小島 明 アベノミクスと日本経済再生へのシナリオ
 2013/7/1 GRIPS Forum

 

20年停滞と15年デフレ

1991年バブル崩壊、

 

1998年問題 デフレ開始 Deflation Syndrom

 1997/11/3 三洋証券、更生法申請 → 金融パニック→銀行の貸し渋り→企業の賃下げ→可処分所得の減
 →市場縮小(合成の誤謬)

 

 @ 銀行の貸し渋り、貸し剥がし

 Aリストラ、賃下げ

 B可処分所得の減

 C企業家精神のデフレと企業体力・競争力の激化

 

悪影響  資産価値下落 1500兆円

 

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アベノミクス

三本の矢
 大胆な金融緩和政策
 機動的な財政政策
 成長戦略

期待と意識に前向きな変化の兆し

期待が行動変化に結び付くか?

悲観主義の払拭が可能か?
 悲観主義は敗北主義

  背景に、政治の流動化、政治のリーダーシップ低下

  Feldmann's CRIC cycle hypothesis

 Crisis Response(対応)ImprovementComplacency(体質変わらぬまま満足・怠慢)Crisis -----

これからの離脱が必要

リスクは、構造改革の遅れと財政問題・国債市場

  長期的な明確な政治意思がなければ、国債市場は波乱。
   国債暴落は経済危機につながる。

 

 

問題点

  スマイル・カーブ

                                  ↓

 

  マザーマシンの国内需要の減(アジアほかへの輸出増=競争力の全世界への輸出)と国内設備の老朽化

  日本の設備の老朽化

 

日本の輸出入は特定企業のみ

貿易依存度(輸出入/GDP)は28%で、180か国中、175番目
  世界平均 52%、ドイツ66%、韓国97%、カナダ53%、中国505、英国45%、インド40%

FTAカバー率19%(政府目標 2018年までに70%へ) 

東京市場で上場する外国企業
  1991/12 127社 ⇒ 2010/10 12社

 

 

◎ 危機を成長への原動力に

   1973 石油危機 → 省エネ投資

   1970 Muski Act(Soxを5年で80%減) → ホンダ SVCCエンジンで期限前に達成

   中国によるレアアース輸出規制

   日本企業の6重苦 
     法人税率、雇用規制、環境規制、電力料と供給不安、FTA経済外交の遅れ、円高

 

 貸さない銀行、投資しない企業

日銀が金融緩和しても、貸さずに国債購入

Risk money (Venture capital)が必要 (担保金融ではなく)
 金融のシステムモデルが未構築
 外資はあてにならない(短期投資のみ)

 

企業も投資をせず。

  講演にはなかったが、アベノミクスは期待だけで終わる可能性。

安倍首相がデフレは貨幣現象といっている限り、本気で三本目の矢の成長戦略が実行できない。

安倍晋三首相は2013年2月7日午前の衆議院予算委員会で、デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられるとの認識を示した。民主党の前原誠司委員の質問に答えた。

人口が減少するなかで、構造問題を解決しないとデフレは脱却できないのではないかとの質問に、安倍首相は「人口減少とデフレを結びつける考え方を私はとらない。デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる。人口が減少している国はあるが、デフレになっている国はほとんどない」と答えた。

白川前総裁の言うとおり、潜在需要の顕在化が必要で、それには抜本的な規制改革が必要。

政治が本気で取り組む必要あり。