日本経済新聞 2005/9/9
中国、日本からの廃プラ輸入再開
【北京=飯野克彦】中国で品質管理などを主管する国家質量監督検験検疫総局は9日、日本からの廃プラスチックの輸入を再開すると発表した。同局によると、2003年末から04年初めにかけて、山東省で日本から輸入した廃プラから有害物質がみつかり、有害廃棄物の輸出を禁じたバーゼル条約に違反するとして04年に輸入を禁止していた。
日中の当局者が協議した結果、問題となった廃プラは今年8月にすべて中国から持ち出されたうえ、日本側が輸出の際の適切な処理を保証したことから、輸入再開を認めたという。
中国経済新聞 2005/9/15
日本からの廃プラスチック輸入再開 9月20日から 企業登録制実施
輸入再開後、日本の廃プラスチックに対する検査検疫監督管理を強化するため、同総局は海外の供給企業に対して登録管理の措置をとる。現場を検査し、品質保証システムが整い、取扱規模がかなり大きく、信用度の良好な企業の登録を認める。また輸入廃プラスチックの船積み前検査措置と厳格な通関検査措置を実施する。国の環境基準に合致しない貨物やうそや詐欺行為が見つかれば、規定に従い直ちに処分を行い上級機関に報告する。
同時に追跡監督管理を通じ、登録された日本の供給企業が中国の廃棄物原料輸入に関する管理法規を順守するよう要求する。
Yahoo news 2004/5/17
再開
中国が廃プラ輸入一時停止 環境省など現地調査へ
中国政府が、日本から輸出された廃プラスチックの中に環境基準などに適合しないものがあったとして、日本からの輸入を一時停止する措置を取ったことが分かり、環境省と経済産業省は17日、事実関係の調査のため職員を現地に派遣することを決めた。
中国政府は今月8日付の公告で「日本から船で持ち込まれた廃プラの中に、危険性のある廃棄物が隠されていたことが分かった」と指摘。日本からの廃プラ輸入関連の検疫手続きを停止するとしている。
これを受け、北京の日本大使館職員が、青島市などを訪れ、中国側が問題とした廃プラの一部を調べたところ、危険性のある廃棄物は見つからなかったが木くずやゴムなど異物の混入があった。
環境省は廃棄物担当の職員を派遣して問題の廃プラを詳しく調べ、有害廃棄物の輸出入を禁じたバーゼル条約や廃棄物処理法違反がないか調査。中国側からも事情を聴き、対応を検討する。
「人民網日本語版」 2004年5月31日
中古プラスチックの輸入停止措置で日本企業が苦境に
日本の回収プラスチック関連の企業180社で構成される「全日本プラスチックリサイクル工業会」はこのほど、日本の経済産業省に請願書を提出し、同省が中国と協力して、中国が日本からの回収プラスチック輸入を一時停止したことによって引き起こされた多くの関連問題を迅速に解決するよう要請した。
国家質量監督検験検疫総局は今月初めに出した公告で、輸出入商品の検査法とその実施条例、出入境検査・検疫におけるリスクの警告と迅速な対応に関する管理規定などに基づいて、日本から輸入する回収プラスチックの登録検査と関連の検査・検疫手続きを一時停止すると発表した。すでに検査手続きをすませている場合は、関連機関が厳重な検査を行い、条件に合わない貨物は一律に通関を認めないとした。特定の国からのリサイクル原料輸入を全面的に停止するのは、中国では今回が初めて。
措置が取られた原因には、今年3月下旬、九州のある企業が山東省青島市に回収プラスチック
6千トンを輸出した際、「バーゼル条約」に違反したことがある。同企業は合格基準を満たした少量のプラスチックを貨物の最上部に置き、規定に満たず、利用価値もない大量の有害廃棄物をその下に隠すという詐欺まがいの手段で輸出し、現地の環境に深刻な汚染をもたらした。中国で起きた深刻な廃棄物被害事件としてはこのほか、1996年4月に米国が古紙の輸出を名目として中国に有害廃棄物を送り込んだ事件がある。
措置の発表を受け、回収プラスチックの輸出を扱う日本企業はたちまち苦境に立たされた。全日本プラスチックリサイクル工業会のおおまかな統計によると、中国に回収プラスチックを輸出している日本企業は300社以上あり、売上高は年間約300億円に上る。「プラスチック処理促進協会」のデータによると、2003年の日本の回収プラスチック輸出量は68万トンで、3年前に比べて倍増しており、うち9割以上が中国に輸出されている。このほか、日本人の生活になじみの深い「100円ショップ」のプラスチック製品は、多くが中国から輸入された再生プラスチック製品だ。全日本プラスチックリサイクル工業会の中村昌光副会長は「輸入一時停止期間中の回収プラスチックの保管料だけでも巨額の負担になる。大多数の中小企業はたちまち破産の危機に直面する」と述べた。