Nicholas Shaxson タックスヘイブンの闇 "Treasure Islands: Tax Havens and the Men Who Stole the World"
プロローグ 植民地主義 エルフ・アキテーヌ とガボン
第1章. オフショア入門
三大オフショア
欧州 スイス、オランダ、リヒテンシュタイン、モナコ、アンドラ
“City” 王室属領(ジャージー、ガーンジー、マン島、ケイマン諸島)、
ケイマン、バミューダ、ヴァージン諸島、タークス・カイコス、ジブラルタル
香港、シンガポール、バハマ、ドバイ、アイルランド
米 連邦レベル 免税、守秘
州レベル
米領マーシャル諸島、マーシャル諸島
その他.
国際化→ 二重課税・課税ルール差異 →二重非課税システム
源泉地(途上国)保護か、居住地国(先進国)保護か
1980年国連 モデル租税条約草案
OECDの介入 OECDモデル(居住地国に多くの権利)
第2章 法律的には海外居住者
英国 Vestey 兄弟
ヴェスティ・グループは、4世代にわたり、ヴェスティ・ファミリーが100%出資し、本社はロンドンに所在しています。1897年ウィリアム・ヴェスティとエドモンド・ヴェスティの2人の兄弟は、産業革命により人口が急増する英国の食糧需要を満たす為には、海外から大量かつ高品質な食品を調達する必要があることに目を付け、事業を開始しました。
1897年には自分たちの会社「UNION COLD STORAGE COMPANY」を設立し、アメリカからの食糧調達に続き、鶏肉・鶏卵や乳製品を現ロシアからも調達しました。兄弟は、チルド・冷凍倉庫の容量不足を認識し、英国内のリバプール、ハル、ロンドン、 グラスゴーに次々と冷凍倉庫を設立し、この冷凍倉庫事業はやがて、パリ、モスクワ、ペテルスブルグ、ウラジオストック、リガ(現ラトビア)、ニューヨーク、ヨハネスブルグ(南ア)へと拡張していきました。
1905年、2人は中国に初めての鶏卵加工工場を設立しました。この工場は後に設立された4つの工場とともに、英国、アメリカ、ヨーロッパ各国の製パン業者にエッグパウダーとして、その後約50年間にわたり供給されていく礎となりました。
この鶏卵製品の輸送を管理するため、1911年、兄弟はニュージーランドから1艘の古い冷凍船を調達し、英国に搬送する際に利用しました。やがて冷凍船は9艘になるまで事業は拡大し、のちに冷凍船事業では世界でも名実共に最大であった「Blue Star Shipping Line」の設立へと発展していきました。
1913年から1920年までの間、2人は英国に牛肉を調達する為に、ヴェネズエラ、オーストラリア、ブラジルに牧畜用の土地と冷凍倉庫を確保し、さらに冷凍倉庫設備をニュージーランド、アルゼンチン、マダカスカルに建設しました。
冷凍倉庫に加え、英国においては食品問屋と小売のネットワークを確立し、最盛期の食肉小売店の数は2500にも及びました。
百年の後、現在にまでその事業は展開を続け、今日その事業はブラジル・ヴェネズエラでの農畜産事業、および食品のトレーディングと物流機能については、南米・ヨーロッパ・中東・極東アジアにおいて構成されています。
膨大な利益を海外に蓄積、英国では税金を払わず。
英国に戻っても、課税を拒否、追及され、「信託」利用。
第3章 スイス
1934 銀行の守秘義務
ユダヤ資産保護のためとするが、嘘。
中立は国の分裂回避策(独系、仏系、伊系)
政治難民保護(人種難民は除く)
第二次大戦中もドイツとの関係米国による銀行守秘義務解除案に英国が反対(英国の銀行に波及)
戦後、スイスが英、仏に資金援助
第4章 Keynes
米国による英帝国破壊に抵抗
Keynes 財の自由な移動は金融が政府に規制されている場合にのみ可能
or 気まぐれな資本急増が危機を頻発、経済成長を阻み、貿易を混乱させる
民主主義 ⇔ 自由な資本移動米国の銀行 これを骨抜き
IMF協定 初期案では 資本逃避について協力「しなければならない」→最終版 「してもよい」
第5章 ユーロダラーというBigger Bang
1955年 Midland Bank で奇妙な取引
外貨預金受入は許されていなかったが、米ドル預金受入(為替管理法令違反)England銀行 警告するが、圧力かけないことを決める。(国際ビジネスの新しい分野をつぶしたくない)
英国 1956/7 スエズ国有化に対し、侵攻するも、撤退
England Bank ジョージ ボルトン 規制しないと決め、他国が規制することを防ぐ ユーロダラーの誕生
1957 モスクワの銀行が預金したのをきっかけに、ソ連資金が流入
1986年のBig Bang の影響の数倍 Bigger Bang
Offshore Islandに変貌米国の銀行 米国銀行法規に縛られないことに気づく Glass-Steagall Act
1963 ユーロボンドの誕生 規制のかからないオフショア無記名債券
England Bank どれほどhot money を嫌っていようと、 国際銀行である限り資金受入を拒否できない新しい手口 印紙税回避でアムステルダム空港でユーロボンド発行、英所得税回避で債券のクーポンはルクセンブルグで換金
オフショア金融のメリット 預金準備が不要、全額利用可能、
10-20%は事実上の永久資本 死んでいるか、引き出すリスクが高過ぎる。 殺されたユダヤ人の財産の抱え込みEngland Bank 規制すれば責任 それなら規制しない方が
第6章 クモの巣の構築
内側の環 ジャージー、ガーンジー、マン島 欧州に照準
カリブ海 米国に照準
その他 グローバル
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カリブ海 米国 ランスキー構想 マフィアのカネの洗浄 バハマ→ケイマン
英国大蔵省 Tax Havenに反対
England Bank 応援 英国が守られる限り、他国の資産が略奪されることに異存なし
自治権があるため、何も出来ないとの口実
第7章 アメリカの陥落
オフショア利用拡大
繰延べ税金 利益を持ち帰って初めて課税
1981/6 International Banking Facility (IBF)
国内で、準備金規定にも市税、州税にも縛られず、外国人に融資
Dutch sandwich オランダ領アンディルに金融子会社、非課税ユーロボンド発行、収益を米へ(租税条約で非課税) IRS黙認
ワイオミング州とデラウエア州 守秘
第8章 途上国からの莫大な資金流出 「他を犠牲にして誘致」
BCCI事件
二重非課税 二重課税防止、利益をTreaty Haven に
第9章 オフショアの漸進的拡大
ネブラスカ(上限金利18%) ミネソタ(12%) ネブラスカの銀行はミネソタ住民に18%金利を輸出できるか? 連邦最高裁 できると裁定
サウスダコタ 上限金利規定を廃止 S.ダコタ法人になれば全土でクレジットカード事業展開可能に
デラウエア州が真似るデラウエア 逆進課税制度と上限金利廃止で銀行誘致
ジャージー 特殊有限責任パートナーシップ法 Price Waterhouse パートナー保護(監査責任の訴訟での連帯責任回避) Arthur Andersen 破綻の要因
次に英国で (通さなければジャージーに移転すると脅し)Partnershipでの税法上のメリットと、限定的情報開示の特権を享受しながら、有限責任という特権も。
カナダ、NZ、豪、日本、インドと次々
米国では1991年にテキサス州でLLP法、4年足らずで半数の州がLLP認める。 エンロンやWorld Com破綻、
第10章 抵抗運動
1998/4 OECD報告書
Tax Havenとそれに関連するオフショア活動は、「他国の課税基盤をむしばみ、貿易や投資のパターンを歪め、課税制度全般の公正さ、中立性、幅広い社会的受容を損なっている。このような有害な租税競争は世界の幸福を減少させ、課税制度の完全性に対する納税者の信頼を損なっている」
OECDのブラックリストに加盟国は含まれず スイス、ルクセンブルグ、米、英
OECD 敗退
第11章 オフショアの暮らし
第12章 怪物グリフィン a legendary creature with the body of a lion and the head and
wings of an eagle
大英帝国崩壊 − オフショア・ユーロ市場
City of London Corporation ・・・ Offshore Island
シティー・オブ・ロンドン自治体◆シティー(City of London)は独立した自治体で、独自の警察を持ち、毎年市長が選出される。2005年にそれまでCorporation of Londonと一般に呼ばれていた名称を改めた。
topはLord Mayor
(Greater London のtopは Mayor, City of London を含むが、権限なし)
1986年Big Bang オフショアとしての地位をアップ
守秘性 スイスは違反を犯罪に、英は別 オフショア法人が英企業の取締役になりうる・・・本当のオーナー分からない。
非永住者(英居住だが本籍が英以外:non-domicile) 英の所得のみに課税
むすび われわれの文化を取り戻そう
透明性の向上
途上国のニーズを優先させる改革
イギリスのクモの巣の解体 Global Offshore Systemの最重要、最侵略的要素
オンショアの租税制度改革 地価課税:棚ボタ利益(Rent)への高率課税、鉱物資源国の棚ボタ利益の分配
リーダーシップと一方的な行動
仲介業者や個人のオフショア利用者への対処
金融部門改革
企業の社会的責任見直し
腐敗についての見直し
文化を変える必要