平成18年9月8日 外務省

経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の署名等について

 我が国政府は、9月8日(金曜日)、閣議において、
経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定(以下、「日・フィリピン経済連携協定」)の署名等に関する決定を行った。
 この閣議決定を踏まえ、近くフィンランドのヘルシンキにおいて行われる日・フィリピン首脳会談の際に、小泉純一郎総理大臣とグロリア・マカパガル・アロヨ大統領との間で日・フィリピン経済連携協定及びその実施取極並びに「共同声明」に署名が行われる予定である。
この日・フィリピン経済連携協定の締結により、貿易及び投資の自由化及び円滑化が推進されるとともに、幅広い分野において我が国とフィリピンとの間で互恵的な経済連携を構築することを通じ、両国経済が一段と活性化されることが期待される。


(参考)
 日・フィリピン経済連携協定は、2003年12月の日・フィリピン首脳会談における合意を受け、2004年2月より協定交渉が開始された。2004年11月、両国の首脳により、本協定の主要点について大筋合意に達したことが確認された。その後、協定案文の最終確定作業が行われていた。


朝日新聞 2006/9/10

日本、フィリピンと経済連携協定に署名

 アジア欧州会議(ASEM)首脳会議のためフィンランド訪問中の小泉首相は9日夕、フィリピンのアロヨ大統領と会談し、自由貿易協定(FTA)を含む日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に署名した。看護師と介護士の受け入れを含むのが特徴で、国会承認を経て来年春にも発効する予定だ。日本のEPA締結はシンガポール、メキシコ、マレーシアに次いで4カ国目。

 両首脳は「新たな連携で東アジア共同体形成の基礎が築かれるよう努力する」などとした共同声明も出した。

 EPAは、物品関税やサービス分野の貿易障壁を撤廃するFTAだけでなく、人・資金の移動自由化や知的財産権の保護など経済関係を幅広く強める仕組みが含まれる。

 看護師と介護士については、今後、日本側が受け入れ人数を決め、日本の国家資格取得に向けた訓練環境も整備する。

日本の経済連携協定(EPA)交渉
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/pdfs/kyotei_0602.pdf

(平成18年9月)

*GCC=Gulf Cooperation Council
 ペルシャ湾岸のアラブ6ヶ国(サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン)から成る地域協力機構。

日本経済新聞 2007/11/20

経済連携協定 日・ASEAN最終合意 薄型TVなど関税段階撤廃 コメ・乳製品は除外

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は19日午後、シンガポールで経済相会合を開き、経済連携協定(EPA)の締結で最終合意した。日本はコメ、乳製品など農産品の一部を対象から外した上で、鉱工業品を中心に輸入額で9割以上の関税を即時撤廃。
ASEAN主要国も薄型テレビや自動車部品などの関税を10年間で段階的に撤廃する。
 EPA締結の最終合意は21日の日本とASEANの首脳会合で確認、来秋の発効を目指す。EPA発効により、日本の国内総生産(GDP)は1兆1千億ー2兆円押し上げられる見通し。ただ、EPA交渉では中国や韓国が先行している。東アジア経済圏へ向けた日本の今後の通商戦略は不透明な状況だ。
 最終合意によると、日本側は農産品と鉱工業製品をあわせたASEAN10カ国からの輸入額の90%以上の関税を協定の発効直後に撤廃。さらに13%分を5年から10年かけて撤廃する。削減も撤廃もしないのは、コメ、乳製品、肉類など輸入額の1%にとどめる。
 ASEAN側はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイの6カ国が輸入額の90%以上の関税を10年以内に、ベトナムは15年以内に撤廃する。カンボジアなど残りの3カ国は輸入額の85%の関税を18年以内になくす。