's got a diagram here we'll send that either later today or first thing tomorrow. I've just completed Mike's Nature trick of adding in the real temps to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) and from 1961 for Keith's to hide the decline. Mike's series got the annual land and marine values while the other two got April-Sept for NH land N of 20N. The latter two are real for 1999, while the estimate for 1999 for NH combined is +0.44C wrt 61-90. The Global estimate for 1999 with data through Oct is +0.35C cf. 0.57 for 1998. Thanks for the comments, Ray.
Cheers
Phil
East Anglia大学ではデータが盗まれたことを認め、警察に調査を依頼したとしたが、公表されたものが本物かどうか不明としている。しかし、New York Times によると、コンタクトした何人かの科学者はメールの受信、発信を認めている。
Phil Jonesは上の記録が本物だと認めたが、「下降を隠す」というのをどういう意味で言ったのかは覚えがないとしている。
New York Times は、これらの書類は、疑いもなく、特定の問題についての調査の質や特定の科学者の行動について疑問を投げかけるものになろうとしている。.
懐疑派のMike Shedlockは、Beware The Ice Age Cometh: Hackers Prove Global Warming Is A Scam のタイトルで本件について詳細に述べている。
東京大学の大プロジェクトIR3Sの叢書「地球温暖化懐疑論批判」が、データに基づき懐疑論を打破しているが、データそのものに疑惑が出てくると、ますます懐疑派が勢いづくこととなろう。
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更にこの後、University of
East Anglia
は彼らの地球温暖化説の基礎となる生の気温データを廃棄していたことを明らかにした。
新しいビルへの移転時に場所がないので捨てたという。
懐疑派はこれまで生データがどのように加工されたのか疑問視していたが、過去150年にわたる長期的な気温上昇の計算根拠をチェックできないことを意味する。
付記
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長Rajendra Pachauri 氏は12月4日のBBCラジオのインタビューで、いわゆるClimateGateについて、詳しく調査すると述べた。
「全体を調査し、我々の立場を明らかにする。隠したりしない」としている。