2011年07月13日 中央日報/中央日報
「BRICsの次はMIKT、韓国などが世界経済支える」
ゴールドマンサックス資産運用のジム・オニール会長
Jim O'Neill, chairman of Goldman Sachs は2003年、「BRICs」という新造語を作り、世界経済でブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国の浮上を予想した伝説的な金融専門家だ。
オニール会長がこのほど中央日報に世界経済を診断する特別寄稿文を送ってきた。オニール会長は、「世界経済で韓国など新興市場の重要性がますます重要になることに加え、韓国の中央日報がメッセージを伝えるのに適格だと判断した」と話した。
オニール会長は寄稿文で、「BRICsと成長市場4カ国のMIKT(メキシコ・インドネシア・韓国・トルコ)が今後世界の国内総生産
(GDP)の60%を占める可能性がある」とし、「こうした観点で見ると西欧圏で多くの人々がギリシャに執着するのは常識外の行動だ」と指摘した。オニー
ル会長は、「成長市場が世界経済の主要投資と機会を後押ししているという事実を直視しなければならない」と明らかにした。以下は寄稿文。
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経済・投資関連業界には自分に未来を見通すことができる水晶玉があると自信を持つ人が少なくない。だが、筆者は一度もそのような水晶玉を持ったと考えたことはない。むしろ市場のコンセンサス展望に常に懐疑的な見方を堅持してきた。上半期を振り返ってみれば、中東の民主化運動と依然進行中のユーロ圏危機、日本の大地震、世界経済の鈍化、中国の世界2大経済大国への浮上などさまざまな事件があった。まったく将来を予測することはできない時期だった。
金融界に30年近く身を置いた経験から照らし合わせてみると、市場参加者は不確実性が支配する時期を最も恐れる。だが、市場の方向性に対する不確実性が存在するという事実は一方では大きな絵を土台に価値ある分野に関心を集中しなければならないということを意味したりもする。
BRICs4カ国と韓国・メキシコ・インドネシア・トルコを含む「成長市場」(Growth
Economy)は筆者の経済構想で変わらず中枢的な部分を占めている。「マーストリヒト経済収斂基準」(1999年のユーロスタート当時のユーロ加入のための先決条件)を物差しに成長市場と
ユーロ圏の国を比較する作業は非常に興味深い。ユーロ圏で現在この条件をクリアしている国はただ1カ国、フィンランドだけだ。
これに対しBRICsはじめとする韓国・メキシコ・インドネシア・トルコなど成長市場の国はすべてユーロ加入条件を満たしている。成長市場が西欧圏と比較して財政的にもより堅実で金融が安定しているという現実を投資家が認めるまで今後どれくらいの時間がさらに必要なのだろうか。もう一
度、大きな絵を見よう。
BRICsはすでに世界10大経済大国の隊列に参加した。2050年には5位圏にこれら4カ国が布陣する可能性もある。BRICsは残る成長市場4カ国(韓国・メキシコ・インドネシア・トルコ)とともに世界の国内総生産(GDP)の60%を占める可能性がある。こうした観点から見ると西欧圏でこれだけ多くの人々がギリシャに執着するのは常識外の行動と判断される。中国は今年だけでギリシャの経済規模の3倍を上回るGDPを創出すると予想される。中国の年収増加幅はギリシャ全体の経済規模に迫る見通しだ。
最近の急激な原材料価格上昇と日本の大地震によるサプライチェーンへの影響が現在の世界経済が推進力を喪失した主な原因だ。また、こうした事態による否定的な波及効果が拡大する兆候も観察されている。
しかし、より根本的な質問は「成長市場と新興国市場の緊縮傾向を考慮した時、果たして世界経済がこのような短期的な原因が除去されたとしても(成長市場なしで)堅調な回復傾向を持続できるか」という点だ。
下半期を展望すれば、中国の物価上昇率が焦眉の関心事になるだろう。今年に入り中国の成長の勢いは一段と弱まったが、中国政府の政策は成長ではなく内実を期する方向へ明確に向かっていると判断される。中国政府の物価調整は物価統制にともなう循環周期的な利点だけでなく、長短期的に原材
料市場を安定させ株式市場の見通しを改善させる可能性が大きい。
先進国の場合、米国は雇用市場、住宅・財政問題にともなう不確実性により持続的に打撃を受けている。金融状況はかなり安定した水準を維持する可能性が高い代わりに、物価上昇圧力が高まると予想される。だが、米国が直面したより構造的な核心問題はまさに内需だ。米国の内需市場は以前のよ
うに米国と世界経済の成長を支えることができないというのは厳然とした現実だ。米国経済で内需の重要度が減っているのは事実だ。だが、海外成長市場で米国
の輸出品が占める割合は急激に増加している。もし米国の輸出成長の勢いが維持されるなら、経常収支改善を通じて内需不振を部分的ながら相殺する状況も全く
不可能ではない。
米国が直面した課題を考慮する時、成長市場が世界経済で担当する役割が現在のように重視されたことはかつてなかった。(先進国の)内
需市場を偏狭に守る態度から脱皮し世界経済の本来の姿を直視しようと努力しなければならない。世界経済で成長市場がすべての主要な投資と機会を後押しして
いるという事実だ。新しい世界を理解し、それに対応することこそ今年下半期だけでなくその後までわれわれが克服しなければならない課題だ。
◆ジム・オニール=2010年9月から会長を務めゴールドマンサックス資産運用の世界事業の方向を導く役割を担当している。1978年英シェフィールド大学(経済学科)、82年サリー大学(博士)を出た。
“These four countries are the ones that have shown a robust performance in the stock market this year and their economic fundamentals are considered strong,” said Kwak Byung-ryul, an investment strategist at Eugene Investment & Securities.”
“However, I am not sure whether they will outpace the BRICs. I feel like those new growth economies are junior versions of the big economies. For example, Korea is a little China and Mexico is a small version of the U.S.,” he explained.
Meanwhile, O’Neill predicted next year will become the “Year of the USA” with a possible rise of 20 percent in the stock market because of improving growth and falling unemployment.
各国の2010年のGDP(単位:10億ドル)
1位 アメリカ ○ 14,658 2位 中国 ○ 5,878 3位 日本 ○ 5,459 EU ○ 4位 ドイツ ○ 3,316 5位 フランス ○ 2,583 6位 イギリス ○ 2,247 7位 ブラジル ○ 2,090 8位 イタリア ○ 2,055 9位 カナダ ○ 1,574 10位 インド ○ 1,538 11位 ロシア ○ 1,465 12位 スペイン 1,410 13位 オーストラリア ○ 1,236 14位 メキシコ ○ 1,039 15位 韓国 ○ 1,007 16位 オランダ 783 17位 トルコ ○ 742 18位 インドネシア ○ 707 19位 スイス 524 20位 ポーランド 469 21位 ベルギー 466 22位 スウェーデン 456 23位 サウジアラビア ○ 444 24位 台湾 431 25位 ノルウェー 414 26位 オーストリア 377 27位 アルゼンチン ○ 370 28位 南アフリカ ○ 357
はG7、これにロシアを加えてG8となった。
はBRICS
はMIKT ○はG20 Brazilのルセフ大統領、Russiaのメドベージェフ大統領、Indiaのシン首相、
Chinaの胡錦濤国家主席の新興4カ国(BRICs)にSouth Africaのズマ大統領
を新たに加えた新興5カ国(BRICS)の首脳会議が2011年4月に中国海南省の
三亜市で開かれた。2011/4/23 BRICsからBRICSへ