2013/6/4 日経ホール

日本経済研究センター50周年記念国際セミナー、「持続可能な開発と企業の役割」

経済成長と環境保護の両立、社会的な平等の促進、そして貧困の撲滅など国際的な課題解決にあたって企業の果たす役割がますます注目される。企業と政府や国際機関、NPOとの連携の在り方などを考える。

 

Jeffrey Sachsの基調講演

温暖化問題。

Anthropocene
人類 世 anthropo- (“man”) + -cene (“new”)

ジュラ紀や白亜紀が「恐竜の時代」と呼ばれるように、今の「人類の時代」を呼ぶ造語で、オゾンホールの研究でノーベル賞を受賞したPaul Crutzenが提唱。単一の生物種が地上の形態や化学物質の分布、生物学的な環境を急激に変え、しかもその事実を自覚しているという事態は、約47億年の地球の歴史の中でも過去に例がない。

Planetary boundries

「人類が安全に活動できる領域」で、この境界を越えると、たとえば、温暖化の進行に伴う北極圏の氷河・海氷域の後退のように、大陸・地球規模で、非線形かつ突然の環境変動が起こる危険性がある。

 

by a team of environmental scientists led by Johan Rockström from the Stockholm Resilience Centre and Will Steffen from the Australian National University.

CO2350ppmで海面上昇、氷河が溶ける。ハワイで既に300万年で初めて400ppm

CO2
が海に溶けてH2CO3が発生、海洋の酸性化で海洋生物に影響   

 肥料(チッソ、リン酸)が川を通じて海へ

地下水くみ上げ 淡水枯渇

大気汚染物質

人口増加

洪水、干ばつ

大統領選で気候変動についての言動は一切なし、石油会社の「問題なし」PR。

対策:Low carbon energy へ
   Renewables -- solar, wind, hydro
             safe nuclear power
            CCS

from MDGs (Millenium Development Goals) からSDSs(Sustainable Development Goals)へ

企業が政治を動かす現状。Lobbying廃止、tax haven 廃止せよ!

トヨタ、住友化学、ソニーなどの貢献。


三井物産 木下雅之専務

 モザンビークの天然ガス開発 石炭火力なども

 エネルギー分野(化石燃料、再生燃料、省エネ・・・)

 水事業(メキシコの下水処理、排水処理)

 マレーシア Smart city計画

   Sachsが激賞 すべての要素を持つ、ODA対象にしてall Japanでやれば?
  アベノミクスの3本目の矢になりうる。

2013年5月31日

三井物産は、2013年5月20日に三井物産100%出資の持株会社を通じて、マレーシア国ジョホール州メディニ地区の都市開発を担うMedini Iskandar Malaysia Sdn Berhad株式の19.99%を取得しました。

三井物産は、子会社を通じて、MIM社株式を75%保有するIskandar Investment Berhad(マレーシア国策投資会社であるKhazanah Nasional Berhadが60%株式を保有)から同株式14.99%を、また同株式を25%保有する都市開発会社United World Infrastructure LLC、本社:米国から同株式5%を取得したものです。

MIM社は、2006年からマレーシア政府が開発を主導するイスカンダール開発計画(面積 約22万ha)の一部地域であるメディニ地区(面積 約908ha:内MIM社の現保有面積 約132ha)の土地開発、販売、リース及びインフラ整備を行い、魅力的な街づくりを目指しています。既にメディニ地区には東南アジア初のLEGO LANDテーマパークが開園しており、街造りが始まっています。イスカンダール地区は、成長著しい東南アジアの中心に位置するシンガポールに隣接し、今後発展が見込まれる注目度の高い地域です。また、MIM社は、環境に配慮したスマート化の基盤を設置していくことで新たなサービス事業を創出し、メディニ地区の持続的な経済発展を図る予定です。

三井物産はこれまで、環境問題・新興国での都市化問題・天然資源枯渇問題に対しての有効な解決策として、スマートシティを全社横断的に検討してきました。その結果、都市・不動産開発、インフラ整備からスマート化サービスといった範囲迄、多層的・総合的にスマートシティ開発に取り組むこととし、それを実践する場としてメディニ地区のマスターディベロッパーである、MIM社へ出資参画することとしました。マスターディベロッパーへの出資を通じて、インフラ事業及びタウンシップマネジメント事業への展開を図った上でスマート化に向けたプラットフォームを確立し、本邦企業を中心とした優れた技術・サービス機能をインテグレートし、快適性・利便性・安全性を追求したスマートシティという都市開発の新しいブランドの確立を目指します。中期経営計画の重点施策として、環境問題の産業的解決に向けた新ビジネスへの取り組みを掲げると共に、アジアを不動産事業の重点領域の一つとしており、本件を通じて、利便性が高く、持続的かつ低炭素な社会を実現し得るスマートシティ開発における新たなビジネスモデル構築を進めるものです。

なお、本件は昨年10月に新設されたイノベーション推進案件制度の第二号案件となります。
イノベーション推進案件とは、「次世代ビジネスの創造」に向けた施策として新たに設定された案件分類で、予測不可能な不確実要因を含むが長期的視点からみて利益を生み出すと思われる案件です。従い、当社規定に定める投資基準、撤退基準を一部適用除外し、長期タームでのビジネスへの取組が可能となる制度です。本件は、今後20年の長期に亘る大規模都市開発であり、次世代の都市の在り方を体現しようとする先進的な案件であることからイノベーション推進案件となりました。

また、カザナ・ナショナル社とは、IHH Healthcare Bhd.社への共同出資を通じてアジアを中心とする病院事業での協業にも取り組んでいます。

東大 澤田康幸教授

重心がアジア、アフリカへ
中間層はアジアが中心 南アジアも極貧が減

ODAの役割大きい。

住化のOlyset net インパクト評価

http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Project/2011/pdf/2011madagascar2.pdf

 

http://www.jcie.org/japan/j/pdf/pub/publst/1436/fgfj-pandemic/sec2_5sumitomochemical.pdf

http://www.janic.org/mt/img/activity/minutes_olysetnet_publicmeeting.pdf

 

澤田教授論文 開発経済学と自然災害

http://www.hit-u.ac.jp/kenkyu/file/24gcoeken/sawada.pdf

 

 

vol.4 オリセットネット事業を通じたアフリカ支援

 

2009年7月9日、日本経済新聞社で住友化学代表取締役専務執行役員、高尾剛正氏をゲストスピーカーに迎え、「オリセットネット事業を通じたアフリカ支援」と題する講演をいただいた。

講義内容

(1)オリセットネット事業

オリセットネット事業は、マラリアからアフリカの子ども達を救い、快適な生活環境を提供することを目指している。同時に現地雇用の創出、地域経済への貢献にも資する事業で、製造技術の無償供与、アフリカでの現地生産を実現している。

世界保健機関(WHO)は当初、既存の蚊帳に薬を何回もしみこませて繰り返し使用するよう指導することで、住民参加型の持続可能なシステムをつくろうとした。しかし、再処理が面倒で、この方法はうまく機能しなかった。そこで、注目されたのが、ポリエチレンに薬剤を練りこんだ長期残効型蚊帳のオリセットネットで、WHOから推薦を受けた。このWHOの方針転換が大きい。

(2)タンザニアで生産開始

2003年からタンザニア・アルーシャのA to Z Textile Mills社にオリセットネットの生産技術を無償提供、2003年から年間1,200万張の生産開始。WHOの方針転換を機に07年からは JBIC(国際協力銀行)の資金提供を受け、A to Z 社と合弁でVector Health International 社を設立。年間670万張の生産を始めた。合計の生産能力は1,900万張で、従業員数4,000人以上となっている。

(3)ミレニアム開発目標

国連が進める途上国支援のプログラム、ミレニアム開発目標の8目標のなかに、「マラリア撲滅」が入っており、オリセットネットはこの面で貢献できる。05年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で当時の米倉弘昌社長が、この蚊帳を紹介したことで、内外の注目が集まり、事業が飛躍的に発展した。

(4)今後の生産体制

オリセットネットの生産体制は、タンザニア、ベトナム、中国を合わせ現在、3,800万張だが、既存設備の生産能力増強、西アフリカに製造拠点設置、エチオピア等に縫製工場展開などで、年間6,000万張体制にもっていきたい。

(5)アフリカ支援活動

ミレニアム開発目標実現のため設立されたNPO、ミレニアム・プロミスを支援。具体的には、エチオピア、ガーナ、ケニアなど10カ国、100村でのモデル村、ミレニアム・ビレッジでのオリセットネット33万張提供。オリセットネットの売り上げの一部を活用し、校舎、休職設備を建設、教材、パソコン寄付。NGO、ワールドビジョンとも協力。途上国の飢餓や栄養失調と先進国の過食、肥満を同時に解決しようという日本発の社会貢献活動、Table for Two のアフリカでの取り組み。

議論

質疑応答と議論は以下の通り

 

GSR的な活動としては、日本でもっとも有名な事例とあって、参加企業の関心は高く、議論は沸騰した。ビジネスとCSRの関係、国連との連携という意味でも、典型的な成功事例といえよう。アフリカ・ビジネスの最大の障害ともいわれる賄賂などについても、間に国連が入ることで、まったく、そういう要求はなかったようだ。アフリカでは、オリセットネットはもはや「有名ブランド」。今後のビジネスに是非生かしてほしいものである。また、これほどのヒット商品を出した研究者は社内で大いに評価してあげてほしいものだ。

(文責・副主査兼事務局長 原田勝広)

スイスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会に出席したシャロン・ストーンが、ベッドに取り付ける蚊帳を購入する資金を寄付した。ストーンは、アフリカで毎月15万人の子供たちがマラリアのために死んでいる事実を知り、即興で1万ドルの寄付を申し出た。同時に、他の出席者に対して「ただ、立ち上がるだけでいいのです」と寄付を呼びかけ、5分間でおよそ100万ドルの寄付を集めた。この席には、国連親善大使のアンジェリーナ・ジョリーも出席しており、ストーンの行動について「素晴らしいわ」とコメントした。

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米女優シャロン・ストーンの迫力で5分間に100万ドルの寄付集まる!

 
 スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」の会議場で、「氷の微笑」で有名な米女優シャロン・ストーンさんが突如マイクを握った!

 このとき会議場の壇上ではタンザニアのムカパ大統領がマラリア防止のための蚊帳(かや、虫除けのネット)などの購入に各国の政財界の聴衆にODAの増額を訴えていたが、反応はイマイチの状況。 このとき、壇上には英国蔵相やマイクロソフトのビルゲイツもいたそうです。

 突然立ち上がった彼女は、「私はシャロン・ストーンと申します。マラリアを運ぶ蚊からアフリカ人の子供を保護するために、ムカパ大統領に1万ドル寄付します。 私に賛同する人、立ってください」と叫んだ。

 この行動により、会場は騒然となったが、なんと5分間で100万ドルの寄付が集まったそうです。  また、英国のブレア首相は後日、8500万ドルを寄付することを発表したそうです。  彼女のような行動力のある人が世の中を動かすんですね〜政治家にもこのような人が増えて欲しいと思います。 しかし、すごい迫力だったんでしょうね〜

 

Sharon Stone raised $1 million in five minutes Friday for mosquito nets in Tanzania, turning a panel on African poverty into an impromptu fund-riser.

About an hour into the panel, when a U.N. official said 150,000 African children were dying of malaria every month because they didn't have bed nets,

Stone suddenly rose from her seat
in the audience.

"I'd like to offer $10,000 to help you buy some bed nets today," Stone told Tanzanian President Benjamin William Mkapa, who was on the panel along with Microsoft founder Bill Gates and others.

Stone then implored others in the hall — packed with several hundred well-heeled executives and political leaders attending the World Economic Forum — to reach into their pockets.

"Just stand up. Just stand up. People are dying in his country today," she said. "And that is not OK with me today."

Immediately an unidentified man promised $50,000.

Around 30 others quickly followed, and within five minutes, Stone had raised $1 million, said Sen. Bill Frist, the Senate leader who moderated the panel discussion on how rich nations can best fund the war on poverty.

"How many bed nets will a million dollars buy?" he asked the crowd, which erupted into applause. The money will go to the Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria.

The nets, a simple method to help protect from malaria-carrying mosquitos, can be had for as little as $7 for pretreated models that last up to five years.

As Stone appealed for money, Mkapa sat smiling in his chair on the podium.

Also in the audience was actress Angelina Jolie, a United Nations goodwill ambassador for refugee issues, who later said she thought it was "wonderful" what Stone had done.

"We can all contribute in our own way," she told The Associated Press.

Jeffrey D. Sachs, who is leading UN anti-poverty efforts and who was speaking when Stone stood up, said before the session he intends to meet with bed net manufacturers to speed up production.

"There's actually donor money coming in, but there's a bottleneck in production because there are only two or three companies right now that really have this technology to make these high-quality nets," he told The Associated Press.